el_snowの日記

日常の気になった事や思う事、気に入ったオーディオ機材のレビューを思うままに書いています。

レビュー:TinHiFi T3Plus  結論:高品質で低価格、好きな音

こんにちは

 

今日は昨日のDARUMA AUDIOのCP-86Aと聴いた時に聴き比べたTinHifi T3Plusです。一度Twitterの方でインプレはツイートはしているかと思いますが、折角気に入った機種ですのでT3Plusもレビューにしておくことにしました。

ちなみにF特性の測定環境は少しづつ整ってきており、ER4Sのグラフなどを確認するかぎり十分な性能はあるようですが、ADC(オーディオインターフェースの入力側)の性能に少し改善の余地があると思っておりまして、近々ADCを買おうと思っています。

尚、毎度ながら先に結論を書けば、明るく元気な音で中華イヤホンらしい音質とカスタマイズ性とビルドクオリティが高く、価格が安いコストパフォーマンスの高い1DDイヤホンです。AriaやOH2などのライバル機種と比べてECサイトでは実売価格が安いためその分の価格差をイヤーピースやケーブルなどに費やすとよりその実力を発揮できます。このためリケーブルやイヤーピースの変更など、イヤホンをカスタマイズして遊ぶ中級者に特にオススメできる機種です。

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TinHifi T3Plus + JVC SpiralDot++

■購入動機とか

購入したのは昨年の発売時頃、つまりブラックフライデーの時期です。正直なところTinHifiの名前は聞いたことがあった程度で発売時には全く買うつもりはありませんでした。ではなぜ買ったのかというとNiceHCKがフラグシップケーブルという名前で中華の高級ケーブル(っといっても数千円)をAliexpressクーポンと共に大量に売りさばいていた時期で、なんとなく、本当になんとなくお買い得だからという理由で購入しました。たしか値段は7000円前後だったと思います。現在は為替の関係やセールの関係で実売は9000円前後、セールでは8000円前後で購入できるかと思います。

まぁこういう動機なこともあり、全く期待をしていなかったイヤホンではあったのですが聴いてみると想像以上に良く驚いた記憶は今でも残っています。それから少し時間が経って好評だったこともあったのか現在では日本の代理店が付き、eイヤホンやヨドバシカメラなどでの取り扱いが開始されています。

eイヤホンでの9980円という価格は先日レビューしましたiKKOのOH2とほぼ同価格で、この当たりの価格帯はMoondropのAriaなど中華イヤホンでも激戦区です。ただECサイトで購入という観点でみればそれらの2機種より少し安い価格で購入できますので、その意味でそれらの機種とも比較しながら書いて行ければと思っています。

 

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iKKoのOH2

 

■パッケージとか付属品とか

下記のサイトが公式のようですのでスペックなどはこちらでご確認くださいっと言いたかったのですが、公式サイトの情報がeイヤホンよりも乏しいのでeイヤホンのリンクも置いておきます。

mimisola.com

www.e-earphone.jp

上記のサイトを見る限りは付属品などは全く変更などないようです。Aliexpressの中華イヤホンとして見た時に気になったポイントは特に無いのですが、eイヤホンなどで取り扱われる商品として考えると気になるポイントはあります。それはイヤーピースで付属品のものは低価格中華イヤホンに付属品と同レベルのもので、つけ心地がかなり悪く音も酷いです。サイズもSMLの3種類しかなく、フォームタイプも付いていますが人を選ぶので1万円に届く価格のイヤホンにしては若干寂しいものがあります。ここは同価格でもパッケージ含めて全体の作りとしてもOH2の方がしっかりしており、MMCXのケーブルに抵抗がなく、OH2の音の方向性に問題が無ければOH2の方が初心者にもオススメできるかと思います。

また、パッケージ自体も簡素なものなのでMoondropのAriaなどの女の子の絵と比べるとパンチが足りないとも言えますし、硬派とも言えます。最近は減っているかとは思いますがアニメ絵に抵抗があるのであればT3Plusは有力な選択肢になると思います。

ちなみに余談ですが、私の購入時は選べなかったのですがイヤホン筐体のフェイスプレート部のデザインは2種類あるようです。


■外観とか使い勝手とか

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ビルドクオリティについてはかなり上質です。OH2もそうだったのですが本当にこの価格帯の中華メーカーの品質は良くなっていることを実感します。手触りも良いですし表面加工もなめらかで、かつ硬質なので擦過耐性も高いようで、ラフに使っていますが今の所傷一つありません。

本体はAriaと同じ2PINタイプで中華イヤホンで最も多いタイプです。MMCXとは一長一短ではありますが中華イヤホン用のケーブルを買われている方であれば2PINユーザーの方が多い印象があります。ケーブルは靭やかで手触りもよく絡みにくい上質なものが付属しています。OH2もそうでしたが音質の変化や向上という目的でなければ全く交換の必要を感じません。

本体はの重さの記載はありませんが樹脂筐体なこともありかなり軽いですが、OH2と比べるとサイズ感はかなりあります。特にポイントなりそうなのがステムが太いタイプであること(OH2は珍しい楕円タイプ)、KZのZASやDQ6などで不要な突起といわれている本体の内側に面するところにある突起があります。これは有る方が装着感が良いという方もいるのですが、逆に当たって痛いという人もいますので注意が必要です。

 

■音質とか

○環境

 1万円以下の機種ですので下記の通りカジュアルな環境で聴き比べをしました。良いDAPを持っている場合は更に良いイヤホンを持っていることが多いので今回は割愛します。また、前述したように標準イヤーピースは装着できなかったため、一番フィットしやすいJVCのSpiralDot++を利用した。

 Xperia10II(AppleMusic) -> 標準ケーブル ->本体 -> SpiralDot++

○ファーストインプレッション

 非常に元気な音色で音楽の楽しさを実感できる解像感の高い音

心地よい弱バランスのドンシャリと曇りの無い品質の音がミックスしていてとても気持ちが良い

 特に入手したタイミングでは7K前後で、全体を通してかなり完成度が高く今後の定番ともなりえると感じた

○帯域バランス

 やや高域が強い弱ドンシャリバランス

 特に弱いと感じる帯域も無く総じてレベルが高いと感じたが、厳しく言えばサブベースの超低域がやや量感が弱いこと、そして全体的に高域が強めと感じる人もいるかもしれないと感じた。

○音色

 明るく元気な音色

 寒暖で言えば少し寒色よりだが、ほぼニュートラ

 雰囲気がクリアで余韻や響きは少なめなので好き嫌いは出やすい印象

○音場

 音場は1万円として見ると上下左右ともに標準的だが、7K前後と考えると優秀

 横の広さは普通だがやや上下は広い

 音像の重心は少しだけ低いのでボーカルの音の重心の高さが気になる人はいるかもしれない

○定位

 ライバル機種と比べても十分に良く、上下左右の空間に分離良く描写する表現力は素晴らしいと感じた

○解像度

 価格帯を考えればかなり高い、ライバル機種と比べても同等であり、解像感などを考えるとかなり満足できる表現力だと思う

○低域

 低域は量感は普通だが描写力やスピード感は十分ある。一方で前述したように超低域は量感も余韻も少なく、キレが良いため物足りなさは感じる場合もある

○中音

 解像度が高く、特にボーカルは迫力があり生々しくビビッド、セール価格では文句のつけようが無い

○高音

 量感も良く定位も十分で強いがやや煩く感じる楽曲もある

 一方で超高域は余韻が少なくやや表現力不足と感じる曲もあるが全体としては価格帯を考えれば十分に良いと感じた

●F特性グラフ

*例の如く上記までの感想はグラフを見ずに書いています。 

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7KHzまでは非常になめらかで連続性のあるグラフ特性を持っています。8KHz前後のピークは人によっては刺さりがちなると考えられるが、全体としては強烈に目立っているだけで、相対的に他の機種と比べれば許容範囲かと思われる。

○気になったこと

 他の所有者と話をしていて、音場の広さと超低音の量感については不満の声を聴いているが、イヤーピースのおかげか個人的にはあまり気にならなかった。

○リケーブルの選択肢について

 無難にSpaceCloudを繋いでみたが、音場の広さ、解像度共に明らかな音質向上を感じた。取り回しが犠牲になり、更には音質の変化は必ずしも万人が感じられるわけではないので全員にオススメはしないが、リケーブルの効果は比較的感じやすいイヤホンだと思われる。このため2,000円前後のケーブルでも音の変化を感じられると思う。

追記

NiceHCKのSpaceCloudはAliexpressのセール以外では高いのでAmazonでも入手可能な低価格帯のケーブルTripowinのZonie, Jelly, Alteaについて参考に聴き比べをしてみました。

○Zonie

 残念ながら相性が悪かったのかあまり音質の変化は感じられず。T3Plusのりケーブルとしては力不足感がある。

○Jelly

 特別な科学反応が発生したのか音場が超絶に広がり定位がさらにはっきりとする。音の艶感が増して、綺羅びやかな音色に変化する。女性ボーカルならばJelly、男性ボーカルならSpaceCloudに分がある。どちらかというと音の長所を伸ばす方向でドンシャリでも高音寄りと感じやすい。音質向上や音色の変化としても大きく、値段も3 000円台と手頃なのでTinHifi T3Plus用のリケーブルとして一番オススメ。

○Altea

 順当に音質が向上する、デフォルトのケーブルから一枚ヴェールを脱いだような変化、変化の大きさとしてはJellyに一歩劣る。価格も倍程度するためJellyより少し値段が高いの程度だが、デフォルトケーブルの音のバランスを変えたくない場合にオススメできる。TinHifi T3Plus以外ではAlteaの方が音質が良いことが多いため、他のイヤホンにも試してみたいという方にはこちらもアリ

○SpaceCloud

 中華イヤホンには迷ったまずはコレ、っというぐらいわかりやすい音の変化がある。価格に見合うだけの音の変化があり、解像度、定位、迫力が増す。低音の量感が増すことも弱点を補う意味で良い様に思う。音場は互角と言って良い広さでSpaceCloudの方がやや音が近い。綺羅びやかさと俯瞰的な音色ならJellyに一歩譲るので好みで使い分けられるレベル。音が互角ではあるがAmazonでの通常価格はは10倍近いのでセール時の1万円になる時に狙いたい。

○所感

 音質としては非常にレベルが高く、完成度が高いと感じた、音色の雰囲気詳細は異なるが、波形としても昨日レビューしたCP-86Aの上位機種といっても良いと思う。ライバル機種との音色の違いで言えば、OH2はどちらかと言うとフラット寄りで大人しい音なので楽しい音という方向を求めるのであればT3Plusが強いです。個人的にもT3Plusの音の方が好みで、Ariaは試聴しかしたことがないのですが、Moondropらしい音で、T3Plusよりはボーカルにハイライトが当たるチューニングだったという記憶があります。いずれにしてもライバルに相応しい音なのですが、実売価格がを踏まえるとコストパフォーマンスとしてはT3Plusに分があるように思います。

 

■結論

中華イヤホンらしい音質とカスタマイズ性とビルドクオリティが高く、価格が安いコストパフォーマンスの高い1DDイヤホンです。ライバル機種と比べてECサイトでは実売価格が少しやすいためその分の価格差をイヤーピースやケーブルなどに費やすとよりその実力を発揮できます。このためリケーブルやイヤーピースの変更など、イヤホンをカスタマイズして遊ぶ中級者にオススメできる機種です。

逆に初心者にはiKKOのOH2が付属品の充実度などを踏まえてもオススメですが音色の楽しさという点ではT3PlusやAriaの方が上と感じたので音色の好みが、聴く楽曲で選んでも良いかと思います。

実際、入手してから4ヶ月ほど立ちましたがT3Plusは満足度が高い買い物だったと思います。円安などの影響でイヤホン全体として値上がり傾向は避けられないとは思いますので気になっているのであればオススメできるイヤホンだと思います。先程紹介した3機種はどれもレベルが高く、評判も良い機種ですのでどれを選んでも満足できると思いますが、このTinHifi T3Plusは現在のAmazonの実売価格でも一番リーズナブルなので、迷ったら一番安いコレっという選び方も良いかもしれません。

 

■測定環境 Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4 ソフトウェア:REW V5.20.5 INPUT:USB Sound Device(3.5mm MIC端子) OUTPUT:ADI2DAC fs (3.5mm IEM端子) カプラ:IEC711 刻印( IEC60318-4 Type E610A) ※100〜10KHz用 出力音圧レベル:−12dB Length:2M(10.9sec) サウンドカードキャリブレーション後にカプラの補正ファイルを適用