ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー:Truthear HOLA 結論:A3K Tier1 長時間リスニングや寝フォンに最適なリスニングイヤホン(簡易レビュー)

こんにちは

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今日はHEXAの出来の良さに釣られて購入したTruthear HOLAの簡易レビューです。ちなみにドングルDACのSHIOも購入してみましたのでそちらも後ほど記事にしたいと思います。

簡易結論:A3K Tier1 参考価格:3000円

HOLAはA3Kの価格帯でありながら高い解像度、立体的で広い音場、整った定位など、レベルの高いリスニングサウンドを実現したエントリーレベルキラーの名に恥じないイヤホンです。筐体が小さく軽いことに加えて、音が滑らかで優しいため、耳あたりの良いサウンドが特徴で、聴き疲れが無いので長時間作業でのリスニングや、寝ながらのリスニングなどに最適です。音や見た目を好みに寄せることができるリケーブルに対応していたり、7種類の異なるサイズのイヤーピースが付属していたり、革のしっかりとしたポーチが付属するなど初心者から中級者まで様々な方におすすめできるイヤホンです。

Pros(優秀な点)

◎ 高い解像度、良質な空間表現等、全体にレベルが高くコストパフォーマンスが高い

○ 万人受けするフラットのサウンドバランス

○ 音の立ち上がりが滑らかで優しいため聴き疲れしない

〇 埋込2pinのリケーブルができ、中級者向のサウンド調整余地がある

○ 良質な付属ケーブル、軽い筐体、装着感が良い

○ 付属イヤーピースが7種類と多くの人にフィットしやすい

○ マニュアルが日本語、ポーチが実用的

Cons(微妙な点)

ー 強いて言えばビルドクオリティの積層痕が気になる

ー 強いて言えばこの価格帯ならマイク付きのVerもあると良かった

ー ゆったりサウンド

✗ 標準状態では音の立ち上がり(特に低音)が遅い

 

↑ランキングが確認できます。

クリック頂けると励みになります。よろしくお願いします。

いつもの通りそこそこ文量がありますので結論は上記の通りなので各論としては気になる部分だけ読んでいただければ幸いです。

動機付けなど

モチベーション

もちろんHEXAの出来が良かったことが一押しになったのですが興味を持ったのはEntry Level KillerというTwitter公式での煽り文句?でしょう。これは竹CHUの時にMoonDropが使ったものと同じです。

HOLAと竹CHUの広告


ポイントは同じシンセンオーディオが扱っているということで販促の一環だとは思うのですが、かなり攻撃的です。さながらデスゲーム系の導入で「ちょっと殺し合いをしてもらいます」的な感じでしょうかw。

しかしながら竹CHUも19$という価格でかなり高い完成度のイヤホンを出してきており、名前に恥じないレベルの名機を出したので期待値は高まります(しかしこの予告とは裏腹に実際の発売は1月上旬になりました)。まぁそんなこんなで発売されるとSHIOというドングルDACも9000円ほどでMoonRiverとほぼ同じ数値スペックを誇っており、HOLAを買うついでにお試しで購入してしてまうかとまんまと乗せられて発売日に購入しました。我ながらチョロいですw。

 

過去のTruthear 機種のレビューはこちら

el-snow.hatenablog.com

el-snow.hatenablog.com

 

販路、購入先(サポート)

現状は正式な国内代理店は無い様ですがSHINZHENAUDIOのAmazonで取り扱いしています。

海外価格は19$なので3000円はやや割高感はありますが竹CHUの4000円(現在は実売3600円)に比べればかなり良心的ですし、Amazonの保証もあるので十分な価格だと思います。

 

SPEC

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私はKZ以外スペックで音質を決めつけることは(あまり)しないのですが、特筆すべきことはHEXAやZEROと同じ3Dプリンタによる筐体設計、この価格で埋め込み2pin対応というところでしょう。特に20$ラインのリケーブル対応の機種はQDCが多いのですが0.75mmと少し細めなことで、一番リケーブル端子で人気のある2pinが刺さらないと考える方も多いです。またQDCは端子が割れやすいためMMCX同様に故障率の面で敬遠されがちです。

