こんにちは
今日は、先日ポタフェス2022秋葉原で聴いて一番驚いた機種SIMGOT EA500が発売され本日届きましたのでその簡単なインプレ(簡易レビュー)です。
インプレ結論:A10K Tier1 参考価格:10980円
EA500は飛び抜けた美音と解像感と分離感を持つA10K価格帯でも特に音色に優れたイヤホンです。付属品のイヤーピースやケーブルなどの品質は価格なりではありますが、万人受けするフラットなサウンドバランス、音場の広さ、開放感と適度な美しい響きが高いレベルで纏まっています。ノズル交換の仕組みなどは、ノズルの緩みなどの不具合を誘発するため賛否あるかと思いますが解像感が高過ぎると感じた場合はノズルを変更すると抑えられるなど音色としての完成度は随一です。イヤホンの基本性能が高く、イヤーピースは勿論のこと中級者はケーブルも交換することで更に音色を自分好みに伸ばすこともできます。音色の好みは勿論あるかと思いますがA10Kでは最強格の傑作です。幅広い方におすすめできるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎艷やかで美音な音色とフラットなサウンドバランス
◎広く優雅な音場と良質な定位感
◎解像感のHarmanノズル、細やかで繊細なSIMGOTノズルとサウンドチューニングを選択可能
〇筐体の基本性能が高くリケーブル等の中級者向の伸びしろがある
〇良質な意匠、付属品、サポート
Cons(微妙な点)
• 敢えて言えば、イヤーピースやケーブル等の付属品が値段なり
• 敢えて言えば、標準構成では解像感に比べて解像度不足を感じやすい(A10Kでは十分な解像度)
△両側で合計20gとやや重い
△ノズルが緩みやすい(緩むと低音が逃げます)
いつもの通りそこそこ文量がありますので結論は上記の通りなので各論としては気になる部分だけ読んでいただければ幸いです。
- インプレ結論:A10K Tier1 参考価格:10980円
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について
- SPL周波数特性測定
- 相性について
- 音質の総評、所感
- Appendix
動機付けなど
モチベーション
先日の記事の通り、ポタフェスで聴いてきた機種の中で価格と音色を比べた時に非常に素晴らしい機種だと感じたことがきっかけです。
販路、購入先(サポート)
国内代理店は水月雨などを担当している地球世界です。Amazonでも取り扱いがあります。
また、楽天eイヤホン店舗であれば初回1000OFF購入クーポンがあるので1万円ジャストほどで購入できます。私もそこで購入しました。
どこも売り切れのSIMGOT EA500
— すのー🐈ゆるふわオーディオ™️ (@snow_el) 2022年12月24日
フジヤの1000円OFFクーポン使いたくて待ってたけど楽天eイヤホンに普通に1000円OFFクーポンあったからこっちで注文
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ちなみにサポートについてなのですが、製品内部にVIP会員なるものがあるようです。
SPEC
私はKZ以外スペックで音質を決めつけることは(あまり)しないのですが、特筆すべきことは2つのターゲットチューニングでしょうか。ノズルを交換することによってハーマンターゲットかSIMGOTのチューニングかを選べるようになっています。
また、余談ですが海外価格の定価としては400元、単純日本円換算で7〜8000円前後に設定されてさらにドングルDACがセットにになっていたようです。日本でDACがつかないのは残念ですが他のイヤホン同様に若干ながら日本国内の定価は少し高めですが許容範囲かと思います。あまり海外の価格を気にしても仕方ありませんし日本国内でも初売り時に価格を下げたりするキャンペーンを打ったりしますがその様なものだと思います。
箱とか付属品とか本体
開封体験
パッケージを開けて中身を確認すると合皮のケースとイヤーピース、ノズルに説明書、ケーブルなど標準的なものが入っています。
マニュアルは日本語もあり大きく図解でイヤホンの装着方法が載っています。標準ではイヤホンに付いてないのですが初めて使うための最低限の情報は乗っているように思います。
ちなみに音導管については知っているものとして説明をされているので初心者はなにのことかわからないと思いました。
筐体 15.5Ω
筐体は金属製ですが両側で合計20.3gと重量はそこそこあります。しかしながら本体が丸いためか装着感は良好です。
ステムはネジ式でゴムのワッシャーを締め付けることでとめています。なくすことを踏まえてか耐久性が低いのか予備のワッシャーが大量に付属していました。
