ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー:TinHifi C3 結論:A7K Tier2 A1万円定番機T3Plusと同等、ハイコスパ 1DDイヤホン(簡易レビュー、HiFiGo様提供)

こんにちは

 

今日はHiFiGo様からのレビュー依頼のTinHiFi C3の簡易レビューです。提供レビューにはなりますが趣味でやっていますのでいつもと同じ基準で記載しております。

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簡易結論:A7K Tier2 参考価格:6320円

TinHiFi C3は同社のT3Plus (昨年約1万円)と同等のイヤホン性能、似たチューニングでありながら6000円台の価格を実現したコストパフォーマンスに優れる傑作イヤホンです。音色のチューニングはT3Plusに近いのですが、聴き比べれば低音から中域にかけての音の質感が良く、T3Plusより男性ボーカルなどの曲に良く合うチューニングです。またTKZKのOuranosを含めて3台の差は少なくどちらを見た目の好みなどで選べる範囲です。販売中のマニュアルが添付されないなど初心者には全く進められない構成ではありますが、ケーブルの品質が高い上に全体的なビルドクオリティも高く、中級者以上が求める音質に注力した構成です。全体的に弱点が無く、A7K 1DDイヤホンの中では特に易く、完成度の高さを感じます。イヤホンに強い個性を求める人を除けば多くの人に進められるチューニングです。

Pros(優秀な点)

◎良質な空間表現等、全体にレベルが高くコストパフォーマンスが高い

○T3Plus同様に万人受けする微ドンシャリサウンドバランス

○T3Plus同様に弱点らしい弱点が少なくオールラウンドに使える

〇リケーブルができ、中級者向のサウンド調整余地がある

○上質な付属ケーブル、軽い筐体、装着感が良い

Cons(微妙な点)

ー強いて言えば優等生サウンドなので個性に欠けると考える人も

△マニュアルが無く初心者を突き放すユーザビリティ

 

いつもの通りそこそこ文量がありますので結論は上記の通りなので各論としては気になる部分だけ読んでいただければ幸いです。

動機付けなど

モチベーション

HiFiGo様からのレビュー依頼がきっかけになります。C3はT3Plusと同じ形状のシェルであり、T3Plusは平均的にレベルの高いイヤホンであったので依頼を受けて見ることにしました。

尚、同時に受けましたOuranusのレビューはこちら

el-snow.hatenablog.com

 

販路、購入先(サポート)

現状は正式な国内代理店から発売は無い様ですがHiFiGo様がAmazon及び正規サイトで取り扱いしています。

TinHiFi C3 LCP Superlinear Composite Diaphragm In-Ear Earphonehifigo.com

Amazon HiFiGoでの購入は画面右の「全ての出品をみる」から「カートに追加する」という手順が必要です。

Hifigo様のサイトでは1月14日現在約6320円で販売中です。100ドル未満は送料がかかるので買い合せの品があれば最安で購入可能かと思います。

 

このイヤホンを検討される方には不要な注意喚起かもしれませんが、HifiGoは保証などは付いていますが、英語でのやり取りがベースになりますので翻訳サイトなどを利用すると良いかと思います。Amazonの倉庫発送になった場合は初期不良対応なども日本語ベースになります。

SPEC

私はKZ以外スペックで音質を決めつけることは(あまり)しないのですが、特筆すべきことはTinHiFiのT3Plusと同じ筐体形状、同じ系統のLCPドライバなことぐらいでしょうか。

 

箱とか付属品とか本体

開封体験

シンプルなサイコロ状のは箱で届きます。

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開けるとこんな感じでシンプル筐体が目に入ります。

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箱にはケーブル、イヤーピースが2種類入っています。

 

マニュアル

f:id:el_snow:20230106115757j:image残念ながらマニュアルは英語のみで保証等について記載があるだけで装着方法などは見当たりませんでした。筐体にRLの記載があるので装着感などを手掛かりに使う事はできるかと思いますがTKZK同様にコストダウンに余念が無いのかと思います。

筐体

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筐体は本体側が樹脂製、ステムが金属製です。見た目のサイズがほぼそのままTinHiFiのT3Plusです。T3Plusで装着に問題があるという方を見かけたことが無いように、このC3も良好だろうと推察されます。肌に接触する部分は丸いためか装着感は良好です。また、ドライバ前方用のベントはステム付近、後方用はプラグ周辺に空いています。

競合機種との比較

競合というより同系統の3機種と言ったほうがよいかもしれませんがTinHiFiのT3Plus、C3、Ouranosを比べてみました。

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まぁおなじですね。違いはステム部分がC3は樹脂製ですがそのほかは金属製になっています。

