こんにちは
今日はAmazonで3900円で売られている超高コスパのポータブルアンプ Aiyima H1 が来ましたのでそのレビュー的な感想を少し書こうと思います。
外観
外箱
中身はこんな感じで、アンプ本体、USB A to Cの充電ケーブル、3.5mm4極ミニミニケーブル 40cm、説明書などでしょうか。
説明書はこんな感じで英語と中国語表記しかありません。
スペックの拡大はこんな感じで重さは202gとあります。持った感じそこまでの重さを感じ無かったので実測してみると156gでした。50gほど実測の方が軽いですね。
本体の全面パネルはこんな感じで、3.5のジャックが2つ、ボリュームダイヤルがあり、ダイヤルは電源のONOFFを兼ねたタイプで、ONOFFの境目で「カチッ」っとクリック感がありONになるとランプが付きます。
逆側はUSB Cの電源入力とチャージランプがあります。左右にはOPAMP交換をするときに中を開けるネジが付いています。ちなみにH1の新型と旧型があるようで旧型は付属品に六角レンチが付いているそうなのですが新型には付属しなくなったようです。オペアンプを交換するには別途2.5mmの六角レンチを準備する必要があります。
中身
折角なので中を開けてみました。
めちゃくちゃネジが長いですね。設計的にはねじの長さよりもネジを減らす方を選択したようですね(笑)。
ネジを外すと逆側が引き出せるようになるので引き出すとオペアンプがすぐにあります。新型なので大きなリチウムイオンバッテリーが見えます。結構キツキツに詰まっているので取り出し難いです。
取り出すとこんな感じです。
逆側はこんな感じです。旧型はディスクリートのパーツが沢山使われているのですが新型なのでかなりシンプルです。
あまり、高さが無いので高さのあるオペアンプは搭載できませんでした。例えばAmazonで販売している「しろくま製作所」の「OPA627AU デュアル 8Pin DIP変換基板実装済み」は写真の様に締まりません。
手持ちにあった別のMUSES02は付きました。動作電圧は足りていないですが一応動き、音色も確認しましたが中々に良かったです。
付属品
付属ケーブル2種です。ちょっとクセがつきやすいタイプなので使いやすさはイマイチですが、使用には問題ありません。
4極なのでもしかしてマイク付きのイヤホンも使えるのかもと試してみましたら普通に使えました。写真はGV301Q->標準ミニミニケーブル->H1->マイク付き竹CHUで使っている所です。
確認しましたがiPhoneのA1749などのマイク付きDACも使えるのでスマートフォンなどとも使えます。
サイズ感
iPhone 12と合わせた感じはこんな感じです。
マイク付きが使えるのは地味にうれしいです。
BTR7と合わせるとこんな感じです。
05Balと比較するとかなり小さいですね。
右側から順にFiiO M17、Aiyima H1、AGPTEK 19X、SIVGA Robinです。
Robinも良い音で鳴らせます。
音色
まだ一日ぐらいなのでざっくりとした感想という前置きをさせてもらいますが、かなりコスパが良いというのは間違いないですね。
標準のOPAMPでは傾向としてはかかなり艶やか音色の味を持つポータブルアンプです。イメージとしては真空管アンプ的ながっつり味を付けてくれるアンプと考えてもらえたら良いと思います。
低価格帯のアンプにありがちな低域が出過ぎるとか全くでないなども無くほぼフラットなバランスです。元々使っている上流にもよりますが1~2万円程度のポータブルアンプと比べても遜色ないレベルの音に纏まっている感触です。
上流の変化
上流をM17やAGPTEK やGV301Q(ノートパソコン)などいろいろと比べてみましたがセオリー通り下流(耳に近いほうの機材)の影響がしっかりと出て、アンプH1の音色がイヤホンに乗ってつやつやの音になります。
その上で上流トランスポーターの特性を素直に反映してくれ、M17を上流に置けばM17の味変として立派に機能します。流石に解像度などは下がってしまうのですが3000円程度のアンプで楽しむには十分に機能します。そして何よりAGPTEK やGV301Q(ノートパソコン)では圧倒的に低音~高音までの音の鮮度やアタック感が増すので圧倒的なグレードアップ感があります。
ミニミニの変化
注意:ケーブルについては科学的に見れば音質の変化に対する決定的な証拠はありませんので、オカルト的な要素を過分に含みます。幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
付属品の3.5mmのミニミニはさぞかし悪い品質なのだろうという先入観があったのですが、他のケーブルと比べてもそれほど悪くありませんでした。解像度などは低いのですが音場が横に大きく広がる傾向があります。高音から中音にかけては軽い音で安い線材独特の雰囲気はあるケーブルですが音場感が良いので許せてしまいます。TRUTHEAR ZEROで音場が広がったと言ったのは主にケーブルの特性だったようです。
ZERO組み合わせた音についてはこちらを参照ください。
なので別のケーブルにすると解像度が上がり音場は狭めになる傾向はあるかと思います。
FFさんからの勧めもあってTANCHIJIMのZEROについても標準のミニミニケーブルを試してみたところ驚きの変化がありました。解像度はかなりさがって音色がチープになるのですが横の音場は一般的なイヤホンレベルまで広がり、音全体に窮屈さがありません。前後の立体感もある程度は維持しているのでバランスが良いです。
TRUTHEARのZERO、TANCHIJIMのZERO両方に言えるのですがこれがこれらのイヤホンの良さを引き出しているかと言われると難しいところはありますが、少なくとも味変用のアンプとしてはかなり面白いです。
ボリュームによる周波数特性の変化
これだけ音が変わっているのだから周波数特性も変化しているに違い無いと思いZASを使ってAiyimaH1無し、そしてAiyimaH1のライン入力側のボリュームを固定して出力ボリュームを20%~70%ほどで色々変えて周波数特性を取ってみました。もちろんミニミニケーブルは標準のものを使っています。
結果を1KHzでAlignしましたが残念ながら周波数特性上の波形の変化はほぼありませんでした。厳しく見れば20Hz付近のサブベース帯域で0.5dBほどでしょうか・・・、。少なくともH1のSPL周波数特性上の有意な変化は無い様です。
OPAMPの変化
ちゃんと変化しました。動作電圧:2.8V-4.2Vと記載があるので、MUSES02は足りていないはずなのですが、一応動きました。音色は解像度が上がりややカリカリの音に変化しました。すこししか聴いていませんがオペアンプによる音の変化も楽しめそうです。
ホワイトノイズ
少しあります。ただこの手のアンプとしてはほぼありませんので高感度のイヤホンなどを使わない限りは問題ないレベルだと思います。
その他
使い勝手的な部分ではボリュームダイヤルが飛び出ていることなどで不意に回ってしまうことが多く、移動中などのポータブル運用には少し難しい印象があります。後は最近のトレンドとしては4.4mmプラグが挿せると良かったのですがこの価格ですし難しいでしょう。バリもありませんし印刷品質も良く使われている部材の品質もとても3000円の品質には思えません。
まとめ
ざっと見て、聴いてみましたが3000円程度のアンプとしては本当に高コスパなアンプでした。特に一昔前のポタアンは安く入手はできるもののバッテリーが陳腐化していたり、USBがMicroBだったりと不安材料が多数ありますが、このAiyima H1はかなり低価格ながらそれらを全てクリアしています。
ミニミニケーブルで遊んだりOPAMPを交換しても遊べるのでそのような遊びをやってみようと考えているのであればコストパフォーマンスは相当に高いです。