その点、竹CHUは音はかなり良いのですがリケーブル対応しないという選択でこの価格で一般曹に売るには最適解ではあるのですが多くのマニアからは落胆されていたので、HOLAには期待がかかります。

 

箱とか付属品とか本体

開封体験

いままでのTruthear のパッケージより3~4回り小さいパッケージで届きます。写真は同時に届いたSHIOが右側に映っています。

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プリントにはHOLAとあるのですが細部の文字はHALOになっています。初回のみのミスプリントでしょうか(笑)。尚、同じデザインで同じ娘だとは思うのですが個人的に右の絵の方が好みでしょうか(・∀・)。

f:id:el_snow:20230120213548j:image開けるとこんな感じでシールで止まっています。

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展開するとケースが目にはいります。ケースの中にはイヤホンがすでにケーブルが繋いだ状態で入っています。全部展開させるとこんな感じです。

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ケースの下にはイヤーピースが4サイズと3サイズの2種類のタイプが入っています。
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カードには白というキャラクターのスペックが書いてありますね。

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身長のわりには体重が軽すぎるのがきになりましたが、耳の高さを含んでいるのかもしれませんね。

マニュアル

f:id:el_snow:20230120213918j:image驚くことにマニュアルは日本語もあり、その上で装着方法なども絵を交えて細かく書いてあります。既にケーブルが刺さっているので迷うことは無いのですが、この記載があるだけで初心者にすすめても安心です。

筐体

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筐体は3Dプリンタで作られたイヤホンらしく積層痕はありますがあまり目立ちません。フェイスプレートはシールかと思ったのですがこすってもびくともせず、しっかりと印刷してあります。あまりこのような製法は詳しくないのですがフェイスプレート部だけを別パーツで成形してレーザー刻印でしょうか?。
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内側にはドライバ内部と外部用のベントが合いています。見えづらいですがプラグ部分にはRLの刻印もあります。

f:id:el_snow:20230120213938j:imageかなり薄い構造になっているので装着感も良好です。

競合機種との比較

左からMoondrop 竹CHU(2pin化改造済み)、HOLA、HEXA、Tangzu Wan'er S.G です。f:id:el_snow:20230121215550j:image

竹CHUほどではないですがかなり薄く小さく製造されています。

 

直流インピーダンス 「17.9[Ω]」

テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは両側平均17.9でした。

ステム形状 「6.3[mm]」

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ノギスでステムの最大径を測ったところ約6.3mmとやや太めでした。ZEROの6.78mmと比べれば細く、HEXAの6.25mmと比べれば太いです。

AriaSnowなどと違ってステムに返しが付いていますので一般的なイヤーピースであれば問題なく装着できるかと思います。

重さ 「7.7[g]」

本体の重量は両方合わせて7.7gとやや軽めですが同価格帯のイヤホンとしては一般的な部類だと思います。尚、ZEROは9.8g、Wan’er S.Gの7.5gです。

リケーブル端子 「埋込2pin」

驚くべきことにこの価格帯で初めてみる埋込2pin端子です。

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ケーブル

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この価格帯のケーブルとしてはかなり上質かつ見た目も良いものが付属しています。見た目はテカテカしていて摩擦係数が多そうに見えるのですが、実際にはある程度サラサラしており、手触りが良好ですし、絡みにくい質感です。癖もつきにくく反発力も強くないため扱いやすいしなやかさをもっています。

せっかくなのでHEXAやZEROに付属していたものと比べてみたのですが、正直に行ってHOLA付属のものの方が絡みにくく使い良いです。f:id:el_snow:20230121215842j:image

HEXAやZEROもこちらのケーブルにしてほしいですね。

重さ 「17.9[g]」

少し重めですが一般的な重さです。

抵抗値(直流インピーダンス) 「0.5Ω」

テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスは0.4〜0.5Ωでした。このクラスの付属品のケーブルとしては異例の低インピーダンスで、径が太いことも踏まえてオーディオ用としても良い水準なことが推察されます。

