el_snowの日記

日常の気になった事や思う事、気に入ったオーディオ機材のレビューを思うままに書いています。

レビュー:高コスパイヤホンDARUMA AUDIO CP-86A 結論:JPOP向けの音質全振り高コスパ

こんにちは

 

今日は簡易レビューです。今回はDARUMA AUDIOさんからの試聴フィードバック用に提供いただきました低価格向けのイヤホンCP-86Aです。ご存知な方も多いかもしれませんがTwitterのタイムラインなどではコストパーフォーマンスが高いなどと話題の機種です。

これはレビュー用というよりはチューニングが完成した個体の音質的な感想を先方にお伝えする用で頂いているもので、提供レビュー用というわけでは無かったのですが、販売用と同じ筐体(イヤピと付属品のみ変更予定)ということで、この状態でもレビューの許可をいただいたので先方にお伝えした感想を概ねそのまま書かせていただくことになりました。

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CP-86Aと碧Light2019

先に結論を言えば、音質に対するコストパフォーマンスについては折り紙付きで上位機種に迫る音質です。具体的にはJPOPなどが主体で良い音を求めていてデザインには全くこだわらず室内使用で音漏れが気にならない方、すでにメインのイヤホンを持っているがラフに良い音で聴きけて使用感の良い用のイヤホンを探している人にはかなりオススメの機種です。現在は品切れで購入できませんが気になる方は是非狙ってみると良いと思います。

一方で初めて音の良いイヤホンを探していて日常使用を考えているのであればintimeの碧Light2019やFinalのE2000, E3000シリーズなどがイヤーピースが充実しておりサポートが手厚いことからオススメと思います。

 

ちなみに恐らく今回は様々なご縁からこのCP-86Aを手にしたわけですが、おそらく今回の件が無ければこの機種を手にしていた可能性は低く、低価格といっても実売価格は送料込みの4800円とのことです。これは昨日紹介しましたintimeの碧Lingtぐんまちゃんとほぼ同じ価格帯で、学生が買うにはやや背伸びしなければならない勇気の要る価格です。その点を踏まえて碧Light2019(以下碧)と比較しながら書いて行ければと思います。

 

■外観とか付属品とか

感度などのスペックなどは下記の公式購入サイトよりご確認ください。

daruma-audio.co.jp

↑3月14日現在は品切れ中

 

まず本体の筐体ですが、金属製なのでチープとまではいきませんが、デザインはかなり簡素でかっこいいであったりユニークであるっという感想にはなりません。金属と言っても碧より軽いので装着に問題が出ることは無いと思います。筐体に限って言えば金属の質的にはDAISOのALシリーズ並の品質と言っても良いかもしれません。補足しますとこのあたりの経緯は商品コンセントページに書いてありますが他社も使っているユニバーサルなイヤホン筐体を使うことで筐体のコストを下げてドライバの品質にコストをかけて出音を優先しているとのことです。この為、よく探すと同じ筐体の格安イヤホンが見つかるかと思います。なのでここは同価格の碧と比べても一枚落ちる印象です。

また、筐体がLRで共通なので筐体だけではパットみた見分けは付きにくいです。一応本体の下側にRLの刻印があるので問題はありませんし、製品版ではKBAERの07タイプに似た?タイプのイヤーピースを採用し、左右のイヤーピースの軸の色を変更変えるそうなので写真は見分けにくいですが肉眼での判別製は悪くはないと思います。尚、今回の試聴は似た音質であろうacoustuneのAET07をはめています。

続いてケーブルなのですがこれはかなり品質が良いです。非常にしなやかで手触りが良いだけでなく、低反発で取り回しが良く、適度な太さがありタッチノイズも少ないです。このタイプの筐体はSHURE掛けを前提に作られていないのでタッチノイズの有無は重要になるのですがこの品質は非常に素晴らしいと思いました。低価格中華という目線で見ればリケーブルができないのは残念ですが、同価格の碧も同じくケーブル変更ができませんし、この品質であれば変更する必要も無いように思います。

本体で気になった点は音漏れです。背面に大きなベントが空いているためかイヤーピース側を指で塞いでもかなり大きめの音が漏れます。これは密閉型の碧とは異なり、電車内などの外使いの用途は難しく、利用シーンはかなり限られてしまうと思われます。これはfinalの同価格帯のE2000、E3000にも言える明確な欠点です。

 

■音質とか

一聴した感想として5000円以下クラスでJPOPを聴くにはかなり高い完成度だということです。見た目もさることながら値段も安いことから正直舐めてかかっていたこともありかなりの驚きでした。見た目異なる歪が少なく元気で切れの良いサウンドは聴いた人を驚かせることは必至かと思いました。

 

○環境

 Xperia10II(AppleMusic) → CP-86A → AET07

○帯域バランス

 弱ドンシャリ
 碧と比べるとハイハットなどの超高域、サブベース帯の超低域の量感は弱い

○音色

 寒暖は概ねニュートラルで碧Linghtよりは温かい

 やや明るめの音なのでPOPSなどの楽曲に良く合う

○音場

 左右は適度な広さしかないがボーカルの天井が高く、中華とは思えない開放的な音場

 碧と比べると若干音場の窮屈さはあるが音像が若干遠いので暑苦しさが無い

 心地が良いので聴き疲れも少ない

○定位、分離

 定位はこの価格帯では非常に良く、音と音の分離がはっきりとしている

 碧と比べても概ね互角だが音場の狭さを考慮するとやや高いと言える

○解像度

 価格を考慮すれば高く、一つひとつの音がシャキシャキとしている

 一方で碧Linghtと比べると解像感が不足するためやや劣る印象がある

○低域

 JPOPに多用される低音域の量感は十分でキレも質感も良い、一方で洋楽やクラシックで使われる超低音域はやや量感が弱く物足りない感覚はある。

○中音

 弱ドンシャリではあるが十分な中音域の音量があり、ボーカルの定位が高く音のバランスの良いためボーカルの埋もれは感じない。特にボーカル帯の解像度も高いためボーカルも映える。碧シリーズと比べてしっとりとした音になるので雰囲気はぐんまちゃんに近い。

○高音

 全体のバランスと価格を考えれば十分にきれいな高音を奏でているし、定位も良く音も聴き取りやすい

 碧シリーズと比べればやや女性ボーカルのサ行の刺さりも少ないが、刺さりやすい曲はやや刺さる。一方でブリリアンス的な音の煌めきや響きは碧Linghtに一歩譲るように思えた

●F特性グラフ

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CP-86A(AET07)

グラフを見ると左右のバランスが非常に良いことがまずわかります。量産品と同じという前提に経てばかなりクオリティが高いと思います。気になるのは13KHzの谷の後にある16KHz付近の山です。この周波数帯はカプラの精度の保証外になるので確実なことは言えませんが16kHzでこの音圧レベルはあまり見られない特徴で、10代の聴力であれば気になる方もいるかもしれません。尚、私もこの周波数帯はギリギリ聞こえる範囲なので音圧レベルの感じ方は少なくなっています。

尚、上記までの感想はF特性を見ずに書いています。

○その他、気になったこと

雰囲気的に音のバランスが似ているかもしれないと思ったのは2倍の価格帯のMoonDrop AriaやTinhifi T3Plusです。気になって聴き比べてみたところ流石にレベルが違うと感じてしまったのですが、サブベース帯域の減衰の仕方が似ているだと気付きました。サブベース帯域の量感のバランスは非常に難しく他の帯域にかぶるという楽曲もあれば物足りなくなる楽曲もあります。このあたりは特にJPOPのバランスに特に上手くチューニングされていると思います。一方でクラッシックのティンパニーなどやEDMなどの重低音は場合によっては物足りないと感じることもあるかもしれません。

 

■結論

音質に対するコストパフォーマンスについては折り紙付きで上位機種に迫る音質です。具体的にはJPOPなどが主体で良い音を求めていてデザインには全くこだわらず室内使用で音漏れが気にならない方、すでにメインのイヤホンを持っているがラフに良い音で聴きけて使用感の良い用のイヤホンを探している人にはかなりオススメの機種です。現在は品切れで購入できませんがコスパとレア度は高いので、気になる方は是非狙ってみると良いと思います。

一方で初めて音の良いイヤホンを探していて日常使用を考えているのであればintimeの碧Light2019やFinalのE2000, E3000シリーズなどがイヤーピース充実しており、サポートが手厚いことからオススメと思います。

次回ロッドの付属品イヤーピースがKBEAR 07の5サイズになるのであればかなり初心者にもオススメできるようになります。価格破壊で5000円のイヤホン市場を入れ替える程では無いにしろ、かなりレベルの高い音を出してきている事には驚きでした。今はまだ無名に近いメーカーではありますが今後の製品には更に期待ができると思いました。正直に書きすぎているので次回同じようなことがあるかはわかりませんが今後は注目していきたいと思います。

■測定環境

Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.5

INPUT:USB Sound Device(3.5mm MIC端子)

OUTPUT:ADI2DAC fs (3.5mm IEM端子)

カプラ:IEC711 刻印( IEC60318-4 Type E610A)クローン ※100〜10KHz用 

出力音圧レベル:−12dB

Length:2M(10.9sec)

サウンドカードキャリブレーション後にカプラの補正ファイルを適用