ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー:TRI iONE 福袋1DDイヤホン 結論:リケーブルで全方位に強くできる

こんにちは

ゆるふわオーディオのすのーです。

 

今回はGiitaさんからの依頼のTRI iONEという1DD構成イヤホンの簡単なレビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。

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結論:A30K Tier4 参考価格:37000円 *筐体のみ(リケーブル)Tier2

iONEは高域の繊細さを持ちながら、バランスの良いオールラウンドタイプのイヤホンです。音色は音像が高く高域がシャリシャリしやすいピーキーさがある音色で人は選びやすいです。良い点は比較的廉価なアンプでも鳴らしやすく、上流に左右されにくいのでこの価格帯を始めて買う場合に満足感を得やすいイヤホンです。

高額ケーブルが付属するためリケーブルは躊躇いがちかと思いますが、音色の変化が分かりやすいため音に不満があるのであればリケーブルを試したいイヤホンです。標準ケーブルは使い勝手も悪いためリケーブルに加えてイヤーピース変更などでチューニングすればiONEはより満足度を高くしてくれる可能性があります。

尚、iONEは本体のみのレンタルのため、付属品などは未評価です。

Pros(優秀な点)

〇 高域が繊細で目立ち、細い音像が高く近い位置で鳴る音色が特徴

〇 廉価なケーブルでもリケーブルによる音質チューニングの余地が大きい

〇 付属ケーブルの値段が高い

○ リケーブル、イヤーピースなどのチューニング変更が可能

○ ビルドクオリティと奇抜なデザインは値段相応に良い

Cons(微妙な点)

△ 高域がシャリ付く音色は賛否が分かれやすい

△ 標準ケーブルの音傾向が強く出るチューニングで、ケーブルと筐体との相性が悪い

△ 標準ケーブルが太く癖が付きやすく使いづらい

△ 筐体がやや大きく重く形状が一般的でないため装着感が悪い

△ フェイスプレートが割れやすい(注意)

量があるので結論以外は気になる部分をリンクで読んでもらえればと思います。

動機付けなど

モチベーション

Giitaさんからの依頼が主な動機ですが、今回Easy Earfoneの159.9$の福袋に入っているのではないかとの噂があったり、前回の福袋企画でも同様にiONEが入っていたのですがネットの高評価なレビューと裏腹にメルカリやPaypayなどで数多く販売されているとの噂があり、実際の音はどの程度なのか?と気になったためです。

販路、購入先(サポート)

2万円の付属ケーブルを含めてAmazonで購入できます。

SPEC

SPEC的に気になる点は1DD構成で定価2万円のケーブルが付属している点でしょうか。3万円台のイヤホンで2万円のケーブルというのはケーブルの値段を高めに付けていたとしてもかなり歪な構成です。

箱とか付属品とか本体

開封体験

本体のみのレンタルなので不明です。

筐体 「両側計14.4[g]」

筐体はかなり大きめでしょう、金属製でずっしりとした重みがあるほか表面加工されており本体側は傷などにも強そうです。

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一方でフェイスプレート側はガラス?のようで衝撃に弱いようです。

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外側のフェイスプレート側に3つのベント、ステムの周りに内側のベントがあります。本体にLRの記載が無く、非常に強い癖が付けてあるケーブルと相まってどちらが正しい装着方向なのかが分かりにくいです。

特に2pinでは上下(左右)逆に付けてしまうと逆相になり、設計本来の音では無くなるので注意が必要です。

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本体の厚みはかなりあり、このクラスのイヤホンではありがちではありますが、耳からかなり飛び出るようなデザインになっています。

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デザインや仕上げの品質には問題無い様に思いますがユーザービリティは悪い様に感じます。

コネクタ 「2pin(0.78フラット)」

浅めの埋込2pin端子です。

 

ステム形状 「6.15-5.5[mm]」

ステムの最大直径は6.15mm最小部は5.5mmでやや太めです。

金属製のフィルターの奥に目の細かいフィルターが見えます。
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直流インピーダンス 「22.4[Ω]」

テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは左22.4Ω, 右22.5Ωでした。

ケーブル 「3.5mmプラグ 35.5[g]」

単体で2万円するような高級ケーブルの様ですが、NICEH〇K社のフラグシップケーブルが日本Amazonで高額な様にかなり高めの値付けのケーブルの様に感じます。

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手触りは布張りでごつごつしており、丈夫さを感じられるのですが癖がつきやすく柔軟性がありません。どちらかというと音質を重視して見た目や使い勝手を犠牲にしているケーブルなので個人的にはあまり良い評価はできていません。詳細についてはケーブル個別でレビューを書きましたのでこちらをご覧ください

el-snow.hatenablog.com

直流インピーダンス 「0.2[Ω]」

テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスは両側平均0.2Ωでした。

付属イヤーピース「不明」

本体とケーブルのみのレンタルのため不明です。

使い勝手の評価

クロストークチェック 「無し」

手順*3に従って確認しました。

現実的なボリュームでは気になるレベルのクロストークはありませんでした。

ホワイトノイズ 「ほぼなし」

ややホワイトノイズが出やすいM17のMaxGainヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみましたが、音楽のバックにほんの少しだけ聞こえる程度で聴感上記になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。

寝ホン 「✖」

本体の厚みがかなり太く、特殊な形状のため全く向いていません。内側にベントがあるタイプなので鼓膜へのダメージは少ないですが耳に物理的に当たるのでおすすめしません。

外使い(音漏れ、遮音性、タッチノイズ) 「-」

指でステム側を抑えて遮音してみましたが4割ほど音漏れしており、やや気をつけたほうがよいかもしれません。

また、ケーブルでのタッチノイズも大きめなので使い勝手はあまり良く無いと思います。

ポーチ、ケース

本体とケーブルのみのレンタルのため未評価です。

音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「△」

A30K円クラスのイヤホンとしてかなり良いケーブルが付属しているのですが、値段とは裏腹に使い勝手を犠牲にしたタイプであり、あまり好印象ではありません。本体の意匠が独特でビルドクオリティは高いのですが使い勝手がやや悪い点も気を付けたいところです。特に一般的な位置についていない端子は私には曲者で、変な位置にテンションがかかりやすく、イヤーピースが一部浮くことで音が抜けてしまうなどのトラブルに見舞わられました。最終的には耳掛けをしないことで安定させましたがやや本末転倒な気がします。

 

音質について

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ファーストインプレッション

最初はNobunagaLabs Matador Nexusが付いておりその音色を聴き、その後にNICEHCK Fourmixの音色を聴いたためか標準ケーブルを付けた時の音色を聴いた時はあまりの微妙さに愕然としたのを覚えています。聴きこむことで標準ケーブルでのチューニングの狙いを探していくという方向性になりました。

競合機種との比較について

価格帯だけで言えばMoondrop Blessing2, BQEYZ Winter, NICEHCK Lofty, SENNHEISER IE300あたりがライバルになるかと思います。

エージング(バーンイン)

お借りしたものになるため不明です。

試聴環境、上流影響

標準環境*4を使っています。

色々と使ってみましたが、ある程度は上流の駆動力、パワーに大きく影響するようですが、概ね一般的な範囲かと思います。

帯域バランス 「フラット~やや高域重視」

概ねどの帯域も適度に調整されたバランスですが、やや高域の主張が強い傾向があります。低域は装着の問題から逃げやすく弱めと感じやすかったのですが、隙間なく装着できれば概ねフラットだと感じられました。

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「ー」

寒暖は少し暖色傾向、明るさはやや明るめ、響きは全体としてタイトで少な目なのですが、高域だけが特殊で響きが強く感じられます。粘度はほぼニュートラルですがやや硬めでしょうか、音の厚みは太いのですが音が軽いのでバランスが歪な感触があります。

音色の特徴は女性ボーカルやシンバルなどの残響感があって主張が強めの高域でしょう。音の重心が高めなことと他の帯域が地面に引っ張られている感覚で、軽やかな音色というよりは子供や等身が高いキャラクターかのようで音色の重心がふらつく心配な音という感じです。個人的には無試聴でこの値段を払って聴きたい音色なのかは難しく歪であまり好きにはなれませんでした。

もちろん捉え方によっては高域の音色の響きとタイトめな中低域を両立したサウンドとも取れるので、そのような音を求めているのであれば好印象になるかと思います。

音場(広狭、重心、遠近) 「ー」

価格帯を踏まえると概ね平均的かやや狭めなサウンドステージです。横が広く、上下と前後は一般的な広さです。音像はやや近めで、音像重心は高く、おでこより上の位置を中心としたサウンドステージになりがちです。

定位、音像 「ー」

価格帯としては良いレベルかと思います。価格を踏まえるとやや定位がサウンドステージの中央に寄りがちですが、十分に音の芯と輪郭は明瞭で価格帯を満足させるレベルの品質があるように思います。

解像度、分離 「ー~〇」

価格帯を概ね満足させるレベルかと思います。解像度はそれほど高くはないのですが、分離はしっかりとしており、1つづつの音は聴き取りやすく音数が多いような楽曲でもある程度は追従できるかと思います。

低域の質について 「ー」

低音の質については価格帯として一般的です。量感については普通からやや少なめかもしれません。アタックやリリースなどの入りと終わり方についてはタイトで十分ではあります。響きもある程度心地よくダレすぎない点も優秀ではありますが、価格帯を考えると一般的です。ダイナミックドライバに想像されるパワフルな量感などではないのですが質は値段相応には高く、低域重視のイヤホンを探していたという方でなければ十分といえば十分だと感じます。

中域の質について 「ー」

中域の質についても価格帯を踏まえると概ね一般的です。量感は普通ですが中高域にかけては少し大きめになるかと思います。音の体積といったらよいのでしょうかボリュームは大きいように見えるのですが実態が細く鳴る感覚があり、音色自体は細目だと感じます。このアンバランスさが原因なのか音の立体感が少なく、個人的にはやや寂しい音色にも感じてしまいます。

TRIやKBEARは全体として中高域など女性ボーカルなどを楽しく聴かせてくれるバランスが多いのですがiONEについても若干その傾向の片鱗を垣間見えた気がします。一方でこの音の線の細さと高域に繫がるシャンシャン?とした響きがあり、その音色が気に入るかが評価のポイントになるかと思います。

高域の質について 「ー」

高域の量感はやや多めですが高域と聞いてイメージしやすい女性ボーカルのサ行やシンバルやチャイムの音色というよりは、それ以外の響きとか付帯音の部分が強いです。擬音語でイメージするとシャンシャン、キランキランすると言ったらよいのでしょうか。

女性ボーカルのサ行などの歯擦音などの刺さりは少なく、弦楽器やピアノなどの表現力は価格帯として十分なレベルにあります。音像がやや高いのですが、高域の定位はやや中央に寄ってしまう点はやや気になります。

SPL周波数特性測定とか

*5

 

相性について

ジャンルの得意不得意 「少なめ」

バランスがフラットに近い事、高域が少し強めで音が軽く中低音タイトめですっきりとした印象があるのでそのような曲調に良く合う様に思います。生々しい演奏や強烈なインパクトが欲しい楽曲ではやや物足りなさを感じるかもしれません。

アンプ(上流)による印象の違いについて 「少なめ」

より良い上流を使う事でより良い音が楽しめるイヤホンではありますが、極端な変化は無く概ねアンプの実力に比例してくれる印象です。

このため、ポータブルであればポータブルアンプ、据え置き機材など強力な上流機材を準備するとより幸せにはなれますが、無くても楽しめるイヤホンです。

イヤーピースによる印象の違いについて

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JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) 

今回のインプレでのデフォルトイヤーピースです。

ZEOS Render(超高域重視) 「〇」

音像の重心が少しだけ下がり、おでこのあたりまで下がりますが、それもで尚音像が高いのはこのiONEの特徴かと思います。

前後の音の立体感が少し出るのですが代わりに横の音場が狭くなり、全体としての音場の広さは同じぐらいでしょうか。

シャンシャンする鈴の音など高域の楽器の主張がやや大人しくなり、逆にベース音がしっかりとするので全体のバランスがフラット~弱ドンシャリ寄りに近づくイメージでしょうか。

逆に女性ボーカルのサ行などの歯擦音がやや刺さりやすくなりますのでそこは注意が必要かもしれません。

全体的に普通のイヤホンに近づいた印象で、味変としてこれは有りだなと思わされるのですが、この音であればiONEでなくとも良くないか?とも思人もいるかもしれません。

Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) 「〇」

 

SpiralDot++と比べると横と上下の音場は狭く、低音の量感が出て、アタックとリリースの良さが活きるドライな音色に変化します。

一般的にW1は音像重心が一歩前方にくて迫力が増す傾向があり、音像が一般的な高さまで落ちて目頭あたりになる点は良いかと思います。

解像度が上がり、音の太さも改善されるため良好な相性だと感じます。

ただし、高域は量感こそ減らないのですが、定位感が失われている点や高域がやや刺さる点は気になりました。また装着感にもやや問題があったのでその点は注意が必要かもしれません。

SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「◎」

素晴らしい相性でした。

音場はSpiralDot++までは行きませんが左右上下に広いです。音色がやや暖色傾向になり、若干低音域の解像度や解像感が下がりますが、低域と中域が目立つことで全体の帯域バランスは流行りのW型になるかと思います。

高音の金属音が綺麗に聴き取れる他、定位や音像の広がりなども自然で、このイヤーピースが付属しているのであればかなり印象が変わるかもしれないと感じます。

final TypeE soft(ボーカル艶重視)「〇」

finalストアでイヤピガチャを引くか、final製品(Study1かVR1000か糸竹管弦)を購入することでしか手に入らないTypeE softですが、入手性も上がってきていますので試してみています。

このイヤーピースは基本的には普通のTypeEと同じではあるのですが、普通のTypeEよりも低音が控えめでやや音場が広めで中域のボーカルなどに艶が乗るボーカル重視イヤーピースです。

結果として相性はまずまずです。低音は少し量感が減ってしまうのですが、中域のボーカルなどがやや艶やかになって主張が強くなります。音像の重心がやや下がりますが、音場もやや狭くなってしまうのは注意が必要でしょうか。

高域の弦楽器などが綺麗に伸びるて聴き取りやすく、高域のシャンシャンする感じが別の形で強みとして出ているように思います。iONEの中高域の特徴を残したい場合は良好な相性だと感じます。

 

Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「〇」

女性ボーカルの音色がクリアで透明感は出るのですが、音場の前後感、そして分離が若干わるくなり音が団子になりやすいです。刺さり防止についても若干ですが効果を感じます。

左右の音場はある程度広いですし、低音も量感があるのですが解像度は下がります。味変としては有りだなと思わせる変化でした。

日本ディックス COREIRコレイル 「〇」

例の金属イヤーピースすが相性はまずまずです。

高域の一部の金属的な音色が強くなりますが超高域はあまり変化が無いように思います。思いのほか中域の音の残響感が増すのでしょうか?厚みが増えてボリューム感がある音色になります。

音像の重心が下がり、音場感としてはやや抜け感が良くなることで一般的なイヤホンに近づく様に思います。

想像していた変化ではないのですが、これはこれで有りだと思える音色で、高いイヤーピースではありますが、変化は大きく払う価値を感じさせる音です。

 

まとめ

結論としてイヤーピースで大きく音が変わるイヤホンです。個人的には装着感が悪いこともあってか、普段よりも変化が大きく感じましたし、思えばSpiralDot++の相性もあまり良く無いのかもしれません。尚、今回試した中ではEarfitMaxの相性が良いように感じました。

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

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注意:

リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。

このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。

幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。

M17 "AppleMusic" -> 「    」-> イヤホン -> SpairalDot++

NICEHCK Greyflag  「◎」

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NICEHCKの通称、年度フラグシップ、FlagShip of the Yearケーブルです。

このケーブル、写真の通り、見た目が付属ケーブルと似ています。謳っている線材は別物ですが、セールで11K程度とWolframの半額まで安くなっていますので比べてみました。

見た目の通り、使い勝手はほぼ同じなのですが、結果としてはかなり良い相性だと感じます。

解像度は概ね互角で、楽曲にも寄りますが概ね少し上がったように感じます。

高域がシャンシャンしたクリアすぎる感覚や音像が高すぎてフワフワした不安定な感覚が無くなり地に足が付いた安定したサウンドに変わります。高域は適度な存在感があり、音像が目立ち過ぎないことで逆に聴き取りやすくなったように感じます。

中域は適度に近くなり音像の立体感が出るので音色の生々しさが向上します。シャリ付く感覚からスッキリとした音色になると言う点も好印象でした。

低音はやや量感が増えたことに加えて響きが良くなった感じがあります。残響で若干リリースがもたつく様な感覚もありますがそれほぼマイナス面を感じません。

かなり良い相性だと感じました。

セール中11,662円

JSHiFi 藍魔(RANMA) 「◎」

JSHiFiのミドルハイクラスの新ケーブルです。解像度が極めて高く、一枚膜が取れたかのようなクリアな音色になります。Greyflagよりも安いですが解像感がやや高いためGreyflagと同等以上の明瞭さを感じるかと思います。

音場は横に極めて広く、縦も十分に広いです。前後感もこのクラスでは良く表現できているかと思います。私としては一番気になっていた高くて不安定さがあった音像バランスも重心が適度に下がってやや高めぐらいに落ち着きます。

低域の量感もしっかりと出る上に、中域の押しが強くなることで強めだった高域と並び、全体のバランスがフラットに近づきます。

中域で音色の滑らかさ生々しさ、エネルギー感、中域に変わったかのような感覚があります。

標準ケーブルは2万円程度するようですがこのクラスの価格のケーブルに交換しても圧倒的なアップグレード感が得られました。個人的にはGreyflagよりも高相性だと感じます。f:id:el_snow:20230419235349j:image

Yongse Expert AgMax8 「◎」

Wolframが純銀線とのことだったので、コストパフォーマンスの高い純銀ケーブルで有名かつ推しのYongse AgMax8を付けて比較してみましたがこちらも素晴らしい相性でした。

一聴してわかるの超高解像度と華やかで明るい音色にシャリ付かない高域です。横と上下の広大音場に適度な前後の立体感があります。

低音の量感は若干減ってしまいますが中域から高域までの表現力が大きく上がり、同じ純銀とはいえ別のイヤホンの様です。音像の安定感が高い上に中域もしっかりとしているため、オールラウンドに使えるイヤホンになったと感じます。

こちらのケーブルはeイヤホンなどでも試聴できるためぜひ試してみて欲しいケーブルです。

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NICEHCK FourMix 4.4㎜ 2pin「◎」

日本Amazonにも遂に登場したFourmixケーブル、最初の限定とは一体何だったのかと思わせるケーブルなのですが、とにかく低音の質が素晴らしいケーブルです。

結果ですがこちらも最高に素晴らしい組み合わせの一つだと感じます。Fourmixとは思えないほどスッキリとした音色に、厚めのサブベースと現代音楽に求められる音色を上手く表現しているように思います。

気になっていた音像の高さも一般的な高さで音場表現するため音が安定しています。不思議にもミッドベース帯域が膨らまない所が素晴らしく、音の分離や定位感の向上に一役買っているかと思います。

Fourmixは音場が狭くなりがちなのですが抜け感が良いのかそれも感じさせないと事は素晴らしいと感じます。

このケーブルの価格も高額ですが、標準ケーブルから比べれば半額程度で、相性はが良く素晴らしい音色だと感じます。

NobunagaLabs Matador Nexus 4.4mm 「◎」

高額なNobunagaLabs のケーブルなのですが、非常に素晴らしい相性です。iONEは前後の音場の立体感が乏しいイヤホンなのですが、MtadorNexusによって大きく前後の立体感が生まれます。特に中域の音像の立体感は素晴らしく、ボーカルや楽器が生々しく、空間を彩ります。

元々音像が近めなこともあり、広くなった音場で開放的な抜け感すら感じます。音場がやや丸くなるため横の音場自体は狭くなります。

ボーカルは適度な余韻を感じさせ、明るく解像度も高めでです。ボーカルの印象だけではなく高域のチャイムや金属音も綺麗に響きを乗せています。個人的にはこの音であればずっと聴いていたいと思うレベルに素晴らしいと感じます。


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NICEHCK BlackCAT 4.4mm 2pin「〇」

 

デフォルトケーブルが2万円の物ということで1万円以上のリケーブルを試していたのですが、もうここまで全部◎やんけ!(笑)っということでじゃあ安めのケーブルはどうなのということでBlackCatを試してみました。

一聴して感じるのはメリハリのあるドンシャリの音色に音像の輪郭がはっきりと音色で、流石にやや解像度が下がる感覚です。

音場は上下はやや狭くなりますが横の音場は広大で、音像が下がるので一般的な高さになります。前後の音場はやや広くなった感覚がありますがほぼ同じでしょうか。

音の分離がさらに良くなり、定位がしっかりとするのですが細かい音色がバッサリと切られている感覚があり、細かい音の描写に向きません。音色はやや暖色傾向になりますが高域のシャリシャリした感覚が少なりますので癖が減るけれども別の癖が付く感じです。

