こんばんは
今日は雑記です。
■CCZのアンケートについて
先日Twitterで実施させていただきましたアンケートについて、再度お礼申し上げます。
CCZのcoffee beenとemeraldをお持ち方or聴かれた方にお聞きします
— すのー🐈ゆるふわオーディオ (@snow_el) 2022年4月14日
どちらのイヤホンの音作りが好きですか?
両イヤホンをお持ちの方、アンケートありがとうございました
— すのー🐈ゆるふわオーディオ (@snow_el) 2022年4月22日
一部では有名な話かも知れませんが、CCZ Emeraldと CoffeeBeenの周波数特性は同じ様です。
私の手持ちの測定結果もそうだったのですが、聴感上はどう聴いても別の音に聴こえます。
アンケートで同じ方が多くて安心しました。 https://t.co/onGs6vGwEG pic.twitter.com/mYRAcVltrz
上記ツイートのツリーにも書いたのですがこのお話について補足しますと、以下の周波数特性は手持ちの2機種のLRの平均の実測データです。一応両方のイヤホンのドライバが構成は1DDと1DD+1BAと異なります。
差分など取らずとも見た目でわかるぐらい、グラフが一致していますね。これだけ見れば例のKZ騒動のように「emeraldのBAドライバが動いてなのかもしれない?」などと思うかもしれませんが公式のデータも同じグラフ形状なので両イヤホンは周波数特性が同じ仕様で間違いなさそうです。下記は公式の販促資料の転載です。
どのようなチューニングかは不明ですが最初からメーカーとしては周波数特性は一緒と明示していたわけですね。一方で違う音がすると認識してた上で「周波数特性が同じ=同じ音」という認識をされている場合は衝撃的なデータかもしれませんね。自分も聴感上は似ている傾向の音はするものの両イヤホンは聴いて異なる音作りと認識していましたので周波数特性まで同じだとは思っていませんでした。尚、emeraldはBAドライバも追加されていますし異なるはずという先入観があった可能性は否定できないです。
そこで他の方も両イヤホンが違う音だと感じているのかが気になりアンケートを取らせていただきました。もちろん折角であればどちらの音の傾向が好きなのかも知りたいのであのような質問形式にさせていただきました。
アンケート結果として約95%の方がカーブは一緒でも音が違うと認識していることがわかりました。これはアンプやイヤホンケーブルの様に周波数特性だけが音作りでは無いという証左になった様に思います。あと誤解の無い様に補足すると、「だからと言って周波数特性は当てにならないとか、データとして意味がない」という事にはならないということも伝えさせて下さい。
■タイムラインの話題について
そして今日はタイムラインでハーマンターゲットに沿ったイヤホンであれば同じ様な音がするのか?っという話が出ましたがなかなかに興味深い話題だと思います。
まず第一の争点はフラットでも音作りはできるということかと思います。というのも基本的にまともなアンプやケーブルでは周波数特性は変化しません。これらは場合にもよりますがメーカーや製品によって明確に音質が変わったと認識する方が多いです(でなければDAPを買ったりはしませんよね)。私個人としては様々なメーカーが周波数特性は変えずに各商品の多彩な音作りを行っている実績がありますので、イヤホンが聴覚上のフラットになるターゲットになったからと言って、音が全く同じになってしまうというのは懸念の域を超えないと思えます。今回のアンケートが証左になるとも思います。
第二の争点は個人によってフラットが定義できないという問題です。私はハーマンターゲットについて明るいわけではないのですが、少なくともこのターゲットカーブというのは特定の場所での人間の頭や耳の平均的な特性を示したものに過ぎないという事は知っています。つまり頭の形や耳の形、楽曲が想定する音場(ミキシング)環境によって目指すべき本当のフラットな周波数特性は異なるはずということです。ただ、この意味ではターゲットに近いほど大衆に受けるということになりますし、逸脱するほど特定用途向けに限定されていく可能性が高いということになります。個人的には楽曲による環境は置いておき、自分の頭と耳に合った「フラットと感じるターゲットカーブ」があるはずなので自分が好むターゲットカーブ形状を見つけたいという風に思っています。
第三の争点は先ほど述べたように利用用途によってフラットが異なるという問題です。まぁ中の人ではないので想像にはなりますが老舗のメーカーがハーマンカーブにだけ沿った製品を出しているわけではないというのは、例えば業務用途のライブなどでは遮音をしても外部が低音があふれていますしリスニング時のライブ音源などを聴くこと等を想定すれば、一般的な音圧レベルよりも高いライブハウス並の音圧レベルを要求することになります。そうするとラウドネス曲線的に高い音圧レベルでのフラットな音にカーブが変わってしまいます。ということで用途によってハーマンターゲットカーブもドンシャリすぎたり、かまぼこ過ぎる、ハイ上がり、低音出過ぎ、、、などと印象が変わってしうのだろうと思います。故に特定用途向けと限定させなければ様々なカーブのイヤホンがあっても良いと思います。私個人としてはメーカーの全てのラインナップがハーマンターゲットカーブに沿っている現状は無いので気にし過ぎでは無いのという気持ちです。
まぁ、書いていると時間がぎりぎりになりましたのでここまでにします。
ではまた明日
■Appendix
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.5
INPUT:Scarlett Solo XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:ADI2DAC fs (3.5mm IEM端子、DJ44C併用)768KHz32bit 0dB
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:AET07 Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz