こんにちは
今日はLinsoul様からのレビュー依頼のKiwi ears CADENZAのレビューです。提供レビューにはなりますが趣味でやっていますのでいつもと同じ基準で記載しております。
結論:A5K Tier1 参考価格:5220円
CADENZAは広大な音場表現とキラキラした高音表現と響きが良く深い低音を持つコストパフォーマンスが高い傑作イヤホンです。弱ドンシャリの万人受けする整ったサウンドバランスに正確な空間表現も魅力です。開放感と適度な美しい響きが高いレベルで纏まっています。付属品のイヤーピースやケーブル、説明書などの品質は価格なりではありますが、A5Kの価格を考えれば十分満足できるかと思います。イヤホンの基本性能が高く、イヤーピースは勿論のこと中級者はケーブルも交換することで更に音色を自分好みに伸ばすこともできます。音色の好みは勿論あるかと思いますがA5Kでは最強格の傑作です。幅広い方におすすめできるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎広大な音場を持ち、素晴らしい空間表現
◎煌めく高域、響く低域、明瞭な中域と良質な音色
〇筐体の基本性能が高くリケーブル等の中級者向の伸びしろがある
〇フェイスプレートが美しく良質な意匠、片側3.5gと軽い筐体
Cons(微妙な点)
• 敢えて言えば、イヤーピースやケーブル等の付属品が値段なり
• 敢えて言えば、標準構成で明瞭感が不足しやすい
△RLの刻印無し、マニュアルが英語のみ
△本体が分厚い
いつもの通りそこそこ文量がありますので結論は上記の通りなので各論としては気になる部分だけ読んでいただければ幸いです。
- 結論:A5K Tier1 参考価格:5220円
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について
- SPL周波数特性測定
- 相性について
- 音質の総評、所感
- Appendix
動機付けなど
モチベーション
Linsoul様からのレビュー依頼がきっかけになります。A5KイヤホンにはTier2に設定しているTripowin TC-01や同等クラスで人気のあるDarumaAudio CP86Aなどがあり、激戦区の価格帯です。また、Kiwi earsは新ブランドのイヤホンメーカーらしくどのような音作りをするのか気になり依頼を受けて見ることにしました。
販路、購入先(サポート)
正式な国内代理店は無い様ですがLinsoul様がAmazonで取り扱いしています。
SPEC
私はKZ以外スペックで音質を決めつけることは(あまり)しないのですが、特筆すべきことはベリリウムダイナミックという振動板と思われる記載でしょうか。Pureかメッキかは諸説ありますが、ケースには10mmベリリウムコートダイナミックドライバーと記載があります。
その他の細かいSPECは下記Amazonのサイトを御覧ください。
箱とか付属品とか本体
開封体験
パッケージは簡素なものですが、開けて行くと美しいフェイスプレートが出迎えてくれます。
パッケージ下まで開けて中身を確認するとイヤーピース、説明書、ケーブルなど標準的なものが入っています。
マニュアルは英語のみですが図解でイヤホンの装着方法が載っています。後述するように本体にRLの記載もなく、中華イヤホンを良く買う層には全く問題ありませんが初心者にはあまり進められませんね。
筐体 32.0Ω
筐体は樹脂製でこのクラスのイヤホンとしてはやや大きめの筐体になるかと思います。見た目は美しくA5Kでこの見た目は十分すぎる満足感があります。本体は大きめですが全ての角が丸いためか装着感は良好です。
本体にLRの記載は無いのですがフェイスプレートはRとLで異なっており、L側にのみメーカーのロゴが入っています。
ドライバ後方用のベントが本体サイド側に、前方用のベントがそれぞれ内側に付いています。
競合機種との比較
左側からDarumaAudio CP86A, Kiwi ears CADENZA, TinHiFi T1S, Tripowin TC01です。
比べてみると厚みあり大きめであることがわかります。この価格帯のイヤホンは材料も馬鹿にならないので筐体は小さめになってしまうことが多いのですがCADENZAはかなり大きいです。
ステム形状 6.55[mm]
ノギスでステムの最大径を測ったところ約6.55mmでした。AriaSnowなどと違ってステムに返しが付いていますので一般的なイヤーピースであれば問題なく装着できるかと思います。
重さ7.5[g]
本体の重量は両方合わせて7.5gと軽量です。同価格帯のイヤホンと比べてもTC01の17.4g、ZAXの12.1gなどとくらべてもかなり軽いです。
リケーブル端子 フラット2pin
一般的なフラット2pin端子です。
ケーブル
A5Kクラスのケーブルとしては一般的な絡みにくく扱いやすいしなやかなケーブルです。
重さ16.3[g]*タイ含まず
一般的な重さです。
抵抗値(直流インピーダンス)0.6Ω
このクラスの付属品のケーブルとしては標準的でオーディオ用として最低限のものが付属しています。良い音で聴きたいのであればリケーブルを推奨します。
クロストークチェック ほぼ無し
手順*1に従って確認しました。
ほんの少しクロストークはありましたが、聴感上気になるレベルのクロストークはありませんでした。
付属イヤーピース
イヤーピースについて3種類3サイズ、合計9種類付属しています。自分はどれも装着できなかったのですがA5K円ということを考慮すると十分かとは思います。個人的には5サイズ展開の方がフィットする人が多いかとは思います。
付属ケース(充電、電池持ち)
無し
使い勝手の評価
寝ホン
本体は軽く装着感が良いのですが厚みがあるのであまり向いているほうではありません。おすすめできるほどではなく、かろうじてできないことはないレベルだと思います。
外使い(音漏れ、遮音性、ノイズキャンセル)
指でステム側を抑えて遮音してみました。ベントが空いているところから3割程度漏れています。半分は内側に漏れる形なので実用ではもう少し少なくなるとは思いますが、音漏れの注意は必要かと思います。
ホワイトノイズ
ホワイトノイズが出やすいLotooのPaw PICOに繋いで最小ボリュームで聴いてみましたが聴感上記になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等)
全体としてA5Kのイヤホンとしては一般的なクオリティかと思います。特に本体のデザインやフェイスプレートは美しくA5Kでも良質は部類です。
音質について
ファーストインプレッション
こちらで記載した通りかなり素晴らしく驚きました。
競合機種との比較について
競合で言えば価格帯が近いCP86A、TC01、同じベリリウムコードドライバのT1Sなどがライバルになるかと思います。
エージング(バーンイン)
10時間ほど通常使用で使い込んだ後、400時間ほどAGPTEKで試聴プレイリストを連続再生しました。その後、再度10時間ほど普通に使ってみています。エージング前後に関してはそれほど大きな変化は感じませんでしたが全体としてやや音色がクリアになったように感じます。
試聴環境
標準環境*2を使っていますが。今回は特にXperia10ivやM17を主体に聴きました。
帯域バランス 「弱ドンシャリ」
万人受けする弱ドンシャリバランスです。細かく言えば低音の主張が強めなこと、ボーカル帯域も十分に主張することからWバランスと言っても良いかもしれません。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「◎」
寒暖はほぼニュートラルで中華イヤホンを想像していると暖色傾向を感じるかもしれません。明暗はやや明るめで、心地よいヌケ感ある響きを感じられるサウンドです。粘度はややさっぱりしており音の厚みは標準的です。
全体として整った音色なことに加えて開放感があり、低音は深みがあり中域はスッキリ高音はキラキラととても初めてのイヤホンブランドとは思えない完成度です。
競合と比較すれば、中域を重視して音に生々しさがあるTC01やCP86Aや、低音の支配感が強く癖が強いT1Sと比べるとCADENZAはCADENZAはスッキリとした全体の鳴らし方が上手いオールラウンダーです。
音場(広狭、重心、遠近) 「◎」
この価格帯の競合機種と比較しても別格に上手いです。横と縦の広さはこの価格帯では随一の広さがあるかと思います。前後の表現力もしっかりとしており、空間表現に関してのネガティブ要素は見当たりません。重心は少し高めで音色は少しだけ俯瞰性を持ちます。ボーカルなどの中域はやや遠目ではありますが音色がしっかりとしているので全体としてかなり高いレベルに纏まっています。
競合のイヤホンと比較すれば、TC01は音場の広さは同等か横が少しだけ狭い感じはありますがやや近くボーカル等の熱量を感じやすいチューニングです。CP86Aは横の音場が狭く空間表現ではやや劣りCADENZAに分があります。T1Sは低音に支配される音場感が独特なのでかなり癖があり、一般的にはCADENZAの方が好まれる表現だと感じます。
定位、音像 「◎」
前後左右上下の広い音場に十分な定位で音像を描きます。A5Kとしてはしっかりとした音像があり定位も十分すぎるほどだと感じます。特に音色のプレゼンテーションとして正確さもしっかりとしています。個人的にA5Kなことを忘れてここまでできが良いのであればもっとと感じてしまうほどの魅力がある様に感じます。
競合と比較すれば、TC01は音像と定位自体はしっかりした描写でその点はCADENZAを上回るのですが正確さという面では違和感が多いイヤホンで全体としてはCADENZAに分があります。CP86Aは音場が狭めなことがあり、音像ははっきりとしているのですがどうしても定位表現がボーカル主体に偏ったチューニングになっていると感じてします。T1Sは音像がハッキリとしている方ではあるのですがTC01同様に定位の正確さに難があるため個人的には好きになれません。
結論として1DDイヤホンと比べてもかなり高いレベルに纏まっています。
解像度、分離 「〇」
価格帯なりの解像度と分離性能です。音色の定位と空間表現とは裏腹に解像度や解像感は価格なりです。全体のバランスから言えばもう少し解像度がほしいと感じやすいかもしれませんがこの価格帯に求めるもは酷にも思います。分離に関しても価格帯に求められるレベルを十分に上回っています。
競合の1DDイヤホンと比べてもこの点は同等レベルだと感じます。一方で、もう少し価格帯を広げたZAXや碧lightと言ったハイブリッド構成のイヤホンと比べるとやや見劣りするかも知れません。
低域の質について 「◎」
サブベース帯域から一般的な低域まで量感は十分で表現力も高い良質な低音です。やや暖かさがあり空間に心地よく響いて広がるタイプの低音表現です。個人的に好みの鳴り方だと感じる一方でややアンプ側と相性が出やすく、プレイヤーとの相性によっては音色に癖(違和感)を感じる場合もありました。音楽の下支えをはしっかりできるのですがアタックの速さや余韻はこの価格帯の1DDとして一般的です。
競合のイヤホンと比べても低音については表現力が高く、CP86AやTC01と比べても表現は上手だと感じます。一方でT1Sは破滅的な量感と独創的な低音表現を持っているので一概に良し悪しを決められる土俵に無いという評価になるかと思います。
中域の質について 「○」
弱ドンシャリのイヤホンと書くと中域の量感は少なめと思うかもしれませんが一般的に十分な量感がある上にクリアな音色なこともありしっかりと音の輪郭を感じることができます。全体的にややコントラストが低めではあるのですがその中で一番解像感が高いのが中域と言うと良いでしょうか。全体の音色は統一されており違和感の無い表現ではあるのですが中域から高域は明瞭で分離も解像度も不満を感じません。
競合イヤホンと比べれば、CP86Aは音場を含めて明確なボーカル重視チューニングなので中域の存在感のレベルで見落りはしてしまいます。TC01は厚みのある生々しさと立体感に優れる中域(ボーカル)表現があり、やはり中域に関してはやや他のイヤホンに分があるかもしれません。一方で見劣りするほどでも無く、しっかりと仕上げている点は見事です。
高域の質について 「◎」
高域の量感は一般的なのですが、解像感が高く明瞭な「キラキラ」した高域です。当然この価格帯なので粗を探せばあるのですがピエゾやBAなどに頼らないこの価格帯の1DDとしては申し分ないというのが本音です。適度な中高域でありながら女性ボーカルのサ行などの歯擦音がほぼ刺さらないのでチューニングであることも見事です。弦楽器の倍音やチャイムやシンバルなどの高域を多く含む楽器の音像表現は煌びやかで派手です。正確さや自然さを問われると疑問点が無いわけではないのですがこの価格帯のイヤホンではそれらより聴いて心地よいかの方が圧倒的に問われますので(高価格帯でも一緒かもですが)素晴らしいと言って良いのではないでしょうか。