ドライバ後方用のベント、前方用のベントがそれぞれ内側に付いています。
RLの刻印は内側にあります。
ステム形状 6.13[mm]
赤のリングで中が空洞のものがHarmanターゲットチューニングノズル、黒のリングで中にスポンジ?が入っているものがSIMGOT-Classicチューニングノズルです。
ノギスでステムの最大径を測ったところ約6.13mmでした。AriaSnowなどと違ってステムに返しが付いていますので一般的なイヤーピースであれば問題なく装着できるかと思います。
ノズルについてはかなり緩みやすいのでイヤーピースの付け外し時も注意が必要です。
重さ20.3[g]
本体の重量は両方合わせて20.3gと重量級です。同価格帯のイヤホンRhombusの11.3g、TOPAZの10.5g、心鏡Proの16.3g、AriaSnowの19.5gなどとくらべてもかなり重いです。
リケーブル端子 埋込2pin
一般的な浅めの埋込2pin端子です。
ケーブル
A10Kクラスのケーブルとしては一般的な絡みにくく扱いやすいしなやかなケーブルです。ケーブルのタイが付いているので纏めて仕舞っておくときは便利です。見た目はとても綺麗です。
重さ15.5[g]*タイ含まず
一般的な重さです。
抵抗値(直流インピーダンス)0.6Ω
このクラスの付属品のケーブルとしては標準的でオーディオ用として最低限のものが付属しています。良い音で聴きたいのであればリケーブルを推奨します。
クロストークチェック ほぼ無し
手順*1に従って確認しました。
ほんの少しクロストークはありましたが、聴感上気になるレベルのクロストークはありませんでした。
付属イヤーピース
一応はまったのですが酷い音色で、とてもフィットしているとは思えなかったので合っていなかったのかもしれません。イヤーピースについては1万円ということを考慮するともう少し良いイヤーピースを付属してほしかったです。
付属ケース(充電、電池持ち)
内部にポケットがあるタイプのケースが付いてきます。予備のイヤーピースやケーブルなども入れられる十分な大きさのケースです。
使い勝手の評価
寝ホン
本体は重いのですが厚みはあまり太くもないこともあって音像の乱れは少なめです。ただし標準ケーブルやHarmanノズルでは小音量時に粗が目立ちやすいので音質面が気になるかもしれません。
結論としてはおすすめできるほどではありませんが、十分できるレベルだと思います。
外使い(音漏れ、遮音性、ノイズキャンセル)
指でステム側を抑えて遮音してみました。ベントが空いているところから5,6割程度漏れています。内側に漏れる形なので実用ではもう少し少なくなるとは思いますが漏れる方なので外使いは注意が必要かと思います。
ホワイトノイズ
ホワイトノイズが出やすいLotooのPaw PICOに繋いで最小ボリュームで聴いてみましたが小さくホワイトノイズがありました。実用上は気にならないレベルですがホワイトノイズが多きめの機種で繊細な方は気になるかもしれません。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等)
全体としてA10Kのイヤホンとしては十分なクオリティかと思います。特に本体のデザインやビルドは素晴らしくA10Kでも良質は部類です。
音質について
ファーストインプレッション
Xperia10iv AppleMusic -LDAC> BTR7 -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++の状態でポタフェスで聴きました。詳しくはこちらです。
本日、到着してから標準のイヤーピースが珍しくサイズが合って装着できそうだったのでその状態でまず聴いてみたのですが音の前後感がかなり薄くなるほか全体的に粗く感じたので標準のイヤーピースはあまり良く無いように感じました。低音が薄い感覚もあったので正確にフィットしていないことも要因としてあるかもしれません。
競合機種との比較について
競合で言えば価格帯が近いBQEYZ TOPAZ、 HzSound 心鏡Pro、水月雨Moondrop Aria Snow Edtionなどがライバルになるかと思います。
エージング(バーンイン)
4時間ほど実際につかいながら鳴らし込んでいます。
試聴環境
標準環境*2を使っていますが。今回は特にXperia10ivやM17を主体に聴きました。
帯域バランス フラット
両方共にほぼニュートラルバランスです。細かく言えばRedノズルのHarmanチューニングは標準の低域から高域まで過不足無く適度に出ており、若干ながら中高域よりのバランスとも言えます。BlackノズルのSIMGOTチューニングは高域がやや少なくほんの少しカマボコ寄りになる感じです。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) ◎
RedのHarmanノズルは暖かさがやや寒色よりで概ねニュートラル。明暗はやや明るめで、艶感のある美音の響き感じられるサウンドです。粘度はニュートラルで音の厚みは標準的です。音のレンジ感、コントラストが高く、解像「感」がとにかく高い音色です。このため曲やイヤーピースの選択によっては若干音色全体から荒々しい傾向を感じやすいかと思います。全体としてとにかく美を追求したかのような統一感のある音色になっておりこの価格帯でここまでの美音は中々無いように思います。特に一聴した時のインプレッションは最高に良く中々のインパクトがあります。
BlackのSIMGOTノズルに変更するとやや暖色になるほど音色のコントラストが少し落ち着きソフトな音色で、荒々しさも収まる傾向があります。2つのノズルは音色の傾向も変えるようです。
音場(広狭、重心、遠近) ◎
RedのHarmanノズルは上下、左右、前後共にこのクラスではかなり広めです。音の重心も高めで中域のボーカルなどは適度な近さがある上に広い空間に定位するため表現は秀逸です。
この価格帯の競合機種と比較しても別格に上手いです。SpiralDot++でない標準イヤーピースでの前後の空間表現が平面的になってしまう点を踏まえるとイヤーピースで表現が大きく変わりやすいイヤホンなのかと思います。
またBlackのSIMGOTノズルに変更すると上下の音場がやや圧縮される感覚があります。全体的にやや抜け感が無くなる感覚はあるので音場についてはRedの方が秀逸だと感じます。
競合の1DDイヤホンと比べてもかなり高いレベルに纏まっています。
定位、音像 ◎
RedのHarmanノズルは前後左右上下の広い音場に十分な定位で音像を描きます。上下の定位は若干緩い感覚がありますが、音像ははっきりとしており、このクラスのイヤホンとしては異様に高い解像感、音色のコントラストから明瞭に感じます。
またBlackのSIMGOTノズルに変更するとやや音にソフトフォーカスをかけたかの様に解像感が下がるので定位感もマイナスされ価格なりになると思います。
競合の1DDイヤホンと比べてもかなり高いレベルに纏まっています。
解像度、分離 〇
価格帯なりの解像度と分離性能です。高い解像感と裏腹に解像度は並なので全体のバランスから言えば解像度の低さが気になってしまいます。また複数の音が重なった場合も音像の分離が曖昧でA20Kクラスと明確な差を感じます。描写力の泉源になっていると思います。これらは両ノズル共に同様の傾向だと感じました。
競合の1DDイヤホンと比べてもこの点は同等レベルだと感じますし、ハイブリッド構成のイヤホンと比べるとやや見劣りするかも知れません。
低域の質について 〇
両ノズル共にサブベース帯域がやや少なめですが音楽の下支えをするしっかりとした乾いたタイプの低音です。アタックの速さや余韻は一般的ですが、適度なバランス感覚を持っており解像度も十分です。個人的には十分過ぎる低音ではありますが、中華イヤホン的な深い低音を求める方には物足りない量感かもしれません。
競合のイヤホンと比べても低音については一般的かと思います。
中域の質について ◎
RedのHarmanノズルは量感は適度で強調感とコントラストが強い良質な中音域です。不要な響きが少ない一方で美しいと感じる響きが上手く付与されており明瞭かつキレが良い音だと感じます。
個人的には音色の立体感や定位感も良質で音像の造り方もこのクラスで随一の表現だと感じます。しかしながらよくよく聴き込んでいくと解像度が追いついていない点が気になってしまいがちです。後述しますがここを気にするレベルならリケーブルなども選択肢に入ってくるかと思います。競合のイヤホンと比べても表現力は高いです。
またBlackのSIMGOTノズルに変更すると若干中域の音像が下がり解像感も下がりますので少し表現力は落ちます。一方で音の密度感は上がるので聴きやすい音色だとも言えます。このためBlackノズルの場合は〇評価になります。
高域の質について 〇
高域の量感は一般的ですが、解像感が高く明瞭な高域が聴けるのですが解像度が相対的に不足するためやや荒々しいと感じます。適度な中高域でありながら女性ボーカルのサ行などの歯擦音がほぼ刺さらないのでチューニングは見事です。弦楽器の倍音やチャイムやシンバルなどの高域を多く含む楽器の音像表現は煌びやかです。
またBlackのSIMGOTノズルに変更すると高域の荒々しいコントラストの高さが抑えられ解像度と解像感のバランスが見事に調和します。やや煌びやかさが抑えられデッドな音色になります。高域の粗さが気になってしまう場合はこちらのノズルの方がバランスが取れています。こちらのノズルの場合は◎の評価に近くなります。
競合のイヤホンと比べても概ね良好です。
SPL周波数特性測定
箱にはノズル事に大きくチューニングを変えている様な雰囲気で書いてあるのですが実際に測定してみるとかなり微々たる差で3回の測定+LRを平均しています。
グリーンのラインがBlack SIMGOTチューニング 、オレンジがRed Harmanチューニングになります。
1kHzでアラインしたグラフがこちらになります。SIMGOTチューニングの方がカマボコになっているのがわかりますね。
vs HzSound HeartMirrorPro 心鏡Pro
心鏡Proと比べるとややサブベース域が少なく高域の音圧が強く出ていますね。
vs 水月雨Moondrop KATO
こちらはKATOと比較したグラフです。
vs CCA HM20
最後はA7Kの価格帯で圧倒的な解像度と完成度を誇るHM20との比較です。
相性について
ジャンルの得意不得意
バランスがフラットなのであまりジャンルを問わないイヤホンですが、激しい曲調の曲はやや苦手なように思います。特にSIMGOTチューニングノズルは音がソフトになるので特に顕著に感じます。非常に高いレベルの完成度の
アンプ(上流)による印象の違いについて
上流を標準環境で聴き比べたりしたのですがざっと聴く限り大きく傾向は変わりませんでした。良いアンプほど解像度は上がる傾向があるのでできればアンプを使う方がより楽しめるチューニングだと思います。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)
注意:
リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。
このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
個人的に気に入ったHarmanノズルSpiralDot++構成で幾つかリケーブルしてみました。
デフォルトケーブルについての補足
リケーブルで遊びたいという用途以外でも音質目的ではリケーブルは推奨したいレベルです。音色のバランスや音場感は見事に作りこまれているとは感じるのですが、気になるのは高域の粗さでEA500で感じる高域の粗さの原因はこのデフォルトケーブルだと感じます。
水月雨 Moondrop KATO標準ケーブル 3.5mm を使った聴き比べ
そしてここでも言及していますがKATOのケーブルで統一することで心鏡Proとイヤホン筐体の基本性能を比較できるので折角なので同じケーブルで聴き比べました。
結果としてKATOを10として心鏡Proが5とすればEA500は8~9ぐらいは来ていると感じました。ケーブルを同一にするとEA500は解像感と定位感、音場の広さと一聴したときの表現力でKATOを上回るものの、解像度、音の分離、滑らかさ、レンジの広さはKATOが上回ります。特に解像度の差は価格なりの差があるので大多数の人にアンケ―トを取ればKATOの方が良いいと答えると思いますが差は少ないと感じる人も多いのではないかと思います。個人的な好みで言えば音場の広さという点でEA500の方が好みではあります。
Yongse Expert AgMax8 4.4mm
広い音場が更に上下左右に拡張され広大な音場に包まれます。元々美音系だった音色は一段と明瞭さが増して透明感と精細さが付加されます。デフォルトのケーブルで感じた高域の粗さやは感じません。元々ケーブルの音色の味が強いケーブルですが音色の傾向が近かった為か大きな変化というよりは苦手な部分を引き上げてくれ、更に良い部分を素直に伸ばしてくれている感覚が強いです。相性は良好なのですが唯一低音の主張は若干弱くなるので低域が欲しいと感じている人は別のケーブルの方が良いでしょう。
BINGMANGO Zebra 4.4mm
全体的に透明感と彩度が上がり、音色がタイトでになります。明瞭さや解像度や分離が少し上がり、全体としてキラキラとした音色の傾向になるように思います。音場の広さは上下や横の広がりが出る代わりに前後が若干平面的になります。低音の量感はより目立たなくなるのですが立ち上がりなどのスピード感は良好なので悪くありません。個人的にはよりな好きな傾向の音色になるように感じます。価格的にも良好な相性だと感じます。
JSHiFi 銀月 4.4mm
ボーカルや中域の楽器の主張が強くなった上に音がやや丸くすべらかになるのですが音色の鮮度があがったような生々しさが出る傾向あります。音場は標準から左右は広くはないのですが上方の音場が大きく拡張されるばかりか音像が上にあがります。加えて音色の広がりや解像度、抜け感が良好す。シンバルや鈴の音がはっきりとする点も銀月らしさがでています。銀月はボーカルケーブルだと感じていますが特に銀月との相性は最高に良いと感じます。
NICEHCK FOURMIX 4.4mm
