こんにちは
昨日に引き続きESXを聴き込んだ雑記です。週末なので酔って徒然に書いているので気になる方はまた明日です。
昨日ESXをイヤーピースやケーブルを取替えひっかえして聴き込んで思ったのは、自分の好みにイヤホンを寄せて何になるのか?っということです。
たしかに買ってきたイヤホンをケーブルとイヤーピースを変えて自分の好みに寄せるようなことはできます。でもそれって今存在しているイヤホンの存在価値の否定のような気がしてなりません。清泉やAEX50のイヤーピースをはめて低音を減らしてケーブルを変えて聴いていた時にそれにふと気づいてしまって筆が止まってしまいました(正確にはキーボード)。
低価格イヤホンなのでそのような遊び方ができるのは逆に魅力ではあるのですが何かKZの10周年イヤホンについては何かKZの10周年の意思というか怨念が気になってしまいまして低音の強さを生かした構成を練り直してみようという気になりました。
というのもこのイヤホンベース及びサブベースががめちゃくちゃ強いのですが、逆にそれは強みでそれを活かしたいという気持ちに他なりません。実際KZの標準ケーブルは本当におまけというレベルのものがついているのは抵抗値が片道1.2Ωもあることからもわかるかと思います(まぁ抵抗値だけで決まるわけではないですが)。
っということで今一度ESXの良さが何かを考えながら聴き込んでみました。イヤーピースについてはSedna EarFitのVivid Editionが鮮やかで見た目も良く耳にピッタリハマっているのでそれを使いました。
■音質とか
ケーブルによる音の違いを考慮するのが少し嫌な気分だったのでUTWS5で聴き込みました
〇エージングとか
箱出しで唸るような低音、ベースの音だったのですが、20時間ほど鳴らすとその低音は少し落ち着いてきた印象があります。。
○帯域バランス
強ドン弱シャリバランスです。サブベース帯まで強いですが特に強いのはベース、ミッドベース帯域です。外使いでも電車や車のロードノイズなどの騒音にも負けない低音です。特に外使いでは低音はイヤーピースなどでも遮断しにくい帯域ですので音圧の高さは有効です。
○音色(寒暖、明暗、響き、固液)
音色は概ねニュートラルかと思います、明るい暗いで言っても中間です。
○音場(広狭、重心、遠近)
左右上下共に価格帯を考えれば十分に見合う適度な広さを持っています。前後感についてはこの価格帯で臨むのは難しいかと思いますので一般的です。
音の重心はやや高く、前後はかなり近く迫力は十分です。
○定位、音像
低音が全体にかぶっていることを許容できれば価格帯としては定位は良く、音像もしっかりしています。特に低音を中心とした音像がより認識しやすいのでいままで気づかなかった音に気づきやすいなどこのイヤホンならではの特徴はあると思います。
○解像度、分離
価格帯、ライバル機種と比べても全体的に解像度は十分に高いです。低域が強いので全て埋もれてしまうかと思うかもしれませんが、ベースの裏にある音は全てちゃんと聞き取ることができます。このあたりが今までのKZとは違うぞっと思わせる要因の一つかと思います。
○低域
量感、アタック感、スピード共に価格以上の表現力を持っていると感じました。2000円クラスではかなり突出しているかもしれません。特に今までの2重磁気ドライバではサブベース帯域は強くてもベース帯域をここまではっきりとならせるイヤホンは少なかった様に感じます。ファーストインプレッションでも言っていますがベーシストがベーシストの為に作ったイヤホンと思わせるベースラインの音の拾いやすさは随一です。POPS等では大体の楽曲ではやはりボーカルが主役と考えるイヤホンが多く、ベースは下地と言わんばかりの控えめなチューニングが多いですが、このイヤホンに限ってはベースの音がかなり強くベースの魅力をたっぷり堪能できるチューニングです。
○中音
帯域バランスとしてはベースが強いのでそのほかの帯域はいまいちなのだろうかと思うかもしれませんがそんなことはありません。このイヤホン中域の方が音の質としては良いのではないかと思わせるほどです。もちろん2000円クラスとしてっという注釈は付くのですが曇りも無く、伸びも悪くない上に付帯音が少ないのかあっさりとしつつも深みもあり、2000円クラスだとはとても思えない迫力と熱気を感じる中域です。ベースの音に合わせてボーカルが歌う姿を想像するとライブ感が上がるイヤホンだと感じました。
○高音
高域の伸びは全体としてみれば少し控えめであり、若干癖はありますがこの価格帯で考えると十分もしくはそれ以上の実力があると感じます。女性ボーカールは低域に負けてしまうので存在感は薄いといえば薄いのですがやや刺さりを感じます。全体としては控え目ではあるのですが分離が良いので良質だと感じます。
●F特性グラフ
ツイートでも出しましたグラフですね。このグラフはケーブルを変えた時の変化をL側だけ表示しています。見ての通りケーブルによってグラフの概形はほぼ変化しません。しかしながら聴感上はこれ以上の帯域バランスの変化を感じるので不思議なものです。さて、グラフから言えることはサブベース、ミッドベースまでの低域が極めて強いこと、8~ 9kHzのささりを感じやすい帯域が強いことでしょうか。尚、聴感上はサブベースよりもミッドベース、楽器のベースが強調されているように感じます。
まとめ
最初はオススメのケーブルなどを考えていたのですが止めました。このESXというイヤホンの特徴としてはベースという楽器を最高に堪能できることで、それを楽しみたいという人が買うイヤホンだと感じました。10周年にこんなドンシャリ(ドン)イヤホンを持ってくるあたり次の10年も攻めてくれることを予感させられるイヤホンでした。
ちなみにESXがベースしか聴こえないというという話をFFさんにしたところkotteriに似ているかも?っと言われましたkotteriは聴いたことがないのですがいつか聴いて比較してみたいものです。今ではすっかり低音ぎもじいいいいいいいってなっているので()。
また日本で発売されることになりましたらレビューにまで昇華させられたらと思っています。最後にKZ10周年おめでとうございます!!
では今日はここまででまた明日。
■Appendix
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.8
INPUT:Scarlett Solo XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:ADI2DAC fs (3.5mm IEM端子、DJ44C併用)768KHz32bit 0dB
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz