こんにちは、ゆるふわオーディオのすのーです。
今日は予告通りGiitaさんからお借りしたJSHiFiの藍魔(ランマと呼ぶようです)というケーブルについてです。
この見た目ですが布巻ケーブルではないということは注意が必要です。
ケーブルレビューの注意
注意:ケーブルによる音の変化はオカルト的な要素を過分に含み、科学的に見れば音質の変化に対する決定的な証拠はありません。幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
気になる方は読み進めるのを中断いただければ幸いです。
■音以外の要素
〇動機とか
界隈で非常に評判が良かったこと、Giitaさんから送られてきたことがきっかけになります。特に線材のスペックを気にされる方によればかの有名なNICEHCKのSpaceCloud と同じ線材構成(編み方は違う)ということで注目されていた理由が良くわかります。
このような機会をいただきましたGittaさんには感謝申し上げます。
〇スペックとか
私自身はあまり気にしないのでAmazonや公式サイトでも見ていただければと思います。
ただ、大事なのはこのケーブル見た目に反して布巻ケーブルではないということは注意が必要です。
〇重さ 「36.8g」
4.4mmのSpaceCloudとほぼ同じ重さです。最近の重量級ケーブルと比べればこんなもんかって感じですね。
〇コネクタ 埋め込み2pin 「0.78mm」
外側に溝があり浅めの埋込2pinです。
RLに色が付いていますしわかりやすい構造だと思います。
〇プラグ
いつものJSHiFiのプラグです。幾つかDAP等にプラグを指してみましたが接触不良なども無く挿し心地も良好でした。
〇導体
分岐前の芯材の直径をノギスで図ると5.12mm、で分岐後であれば3.96mmでした。
遠くからケーブルを見ると布巻の様に見えますが布巻ではありません。
細かい線材が編み込まれており、それをTPUぽい透明な素材でおおわれています。触り心地も適度な摩擦がありながらしなやかで滑らかさもあるため絡まったりしません。
〇スプリッタ&スライダ
スライダは摩擦で止まっているだけのものですが、被膜の適度な摩擦でホールドできるようです。室内利用でざっと使った感じは滑り落ちてくることはありませんでした。高級感があるように思います。
〇抵抗値(直流インピーダンス) 「0.2Ω」
テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは0.2Ωでした。このクラスのケーブルとしては十分な値です。
〇その他、まとめ
このケーブル見た目に反して布巻ケーブルではないということは注意が必要です。価格もそれなりにするケーブルではありますが、この価格帯ではかなり良質な仕上げだと思います。価格相応以上の使い勝手と見た目だと思います。
■音について
〇環境
M17(DC) -> 「」-> イヤホン ->SpiralDot++ or Render
評価基準は5段階で、細かく決めてはいないのですがなんとなく以下のい感じです。
◎:標準ケーブルと比べて高相性かつ魅力的な音
〇:標準ケーブルと比べて高相性又は、良相性かつ魅力的な音
ー:標準ケーブルと比べて良相性又は魅力的な音、
△:標準ケーブルと比べて魅力を引き出さない組み合わせ、又はコスパが悪い
✖:標準ケーブルと比べて魅力を引き出さない組み合わせかつコスパが悪い
〇CCA HM20 Sタイプ ⇒ 結果:「〇」
BAとDDのハイブリットであるHM20です。リケーブル推奨のSタイプHM20は基本的にどのケーブルにも合いやすいのですが、藍魔も例外なく良相性でした。
HM20の高い解像度を引き出しており、高い解像感も相まって音像の実在感を増してくれます。音色そのものの厚みはそれほどではありますが、音像が明瞭で定位の良さが引き立ちます。
音場は横と縦に広いのですが音の前後の厚みはすこし少な目です。気になる点としてはどうしても音の薄さかと思います。
尚、参考にHタイプは解像感の高さと音の薄さが際立つのでどうしてもピーキーで両方の良さを活かしきれてない印象で△だと感じました。
〇TRI iONE ⇒ 結果:「◎」
iONE本来の力を引き出すように解像感が高く明瞭さを感じるかと思います。
音場は横に極めて広く、縦も十分に広いです。前後感もこのクラスでは良く表現できているかと思います。私としては一番気になっていた高くて不安定さがあった音像バランスも重心が適度に下がってやや高めぐらいに落ち着きます。
低域の量感もしっかりと出る上に、中域の押しが強くなることで強めだった高域と並び、全体のバランスがフラットに近づきます。
中域で音色の滑らかさ生々しさ、エネルギー感、中域に変わったかのような感覚があります。
標準ケーブルは2万円程度するようですがこのクラスの価格のケーブルに交換しても圧倒的なアップグレード感が得られました。
〇LETSHOURE S12 Pro ⇒ 結果:「○」
Z12もGiitaさんからレビュー依頼を受けてお借りしたイヤホンですが、相性としてはまずますといったところでしょうか。
付けて驚くのはZ12の潜在能力を引き出す圧倒的な解像度の高さです。イメージとしてはNICEHCKのフラグシップケーブルクラスの音の解像度があります。価格としては8800円なので雷神などよりも少し安いのですが、雷神よりも解像度は高いかもしれません。音は寒色系のスッキリとしたサウンドで前後の音の立体感はあまり出ませんが横が広く硬質な音色を出してくれます。Z12と付けているおかげか解像度の高さとソリッドな音色を高らかな音場表現で楽しみたい場合にピッタリと言った印象です。
7Hz REGATO ⇒ 結果:「◎」
解像度が極めて高く、一枚膜が取れたかのようなクリアな音色になります。低域の量感が若干減り、中域から高域にかけてやや強くなることで全体のバランスがフラット寄りに近づきます。
特に素晴らしいのは中域で音色の滑らかさ生々しさ、エネルギー感、低域にしかなかったモンスターのパワーが中域に変わったかのような感覚があります。
音場の広さはほぼ同じでしょうか、全体として定位の位置関係がはっきりとするようになり弱点が減る方向です。標準ケーブルのイカれた低音モンスターは少しだけなりを潜めてしまうのですが、全体の傾向として完成度が高い方向でかなりの好相性だと感じます。
〇SeeAudio Rinko ⇒ 結果:「〇」
かなり良い相性だと感じます。
標準ケーブルでは価格帯として横が若干狭めRinkoの横の音場を大きく拡張してくれます。賛否が分かれやすいやや強めの低音も若干マイルドになり、全体としてRinkoの弱点を補う様な方向性でしょうか。
楽曲によっては前後の音の表現は若干悪くなった部分もありますが、それほど大きな変化ではないと感じます。解像度も上がりますし、リスニングにちょうど良いドンシャリバランスに広い音場表現はは様々な楽曲で相性の良さを発揮してくれます。イヤホン価格と比べてもそれほど高額でもないので丁度良いバランスだと感じます。
〇TRN MT1 Max ⇒ 結果:「◎」
見出しの組み合わせですね。HifiGoからレビュー依頼の品で、今日届いたばかりのMT1 Max(SWは標準)ですが早速装着してみました。驚くほどに素晴らしい組み合わせでもとてもA1.5Kのイヤホンの音色とは思えません。MT1 Maxのレビューとどっちやねんと思われるかもしれませんが、両方共に素晴らしいです。
横方向の音場が大きく拡張されて、解像度が大きくあがります。前後の音像の立体感は深くはないのですが、上下の音場も広く、開放的で伸びやかです。
当然ながら標準のケーブルが悪すぎるという点は否めませんが、これでいいじゃんと思える音を出してくれる点は試した甲斐があったなと思います。
MT1maxも1.5Kながら良いイヤホンを作ったと感じます。イヤホンの方も数日以内にレビューする予定ではありますが暫くお待ちください。
音の変化まとめ
・音のバランスはほぼフラット
・解像度が10Koverクラス並にに高い
・音色はクールで寒色より
・やや明い音色
・横の音場が極めて広い
・縦の音場はやや広い
・音の前後の立体感は少ない
・音像の重心は中央
・イヤホンとの相性が出にくく使いやすい
こうして眺めてみると確かにSpaceCloud (無印の方)と共通する項目が多くあるように思います。
藍魔とSpaceCloud との違い
Pros
・定価ベースの価格が安く、入手しやすい
・寒暖で言えばより暖かくニュートラル寄りで使いやすい
・ウェット、ドライで言えばよりウェットでニュートラルなので使いやすい
・デッドか開放的かで言えばよりデッドでニュートラルな音色
・解像度、解像感がやや低く、聴き疲れしにくい
Cons
・SpaceCloud の方が音場が広い
・SpaceCloud の方が寒色でドライ
・SpaceCloud の方が開放的で抜け感がある
・SpaceCloud の方がやや解像度、解像感が高い
・Aliexpressセールなどリスクを取れば藍魔よりも安いこともある
■まとめ
見た目も良く、使いやすさも素晴らしい事に加えて、音質のレベルも高く高いバランスにまとめられたケーブルだと感じました。GiitaさんのおかげもありJSHiFiのケーブルはほぼ聴きこませていただきましたが、中でもかなりバランスが取れており、なおかつ万人受けしやすい音質傾向のレベルの高いケーブルだと感じます。
特に、初めて5Kオーバーのケーブルを購入検討されている方で、特に解像度の高さを求めている方には、期待以上の解像度が得られるケーブルだと感じます。
一昨年の年末にNICEHCKのケーブルのレベルが一気に上がった印象はありますが、去年から今年にかけてはJSHiFiのケーブルの品質の向上が目まぐるしい様に感じます。イヤホンもケーブルもですが高くなるほど嗜好性が強くなり万人に勧めにくくなっていく傾向はありますが、藍魔は5K以上と高額なケーブルでありながらJSHiFiの勢いと「らしさ」を感じられる、おすすめできるケーブルですね。
最後に
Giitaさん、このような機会をいただきありがとうございました。
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*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去