*この記事はTwitterでのつぶやきをまとめて再編集したものです
「intimeーK (VST-K)を使った ASSYミティング in Labo」
で作ったオリジナルイヤホンの名前が決まりました
命名:intime 白(ふがく)
その特徴は今までのintimeイヤホンの追随を許さない圧倒的な音質にあります
まず名前の説明ですが、このイヤホン名には3つの意味を込めて命名しました
理由を説明するのは恥ずかしいので1つだけ言いますと
日本最高峰と名高い霊峰富嶽
峰の山頂は多くの季節で、白の雪化粧をします
連日のように新たなイヤホンが発表され一部のものが売れる陰で朝生暮死するこの業界、その姿は富嶽の山容の様です
このイヤホンは日の本の象徴でもある富嶽の頂点の「白」の音であるとこの名にしました
続いて、新材料VSTであるコードネームintime-Kを使ったこの音について書きたいと思います
まず、今回のイヤホン作りにあたり、翔DDのVSTをそのままintime-Kに変更したイヤホンを翔DD intime-kを聴かせていただきました
音は翔にも無い、深みのある高音を持ち、豊かで艶やかな音色を兼ね備え、一聴で凄いという感想が出ました
一方で帯域バランスとしては一般受けを狙うためかドンシャリになっていたため、目標のチューニングはVST-Kを生かしながらできるだけフラットな音を目指すことにしました
少し話題が逸れますがintimeのイヤホンが苦手な方のポイントは個人的に2つに絞られると思っています
1.高音の音色が嫌い
2.低音が強すぎる
まず1番についてはピエゾという高音が得意なデバイスを使っている特性上、苦手な人は多いです
しかし今回の新材料VST-K、今までの高音の音色と全く違います
VST-Kの音色は不思議です
他のモデルと同じであればクロスオーバーは16kHz前後、メインの帯域の音色に影響はしないはずです
しかしVST-Kの音色は異次元の艶と生々しさを音色に与えてくるのです
超高域代表のシンバル等の音があると思いますが、この音色に質量を感じるレベルなのです
従来のVSTが「音色に味付けをするもの」だとすれば今回のVST-Kは「音を根本的に本物に近づける」と言っても過言ではありません
intimeの高域が苦手な人も再度試聴して挑戦する価値のある音を出してくれると確信しています
続いて2の低音の強さですが、非常に難しい問題です
これは私の勝手な想像ですが
intimeのイヤホンは市場が貧弱なアンプ環境でも映えるドンシャリのバランスのイヤホンを求めていることと、ピエゾの高音特徴をうまく活かすため低音も強くチューニングされています
つまりフラットなバランスで聴きたければ翔を買う必要があるのです
中華イヤホンが持て囃され、低音がブームと言って差し支えない現在では低音が強いバランスは売れるための第一条件と言っても差し支えないかもしれません
フラットは中々売れにくいのです
*まだ聴いたことはありませんが
耀はフラットチューニングにしたようですが低音が無いという評価が散見されます
また、私は翔でもやや低音が強く既製品ではどうしようもありません
そこでAssyミーティングです
ミーティングでは様々なパーツ選びから低音の量も調整できます
詳細は伏せますが低音の量感を抑えて締めるという調整を実施し
結果としてintimeイヤホンで「量感に頼らない上質な低音」を実現しました
このため、intimeのイヤホンが苦手で2の「低音の量感が多すぎるのが気に入らない」と思っている方がいるのであれば、assyミーティングをおすすめしたいです。
しかしながら好きじゃないイヤホンのミーティングには興味ないと思いますのでコロナが落ち着いた際に、何かの機会があれば作ったイヤホンを聴いていただきたいです
音質についてですが
帯域バランスはフラット、音場は横に広く前後も十分、ボーカルはやや近いです
VST-Kにより作られる音色の傾向は若干暖色寄りで、何より特徴的なのはその質感、艶や、生々しさです
私が今まで聴いたイヤホンで最もリアリティのある音色で、私の常識ではイヤホンの域を超えていました
すべての音色が鮮烈で、1枚ヴェールを脱いだ様
VST-Kによる倍音からか響きは豊なのですが、良くある反響音としての響きではなく本当の楽器が目の前にあるかのような実在感のある響きです
このイヤホンを聴いてしまうとそれ以外のイヤホンが色褪せてしまうといっても過言では無いです
更に特徴的なのは
ケーブルの影響を受けやすいことと
上流のアンプの性能要求が高くないことです
フラットに調整したことで流石にスマートフォン直刺しでは物足りない部分はありますが、パピコ(Paw Pico)などの比較的安いエントリークラスのDAPでも艶やかでリアリティのある特徴的な音質で鳴らしてくれます
ケーブルについては
翔DDと同じ標準のpentaconnケーブルでは非常に音場が広いことが特徴です
翔付属の銀コートケーブルでは音場の広さと引き換えにさらに艶やかな音色を奏でてくれるようになります
日本ディックスのハイエンドケーブルliliumではボーカルの輝きにさらに磨きがかかります
いずれにせよケーブルの変化は大きく敏感です
大事なコストパフォーマンスについてですが
ASSYミーティングの参加費は明かせないのですが、参加費用の金額のイヤホンとしてみれば破格で圧倒的に強いと感じています
尚、毎回ASSYミーティングの価格設定はチューニングする機種の販売価格とほぼ同じなのでVST-Kが量産された暁にはそのぐらいの値段以下を期待したいところです
尚、もしこの音が苦手な人がいるとすれば音の響きや艶が少ないモニター的な音作りを求めている場合はこのイヤホン及びVST-Kはあまり合わないかもしれません
そして、ビルドクオリティなど音以外の特徴については筐体は翔DDそのなので弱点や使いにくさは翔DDに準じます
そして感想及び、命名まで1か月時間が掛かった理由は
この様な素晴らしいイヤホンを手に入れたことで、今後VST-K以前と以後でイヤホンの価値観が変わり、その気持ちが1か月間継続するのかどうかを見極めたかったことにあります
そして1か月経ちその気持ちは変わっていません
もちろんコロナの影響もあり、イヤホン作りに行ったことを発表することを躊躇った気持ちもあります
発表しない方が良いかもとも思いました
暗いニュースが多い中、VST-Kという素晴らしい技術とイヤホンが日本企業から生まれつつあるという明るい兆しがあるという事はとても良いことだと思います。
長文にもかかわらずご拝読いただきありがとうございました