競合のイヤホンと比べても前述している機種の中では秀でており、張り合うには高域が得意なドライバを組み合わせるハイブリッド型などのイヤホンが必要かと思います。
SPL周波数特性測定
ファーストインプレッション時にも記載したのですがかなりこのチューニングカーブは最近のトレンドの様に感じます。
Kiwi Ears Cadenza vs Tangzu Wan'er S.G
vs TinHiFi T3Plus C3, TKZK Ouranos
相性について
ジャンルの得意不得意
バランスが万人受けする弱ドンシャリなのであまりジャンルを問わないイヤホンですが、ボーカル主体とするモニターライクな使い方は苦手なように思います。
アンプ(上流)による印象の違いについて
上流を標準環境で聴き比べたりしたのですが大きく傾向は変わりませんでした。良いアンプほど低音の表現力と解像度は上がる傾向があるのでできればアンプを使う方がより楽しめるチューニングだと思います。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)
注意:
リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。
このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
M17 "AppleMusic" -> 「 」-> イヤホン -> SpairalDot++
デフォルトケーブルについての補足
リケーブルで遊びたいという用途以外でも音質目的ではリケーブルは推奨したいレベルです。
NICEHCK BlueDay 4,4mm セール中4550円
今回のセールでおすすめのケーブルですので、このCADENZAにも付けてみました。一聴してわかる圧倒的な解像度の向上、そして音場は横に広く広大です。若干の音色は寒色よりのソリッドさが出ることでよりニュートラルな音色に近づく感覚があります。低域は締りが出てスピード感がでることでノリが良くなります。特にロックなどの激しめの曲を聴く時には最高の相性だと感じました。高域の粗さも大きく軽減され、綺羅びやかキラキラした派手な音色は上品さも醸し出します。音像が高い位置にある点も踏襲しており、音の広さ、音場表現、音色の良さ、分離、どれもが高いレベルになっています。Bluedayは元々1万クラスでも素晴らしいケーブルだったのですが半額になっていることで更に高いコストパフォーマンスを発揮していると思います。おすすめです。
NICEHCK BlueRose 4.4mm セール中6450円
Blueday同様に元々広い音場が更に上下左右に拡張され広大な音場に包まれます。解像度も高く流石のNICEHCKフラグシップケーブルだと唸らされます。特筆すべきはボーカルの暖かさと主張の強さが適度に出てくれること、高域の表現にも響きが乗ることでBluday以上の品と響きが良い輝きが付与されます。チャイムや弦楽器の倍音、シンバルやハイハットの音色は惚れ惚れするほどです。
Bluedayもそうなのですがやや寒色方向に振れるNICEHCKのケーブルはかなり好相性の様に感じます。
NICEHCK C4-3 3.5mm セール中5980円
音場は左右に狭く音がギュッと中央に寄ってしまうのですが中域の解像度と解像感は抜群です。音の線が拾いやすくモニター的に使いたい場合は最適だと感じます。音色の響きが特に独特で狭く響きの良いホールで音を聴いている感覚があります。かなり味変になる特徴のあるケーブルですね。
JSHiFi 銀月 4.4mm
ボーカルや中域の楽器の主張が強く、音像が近くなった上に音がやや丸くすべらかになります。さらに音色の鮮度があがったような生々しさが出る傾向があります。ケーブルの傾向から音場は狭くなる傾向があるのですが元が広いので左右も十分に広く、上方の音場が大きく拡張されるばかりか音像が上にあがります。加えて音色の広がりや解像度、抜け感が良好す。シンバルや鈴の音がはっきりとする点も銀月らしさがでています。銀月はボーカルケーブルだと感じていますが銀月との相性も最高に良いと感じます。
BIGMANGO Zebra 4.4mm