銀月が女性ボーカルであればFOURMIXは男性ボーカルケーブルだと感じます。銀月と音場感は似ており、横の音場はそれほど広くないのですが上方に大きく音場が拡張されて響きよく音色がひろがります。中域から低域のエネルギーと量感は秀逸で、高い解像度と響きの良さがイヤホンの長所と組み合わされることで音の高いリアリティを作りだしています。音像の定位の良さと分離の良さも向上し、高いコントラストによるバックの静寂さも良くなるので流石のフラグシップケーブルだと唸らされます。
JSHiFi 雷神 4.4mm
上品な音色な雷神ですが、EA500と合わせることで両方の良さを伸ばしあうような結果になりました。音場の広さこそほぼ変わらないか少し広くなる程度なのですが、全体域に渡って音色の滑らかになり音色の解像度が数段上がります。雷神は解像感は低いケーブルなのですが解像感の高いEA500とのバランスは絶妙です。高域の粗さ、低域のスピード感も良好で正にオールマイティなイヤホンになった感覚です。両方合わせても2万円という価格を考えるとかなり良好な相性だと思います。(見た目は所説あるかと思いますが)。
まとめると、どのケーブルもかなり高相性でした。標準の状態でもかなり良いイヤホンですがリケーブルをしてもかなり遊べる機種になるかと思います。
イヤーピースによる印象の違いについて
個人的に気に入ったHarmanノズル、雷神でいくつかイヤピを変えてみました。
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視)
今回のデフォルトイヤーピース
Spinfit W1(中域、低域、解像度重視)
中域と低域の解像度と質感が向上します。SpiralDot++から比べると横と上下の音場は狭くなるのですが、前後の音の立体感は大きく向上します。元々高い解像感に少しの解像度が足されることで音色全体に締まりと音像の実在感が増すように感じます。すこし高いイヤーピースですが高相性だと感じます。
Moondrop 清泉 Spring Tips(中域重視)
横の音場、前後の音場は狭くなってしまうのですが中域の音色の透明感が上がります。女性ボーカルなどの音色は滑らかで存在感が出るのですが音場の狭さが気になったのであまり相性は良く無いと感じました。。
標準イヤーピース
前後の音像の厚みが無くなりのっぺりとした平面的な音色になりました。あまりオススメできません。
結論としてイヤーピースでも音が大きく変わるイヤホンかと思います。
音質の総評、所感
非常にレベルの高い1DD機種が今年最後に滑り込んできた印象です。心鏡Proは去年発売されたA20Kの代表機種KATOなどと比べてしまうと大きな差を感じたのですがEA500はある部分では肉薄してきていると感じましたし、EA500が得意な解像感や音場などは上回っている部分もあります。逆に価格に比例しやすい解像度などはKATOが上回っていますし、ケーブルを揃えるという行為はケーブルのコストを無視しているのでフェアな勝負ではありませんのでその点はご注意ください(KATOとEA500の差は開くということです)。
HM20を超える様なショックは無かったのですがTRUHEAR のHEXAの様に順当に良質で去年のA10Kを明らかに超える品質を同じ値段で実現してきている点はイヤホンの進化を実感します。
全体を振り返ってもインプレ(簡易レビュー)で暫定にはなるのですが個人的にはA10KではTier1レベルの音質です。また、客観性を放棄した主観的な好みで言えばHEXAよりも好きです。
本日届いたばかりであまり長い間聴いたわけではないのですが、A10K Tier2に設定しているイヤホンとは大きな差はないですがEA500が頭一つ抜けたという印象です。個人的にリケーブルをするイヤホンの中級者以上にはドンシャリKZ好きなら圧倒的にHM20、KZ傾向が好きでなくフラット傾向でハイブリットであればHEXA、1DDであればEA500がオススメになるかと思います。
Appendix
*1:
ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします
*2:
M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
iphone12"AppleMusic" -A1749-> -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
GV301"AppleMusic" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
*3:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz