ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー:TinHiFi P1Plus  結論:平面駆動は良いぞ・・・ 2022.11.23.修正

こんにちは

 

今日はTinHiFiのP1Plusです。先日T3Plusに引き続き購入していた商品について買いっぱなし、聴きっぱなしで放置していたのですが、整理もかねて簡単にでもレビューしておこうと筆を執りました。

■結論 2022.11.23.修正

先に結論を書けば、2,3万のミドルクラスのイヤホンが犇めく価格帯で平面駆動型という特徴を持った質実剛健ですばらい出来のイヤホンです。P2Plusほどのじゃじゃ馬感が少なく扱い易いのもうれしいです。平面駆動に興味がある方、一本で様々な楽曲をカバーしたい方には魅力的な一本になるのではないでしょうか。追記:16KHz〜帯域が強めなので可聴域が広く感度が高いと思われる(若い方等)は特に苦手な音色が出る場合がありますのでその点は注意が必要かと思います。

本レビューは2022.4.5に投稿したものですが、その後の半年間で複数のメーカーから多くの平面駆動が出た現在では、平面駆動イヤホンの中でもかなり超高音が強いピーキーな平面駆動イヤホンとなりました。平面駆動らしい高域の表現が抜群に素晴らしく弦楽器などの響きはリアリティに満ちあふれています。一方で鳴らしやすい平面駆動が出た今ではハンドリングが難しく、特に16KHz〜帯域が強めなので可聴域が広く感度が高いと思われる(若い方等)は特に苦手な音色が出る場合があります。その場合はフォームタイプのイヤーピースがおすすめです。

f:id:el_snow:20220405172100j:image

■購入動機とか

正直衝動買いに近かったのですが、具体的に言えばP2Plusとどう違うのかを知りたかったという気持ちが強かったですね。実際のところ近年ダイナミックドライバーに変わって平面駆動型のヘッドホンやイヤホンの見直しが進んでいる印象で、このイヤホンやP2Plusもその中のイヤホンの一つかと思います。個人的には技術革新も進んだということもありますが、他社との差別化のためにダイナミックドライバへの品質要求が高まったことや、多BA、静電型などドライバ自体への特徴が必要なったこと、そして市場の許容コストが上がっていったことで平面駆動型でもつり合いが取れるようになったと思っています。

いずれにせよそういうわかりやすい商売の謳い文句に自分も載せられている自分がいるのでチョロいといえばチョロいですね(笑)。

 

■パッケージとか付属品とか

有体に言えば普通ですね。AliExpressで購入したので若干箱が歪んでいました2,3万円クラスで言えば標準的な感じです。皮のケースは箱っぽいタイプのもので変に子洒落たやわらかいタイプより個人的にがっちりと本体を守ってくれるのでこちらの方が好きです。イヤーピースなどは標準的なものがついていますが、残念ながら今回も自分の耳にフィットするものはありませんでした。後述しますがP2PlusにはCP100+が付属しているとのことだったのでP1PlusでもCP100+を装着して使っています。

ケーブルはmogami製を謳ったケーブルが付属しています。コネクタはMMCX、3.5mmジャックでかなりごつごつした手触りのケーブルです。ごつごつしているので絡まりやすいかも?っと思っていたのですが見た目に反して摩擦係数が少ないのかタッチノイズも少なくかなり使い勝手が良いです。

*標準ケーブルの写真を取り忘れていました。現在FFさんに貸し出し中なので後日写真もアップします。

 

■外観とか使い勝手とか

本体の見た目は正直あまりかっこよくはないですね。ただ、金属でできた筐体は非常に小さく耳にすっぽりと入ります。金属性なので少しの重量感があるのと冬場はやや冷たさを感じます。一方で形が良いのかMMCXを採用していることもあり回転方向にケーブルが追従するので装着感はとても快適です。

〇音漏れ

音漏れはかなり少なく、密閉して装着すればほぼありません。本体には前後に空気穴があるように見えますが手でステムをふさいでしまう全く聞こえなくなるレベルなので内部の穴は見た目以上に小さいのでしょう。

 