全体的に透明感と彩度が上がり、音色がタイトでになります。明瞭さや解像度や分離がほんの少し上がり、全体としてキラキラとした音色の傾向になるように思います。音場の広さはほぼ変わりません。低音の量感はより目立たなくなるほかバックの静寂感も上がりますのでCADENZAの味が強いと感じた人や、低音が少し強いと感じていた人に良いと思います。
まとめると、どのケーブルも驚くほどに高相性で標準ケーブルがイマイチであること、そしてイヤホンの基本性能が高く、リケーブルによる伸びしろが大きいことを実感しました。標準の状態でもかなり良い部類のイヤホンですが、リケーブルをして遊べる機種になりますし、初めてのリケーブルにも最適な機種の一つかと思います。
尚、個人的にはボーカル重視なら銀月、音場重視ならBlueRoseが好きでした。
イヤーピースによる印象の違いについて
下記構成でイヤーピースを変更してみました。
M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「 」
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視)
今回のデフォルトイヤーピース
Spinfit W1(中域、低域、解像度重視)
中域と低域の解像度と質感が向上します。SpiralDot++と比べると横と上下の音場は狭くなるのですが、前後の音の立体感は大きく向上します。元々解像度が相対的に不足していたところにW1が補うことで音色全体に締まりと音像の実在感が増すように感じます。高いイヤーピースですがこちらも高相性だと感じます。
Moondrop 清泉 Spring Tips(中域重視)
横の音場、前後の音場は狭くなってしまうのですが中域の音色の透明感が上がります。女性ボーカルなどの音色は滑らかで存在感が出ます。帯域バランスもフラットよりに近づきます。元々刺さり回避の目的のイヤーピースなのですが刺さる曲では刺さるのでそこまで相性は良く無いと感じます。
標準イヤーピース
装着できませんでした。
結論としてイヤーピースでも音が変わりやすいイヤホンかと思います。フィットするものを色々探してみると良いかと思います。
音質の総評、所感
激戦区であるA5K低価格帯に彗星の様に現れたKiwi earsですが見事なチューニングに脱帽です。EA500同様にかなり高いレベルでまとまっている上にリケーブルやイヤピなどのチューニングで伸びしろが大きいことも特徴です。
元々LoftyやA8000などベリリウム振動板を使ったイヤホンは好きな傾向はあるのですがNICEHCKの青春やTinHIFIのT1Sなど何でもかんでも良いというわけではありませんでした。低価格ながらこの価格でこの音質のイヤホンを出せる時代ということで、中国国内でイヤホンづくりの製造技術、チューニング技術が圧倒的に上がっていることを実感します。向こうは人材の流動性が高いことも特徴ですので今後もこのような低価格帯で素晴らしいイヤホンがどんどん出てくることを期待してしまいますね。
最近はTierが甘いと思われかねないほど高ランクの評価になっているので下心としてはどうにかTier2にしたいと考えていたのですが、競合と比較しながらレビューを書いてまとめるとどうしてもTier1にならざるを得ませんでした。悔しいかな(違)、いずれにせよこのCADENZAはしっかりとした個性がありつつも基本的な性能も高く万人に進められる素晴らしいイヤホンでした。
私はしばらくCADENZA+BlueRose+W1で使おうと思います。
最後に
この様な機会をいただきましたLinsoul様には再度感謝申し上げます。
Appendix
*1:
ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします
*2:
M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
iphone12"AppleMusic" -A1749-> -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
GV301"AppleMusic" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
*3:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz