el_snowの日記

日常の気になった事や思う事、気に入ったオーディオ機材のレビューを思うままに書いています。

KZ フラグシップ 1DD7BA ZAS レビュー 結論:KZサウンドの完成形?

今回はKZ ZASの「箱出しの感想」です

レビューブログとしては本筋ではないのですが、先日言った通りイヤホンはひと様の作った商品をレビューするにあたって、かなり時間をかけて聴いて書くように心がけているのですが、時間的に余裕が無いということが多いので簡単ですが書いて行きたいと思います。なのでこのタイトルのレビューはあくまで最初の感想なので時間が経ったり聴く曲が少ないことで後に評価が変わったりすることがあることをご了承ください。

っとこれを書いてから本文を書きおわったらがっつり書いていましたw。ので普通のレビューとしてお読みいただければ幸いです。

 

購入先はAmazonのオフィシャルストアで約8000円でした

 

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付属品について

いつものKZですがいつもの付属品に加えて変なプレートが付いていました。実はKZのラインナップについては詳しくないのですがフラグシップにはプレートが付いてくるそうです。

付属のケーブルですが、通常のKZの物よりもアップグレードした8芯のもの(DQ6の物よりさらに良いもの)が付いておりかなり質感が良くなっていました。音は別にしても手触りも良く見た目も綺麗で絡まりにくくなっています。ケーブルスプリッタの部分もコンパクトになっており、かなり高級感があります。

せっかくなので写真に最近のKZ系?っと思われるケーブルを並べています。

左 ZAS付属 銀メッキ銅線 8芯 手触りスベスベ
中 DQ6付属 銀メッキ銅線 4芯 手触りネトネト
右 DC1 (コーヒー豆)付属 銅線 4芯 手触りネトネト

DQ6ではケーブルがやや太くなったことに加えて銀メッキ銅線に変わることで音質について訴求していたと思います。そして今回のZASはそこに加えて8芯に変わり、プラグ、スプリッタ、ケーブル質感全てがグレードアップしています。今までは手触りがネトネトしていることでケーブルが絡まりやすいので実用上に問題が出ていましたが今回はスベスベになったことで絡まりにくくなりそのまま使えるレベルになったと思います。総合して使い勝手が良くこのまま使っても良いと思える人が多いのではないでしょうか。私はこのケーブルだと音を変えたいという要望以外では変更する必要はないと思いました。

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付属のイヤーピースは相変わらずいただけませんでした。DQ6と同じタイプのペラペラのものが付いてきており、フィットせず、使い物になりませんでした。あのイヤピはフィットする人はいるのでしょうか?私は見たことがありません。。。なので仕方なくSednaのEarfit Lightを使いました。こういうイヤピ交換必須のイヤホンはメーカーの音作りの方向性が見えにくいのでやはりどうしても好きになれませんね。このあたりは中華クオリティから抜け出せていないなぁと思いました。

一方でビルドクオリティはDQ6から継続して、数年前と比べるとかなり向上してきています。シェルの見た目、バリの無さ、加工面の美しさ、成型の誤差と表面、材質、どれをとっても7,8千円と考えればかなり良質です。一昔前の雑な造りを考えればかなりの良好で見た目ではほぼ非の打ちどころがありませんん、良い製造機材を導入したのでしょうか。

一方で目に見えにくい部分であるシェルの中身についてはまだまだいまいちという印象です。今回は中が透けて見える透明なシェルを選んだのですが、左右でネットワーク基板が配置されている場所が微妙に違います。これがどの程度音質に影響するのかは不明ですが、精神衛生上あまりよくないのは間違いありません。また、7つのBAが透けて見えるのですが接着?配置している周りの加工面が見た目にあまり美しくありません。このユニットが音導管の変わりをしていると思われるため、空気の容量によって音が若干変わるはずなのでこれもあまり精神衛生上良くはありません。たまたま私の個体はそこまで気になる程度ではなかったのですがTwitterを眺めればかなり違う場所に基板が配置されていた方もいらっしゃったのでこのあたりは気になるところです。さらに言えばこれは透明なシェルの場合であればこそ分かったことで、不透明のシェルを選べば見えません。逆に気にせずに済むといえばそうなのですが、なかなか色選びも難しいという印象を持ちます。とは言え同価格帯でこれほどBAを積んだイヤホンは同じ競合の中華メーカーしかありませんので、コストパフォーマンスの高さは折り紙付きだと思います。

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肝心の音について書きたいと思います。

基本的にはいつも通りQ5sTCで聴いている以外は前述の通り、イヤーピースのみ変更しています。

 

良かった点

まず音質についてですが、一聴して今までのKZには無い完成度の高さを感じたことを告白します。この価格帯らしくバランスはドンシャリ、低音は深く重いところまでは出ませんが量感とキレのバランスが絶妙です。高音はキツイと感じるギリギリの塩梅を絶妙にバランスしてきており、女性ボーカルなども刺さるか刺さらないかのラインを出してきています。このため曲にもよりますが、人によっては刺さるという方もいるかもしれません。中音も迫力がありボーカルの良さを実感できる際と暑苦しさのギリギリの調整を実現してきています。そしてこれらのバランスが非常に巧妙なためか、音と音にリズム感があり、テンポが良いので所謂ノリが非常に良く音楽を聴いていて楽しくなる音像を持っています。よくある中華の暑苦しい(ゴリラサウンド?)からノリの良さを足したような新しいKZの進化系を体現したかのような音作りです。音場もこの価格帯にしては十分な左右の広さはあり高さ、前後感について申し分ないように思えます。解像度も価格帯にしては十分な表現力を持っており、ボーカルや楽器の分離感についても音場の広さもあって非常に気持ちが良いです。女性ボーカルも解像度高めで鳴らしてくれるため好みは出ますがアニソンなんかも普通に聴けてしまいます。

また、マルチBAということでDQ6等やCA16などで見られた従来の良くあるマルチBA機の音の厚みを敢えて増すような不自然な反響はかなり少なくなっています。つまりBAをポン付けしただけにありがちな他社製の高級機を不自然に真似るチューニングでなく、極めて自然な音の反響を目指したように思えます。分解していないので間違っているかもしれませんが、今回のZASでは疑似的な音導管をシェル内部で作っているように思えます。この新たな?音導管が今回の音作りを実現しているのでしょうか、はたまた新BAの効果なのでしょうか、いずれにしても非常にまともな音作りだと実感しました。

そして良くあるマルチドライバーのつながりについてですが、私は従来のKZのイヤホンに比べてかなり自然で大きく気になることはありませんでした。さらに位相についても不自然さも大幅に減ったように感じます。これは特にJAZZやclassic系を聴いたときの音像の出方で差が特に顕著に感じます。すべてのKZイヤホンを聴いたわけではないのですが、従来までのマルチBA機ではとても聴く気にもならなかった曲が、今回のZASならまぁ聴いても良いかも?!って思えました。

また、プレイヤーを選ばない点についてはDQ6譲りでiPhone5sなどスマートフォン直刺しなどでも音のあらが目立ちにくいです。バランスとしても総じてそのようなアンプではかまぼこ型の特性を持つことが多いので、ドンシャリ限界ギリギリにチューニングされたZASのバランスは総合してややフラットに近づくためどのような場面でも使いやすく良い音を楽しめるバランスだと感じました。

得意なジャンルとしては苦手なジャンルが少なくかなり幅広いように感じました。とにかくノリが良いのでハイテンポな曲はほぼ合うと言っても過言では無いように思います。クラッシックやジャズは後述しますが、やや荷が重いです。ただそれ以外はJPOPからEDM,etcそつなくこなせるポテンシャルを持っているように感じます。

ということで音質面では7~8000円という価格を考慮しても総じてかなり高いレベルで纏められたまごうことなきKZの新たなフラグシップ機と実感しました。

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次に音以外の面についてですが、前述したとおりケーブルなどの良い付属品が付いているのは非常に素晴らしいですが、イヤホンとしての感度バランスの良さが光っており、オールマイティさを感じます。例えばDQ6では感度があまりに高いため、音量は取りやすいのですが使用するアンプ次第ではホワイトノイズが目立つので使いづらい場面がありました。また、最小ボリュームが小さいアンプなどでは、深夜など静かな場面で音楽を聴きたいときに最小ボリュームにしても音が大きすぎるという不満がありましたが今回のZASではやや感度が下がって、一般的なイヤホンとほぼ同じ感覚で使うことができます。ZASは一般人としても少し背伸びして少し高めのイヤホンを使いたいという価格帯なのでアンプが貧弱なことも多く嬉しいポイントだと思いました。

さらに別売にはなりますがKZ AZ09がピタリと装着できる点はとても良いシナジーだと思いました。実は以前DQ6を買ったときにこれをワイヤレス化したいと思いAZ09も追加で買ったのですが、組み合わせるとあまりにひどい音(上も下も出ない)に閉口してしまった記憶があります。おそらくこれはDQ6を作った時点でAZ09を想定していなかったためだと思います。このため高感度なDQ6はボリューム最低でも煩いという状態で使がっても音も悪く本当に使い道のない状態でしたが、今回のZASについてはDQ6と異なり装着してみると有線には劣りますが十分な音の鳴りをしているように感じました。製品の紹介ページを見るとメーカーKZとしてもDQ6ではなくこのAZ09との利用をどうやら想定していたようです。音質について簡単にお伝えするとAZ09が上も下もでないアンプのため全体としてはややかまぼこよりのフラットな音になり、普通に使えます。素性の良さのノリの良さという長所も引き継がれており、1万円レベルのTWSであればZAS+AZ09の方が音が良いように思いますのでTWSの音質では満足できないという人にもおすすめできる構成だと思いました。

 

悪かった点

音に関してはやはりKZの系譜である点でしょうか、ノリが良くなり絶秒なドンシャリバランスだっとしても、いわゆるゴリラ感が残りやや暑苦しい音の系譜は感じます。敢えて言えば「非常に高いレベルで仕上げてきているが故に」という注釈をつけますが、男性ボーカルの表現力はとくに太さといった点でやや楽器の音色に押し負ける傾向があるように感じました。

また、ジャズ、クラッシックでは楽器の音色の不自然さがやや目立ったように思います。生音という本来の答えがあるような曲では実際の音色とイヤホンの音色を比較することになるのですが、このような曲では生の音色とやや離れた音が鳴っている感覚があります。これはKZ全般に思っている私個人の感想なので、これまでKZのイヤホンで気にならない方は気にされなくても良いかもしれません。個人的にこの部分に関してはKZのさらなる進化の余地があるのではないかと思います。

音以外の面では最初に記載した内部の構造についてはやはり気になるところです。見た目に左右が違うというのは本当に精神衛生上良くありません。もし不良であるならばなにかしら発表が欲しいところです。

次にやはり販売が現時点でAmazon倉庫直送でない点でしょうか。不具合などの対応を考えたときにはPrimeで在庫があるお店から購入する方が何かと保障面では有利なため、気にされる方は待ってみてもいいかもしれません。こういった商品は国内向けの在庫を確保してから来ることが多いと聞きますので完成度が高いこともあり中国国内でも売れており、日本向けの在庫がなかなか確保できないのかもしれない?なんて妄想もしてしまいます。私の場合はいち早く聴きたかったこととAmazonでは実績のあるお店でしたのでそのまま購入しました。

最後に、これが実用上一番の問題になるかもしれないのですがシェルの形状にでっぱりがある点は少し残念でした、これもDQ6ゆずりの機構で標準のイヤピでは私は耳が痛くなりますので、ステムの長いSedna Earfit lightを使って回避しました。この部分を改善しているCCZのDC1は快適になっているので同じような造りにしてもらえると嬉しいです。(別会社かもしれませんが)。また私と同じようにステムの長いイヤピで回避する必要があるかもしれません。

 

DQ6と比較して

DQ6と一番大きく違うのは中音、高音での解像度と不要な残響の有無だと思います。またバランスとしてもDQ6よりもさらにドンシャリのバランスになっており、一般人が聴いたときの印象もかなりZASの方が良いと思います。DQ6は非常にコストパフォーマンスの高いイヤホンではあったのですが、絶対性能としてはこのZASと比べると霞んでしまいます。また、付属品のケーブルのグレードが高く使い勝手が良いという点も見逃せません。

 

CA16と比較して

音の解像度について1~2枚ほどZASが上手だと思います。また、音色の傾向として特に音の厚みが薄く残響感が少ないです。勿論好きな人も多いと思いますが、個人的にはやや不要な残響に思えるためバランスとしてZASの方が素直な音場感を楽しむことができると思います。CA16では残響の多いホールで聴いているかのような感覚を味わえますので好みがわかれるとは思います。

 

IT00,BlueMoon, EA-HF1, 碧2などの別メーカーについてはTwitterのSpaceにて

 

最後に

DQ6に続き非常に完成度が高いKZのイヤホンを楽しむことができました。下記にリンクがありますが8000円弱と、価格は非常に激戦区な価格帯ではあるのですが、KZらしからぬ完成度の高い1本に仕上げてきており、競合と比べても正直かなり強と思います。特にオールラウンダーであるというところ、そしてその上で音が良いというところで「付属してきているイヤピさえ良ければ誰にでも進められるのに・・・」という悔しさすら残るイヤホンでした。

私としても満足度が高く、KZのイヤホンは時間が経つと手放すことが多いのですが、あまりのレベルの高さにこれは記念に所持し続けようと思っています。繰り返しになりますが、kZのフラグシップについて詳しくは無いのですが非常に強くKZサウンドの完成形ではないか?と思える完成度だと思いました。このレベルのイヤホンが作れるようになったKZが今後どのようなイヤホンを作っていくのか楽しみです。

 

  

Hifigoは売り切れてしまいましたね・・・