■音質とか

○環境

 1万円を超えている機種なので下記の環境で聴きました。

 M17DCTank(AppleMusic) -> 標準ケーブル ->本体 -> CP100+

○ファーストインプレッション

 どんな音かと期待したらP2Plusと同じ系統の音で、音像の表現が前後に独特です。音場も広く音の質も高く完成度が高そうでP2Plusは感度が低く鳴らしづらいことを考えるとP1Plusの方が使い勝手が良さそうと感じました。もしかするとリケーブルやイヤーピースでP2Plus相当に持っていけるかも?っと皮算用したぐらいです。

○帯域バランス

 面白いほどほぼフラットで低い音から高い音まで過不足無く鳴らしてくれます。強いて特徴をあげれば超高音域は一般的なイヤホンと比べると少し強い印象を受けました。マイナス面を上げれば、ドンシャリ好きな人にとってはやはり退屈なバランスと考える人もいるかもしれません。P2plusはもう少しドンシャリバランスなので使い分けかもしれません。

○音色

 ほぼニュートラルと言って良いと思います。

○音場

 価格帯を考慮しても相対的に広い音場だと思います。横はやや広いぐらいですが前後と天井がかなり広いので悠々としています。欲を言えば横の音場ももう少し広いと嬉しいと思いました。音像も中央で近すぎず遠すぎず良い塩梅の位置にあります。

○定位

 縦横奥行きに渡る広い音場にところ狭しと定位良く楽器が浮かびあがるのでとても楽しいです。ただ曲によっては相対的な横の狭さからくるものなのか、音と音の余裕みたいな何かがタイトで、広いのに窮屈な鳴り方をしている雰囲気を感じる事があります。繋がりが良いと言う言い方ももちろんできるのですがP2plusと比べて物足りないところはここなのかもしれません。

○解像度

 解像度は値段に見合うレベルで高いです。高音が良く出るのことから解像感が高いことも良い影響として表れていると思います。しかしながらP2plusやハイエンドイヤホンを考えるともう少し音の輪郭がはっきりしてくれるとという気持ちもありますが、価格を考えれば求め過ぎかもしれません。

○低域

 このイヤホンの魅力は聴きこむほどに低音の質に帰着するように思います。非常にタイトでスピード感のある低音であり、低音の定位がこれほどまでにしっかりと聞き取れるこのクラスのイヤホンは初めての体験です。もちろん今まで通り技術を全面に理解してから聴き込むことはしていないのですがこれが平面駆動の特徴なのでしょうか?。ベースの位置やティンパニーなどの位置が分かることでいままで気づかなかった弾き方や音作りに気づかされることがあります。低音が控えめであることで中高域の音にかぶらない点も+として働いているように思います。例えばピアノの低音域なども方向性を失ってしまいがちなのですがしっかりと定位と方向性を持っている点は驚きでした。低音は楽曲の下支えとよく言われますがその魅力を十分に引き出してくれる控えめながらも魅力的な低音です。とはいえ、繰り返しになりますが低音の量感は少な目なので低音の量感にこだわる方にはP2Plusなどや他の低音が出るイヤホンの方が合っているかもしれません。

○中音

 中音はボーカルの表現力が魅力です。一般的にボーカルはモノラルになりがちなので立体感が無くなることが多いのですが、定位の良さと解像度の高さから不思議と立体感が生まれています。解像度と定位の良さなどから音の濁りが少ないので分離が良く楽曲とボーカルが綺麗に分離しつつも曲というレベル調和しており、製作者が意図した楽曲の空間をありありと想像できるようです。ただアンプとの組み合わせによっては若干こもった印象をもつかもしれません。

○高音

 量感がありつつも、刺さりなどの刺激が少ない良質な高音です。クラスに恥じない音色、定位、余韻と残響を持っています。良い音色を持っているのだからもう少し響いて欲しいと思ってしまう場面もありますが、すこし欲張りなのかもしれません。

追記:モスキート音の領域での超高域については刺激が強いと感じる場合があるとのフィードバックを受けて再度確認のために聴き込んでみましたが、たしかにモスキート帯の音は強めに感じます。キィキィ鳴るようなモースキート帯の音色なので確かに気になる部分がありますが私は逆に楽曲に含まれる音色として聴き取りやすいと感じていましたが、私より若い方は強すぎて気になる方はいるかもしれないと感じました。

 

●F特性グラフ

f:id:el_snow:20220405182350p:plain

P1Plus vs ER4S(左右平均)

グラフを見てみますとかなり見た目フラットな特性ですね。ハーマンカーブ的には3~9KHzがもうすこし持ち上がっていても良いのかもしれませんが、当然ながらグラフは最後に取得しているのですが聴感上に不足は感じませんでした。

追記:16KHz帯がかなり強いので楽曲との組み合わせでは不快に感じるかたも多いかもしれません。

 

○得意不得意

強烈な個性があるわけではないので概ねオールマイティに使えるのですが、グルーブミュージックの様な低音の量感が必要な楽曲については流石に合わない感覚がありました。ロックなどドンシャリバランスが欲しい場合はイコライザーがあった方がより楽しめる気がします。

 

○気になったこと

一聴してP1PlusとP2Plusの音の類似点が多いと思ったのですが、リケーブルなどをそろえてみた感想としては音は全くの別ものでした。標準のケーブルとイヤーピースの構成で似た音になるように調整しているのだと思います。試聴などでP2PlusとP1Plusを聴いて似た音だからP1 Plusで良いか、っと思う人もいるかもですがどうやらそうは上手くいかないようです。

 

○リケーブルの選択肢について

何度も繰り返しになりますが、リケーブルではF特性は変化しませんのでオカルトの領域といえばそうなのですが、残念ながら音の変化を感じてしまう方にいくつか試して試してみた結果を共有したいと思います。デフォルトのケーブルの音の傾向が見えてくればうれしいと思っていたのですが、なかなかデフォルトケーブルの出来は良いように思いました。今回は試さなかなったのですが銀線なんかも面白かったかもです。

 

◇C106 Final シルバーコート

 〇音の密度と繊細さが上がり、音の余韻が美しい

 △やや左右の音場が狭くなり、サ行の刺さりがきつくなる

finalシルバーコートらしい音の変化がありましたのでシルバーコートの音が好きな方には良い選択肢になると思います。

 

◇SpaceCloud NiceHCK

 〇解像度の向上、音場が横に広くなる

 △帯域バランスはややドンシャリで派手で大雑把に

こちらもSpaceCloudらしい変化がありました。解像度と音のキレなどを重視する場合はこちらも良いかもです。

 

◇Blueday NiceHCK

 〇解像度の向上、音場が横に広くなる、ノリの良い楽しい音

 △帯域バランスはややドンシャリにで派手に

個人的にはリケーブルするならこれが一番好きなバランスになりました、横が広がる事とキレのノリが良いのでポップスによく合います。

 

 

■纏め

2,3万のミドルクラスのイヤホンが犇めく価格帯で平面駆動型という特徴を持った質実剛健ですばらい出来のイヤホンです。P2Plusほどのじゃじゃ馬感が少なく扱い易いのもうれしいです。平面駆動に興味がある方、一本で様々な楽曲をカバーしたい方には魅力的な一本になるのではないでしょうか。追記:16KHz〜帯域が強めなので可聴域が広く感度が高いと思われる(若い方等)は特に苦手な音色が出る場合があります。

そして最終的には平面駆動って良いよね♪という気持ちになりましたので複数のイヤホンを持っていらっしゃる方でもバリエーションの一つとして平面駆動の一本に選択肢になると思いました。

特に今回はP2Plusと比較のために購入したのですがP1Plusで十分という方も多いかもしれません。本当ならばP1PlusとP2Plusは同時にレビューを書ければと思っていたのですが残念ながらP2Plusは故障が見つかったためTinHiFiに修理依頼中です。BA15のレビューも未だ書けていないのですが、P2Plusもいずれまたレビューを書きたいと思います。

ではまた明日。

 

■Appendix

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.5

INPUT:Scarlett Solo XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:ADI2DAC fs (3.5mm IEM端子、DJ44C併用)768KHz32bit 0dB

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み