ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー、雑記:脳が溶ける?水月雨MoonDrop Quarks(マイク付き)

こんにちは

 

表題の通り今日は雑記、兼簡易レビューです。最初は雑記だけにするつもりでしたが書いてるとかなりの量になったので簡易レビューとしました。まぁトピックスとしてはタイトルどおり「脳が溶ける」でバズって各所の在庫が枯れている水月雨のQuarksを買ったことについてです。TRNのBA15のレビューも進めてはいるのですが、簡単にQuarksの感想を書ければと思って筆を取りました。

結論から言えば、驚くほどに自然な音で優秀でかつユニークで素晴らしいイヤホンでした。2000円付近では最もお勧めできる機種の一つだと思います。低価格でありながら非常に使用用途も広く、使い勝手も良い素晴らしいイヤホンだと思います。特に今はマイク無しの在庫が枯れてしまっているので購入を諦めている人が多いかもしれませんが、音声チャットなどで使った感想としては付いていても損は無い性能なのでマイク付きの方をお勧めしたいです。ただ、イヤーピースは多くの方に交換をお勧めしたいです。

特に音楽も楽しめるマイク付きのDiscordなどのコミュニケーション様カナル型イヤホンとしてはコスパ的にも完成形に近いと思います。物凄く気に入りました。

現在は在庫切れの様です

 

買った理由はいくつかあって、まず安いこと、そしてF特性で言う10KHzのカナル型イヤホンにある外耳道(耳の穴)共鳴が少ないという噂があったこと、FFさんから「Illumination光のボーカル好きならボーカルイヤホンとしてかなり合うのではないか」っと強烈にプッシュされていたこと、手軽なマイク付きイヤホンが欲しかったことなどが挙げられ、ずっと気になっていました。そして今回のバズりによって各所の在庫が枯れてしまってマイク無しなんてAmazonの納期一ヶ月、eイヤホンも納期未定とのことで、マイク付きもどうなるかわからないと思い購入に至りました。

価格や構造や性能的に近いfinalのE500などと比較しながら気になったことや気づいたことを書いて行こうと思います。

画像

 

■付属品とか

パッケージは2000円を考えれば十分すぎるぐらい豪華で箱は小さいながら、開封体験は素晴らしいです。イヤホン本体が高級なお菓子のように飾られて入っており、このあたりはコスト的に日本メーカーの競合機種は太刀打ちできないレベルにあるように思います。付属品は布ポーチとイヤーピース3種類と普通なのですが、一般的に価格帯を考えるとかなり豪華だと思います。

一方でついてくる付属品の品質は残念きわまりないです。イヤーピースは特に残念な品質でまさに中華イヤホン品質というやつです。弾力が弱いのか、表面加工が悪いのか、サイズが3種類しか無いのが悪いのかどうしても個人的にフィットしません。むりやり押し込んでも隙間ができてしまい、ポロポロ落ちるか、装着できても低音が逃げているのを実感します。ただ、同価格帯の中華イヤホンの付属イヤーピースと比べても普通レベルではあるのですが、このQuarksはfinalのEシリーズの様に耳の奥に挿入して装着するタイプなのでフィット感はリスニング体験に対してかなり重要で残念極まりないです。

続いてポーチの方は毛羽立ったコットンの様な素材で見た目は豪華そうに見えるのですが手触りがゴワゴワしており、安っぽくいまいちというタイプです。かなり小さいサイズなのでイヤホンをかなり丸めなければ収まらないので使い勝手は良くないです。個人的はこの手のタイプの使いにくいモノはまず間違いなく使い物にならないので使う人も少なく、これを付けるぐらいであればイヤーピースをもう少し頑張って欲しかったところです。

という事でイヤーピースは代替品がいるわけなのですが、個人的なオススメは同様の装着タイプを想定しているfinalのE type、E type Soft、E type Glowなどを使用すると良いと思います。私の様に付属品が合わない方は最近発売された清泉SpringTipsなどもありますが1800円ほどとQuarks本体と同じ程の値段がするので、値段を考えると追加でfinalのEタイプが980円で購入できるのでおすすめです。サイズ展開もEタイプはSpringTripsの3サイズと違い5サイズ展開なので装着感がよりフィットしやすいのではないかと思います。ただ、イヤーピースを含めて初めて購入すると3000円ほどになってしまうので購入候補として比べるのであればE500ではなくてE3000のほうが良いかもしれませんね。

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写真は装着方法や注意書きと実際の筐体、筐体にE typeを装着したものです。注意書きについては読まない人も多いとは思いますがコストダウンのためとは言え英語のみで、装着感が重要な機種なので日本語表記が欲しかったというのは本音です。

本体についてはfinalのEシリーズと比較すると筐体の長さが短く小さいです。重さは同じぐらいでしょうか。太さは若干あるのですが装着上は問題ありませんし寝フォンなどをしても耳に刺さりにくいので個人的には非常に嬉しい大きさです。また、本体は今流行りのクリアタイプで中身が透けて見えます。非常に構造はシンプルでドライバの前もこもこしたフィルタがあってそのまま耳に繋がるようになっています。特段構造的に外耳道共鳴を防ぐ機構があるように思えないのでこの黒いもこもこのフィルタが10Khzを吸収するのか、それともドライバ自体が10KHzにディップがあるのかもしれません。ちなみにケースの後ろには周波数特性が記載されています。

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実際にネットには測定された方もいるようで、概ねこのグラフ通りの特性のようです。似たような構造で同じく10Khzのピークが少ないfinalのE3000,E500シリーズと比べると3Khzにピークがであるのと、15KHz以上の高域がかなり出るようです。自分も前々から興味があったので測定用のカプラを発注しているので、タイミングを見て測定してみようと思っています。

ケーブルについてはこの手の低価格イヤホンにしてはケーブルがかなり太めです。リケーブルができないので音などはよくわからないですが、finalのE500と比べてややタッチノイズがあること、ややくせが付きやすいタイプであること、ケーブルスライダが無いことなどはややマイナスポイントかと思います。ただ、灰色のケーブルは他の機材にまぎれても見やすく、Eシリーズと異なり絡まり難いので個人的には嫌いではありませんでした。

また、その他気になったポイントは、嬉しいところして1枚めの写真を見て分かる通り、本体にRLがわかりやすく色がついているところです。特にE500などは左右のLRがわかりにくいことが有名で、イヤーピースの軸の内側の色で左右を見分けるようにしているとのことなのですが、正直軸の内側なんてパッと見えないところなのでかなりわかりにくいです。その点、Quarksはかなりわかりやすく色がついているので明るいところではすぐにRLがわかります。個人的には突起などの構造を使って暗いところなど手触りでもRLをわかりやすくして欲しかったのですが求めすぎなのかもしれません。その点についてはfinalと共通でLRのどちらかにシールなどの張り物をしたり一部に傷をつけるなどの方法があるのですが、厳密に言えば音が変わるかも知れないので難しいところです。

 

○マイク性能

Xperia10IIに使ってスペースやディスコードに入って通話をしてみたのですが、クリアで周りの方の評判はかなり良好でした。マイク付きのEシリーズはマイク音を聴いたことがないのですが、VR3000などのマイク付きは音が悪いことで有名らしくいつか比べてみたいですがことこのQuarksについては評判もよく問題なさそうです。

 

■音質とか

ざっとインプレとかを書いてその後詳しく感想とか書いときます。

○環境

 環境はXperia10II or M17直指しでAppleMusicを使って聴きました。

 

○帯域バランス

 中音重視の弱カマボコ

○音色

 やや暖色寄りのニュートラ

○音場

 価格帯を考えると横、縦に広い、奥行き感と表現は普通で値段なり

○定位

 やや音像は高めで、近すぎず遠すぎない、ボーカルは前に来るがヌケ感が良く開放

○解像度

 かなり高い(近年の中華イヤホンの躍進を考慮すれば値段なりかやや悪い)
 イヤーピース交換である程度は改善可

○低域

 やや量感が少なくゆるいが価格帯を考慮すれば十分な出力はある。やや歪の多さは気になるが値段を考えれば優秀。

量感はイヤーピースの装着で変わりやすいので少ないと感じた場合はイヤーピースの交換をお勧めしたい

○中音

 迫力がある一方で自然、開放型ヘッドフォンの様な音の音色のバランス

 個人的にはかなり好き

○高音

 量感は多くないが、響きや、広がり方が極めて自然で伸びが良い

 個人的にはかなり好き

○気になった点

 感度がやや低いと感じやすい

Xperiaで使う分には問題ありませんでしたが、楽器メインで聞くには通常イヤホンより1,2割ほどボリュームを上げてやる必要があるかもしれません。

○おまけ イヤピースの変更による傾向の変化

 TypeE   値段的にも使用感としても推奨、音が最も自然

 TypeE Soft  解像度の向上、ボーカルや楽器に音に艶、自然さは低下、密着感は個人的一番良い

 TypeE Glow 解像度の向上、音の輪郭がくっきりする、自然さは低下

 

○所感

 さて、一聴して驚くのはやはり中音域の強さでしょうか、3KHzのブーストが聴いているのでしょうがボーカル曲だとイントロなどの楽器のメロディに合わせてボリュームを調整するとボーカルのパートに入った時の中域(ボーカル)の押し出しの強さに驚きます。あまり良いイメージにはならないかもしれませんが、プラス思考で言えばボーカルものの聞き取りやすさはかなり素晴らしいです。

次に驚くのは中高域の自然さです。特に女性ボーカルのサ行の自然さです。通常のカナル型イヤホンであれば必ず刺さるようなリファレンス楽曲をいくつか聴いたのですがここまで刺さらないイヤホンは初めてと言っても過言ではありません。絶対に刺さるだろうという先入観で聴いていると刺さらないので本当に脳がバグる(溶ける?)かのようです。特にバズっていたピアノの高音域についても恐らく同じ現象が起こっているのではないかと思いました。*ピアノは最高の音域は丁度ピークである3〜4KHzであり、その上でその周波数の倍音が大量にある楽器だと言われていますが、その倍音の響きに不自然さが無いというのがポイントなのではないかと推察しています。特にカナル型イヤホンの高音域の音はこういうもの(刺さるもの、倍音が不自然なもの)だという先入観がある人ほどこの驚きは大きいかもしれません。逆にあまりイヤホンを使わない人は、自然さ故に特に気付かないかもしれません。サ行に関しては3KHzも大きく影響があると言われているので個人差はあるかもしれませんが、個人的にはサ行の刺さりにくさは「サ行の刺さりにくい開放型ヘッドフォン」のような自然さを感じます。

もはや定番となりつつある同形状のE500、E1000、E3000などと比べても全体的に音のレベルが高くまとまりがあり、装着感が良いため低価格でありながらレベル高いの音楽体験ができます。それぞれを比べていくと、E500は値段が近いためか解像度などは似たようなもので、ASMR音声などでの定位の良さは素晴らしいのですが、高域の伸びや声の自然さという面ではQuarksに分があるかと思いました(E500はdeep mount装着)。E1000はボーカルと楽器を同時に楽しむという意味では素晴らしいのですが、Quarksにある声と高音域の自然さという点についてはかなり劣ってしまいます。E3000は値段も少し高めな分、解像度が少し高くて音が低音よりで福よかなのでゆったりとした楽曲を聞くには最適だとは思っているのですが、スピードやアタック感が必要な楽曲等ではどうしても「籠もっている」と感じがちでです。一方でQuarksについては特化はしていないが苦手な楽曲が少ないように思います。まだ聴いていないのですが同じfinalで言えばStadyが近いそうなイメージはあります。イヤーピースはTypeE Softが付いて2980円とかなり肉薄しています。一般販売されていないので聞く機会がいつになるかはわかりませんがこちらもいつか聴いてみたいです。

 

Quarksは何に向いているのかを考えたとき、最適な使用用途としてはやはりボーカルものが最初に浮かびました。音場の奥行き表現が上手くないのは非常に残念ではあるのですが主旋律としてボーカルは前に来るのでその他の楽器をバックにする演出というイメージで捉えると満足度が上がるかもしれません。

またスピーカーの音の鳴り方に近めなのでオーケストラなどの生録ものも自然さがあり、合う様に思います。

続いてDiscordやSpaceなどの音声チャットでの利用でしょうか。マイク付きを買ったのは在庫が無かったためなのですが、Discordなどで使ったときの声は極めて自然で、むしろ音楽よりも向いているかもしれないと思うほどに凄い驚きでした。同じ系統で言えば試していませんがStady同様に語学学習などにも良いかもしれません。特に片耳で装着してもカナル型でありがちな不自然なasmr感が(良い意味で)無くとても自然な音がします。

最後は寝フォンです。繰り返しになりますが特に音場が広いわけではないのですが音の伸び方、広がり方が上位機種に迫る魅力があり、ヘッドフォンのような音の自然さがあります。その上で筐体が装着感はイヤフォンであり、小さいため寝返りをうったときに耳への圧迫感が少ないです。このため開放型ヘッドフォンを寝フォンしているというありえない音楽体験ができるのです。感想を言えば、いや、もう、最高でしたよ(笑)。もちろん個人差はあると思うので必ず大丈夫とは言えないのですが、この形状のイヤホンにしては短いので試してみる価値はあるのではないかと思います。因みにこの寝フォンではイヤーピースは普通のtype Eが良い様に思います。softでは横になった時の圧迫時に適度に空気が抜けず圧力を感じてやや不快でした。個人的には通常タイプは適度に抜けて快適でした。

全体として気になった点としては2つ、1つ目は直付ケーブルでしょうか、やはり少し使い勝手が悪いです。リケーブルなどで音の変化を見るというのも一つの楽しみですが、タッチノイズが少ないものに交換したいという気持ちもありますし、UTWS5などでTWS化してみたいという気持ちもあります。このあたりは今後の製品ラインナップに期待したいです。2つ目は繰り返しになりますがイヤーピースです。オリジナルのSpringTipsなども出してきているのでセットにした2980〜3480円程度のパッケージなどがあっても良いのではないかと思います。(追記、試した方か、あまり相性が良くないとの情報を頂きました、無理に試す必要はないかも知れません)

最後にTierですが、まだ使って2日の簡易レビューなのですが個人のこの価格帯としては総合的にTier1だと思います。こうなってくると不満はやはり解像度で、2000円に何を求めているのかと思ってしまいますが事実なので仕方ありません(笑)。

 

■纏め

驚くほどに自然な音で優秀でかつユニークで素晴らしいイヤホンでした。2000円付近では最もお勧めできる機種の一つだと思います。低価格でありながら非常に使用用途も広く、使い勝手も良い素晴らしいイヤホンだと思います。特に今はマイク無しの在庫が枯れてしまっているので購入を諦めている人が多いかもしれませんが、音声チャットなどで使った感想としては付いていても損は無い性能なのでマイク付きの方をお勧めしたいです。ただ、イヤーピースは多くの方に取って交換をお勧めしたいです。

特に音楽も楽しめるマイク付きのDiscordなどのコミュニケーション様カナル型イヤホンとしてはコスパ的にも完成形に近いと思います。本当に物凄く気に入りました。