かなり出来が良いということでA7Kの競合機種も加えて比較してみました。左からTruthear ZERO、CCA HM20、TinHiFi C3、T3Plus、Ouranosです。f:id:el_snow:20230109171307j:image

ZEROよりはコンパクトですがHM20よりは大きいですね。

直流インピーダンス 「29.4[Ω]」

テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは両側平均29.4Ωでした。これはT3Plus 29.6Ωとほぼ同じ値です。

ステム形状 「6.03[mm]」

ノギスでステムの最大径を測ったところ約6mmと一般的な太さでした。当然ながらT3Plus やOuranosとほぼ同じです。ZEROは6.78mmと比べれば細く、HM20の5.8mmと比べれば太いです。

AriaSnowなどと違ってステムに返しが付いていますので一般的なイヤーピースであれば問題なく装着できるかと思います。f:id:el_snow:20230113172826j:image

重さ 「8.6[g]」

本体の重量は両方合わせて8.6gとやや軽めです。同価格帯のイヤホンと比べてもZEROの9.8g、HM20の11.4g, 軽いです。尚T3Plusは9gです。

リケーブル端子 「フラット2pin」

一般的なフラット2pin端子です。

ケーブル

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A7Kクラスのケーブルとしてはかなり上質かつ見た目も良いものが付属しています摩擦係数が少なめの手触りが良好なやや絡みにくい質感です。扱いやすいしなやかですし、ケーブルタイが付いているので収納なども便利です。この価格帯でこの品質のものは一般的には過剰と思えるほどで素晴らしいと感じました。

重さ 「18.8[g]*タイ含む」

少し重めですが一般的な重さです。

抵抗値(直流インピーダンス) 「0.2Ω」

テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスは0.2Ωでした。このクラスの付属品のケーブルとしては異例の低インピーダンスで、径が太いなどオーディオ用としても良い水準なことが推察されます。

クロストークチェック ほぼ無し

手順*3に従って確認しました。

ボリュームを現実的にかけ離れるほど大きく上げるとほんの少しクロストークはありましたが、気になるレベルのクロストークはありませんでした。

付属イヤーピース

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イヤーピースについて3サイズ2セット、合計6セット付属しています。これならば2種類または5サイズ展開の方がフィットする人が多いかとは思います。

付属ケース(充電、電池持ち)「付属しません」

 

その他(充電、電池持ち) 「なし」

 

使い勝手の評価

寝ホン

本体は軽く装着感が良いのですがやや厚みがあるので向いているとまでは言えませんんが個人的には十分できるレベルだと思います。

外使い(音漏れ、遮音性、ノイズキャンセル)

指でステム側を抑えて遮音してみました。体感で3〜4割程度漏れていますので外使いではやや音漏れの注意が必要かと思います。

ホワイトノイズ

ややホワイトノイズが出やすいLotooのPaw PICOに繋いで最小ボリュームで聴いてみましたが聴感上記になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。

音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等)

全体としてA7Kのイヤホンとしては筐体は見事なクオリティかと思います。一方で音に関係ない部分についてのコストダウンはキツく、マニュアルが無いなどある程度イヤホンについて精通している方向けだということがわかります。

 

音質について

ファーストインプレッション

el-snow.hatenablog.com

 

競合機種との比較について

競合で言えば価格帯が近く同筐体形状のT3Plus、TKZK Ouranos、ドライバ構成が違うものであればHM20やTRUHEAR ZEROでしょうか。HM20については好評な為かAmazonでの価格は中々10000円を割りませんのでA7KではなくA10Kにすべきなのかは悩んでいます。当然ながらHM20は標準ケーブルのためかなり実力に制約がある状態にはなりますね。

エージング(バーンイン)

3時間ほど通常使用で使い込んだ後、400時間ほどAGPTEKで試聴プレイリストを連続再生しました。その後、再度10時間ほど普通に使ってみています。エージング前後に関してはそれほど大きな変化は感じませんでしたが音像の高さが下がり落ち着いた音色に変化した様にも感じます。

試聴環境

標準環境*4を使っていますが。今回は特にXperia10ivやM17を主体に聴きました。

帯域バランス 「フラット~微ドンシャリ

概ねフラットバランスと感じましたが微ドンシャリぐらいと感じる人も多いバランスです。OuranosやT3Plusもほぼ同じ概ねフラットなバランスです。ZEROは低音が強い弱ドンシャリですし、HM20はドンシャリです。

 

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「◎」

寒暖はやや寒色よりで中華イヤホンの中ではほぼニュートラルです。明暗はやや明るめで、響きがタイトでヌケ感も良く感じられるサウンドです。粘度はやや弾力性を感じる弾む音色で音の厚みも適度です。

T3Plusと比べるとかなり感覚が近いのですが、ややしっとりとしたウェットさと音色の重さを感じる高級感があるチューニングです。

弾む低域、中域~高域にかけては明瞭感でさっぱりとしたT3Plusに対して、全体域に渡って同じ音色傾向を感じるのはC3です。個人に両方共に面白くA10Kクラスと勝るとも劣らない個性と強みがあるのは素晴らしいと感じます。Ouranosのスピード感と比べるとC3とT3Plusの差はケーブルぐらいでは?と思わさせる程度の差なのでどちらを選んでも後悔はしない程度の差です。

ZEROと比較するとZEROはどうしてもモニター的な音色の傾向を強く感じますので標準構成のリスニング用途ならばC3の方が気に入る方が多いかもしれません。

HM20はKZ、CCAの音色の方向性を体現したかのようなサウンドチューニングでドンシャリなことも相まってパワフルですが、音色一つ一つが細かく分解でいる冷静さを持つKZ/CCAのフラグシップに相応しいサウンドです。

音場(広狭、重心、遠近) 「○」

横が広大ですが上下は一般的、前後はやや広めです。音像の重心はやや下方ですがほぼニュートラルです。ボーカルなどの中域は適度な近さはありますがやや俯瞰的な距離感があります。もちろんきっちり楽器などを分離しつつ広い空間で鳴らすのでA7Kの空間表現としても秀逸です。

T3Plusと比較すると横が少し広く、上下がやや狭めになり、やや音像が近い代わりに前後も少し狭い印象があります。全体的に見ればほぼ互角ですが若干C3に分があるように感じます。

競合のイヤホンと比較すれば、ZEROは音場が狭いこともあって音像が中心にあり、音源音を追いやすい反面、空間表現は乏しい印象があります。

HM20は音場が広大で適度な音の近さがあり、横の広さはほぼ同等でしょうか上下や前後はやや後塵を拝する形ではありますがこの価格帯のラインを考えるとC3はかなり良いと思います。

定位、音像 「〇」

A7Kとしてはしっかりとした音像があり定位も十分と感じます。空間を十分に使って音像を描写してくれます。価格帯を超えて大きく優れている部分でもないのですが全体としてレベルが高く、分離の良さも相まってこの価格帯を踏まえると音像の形も良い印象です。T3Plusとと比べるとややウェットさがあるためかやや定位や音像が劣るのですがA7Kではやや良質なレベルになっています。

HM20と比べると標準ケーブルであってもやや分が悪いです。ZEROと比べても横の音場の広さを上手く使って音像を作る特徴があるアドパンテージを活かせており、Ouranosの秀逸さを実感します。

解像度、分離 「○」

解像度と分離性能は概ね良質です。T3PlusやOuranosなどと比べても遜色無いレベルなので秀逸ではあるのですがZEROやHM20などのハイブリット構成の解像度の高さと比べると一歩劣る部分は否めません。一方で一世代前のA10Kレベルの解像度と分離性能があります。

低域の質について 「〇」

サブベース帯域からミッドベース帯域まで低域全体の量感は一般的で解像度も高く音楽の下支えとして十分です。T3Plusの弾力性のある音色と響きとは似ていますが、低音の響き方はやや異なりややタイトな表現です。

競合のイヤホンと比べても低音については量感と表現は控えめですが個人的な良質な低音と評価します。一方で量感が欲しい方はZEROやHM20のイヤホンに分があるかと思います。

中域の質について 「○」

中域の表現は良質です。低域同様に量感は普通で決して前にでるような鳴らし方ではないのですが音色の適度な太さと近さ、そして低音と共に弾む音色が印象的です。音色の傾向も相まって男性ボーカルなどが得意な傾向があり、音色の力強さや質感の良さが際立ちます。女性ボーカルものの声の伸びなどを求めるとやや苦手で暗い印象をもつかもしれません。

ZEROと比べると、中域の音の太さ解像度の面でやや後塵を拝します。華やかさが無いZEROではありますが表現の基礎能力が高いのでやや分が悪いです。HM20と比べると決して主体ではない中域でも圧倒的な解像度の差を見せつけられる感覚があります。

高域の質について 「-」

高域の量感は概ね一般的です。派手さや正確性は無いのですが中域、低域を上手く支える絶妙な存在感です。品質の高さは感じないものの全体の音色を邪魔しないよう上手くコントロールされているように感じます。中高域の女性ボーカルのサ行などの歯擦音もほぼ刺さらないチューニングで好印象です。弦楽器の倍音やチャイムやシンバルなどの高域を多く含む楽器の音像表現は荒々しい感覚があるのですが、定位や音像の位置にも違和感が少ないです。

ZEROと比べるとZEROの高域表現の正確さや質感に比べるとやや苦しいのですが、高音の楽器の音場の広さによる位置など描写の仕方はC3に分があり、個人的には表現力としては互角と言ってよいのではないかと思います。

HM20と比べると高域の量感は明らかに少ないです。解像度に関しても低いのでドンシャリ好きであれば迷わずHM20に分があると言えるのですが、全体との調和としてはフラットなC3に分があると思います。

 

SPL周波数特性測定

*5

vs TinHiFi T3Plus

vs TKZK Ouranos

vs Truthear ZERO

vs CCA HM20

こう比べるとHM20のドンシャリ具合が面白いですがT3Plusを始めとした同筐体のグラフの概形は似ているのが興味深いですね。

相性について

ジャンルの得意不得意

比較的フラットなバランスなこともあり、オールマイティに使えるチューニングですが女性ボーカルものよりは男性ボーカルものの方が合うように思います。

アンプ(上流)による印象の違いについて

上流を標準環境で聴き比べたりしたのですが大きく傾向は変わりませんでした。良いアンプほど解像度は上がる傾向があるのでできればアンプを使う方がより楽しめるチューニングだと思います。

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

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注意:

リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。

このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。

幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。

M17 "AppleMusic" -> 「    」-> イヤホン -> SpairalDot++

デフォルトケーブルについての補足

リケーブルで遊びたいという用途でなければ音のチューニングバランスが大きく変わるリケーブルは不要かと思います。ただ、見た目ほど良いケーブルではないようで、より良い音質を求めるのであればリケーブルを推奨します。

NICEHCK BlueDay 4,4mm セール中4550円 「△」

セールでおすすめのケーブルですので、このC3にも付けてみました。一聴してわかる圧倒的な解像度の向上、音場は横に広く、なりますが上下の広さは変わらず、前後は少し狭くなるかもしれません。音色の傾向はほぼ変わらずやや寒色よりですが、全体的な明瞭さと解像度の向上からかソリッドさを少し感じます。低域は量感と締りが出てスピード感がでますし、中域の解像度は上がり中高域のボーカルの伸びも良くなります。高域の量感も上がりきらびやかさや華やかさも出て音色全体としてバランスはそのままですが空間表現が変わるのでC3の元々の音色が気に入っており空間表現が不満だった方にはおすすめのケーブルです。

 

NICEHCK BlueRose 4.4mm セール中6450円 「○」

個人的にはかなり好相性だと感じました。音場が上下左右に拡張されるのですが元々上下が手薄だったのですがその部分が補強されて全体的に広い音場になり音像も少し上がります。BlueDayと比べると横は少し狭いですが解像度の高さは元より音色の厚みが付与されてやや暖色になることでニュートラルに近づきます。ボーカルの暖かさと主張の強さが適度に出てくれることに加えて、高域の表現にも程よい響きが乗り、元々のバランスをある程度保ちつつグレードアップした音色になります。

個人的にはBluedayよりもバランスが良く、価格の差を納得できるほど好相性の様に感じます。

NICEHCK C4-3 3.5mm セール中5980円 「○」

音場は左右に狭く音がギュッと中央に寄りが音色が明瞭になります。中域の密度、解像度、解像感は抜群で輪郭がしっかりとして音の線が拾いやすく、モニター的に使いたい場合は最適なケーブルだと感じます。音場の狭さは確かに気になるのですがボーカルは主張が強く音の太さがあるのでより男性ボーカルものに良い印象が出ます。

元の音を考えるとかなり味変になる特徴のあるケーブルですが個人的にはかなり好きな変化でした。

JSHiFi 銀月 4.4mm 「◎」

 

ボーカルや中域〜高域の楽器の主張が強く、音像が近くなった上に音がやや丸くすべらかになります。特に高域のチャイムやシンバルの音色の鮮度があがったような生々しさがあります。銀月は横の音場は狭くなる傾向があるのですが元々横が広いためかあまり狭さを感じず相性は良好に感じます。

上方の音場も大きく拡張されて音像が上がるため開放感も強く爽快です。音色の広がりや解像度、抜け感も良くなり、シンバルや鈴の音がはっきりとする点は銀月らしさがでています。適度な音の太さが足されることで低域の表現と見通しがよくなりスキが無い変化だと思います。銀月はボーカルケーブルだと感じていますがC3はかなり好相性に感じました。

BIGMANGO Zebra 4.4mm 「◎」

 

全体的に透明感と彩度が上がり、音像が近くなります。音色がタイトになって明瞭さや解像度、分離が向上するのでかなり好相性です。

音場の広さは上下が拡張されて音像が少し上がり概ね標準的な高さになります。低音の量感も概ね変化なく、その上で高域の量感が上がるので標準ケーブルよりもドンシャリなバランスに近づく感覚があります。C3とZebraとの相性も良いと感じました。

TinHiFi T3Plus付属 「△」

興味本位で付けてみました。音色はやや明瞭になり音像が少しあがる傾向はあるのですが若干音色が軽くなり音色の質感が悪くなります。当然T3Plusと比べた際の差は小さくなる傾向があり、具体的なT3Plusとの筐体の差が顕著になります。聴き比べて思うのは明瞭で音像が高く、解像度が高いのはT3Plusということ、低音の響きが少なく質が良いのがC3ということです。解像度ははケーブルはC3の方が上質なようで全体ではほぼ無いようです。

 

纏めると、音質を追求するのであればどのケーブルでもある程度変化がありますのでC3を購入してみたけれども少し好み違ったと感じたり、更に音質を伸ばしてみたいと感じた場合にもリケーブルをして遊べる機種になります。

尚、個人的には音場とバランス重視ならZebra、ボーカル重視なら銀月が好きでした。

 

イヤーピースによる印象の違いについて

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下記構成でイヤーピースを変更してみました。

M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「     」

JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) ◎

 

今回のデフォルトイヤーピース

Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) ◎

 

SpiralDot++と比べると横と上下の音場は狭くなる代わりに全体域に渡って解像度と解像感、質感が向上します。音色全体に締まりと音像の実在感が出ますがそれほど劇的な変化とも言えず、悪くないにとどまりました。

SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激

中域の質感の細やかさ、量感、太さが増してややボーカル等の音像が近くなります。特に低音のキレが良くなるので個人的には好きな変化です。

横の音場は狭くなりますが上下の音場はやや広がります。高域の表現はSpiralDot++でぼやけがちだった音像がやや鮮明になるため、向上する印象があります。

Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)

EarfitMax以上にボーカルが近くなりボーカルを際立たせてくれている感覚があります。左右の音場は少し狭くなり、上下についてはやや上方に開けてヌケ感が向上します。

もともとそれほど中高音が刺さらないイヤホンではありますが清泉はほぼ刺さりを更に少なくにしてくれる感覚があります。

 

結論としてイヤーピースでもある程度音が変わりやすいイヤホンかと思います。フィットするものを色々探してみると良いかと思います。

 

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音質の総評、所感

暫定ではありますが個人の主観的な好みで言えば85点、私が客観的だと思う好みの点数としては86±6点です。価格帯と音のレアリティを考慮したTierは2となりました。

いやはやOuranos同様にC3については本当に驚きました。もともとT3Plusが定価で現在も1万円程度で売られている中で6千円台でほぼ同等の完成度のイヤホンとして登場したわけですから。とはいえ欠点としてマニュアルなどのコストダウンが図られており、若干のマイナス点ではあります。しかしそれでも尚、サウンドのバランス、そしてチューニングの上手さは万人受けする商品としてまとまっていると感じます。

とはいえT3Plusも終売が間近なのかヨドバシカメラなどでは7800円の10%ポイントまで値段が下がっています。ただそれを加味してもC3は更に安い6000円台とコストパフォーマンスの高いイヤホンに仕上がっているように思います。

尚、この三台の中でC3を選ぶ決定的な決めては付属ケーブルの高い品質と実売6000円台という圧倒的なコストパフォーマンスだと思います。

最後に

この様な機会をいただきましたHiFiGo様には再度感謝申し上げます。

 

Appendix

TinHiFi C3 LCP Superlinear Composite Diaphragm In-Ear Earphonehifigo.com

現在は画面右の「全ての出品をみる」から「カートに追加する」という手順が必要です。

  

 

el-snow.hatenablog.com

el-snow.hatenablog.com

 

*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000

*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000

*3:

ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします

*4:

M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

iphone12"AppleMusic" -A1749->  -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

GV301"AppleMusic" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル->  イヤホン -> SpairalDot++

*5:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み