ゆるふわオーディオ日記(blog)

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雑記:名機JVC FW10000の魅力

こんにちは

 

今日も雑記です。

JVC FW10000の魅力

今日は久しぶりにJVCの名機であるFW10000を集中的に聴いたので最近思うことを徒然と書こうと思います。

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簡単な紹介とか

FW10000は2018年の年末にJVCのWOODシリーズイヤホンの10周年記念としてシリーズの頂点の音質を目指して販売を開始された機種です。詳細はHPなどを確認してもらえればわかりますが、細部までに拘りぬいたイヤホンとして当時としては上限に近い20万円弱で販売を開始しました。

発売してから4年近く経とうとしていますが、今でも上位互換のイヤホンは発売されず、JVCフラグシップとして君臨しています。同時期にSONYテクニクスなどの日本メーカーは相次いで同価格帯かつ1DD構成のイヤホンを投入していますが、それぞれが息が長く、どれも高い評価を継続して得られている機種です。FW10000はその中でもWOODシリーズに代表される音色を突き詰めた音色ということもあり、好き嫌いは分かれやすいですがこのイヤホンでなければ聴けない音色があることも事実で、替えの効かないイヤホンであることは疑いようのない事実です。

そんなJVC FW10000ですが、最近は店頭での在庫切れが続いています。生産量を絞っているのか作れないのか、モデルチェンジなどが控えているのか、はたまたSONYのZ1Rなどと同じように値上げなのか、最悪の場合は生産が困難になり終売という可能性もあり、噂が絶えません。例えば最近はFocalのUtopiaは品薄からの終売の発表があったりとオーディオユーザーとしては世界情勢の悪化などの煽りを受け続けているので、終売になる可能性が見えるので笑えない話です。特にこういう外的要因でモデルチェンジをした機種の大体は新しい価値は提案できるものの、もともとの機種の良さ自体は引き継げない場合が多く、ユーザーとしては旧機種も手放せないという悩ましい結果になってしまうことが多いです。

最近は同価格帯の1DDとしてはゼンハイザーのIE900が加わり圧倒的な売り上げをたたき出していることからも少なくともその価格帯の市場としてはまだまだ健在なのでJVCの今後の動向が気になります。ちなみに同価格帯のイヤホンの値上げや、FW10000の品薄からFW10000の中古価格もじりじりと上がっており、MMCXのイヤホンをどうにかしたいと思っている私としては嬉しさ半分、音色の為に手放せないと思う気持ち半分と悩ましいです。

特にJVCのようなフラグシップのモデルチェンジが少ないメーカーはユーザーとしても非常に好感が持てる事実で、音色が気に入って購入した自分としても気持ちよくユーザーとしていられるメーカーです。最近は一時の流行りやノリで高価格イヤホンを作りましたと言わんばかりのペースでフラグシップイヤホンを更新している会社も多く、最近の高価格帯のイヤホンを作るメーカーの姿勢にうんざりしていたのだなと気づかされます。FW10000の今後はどうなるかは分かりませんが名機の一つであるという事実だけは揺るがない機種になりそうです。

 

比類なき音色とケーブルの効果

さて、FW10000の音質については、これも出てから5年近く経っているた今更書くことはあまりありません(笑)。っと言いたいところですが、少しだけ思うところはあります。例えば一般的なDAPやアンプで聴いた時のFW10000の感想は下記の様なものだと思います。

広大な響きを持つコンサートホールで音を聴いているかに錯覚するほどの音色と、管弦楽での楽器の音色のリアリティに拘ったイヤホンだと認識しています。他にも特徴があるとすれば定位の良さで、広大な音場のおかげで音色の位置関係が容易に知覚できることも特徴の一つだと思います。他にも音の輪郭にエッジが無く、滑らかな表現をもつ音色しているところも好みとして上げる人が多いかもしれません。

弱点を挙げるとすれば、POPSなどの楽曲で求められる生々しく迫力あふれる表現でしょうか。透き通っていて広大な音場表現は音色がどこか澄ましすぎていて合わないと感じる楽曲が多いです。弦楽器や木管楽器にリアリティはあるもののやや音色が遠いので物足りなさを感じるかもしれません。電子音、打ち込みなども若干テンポや解像度表現が悪く感じる場合も多いです。

っということでかなり音色の特徴がハッキリしていて好き嫌いが別れやすい音だろうと思います。とは言え、最近思うのはその特徴の半分は付属ケーブルによって印象付けられているなと感じています。特に音の輪郭のエッジのなさ、解像度の低さはケーブルによるもので、例えばSpacecloudなどの中華ケーブルなどに変えても圧倒的な解像度の違いに驚くかと思います。FiiOのUTWS5を使った実験で確信に変わったのですがFinalのA8000のC106シルバーコートケーブルもそうなのですがこのあたりのクラスのイヤホンはケーブル込で音作りをしているように感じます。

当然ながら店頭の試聴ではリケーブルをした音色を確認することはできませんが、FW10000も例に漏れずケーブルでの音色の変化を楽しむことができる機種です。最近気に入っているのはNiceHCK のBlackJellyで、音像全てが近くなるのでホール感は失われますが、FW10000の高い解像度と定位の良さ、そして弦楽器の表現力を併せ持ついダイナミックドライバの性能を遺憾なく発揮してくれています。全体の音色がはっきりとしてエネルギッシュになるので本当に別物のイヤホンの音色です。このあたりは音の広がり方の方向性が近いSpaceCloudとは違うところでしょうか。

 

手持ちの機種との相性

ダイナミックドライバらしくどの再生環境とも良く合います。。。。っとっと言いたいところですが手持ちの機材の中ではなぜかFiiOのM17に限っては相性を感じます。これはFW10000だけでなくA8000についても同様で、その理由についてはあまり良くわかりません。もっと具体的に言えば、M17以外のToppingやADI2DAC、XD05Bal、同じFiiOのK9 Pro LTDまでもがそう感じるので単に音作りの相性が悪いのだと思います。ただ、音の相性が悪いと言うのは良い音色ではないという意味では無く、音の方向性で良さを感じにくいということでしょうか、M17は音場が広く音がぶ厚く、生々しい表現が得意で尚且つ解像度が高いことが特徴です。このためFW10000が得意とする方向性とは少しベクトルが逆に鳴っている部分があり、逆にPOPSが苦手だったFW10000がM17では普通に聴けてしまうようなバランスになります。なんとなくコレジャナイという感覚がわかりますでしょうか?

 

気になるところ

自分が気になる点はMMCXプラグと寝フォンができない点でしょうか。最近はこのMMCXプラグが別の規格であれば・・・と思わない日は無くなってきています。まぁリケーブルしなければいいと言えばそうなのですが(笑)。また、サイズが大きいことで寝フォンが出来ない点もマイナス要因です。音像は乱れにくく高級感もあるので素晴らしい造形だとは思うのですが、やっぱりゆっくりと寝転がって聴きたいという気持ちはずっとあります。このため、何度も手放そうかと考えるのですが代わりの音色が無いことでいつも踏みとどまってしまいます(笑)。

 

周波数特性

JVC FW10000 RL4回平均

特徴的なのは中高域にかけてのF特性の滑らかさでしょうか。後サブベース帯域が弱めですね。

 

まとめ

っということで、FW10000の魅力を振り返ってみたのですが、今でも10万円台のイヤホンとしては名機中の名機だと感じます。品薄なので新品は予約商品、中古価格は高めではありますが使って後悔しない機種であるのは間違いないと思います。

 

ではまた明日。

■Appendix

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.8

INPUT:Solo IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:ADI2DAC 768KHz32bit 3.5mm

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み