ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

雑記:アラウンド2000円 1DD機 KBEAR OS1Pro, NICEHCK DB1, Final E1000、CCZ CoffeeBeenの比較レビュー

こんにちは

今回は1ダイナミックドライバかつアラウンド2000円(A2000)の中華機種をいくつか購入したのでその比較として気になったことを徒然と書いて行きたいと思います。

まぁ結論みないなものは無いのですが、強いて言えば面倒な事を考えたくないイヤホン初心者にはE1000(E2000)、1点買いで高音質狙いならOS1Pro、複数持っていて遊びたいならCoffeeBeen、アニメパッケージ好きならDB1でしょうか。

ZASやZEXのリケーブルで遊んでいた流れで、1DD機の伸びしろはどうなんだろうか?っとう素朴な疑問から、安いからという理由でなんとなくノリと勢いでポンポン買っていたら似たような値段の似たような機種ばかり揃ってしまいました。それほどリケーブルを試したわけではないのですが、ある程度は試してみても残念ながらZASほどの伸び代は感じていません。しかしながら、数年前と比べるとやはりコスパが高く、価格相応に良い特徴があって面白いな思っています。今回はそれぞれの機種について順番に書いて行きます。

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っとそれらを語る前に、前回のリケーブル記事で書き損ねたリケーブルについて思うところを書いておきたいと思います。

基本的に私はリケーブル自体はマニアでなければ否定派と言った方が良いです。というのも理由は大きく3つあって、第一にオーディオメーカーが商品という形で付属のケーブルで音作りをしているのでリケーブルは音のバランスを崩すことになるため(メーカーのリケーブル可能な端子は”基本的”にはケーブル断線対策用)、第二に音の変化はあるものの基本的には投資額に対する音の変化という意味で一般的にコストパフォーマンスが悪いこと、第三に好みの組み合わせの音を見つけるためには膨大な時間が掛かることです。つまり効果はあるものの嗜好性が強い行為なので人に押し付けるものではありません。今回の様にだれかがお勧めしている構成を自ら試してみていただけるのは非常にありがたい限りでその良さを共感したいためですが、個人的には控えたい行為の一つでこれまでずっと控えていたことでもありました。

ではなぜ、そんな自分がZASでリケーブル構成を書くことになったかと言えば、偶々FFさんとリケーブルの話題で盛り上がった時にZASにSpaceCloudを指して伸びしろに驚いた事に他なりません。大体の私の体感では市販品リケーブルは本体以上価格のケーブルを付けてやっと音が良くなる程度で、本体より安いケーブルは大体はもともとのバランスを崩してしまい、良いところが伸びると引き換えに悪いところが目立ったり、逆に中庸なバランスになってしまったりすることがほとんどでした。また、変化はするものの、それが果たして本当に良い音なのかと言われれば好み次第では?っとも取れることが多かったです。

然しながらこのZASに関してだけではBAドライバの品質が上がったためか、リケーブルを試してみると解像度に関しての伸びしろだけが異常に高いという結果になりました。これが個体のものなのか、一過性のものなのか、そのあたりを確認するため、ZASを複数個買ったり、FFさんと構成を詰めたり、過去のKZの製品をZAS基準に遡り、前後の機種を購入するという羽目になりました(笑)。まぁ結果としてはやはりKZ(Bellsing)ドライバの品質がやはり上がっており、新ドライバを7機採用しているZASの解像度はリケーブルで伸びるという結論になりそうです。また、全体としてもここ1~2年のBellsingBA採用機種に関してはZASには及ばないもののかなり伸びしろがあり、BAではないのですがESTを積むZEXやNRAなどもその流れで紹介した形です。一方であまりDD機については試した限りあまり伸びしろを感じません。まぁダイナミック機自体はかなり古い機構ですし、高価格1DD機も精度などで高価格なりの音作りを可能にしているように見受けられます。尚、このあたりの仮説はCA16 Proなども注文しているのでさらに検証していきたいと思っています。

さらに驚いたところでは中華のリケーブル商品の品質が明らかに上がってきているということでしょうか。特にNICEHCKのSpaceCloudについては定価約2万円ながらセールでは6000~12000円で入手可能で、音場の広さ、解像度の向上などかなりの音に良い方向の変化を感じました。今までのこのレベルの良い変化がするケーブルはさらに高額なものか、個人製作の掘り出し物に限られていたように思います。中国のイヤホン自体の進化もさることながらケーブルの品質すらかなり上がってきていることに驚きを隠せませんでした。実際に2年前に買った3000円ケーブルと今3000円で買えるケーブルであれば今のケーブルの方が明らかに全体のグレードが上がっています。まだまだ、芯材だけで被膜などの部分は手つかずだという指摘もありますが、これらは他の技術分野全てで言われていた指摘で足元を掬われないようにしなければなりません。馬鹿にしていても、彼らも効果があるとわかれば一機に技術習得をして大量生産をするようになります。とはいえ我々は一消費者でしかないので、こういったblogなどで国内メーカーなどに危機感を持っていただければ嬉しいと思います。

ということで纏めると、このBellsingの新ドライバの伸びしろと中華激安ケーブルの性能向上の2つの要因が相まってリケーブルをおすすめすることになったのです。勿論、先に申し上げた通りの信条のため、無理に進めるものではありませんがお勧めできる構成であることは記載しておきたいです。

 

さて、今回の本題に移ろうと思います。

 

■CCZ CoffeBeen

この機種は以前個別でレビューした機種ですので追記というか今回の比較のリファレンスになってもらおうと思っています。おさらいすると特徴的なのは非常に量感がありつつ緩い低音ですね、音場も広く低音好きにはもってこいの機種です。

前回は言及しませんでしたがこの機種も付属のケーブルが粗悪なのかリケーブルによってある程度の音のイメージが激変します。標準のケーブルは眠たい傾向なので、ある程度価格の張る良いケーブルに変えるとかなりシャキッとした印象を受けると思います。私個人としてはこの温くゆったりとした低音が懐かしさを感じて寝フォンにもよく、好きなのでそのままの音が好きだったりします。

この記事を書いているタイミングでは800円OFFのクーポンが付いて1500円前後なのでコスパで考えればこの機種が最もお勧めできるかもしれません。音質的にゆったりした低音が好きであったり、装着感を重視する人にもっとも勧められます。付属品のケーブルからイヤピまで普通に使えるものがそろっているのも1台目としてもお勧めできる良いところです。

 

■KBEAR OS1Pro

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このイヤホンはOpera FactoryのOEM?とのことでKBEAR自体は企画や生産に関わっていないよう?です。価格は現在2780円の20%OFFで2000円ちょっとというところで今回紹介する機種の中ではちょっとお高めです。ただ開けてみて驚くのはその付属品の豪華さとビルドクオリティの高さでしょうか。ケースからして競合の4機種とは明らかに違います。ケーブルがイヤホンに最初から刺されている点も初心者にはうれしいです(他の中華機種は刺されていないので初心者は戸惑うことが多いですがこれが無いのはE1000とこれだけです)。また、イヤーピースもフジツボやペラペラよりはかなりマシなグレードのっものが付いていますので装着感が合わないという人もやや少ないように思います。

価格が安いモデルは全てマイク付きなこともこのご時世ですのでかなりうれしいです。個人的な思いとしてはマイクが無い方が音が良いのではないか?っなんてことは思ったりしますが、このグレードのケーブルだとあまり気にしても仕方がないかもしれません。ただ、このイヤホンはどうもリケーブルは出来るようなのですが規格が独自でこの端子合うケーブルがありません。一応は一般的な2pinが刺さるようなのですが、端子が固く抜き差しが非常に難しいです。残念ながら私は挿脱の際にピンが曲がってしまいました。どうやらメーカーもケーブル交換を推奨していないようで、この価格なら買いなおした方が速いですし、中途半端な印象は受けます。もしかすると、リケーブルで化けるかもしれませんが、残念ながら試すことはできませんでした。

続いて装着感ですがやや他のイヤホンたちに比べれば大きい印象はありますが、私の耳には普通にフィットしました。装着感も良い様で良好ですが寝フォンは厳しいかもしれません。選んだ色にもよるでしょうかが、筐体の意匠はかなり独特かつ派手です。ケーブルの色もかなり目立つ色なのでここは賛否が分かれることろかもしれません。ただ、個人的には目立ちたくない場合は黒を選べば多少のキラキラしたラメは入っていますが、落ち着いており、一番高級感があり好印象です。見た目のアドがあるのはどれかと聞かれるとこの機種で間違いありません。

続いて音ですが、聴いてみてわかるのは非常に引き締まった低音でしょう、音はCoffeeBeenの眠たい音とは対照的なくっきりはっきりした音色で、低音のキレもこの価格帯ではかなり良好だと思います。高音が刺さることも無く多くの人に満足できるバランスだと思いました。てっきり5700円の値付けの方は間違いなのかと思ったのですが、もしかすると定価は5700円の方が正しくて今はセールで半額以下なのでしょうか?それであればこのケースも音も納得です。私個人としては初心者やデザインにこだわる方に勧められる他、この中で最も音質的に進められる機種だと感じました。

■NICEHCK DB1

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水月雨の様に女性キャラクターが描かれたイヤホンです。現在Amazonでは中国発送で2150円ほどですがAliExpressでは2000円以下なので暫くすれば同じ程度の値段でAmazon倉庫に入るかと思います。水月雨同様にパッケージに女性が書かれていること以外は至って普通のイヤホンでもしかすると肩透かしするかもしれません。個人的には非常に期待値が高かった機種だったのですが、非常に残念なことにKZのDQ6やZASの様にイヤホンの内側に突起があり、さらにステムが短いため、装着感がいまいちです。勿論個人差があると思いますが、私の耳には合わず、音質面で正当な評価ができなかった機種でもあります。ケーブルや標準のイヤーピースもまずまずで競合機種とも引けを取らない品質だと思ったのですが、突起のせいか私の耳には合わず低音が逃げてしまいまして、ステムの長さを疑似的に延長できる軸の長いSednaEarfitを使いました。

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また、メーカーとしてエージングを推奨しているようで、私は一応3時間ほどさせましたが、もともとイヤーピースが合っていなかった為か、あまり大きく変わった印象はありません。個人的にはダイナミックドライバでエージング推奨を謳うメーカーはあまり多くないため、あまり印象は良くありません。もしエージングで音が変わったとしても、音が変わっても品質に問題が無い範囲に製造するのが普通です。見た目に関してはクリアシェルなので今の流行りでしょうか、悪くありませんが、中がスカスカなので少し寂しい気もしますし、配線が左右で異なる位置にあるので少し気になってしまいます。

音質面ですが、概ねフラットな一般的な1DDの音質という感じです。悪い点はフラット寄りにしているため、高音の域で1DD特有のピークがあり少々刺さりやすいところかと思います。抜きんでた音の特徴はあまり感じられず、1DDをまじめに作ったらこんな音になったという感じです。中華メーカーに求める個性みたいなものを期待するとかなり肩透かしを感じるかもしれません。音の質感としては中域は値段なりに良いなとは思いますが、特筆するほどでもありません。一方で目立った欠点も感じられず、この値段や造りなら一般的な音場です。

纏めると音に関してはあまり特徴的な個性を求めるイヤホンではないかもしれません。一方で付属品などはそろっているので、耳の装着感が合いそうであれば、初心者にも良いかと思います。まぁ何といってもパッケージの女の子がかわいいのでそれを目的とする場合はお勧めできるかもしれません。

 

■Final E1000

ど定番中の度定番ですね。本来ならここにE1000を混ぜるのはどうかとも思ったのですが、最近購入した1DDなのことと、これらの中華の新機種と何が違うのかを示しおくことも重要だと思ったので敢えて入れることにしました。

大きく違うのはやはり、リケーブルができないことでしょう。Finalという音作りを長年してきたからという自負もあり、リケーブルできるようにするコストがあるのであれば音作りの方向にお金をかけるという意思が見えます。実際おそらく日本企業が2000円の機種のリケーブル材を作り、保守パーツで持つと本体と同じ値段に近いか、採算割れして売ることになってしまいます。逆に言えば中華メーカーがリケーブルできるようにしているのはそのようなリケーブルをして遊ぶようであって、デフォルトのケーブルにそれほどの音作りの信念は無いのかと思います。実際に2000円の機種を買う様なオーディオ初心者は間違いなくリケーブルなんてしません。一方でお金をかけているのはイヤーピースです。実売で1000円するtype Eというイヤーピースがフルセット入っています。逆に言えばイヤホン本体は1000円という事になってしまいます。ただ、カナル型イヤホンの基本ではあるのですが、音に一番影響を及ぼすのはイヤーピースだったりします。イヤーピースが合っていなければ絶対に良い音で聴くことはできません。所謂、オーディオの趣味の鉄則でもある「音は出口から攻める」、「耳に近い方から変更すると効果的」なんて言葉があるのもそれゆえかと思います。実際に初心者で高いカナル型イヤホンを買ったのに音が悪いと嘆いている人と話をしてみるとイヤーピースを変えるだけでいきなり満足することがあったりします。このE1000は正しく装着してもらうことを大前提としたイヤホンです。

さて、次に音の傾向ですが、これもかなり違います。E1000はいわゆるかまぼこ型のバランスで主にボーカルを中心に据えた楽曲を聴くことに向いています。ドンシャリのバランスは一聴すると聞こえはよいのですが、長時間使っていると耳が疲れやすい人がいたりします。1000円でできる限りのことをした結果かまぼこになってしまったのだとは思いますが、ボーカルを聴くことに特化すれば、良いアンプに繋ぐことで非常に伸びやかな歌声を聴くこともできます。リケーブルに頼らなくてもアンプとの相性でも楽しんでほしいという思いが伝わってくるようです。ただ、競合機種に比べて音場も狭いため一般的なPOPSなど楽曲を聴くのであれば他の機種の方がいいかもしれませんが、ボーカルものがほとんどであれば、検討の余地に入れても良い機種です。

1つだけ許容できない残念な点はLとRの区別が付きにくいところです。イヤーピースの内側の色で判別できるとはいえ、見づらくこればかりは何とかしてほしかったところです。

この様に、中華イヤホンと構成や付属品、音作りを意識するだけでメーカーの思いみたいなものを感じ取ってしまいます。勿論考えすぎな部分もあるかとは思いますが、同じ技術者として日本でものづくりをする中で取捨選択した葛藤が垣間見え、その努力に敬服します。しかしながら、音作りという面では同じ価格帯の商品を聴けば聞くほど競合は強く育ってきており、日本企業には更に頑張っていただきたいと思った次第です。

さて、今回も徒然ながら書いていたらかなり長くなってしまいました。長文にも関わらず読んでいただきありがとうございました。