プレイヤーや上流との相性次第では標準ケーブルより好みと言う人も多いだろうという音色で、3000円程度ですが、変化も大きく良相性だとも感じます。特にiONEが福袋で当たって聴いてみたけど好みでは無く、手持ちにリケーブルは持っていないと言う場合は、まず音の変化を感じるか試してみる価値のある組み合わせかもしれません。


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まとめ

こうやって試してみると標準ケーブルは定価2万円という価格ではありますがその価値をあまり感じることができませんでした。自分の経験が不足しているのかと思いますが、標準ケーブルと合わせているiONEの音色はとても4万円近いイヤホンの音色とは思えませんでしたし、BlackCatなど数千円程度のケーブルでもリケーブルを推奨したいほどWolframは癖の強い音色だと感じました。

また、ケーブルで音色の傾向を変えやすいイヤホンかと思いますのでリケーブルでチューニングを詰める遊びをされているイヤホン中級者にとっては面白いイヤホンだと感じます。

ちなみに、今回試した中で好みのケーブルは元の音の方向性を活かした万人向けにはYongse AgMax8、ボーカル好きにはNobunagaLabs のMtadorNexusが本当に素晴らしかったです。

 

音質の総評、所感

当然ながら標準ケーブルとなりますが、個人の主観的な好みで言えば81点、私が客観的だと思う好みの点数としては93±6点です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはA30KでTier4としました。

Tierが低いのはユーザビリティと標準ケーブルとの相性が主な理由です。リケーブル後の音についてはどのケーブルも素晴らしい音色で、筐体のみ、リケーブルを前提としたTierは2にしています。

今回、久しぶりに高価格帯のイヤホンをレビューさせていただきましたが非常に楽しくレビューができました。iONEは是非リケーブルで遊びたいイヤホンですね。今後もEasy earphonesのWooeasy福袋で当たったり、合わなかった方からフリーマーケットで安く入手することができるかもしれませんので、手に入れた際には潜在能力をぜひ試してみて欲しいです。

vs SENNHEISER IE300

無難に良い音を安定して聴きたい、軽く小さく装着感が良いイヤホンが欲しい、そのような場合はIE300が最もオススメになるでしょうか。ドンシャリで、音場が広大で、楽しい音色を奏でてくれます。ブランド力もさることながら2年の保証とサポートも手厚い点が安心感になります。iONEは高域が強めのイヤホンが欲しい場合や、リケーブルを楽しみたい場合に良い選択肢になると思います。

 

vs Moondrop Blessing2

 

POPS、特に女性ボーカルなどのボーカル好きに最も特化したイヤホンになるかと思います。解像度も高めではあるのですが別メーカーで(リケーブル推奨とは言え)HEXAという実質後継のコスパイヤホンが出てきていますし、音色の傾向はかなり違う様ですがBlessing3という同メーカーの後継機種も出てきています。

とはいえボーカルの表現としてはBlessing2が勝っているのは変わらずとのことで検討の余地はあるかと思います。個人的にはHEXAをリケーブルする方が良いかもしれません。

vs BQEYZ Winter

高域が骨伝導タイプのイヤホンで、装着感はWinterの方が良いです。装着さえフィットすれば中域のボーカルの厚みはこの価格帯で唯一無二の表現力を持っています。標準で付属するケーブルも品質が高いので装着感しか隙がありません。iONEにはそれが無いのですが、iONEを選ぶモチベーションとしては基礎的な音質は高いため、リケーブルなどで付加価値を付けるイメージになるかと思います。

vs NICEHCK Lofty

ほぼ終売になっているのですが、同価格帯で最も低音の表現力に優れたいイヤホンです。A8000のイメージとエージング前の抜けの悪さから高域が表現で不人気になったものの、その音色は高価格帯でもなかなかに聴くことができない素晴らしいものです。低域好きはLoftyを選ぶ方が幸せになれるかと思いますし、iONEはどちらかといえば高域好きに合うように思います。

 

最後に、このような機会をいただきましたGiitaさんには再度感謝申し上げます。

 

Appendix

購入リンク

 

el-snow.hatenablog.com





*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去

*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去

*3:

ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします

*4:

M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

iphone12"AppleMusic" -A1749->  -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->A90->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

MBP15 Late2013"AppleMusic" ->E50->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

GV301"AppleMusicプレビュー" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル->  イヤホン -> SpairalDot++

Xperia10iv"AppleMusic" ->SHIO -標準ケーブル->  イヤホン -> SpairalDot++

*5:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み