ちなみにZEROやHEXAに付属するケーブルは0.8〜0.9Ωの抵抗値があるので、使い勝手だけでなく導体の直流電流の流れやすさもこちらのケーブルの方が良いです。

クロストークチェック ほぼ無し

手順*3に従って確認しました。

ボリュームを現実的にかけ離れるほど大きく上げるとほんの少しクロストークはありましたが、気になるレベルのクロストークはありませんでした。

付属イヤーピース

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イヤーピースについて細いノズルの3サイズ、太いノズルの4サイズのものが合計7セット付属しています。このおかげで私も太いノズルの大きいサイズがフィットできました。この価格帯でこのイヤーピースの充実ぶりは素晴らしいと思います。欲を言えば細い方も4サイズまたは5サイズにしてほしいところです。

付属ケース(充電、電池持ち)「革製」

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革製でバネで閉じるタイプの袋が入っています。この価格帯ではかなり良質で実用的なケースです。竹CHUのなどは実用性が少し乏しかったのでかなり嬉しい付属品です。

その他(充電、電池持ち) 「なし」

使い勝手の評価

寝ホン 「◎」

本体は軽く装着感が良い上に薄く作らており、圧迫による音像の変化が少ないタイプです。個人的にはかなり向いているレベルだと思います。

外使い(音漏れ、遮音性、ノイズキャンセル)

指でステム側を抑えて遮音してみました。体感で3〜4割程度漏れていますので外使いではやや音漏れの注意が必要かと思います。

ホワイトノイズ

ややホワイトノイズが出やすいLotooのPaw PICOに繋いで最小ボリュームで聴いてみましたが聴感上記になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。

音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等)

全体としてA3Kのイヤホンとしてはエントリーレベルキラーの名に相応しいビルド、付属品だと思います。同じ19$の竹CHUではイヤーピースの品質は良かったものの3サイズのみと装着が合わない人も多かったり、ケースに実用性が無かったり、ケーブル交換できなかったり最終的には実売価格が4000円とやや高くなってしまったことで惜しい部分もありましたがHOLAはその部分を丁寧に対応できているように思います。

 

音質について

ファーストインプレッション

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基本的にはこの感想通りで、期待値が高すぎたこともあって音の立ち上がりが極めて遅いこと、音が重く暗めのバランスが気になりましたが、それ以外にはかなりバランスが取れた音色でした。

競合機種との比較について

IEMとしての競合は先程比較していましたWan’er S.G, 竹CHUあたりになるのですが、定番のクラスではfinalのE1000、E2000あたりなども競合になりうるかもしれません。。

 

エージング(バーンイン)

8時間ほど通常使用で使い込んでいます。

試聴環境

標準環境*4を使っています。

今回は特にXperia10ivやSHIOに加えてM17を主体にイヤーピースは標準とも交換しながら聴き込みました。

帯域バランス 「やや低音よりのフラット」

概ねフラットバランスと感じましたがやや低音よりと感じる人も多いバランスです。Wan'erはフラットなバランスです。竹CHUはほぼフラットですがやや高音が強いと思うバランスです。

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「○」

寒暖はやや暖色よりで、明暗はやや暗めで、響きはやや少なめでマットかつウェットな質感が感じられるサウンドです。粘度はやや高めで音色の立ち上がりはかなり遅いのですが、しっとりと丁寧にな質感の音色です。音の厚みは適度に厚みがあり解像度などのバランスが良質です。

とにかく耳あたりが優しいサウンドで刺激音が少ないのはもちろん音色の余韻も余裕がある消え方です。一方で音の立ち上がりはじっくりと丁寧な方向性なのでその点は好き嫌いが出やすいです。

全体としてとにかく聴きざわりが良く、リラックスして聴くことができ、長時間聴いていても全く聴き疲れをしない音色です。

 

Wan'erと比べると音色がやや薄く、やや暗めの音色になるかと思います。どんなジャンルも過不足無く鳴らすWan'erに対してHOLAはしっとりと暗めの音色でややジャンルを選ぶ傾向があります。

E1000と比べると解像度や空間表現は勝る一方で、音の立ち上がりが遅めなこともありスピード感に差がでる印象は持ちます。

竹CHUと比べると音色が太く音の重心の低さから重厚感があるのがHOLAになりますが、解像度や音色の正確さがあり、明るく繊細な音色なら竹CHUが勝るイメージです。

個人的にはHEXAやZEROと違って音色自体に彩りがあり、リスニングに振った音色であるので好きな傾向ではあります。一方では立ち上がりの遅さは気になるところで、リラックスして寝フォンをするときになどでは圧倒的な聞き心地を提供してくれるピーキーさも感じる音色です。

音場(広狭、重心、遠近) 「◎」

横が広く上下は一般的、前後は広めです。音像の重心はやや下方、かつやや近めです。横と前後に広めの空間表現を持つので俯瞰性をたもちつつも適度な迫力を出せる絶妙な距離感があります。A3Kの空間表現としてはかなり秀逸と思います。

Wan'erと比較すると上下、前後、左右どれも狭くなります。ただ、全体のプレゼンテーションとしては音が太いWan'erはどうしても空間の表現としては雑になりやすく音場表現力としては互角かと思います。

E1000と比較すると、上下がやや狭く重心が低いかわりに前後の表現立体的でトータルとしてかなり広くなります。全体的に見ればHOLAに分があるように感じます。

竹CHUと比較すれば、横の広さはやや狭くなり、音像はやや下になります。一方で前後の表現力はHOLAに分があり、やや竹CHUが上手ではあると思う一方で大きな差はありません。

個人的には上下のプレゼンテーションが弱めなことは少し気になるのですが悪い表現というよりは音色自体が少し重くリラックスして聴くサウンドに合わせていると考えればかなりレベルが高い様に思います。また、価格帯を考慮すれば前後の音場が広いイヤホンが少ないため表現力の高さは素晴らしいと感じます。

定位、音像 「〇」

音像は明瞭ではあるのですがややエッジは丸くソフトフォーカスレンズを通したような棘のない表現です。前後と左右の表現力が高いことで定位も十分に良いと感じられます。決して明瞭な音像ではないのですが価格なりの解像度や分離性能を上手く空間を十分に使って描写してくれます。

価格帯を超えて大きく優れている部分でもないのですが全体としてレベルが高く音像の形も良い印象です。特に音色のソフトさが音像の丸みを作ってくれているように思います。

Wan'erと比べると空間表現の広さを十分に使った音像や定位表現に後塵を拝する感はありますが、解像度の高さくる丁寧な表現はHOLAが上手いです。

E1000と比べると前後の音色の定位や上下の表現はやや辛い印象がありますが、解像度の高さも相まって僅差ではありますがHOLAに分があるように思います。

竹CHUと比べると定位や音像の明瞭さと正確さではかなわない部分があります。一方で解像度や分離とのバランスは竹CHUと同様に調和が上手く、音色の好み次第では竹CHUは音源の荒が目立ちすぎて逆転する傾向があるかもしれません。

解像度、分離 「◎」

解像度はこのクラスとしてはかなり高い表現力を持っています。やや低域にかけて性能が低下する傾向がありますが良質です。分離性能もかなり良質で、空間表現力も相まって高いレベルでまとめてあるチューニングです。

Wan'erと比べると解像度や分離はHOLAに大きく分があります。

E1000と比べても解像度や分離はややHOLAに分があります。

竹CHUと比べるとかなり僅差ではありますがやや竹CHUに分があるように感じます。

個人的にはリケーブル機構を諦めることで限界まで性能を重視した竹CHU、ゆったりとした音色とのバランスをとったHOLAという違いを感じるものの、両者は両方共に高いレベルにあるように思います。

低域の質について 「△」

サブベース帯域からミッドベース帯域まで低域全体の量感は一般的からやや多めと感じるチューニングです。アタックは遅く、リリースは一般的な傾向があり、スピード感があまりない表現なので低音のテンポが遅れる印象があります。一方で、この遅さからくるアタック感は音の丸さや、音像のソフトさをチューニング全体で下支えしています。激しい低音も刺激が弱く優しい音色にしてくれるため、全体として心地よい低音表現から曲全体の雰囲気を作ってくれます。

全体としてはこの価格帯として異例な表現の仕方なような気がします。ゆったりと寝フォンなどに使うには最適なバランスであり個人的に最高の相性だと思う一方で、昼間にテンポを上げて音楽を楽しみたい時には苦手な表現と感じます。

中域の質について 「◎」

中域の表現は良質です。量感は主体となるバランスではないのですが、音が適度に太く近いことや、低音に支えられた豊かな空間表現など、音の整理とバランスが絶妙です。音の重さや空間に定位する音像の低さなどが気になり暗めの印象を持つかもしれませんが、音の質感は解像度と定位との調和をできる限り目指したかのような音色でリスニングに不要な音の粗を上手に隠してくれます。このあたりの傾向はZEROやHEXAとは真逆で、価格帯で音色の質感を変えており、メーカーのポリシーを感じさせるところです。男性ボーカル、女性ボーカル共に声の伸びなどを求めるとやや暗い印象をもつかもしれませんが、価格を感じさせる破綻が無く、ゆったりと聴くであったり長時間のリスニングを想定した聴き心地は極上です。

高域の質について 「○」

高域の量感は概ね一般的です。量感はあるのですが表現として音像が下に位置しがちでやや暗い印象を持ちます。もちろん派手さは無いのですが中域、低域を上手く支える絶妙な存在感として鳴らしてくれる上に表現の質はかなり良いです。

中高域の女性ボーカルのサ行などの歯擦音もほぼ刺さらないチューニングで好印象です。弦楽器の倍音やチャイムやシンバルなどの高域を多く含む楽器の音像表現は解像度も高く違和感が少ない音色です。

20$ラインのイヤホンとしてかなり優秀な表現だと感じる一方で、高域の表現良いというイヤホンというよりはメインとはならない表現だと感じます。

SPL周波数特性測定

*5

vs final E1000



vs Moondrop 竹CHU

vs Truthear HEXA

vs Tangzu Wan'er S.G

 

相性について

ジャンルの得意不得意

比較的フラットなバランスなのですが、音の立ち上がりが遅めなことや音色がソフトで聴きやすいチューニングなので比較的ゆっくりしたテンポの曲が合うように思います。またどのような曲にも合う場合もあり、それは使用用途として長時間のリスニングや、寝フォンなどの用途で、特に個人的には寝フォンとしてはかなり最適なイヤホンの1つであると感じています。

アンプ(上流)による印象の違いについて

上流を標準環境でざっと聴き比べたりしたのですが大きく傾向は変わりませんでした。

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

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注意:

リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。

このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。

幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。

M17 "AppleMusic" -> 「    」-> イヤホン -> SpairalDot++

デフォルトケーブルについての補足

リケーブルで遊びたいという用途でなければ音のチューニングバランスが大きく変わるリケーブルは不要かと思います。スピード感が気になるなど、より良い音質を求めるのであればリケーブルを推奨します。

HEXA、ZEROデフォルトケーブル「△」

左右、上下の空間表現が少し狭くなる印象です。特に音像が上方向に伸びて抜ける感覚がなくなり、やや音像が手前に来る感覚があります。若干の反響感があるのと前後のプレゼンテーションが強調される感覚があるのでこちらの方が好きという人もいそうです。個人的にはややバランスが崩れる印象が強いです。

NICEHCK BlueDay 4,4mm セール中4550円 「△」

セールでおすすめのケーブルですので、このHOLAにも付けてみました。解像度の向上はほどほどに、音場は横に広くなりますが上下の広さは変わらず、前後は少し狭くなるかもしれません。音色の傾向はやや寒色よりになり、全体的な明瞭になるのですがボーカルが1歩後退して俯瞰的な音場になります。低域は量感と締りが出るので少しスピード感がでます、中域の解像度は上がり中高域のボーカルの伸びは改善される傾向があります。音色全体としてゆったりとしたバランスは少し崩れてしまうのですが空間表現の秀逸さは別の方向性で良くなるので空間表現が不満だった方にはおすすめのケーブルです。

 

NICEHCK BlueRose 4.4mm セール中6450円 「○」

個人的には好相性と感じました。音場が上下左右に拡張されるのですが元々上下が狭めのHOLAは全体的に広い音場になり音像も少し上がります。BlueDayと比べると横は少し狭いですが解像度が高くボーカルの暖かさと主張の強さが適度に出てくれます。高域の表現にも程よい響きが乗り、元々のバランスをある程度保ちつつグレードアップした音色になります。

個人的にはBluedayよりもバランスが良く、価格の差を納得できるほど好相性の様に感じます。

NICEHCK C4-3 3.5mm セール中5980円 「✗」

個人的にひどい相性だと感じました。音場は左右に狭く音がギュッと中央に寄り、音像がぐっとしたに下がります。音色は明瞭で中域の密度、解像度、解像感は良くなるのですが、地を這うような音像の位置が気になりどうしても好きになれません。かなり濃い目の味変としてはかなり良いかと思います。

 

JSHiFi 銀月 4.4mm 「◎」

 

ボーカルや中域〜高域の楽器の主張が強く、音像が近くなった上に音がやや丸くすべらかになります。特に高域のチャイムやシンバルの音色の鮮度があがったような生々しさがあります。銀月は横の音場は狭くなる傾向があるのですが元々横が広いためかあまり狭さを感じず相性は良好に感じます。

上方の音場も大きく拡張されて音像が上がるため開放感も強く爽快です。音色の広がりや解像度、抜け感も良くなり、シンバルや鈴の音がはっきりとする点は銀月らしさがでています。適度な音の太さが足されることで低域の表現と見通しがよくなりスキが無い変化だと思います。銀月はボーカルケーブルだと感じていますがHOLAとはかなり好相性に感じました。

BIGMANGO Zebra 4.4mm 「◎」

 

全体的に透明感と彩度が上がり、音像が近くなります。音色がタイトになって明瞭さや解像度、分離が向上するのでかなり好相性です。特に立ち上がりの遅さの改善が見られる点もポイントです。

音場の広さは上下が拡張されて音像が少し上がり概ね標準的な高さになります。低音の量感も概ね変化なく、その上で高域の量感が上がるので標準ケーブルよりもドンシャリなバランスに近づく感覚があります。HOLAとの相性も良いと感じました。

NICEHCK BlackCAT

組み合わせ追記しました

el-snow.hatenablog.com

 

まとめ

纏めると、音質を追求するのであればどのケーブルでもある程度変化があります。イヤホンの価格を考えるとイヤホン自体を買い替えた方が良いかもしれないという点は念頭には入れるべきではありますが、リケーブルできるというメリットを生かして、更に音質を伸ばしてみたいと感じた場合にもリケーブルをして遊べる機種です。

尚、個人的には音場とバランス重視ならZebra、ボーカル重視なら銀月が好きでした。

 

イヤーピースによる印象の違いについて

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下記構成でイヤーピースを変更してみました。

M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「     」

JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) 「○」

 

今回のデフォルトイヤーピースの一つで、標準のイヤーピースに比べて横の音場が広いこと、やや解像度が上がる点が変なkとして挙げられます。音場表現や音色の表現としてやや上位互換的な存在です。

全体として良い変化ではありますがイヤホンの価格に対して劇的な変化とは言えず普通に良いレベルです。

Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) ○

 

SpiralDot++と比べると横と上下の音場は狭くなる代わりに音像全体が上方向にシフトします。若干サ行が刺さる傾向がでますが全体域に渡って解像度と解像感、質感が向上します。音場の広さが気にならなければ悪くないと感じました。ただ、音の立ち上がりは早くなる傾向があるのでその点が気になっているのであれば有りなイヤーピースです。

SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「○」

中域の質感の細やかさ、量感、太さが増してややボーカル等の音像が近くなります。

横の音場は狭くなりますが上下の音場はやや広がります。高域の表現はSpiralDot++でぼやけがちだった音像がやや鮮明になるため、向上する印象があります。

全体として良い変化ではありますがイヤホンの価格に対して劇的な変化とは言えず普通に良いレベルです。

Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「○」

ボーカルの音像が少し上がりボーカルを際立たせてくれている感覚があります。左右の音場は少し狭くなり、上下についてはやや上方に開けてヌケ感が向上します。

もともとそれほど中高音が刺さらないイヤホンではありますが清泉はほぼ刺さりを更に少なくにしてくれる感覚があります。

全体として良い変化ではありますがイヤホンの価格に対して劇的な変化とは言えず普通に良いレベルです。

 

結論としてイヤーピースでもある程度音が変わりやすいイヤホンではあるのですがイヤホンの価格を念頭に入れると標準のものが良い様に感じます。

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音質の総評、所感

暫定ではありますが個人の主観的な好みで言えば85点、私が客観的だと思う好みの点数としては75±6点です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはTierは1としました。純粋に音質だけの評価だけで言えばTier2レベルではあると思うのですがWan’er同様に付属品やリケーブルなどの付加価値を加味した場合、かなりのアドバンテージがあります。

個人的には音質面では竹CHUレベルを期待してしまった面はあるので音の立ち上がりが気になってしまったのですが、長時間聴いても疲れにくい、そして寝フォンなどリラックスするリスニング向けとしてA20$のイヤホンとしてかなり高いレベルにあることは事実です。また、それについてもケーブル交換可能な仕様を上手く考えれば対策することもできました。

*個人的にはZebra+W1でかなりその点は気にならなくできました。

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終わりに

ツイートでも書きましたがA20$のイヤホンはどれも個性的でどのような取捨選択をするかで好きなイヤホンを選んでも良いかと思います。

el-snow.hatenablog.com

Wan'erの弱点を強いて挙げればそれはやはり解像度とリケーブルによる伸びしろがあまり大きく無いという点でしょうか。そのまま使う分には素晴らしいのですが中級者以上にはもしかすると物足りない機種かもしれません。ただ、今回比較しているイヤホンの中で最もAmazonなどのECサイトでの実売価格が安くその点を考慮すればやはりWan'er S.Gは強いイヤホンです。

el-snow.hatenablog.com

竹CHUの弱点を強いて挙げればそれはモニターライクなサウンドチューニングという点です。音場が整然としており解像度も恐ろしく高いのですが音楽の粗も同時に表現するような傾向がある音色です。また、イヤーピースの清泉は3サイズしか付属しないので(しかも少し小さめ)フィットしづらいという弱みもあります。かなり完成度が高いのは事実で最もこれらの中で強いイヤホンではあるのですが、リケーブルできない上に一番日本での実売価格が高いイヤホンでもあるのは辛いところです。

 

また、A3K円のイヤホンでは現在人気のあるイヤホンはCCA CXSやTanchjim Zero isなどもありますが個人的にはどちらも中級者向けです。

CXSは筐体自体は素晴らしい音質ではあるのですが付属ケーブルと一緒に使うと残念な音になってしまうリケーブル前提のイヤホンです。ただ、チューニングはドンシャリになりますがリケーブルを前提とするのであればこれらのイヤホンの中で最も音が良いイヤホンではないかと思います。

el-snow.hatenablog.com

続いてZero isですがこれは、海外では16$とMoondrop Quarksと同じ価格で売られているのですが、この15$クラスのイヤホンは耐久性に問題があることが多く、毎日使うような通常使用用途では故障が心配になります。音質面では前後の音場、音の立体感重視のイヤホンなのでそれらを含めても、複数イヤホンを持っていて使用頻度が低い様なサブ用途の中級者向けイヤホンだと思います。

el-snow.hatenablog.com

もちろん両方共に個性がある上で価格帯に見合う良いイヤホンですので中級者にはおすすめできるイヤホンです。

 

ということで、単純にリケーブル無しで好みの順に並べると

竹CHU>Wan'er≒HOLA≒Zero is>CXS

リケーブル有りですと

CXS>>HOLA>竹CHU=Wan'er>Zero is

という感じでしょうか。

その中でも今回HOLAが優れているのは最初に書いた通り、聞き疲れの少ない音色でバランスの取れたリスニングサウンドであること、装着感が良いこと、埋込2pinのリケーブル対応、イヤーピースの種類やサイズ展開が多く、初心者向けにも最適解であることです。音質面だけでは他を引きなすレベルではないのですが全体のクオリティはA3KのイヤホンとしてTier1に恥じない素晴らしいイヤホンでした。

Appendix

  

 

  

 

el-snow.hatenablog.com

el-snow.hatenablog.com

 

*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000

*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000

*3:

ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします

*4:

M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

iphone12"AppleMusic" -A1749->  -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

GV301"AppleMusic" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル->  イヤホン -> SpairalDot++

*5:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み