こんにちはー。ゆるふわにオーディオやってるすのーです
今日は先日届いた平面駆動イヤホン「KZ x HBB PR2」のインプレ、超簡易レビューです。
インプレ結論:A7K Tier2 参考価格:6,200円 (リケーブルTier1)
PR2はややドライでソリッドな響きの音色を持ちながら解像度が高く、音のバランスも良い秀逸なイヤホンです。音圧感度が低いため音量が取りにくい欠点や付属品がチープなためピーキーさはありますが、派手さと細かい音の描写を両立する良チューニングです。
価格が安いにもかかわらず先に発売されたより高価格の同社の平面駆動系列イヤホンのKZ PR1 ProやCCA PLA13等と同等レベルに仕上げられており、ケーブルを除く筐体の完成度とコストパフォーマンスは驚異的です。
付属品のケーブルはA7Kの価格帯としてはチープで音質にも影響があるタイプですが、使い勝手は悪く無いので気にならない方はそのまま使っても構いません。当然ながら感覚に個人差はありますが音質面では1000円台のケーブルに交換することでも相当にグレードアップを感じやすいため、ケーブルを交換して楽しむ様な、中華イヤホン中級者以上にはかなりお勧めできるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ 万人受けする弱ドンシャリバランスのチューニング
◎ 価格帯として解像度が高い
○ 寒色傾向のソリッドな音色が派手でありながら繊細なサウンド
○ 平均的に高いサウンドクオリティ
○ 意匠が良く、ビルドクオリティが高い
○ リケーブルやイヤーピース変更によるサウンドチューニングの余地がある
Cons(微妙な点)
△ 感度が94dB/mWと低く音量が取りづらい(ZVXは109dB/mW、PLA13は100dB/mW)
△ 付属ケーブルの品質が悪い(リケーブル推奨)
△ 価格の割に付属品が簡素
△ 高域がやや強く、女性ボーカルのサ行などの歯擦音が刺さる
試聴環境、上流影響
標準環境*1の中で
M17DCやMBP15 Late2013"AppleMusic"の直指しなどをメインに確認しました。
音質とか
帯域バランス 「弱ドンシャリ、やや高域が強い」
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「○ やや寒色、響き、あっさり」
音場(広狭、重心、遠近) 「△ 横縦平均的、上下はやや狭い、重心中央、やや近」
定位、音像、分離 「○」
解像度 「◎」
低域の質について 「○」
中域の質について 「○」
高域の質について 「ー〜○ サ行はやや刺さる」
同価格帯のイヤホン、平面機種との比較
CCA PLA13
構成は似ていますが、低音の量感も多く、音色も分厚めなので音は別物です。比べるとPLA13の方がやや暖色傾向で少しデッドな傾向があります。解像度はほぼ同じですが解像感はPR2の方が上でしょうか。
PLA13の方がより個性的な筐体ですがプラスチッキー感はこちらの方があります。標準ケーブルでの音質はイマイチなのは共通していますが
好みがPLA13で無い限り、値段が安いPR2の方がお勧めできると感じます。
TRN Rosefinch 朱雀
残念ながらFFさんに貸出しており手元に無いので直接比較はできていないのですが、中低域の厚みがほしい場合は朱雀、超低音域(サブベース)の厚みがほしい場合はPR2がおすすめでしょうか。朱雀の方が付属ケーブルがしっかりしている分、ケーブルを交換するのであればPR2が上になるかと思います。
KZ PR1 Pro
PR1 Proとほぼ互角といって良いかと思いますが、PR1 Proの方がドンシャリです。低音は良いのですが、高域は私に取ってかなり刺さりを感じるチューニングです。付属品のケーブルは多少マシになっていますが、ZASと共通のものでそこまで良いとまでは言えません。価格もPR2の方が安いこともあり、個人的には刺さる音が好きな方以外はPR2がおすすめだと感じます。
Letshuore S12
標準ケーブルでは流石に格が違います。音の立体感、余韻、伸びや響き方レベルが違います。しかしながらケーブルを揃えるとかなり近いレベルまで到達します。音の前後感は薄いのですが横の音場が広く、音の解像度は肉薄します。音の分離や定位はS12の方が明確に上手でしょうか。最初からケーブル交換を前提にすればジェネリックS12と言われている噂も理解できると感じます。
もちろんS12よりPR2は遥かに鳴らしづらいため上流も要求しますから手放しに勧められる訳では無いので注意が必要ではあります。JSHifi Shadowなどの格安ケーブルを付けても素晴らしいアップグレード感を得られたので標準ケーブルとの相性の悪さを実感する次第です。
その他測定値
基本測定とか
筐体重さ「14.2[g]」
筐体抵抗(直流インピーダンス) 「18.6[Ω]」
筐体ステム形状 「5.76-4.82[mm]」
筐体リケーブル端子 「QDC2pin」
ケーブル 重さ 「14.7[g]」
ケーブル 抵抗値(直流インピーダンス) 「0.6Ω」
SPL周波数特性測定とか
製品の写真とか
いつもの低価格KZの付属品ですがイヤーピースはフォームタイプとフジツボです。
一年保証があります
おわりに
当然標準ケーブルでの評価ですが、個人の主観的な好みで言えば89点、私が客観的だと思う好みの点数としては85±10点(PR1 Proと同じ点)です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはA7KでTier2としました。
標準付属品の品質、リケーブルしたときの音質を考えると標準ケーブルとの相性の悪さでかなり損をしていると感じます。また、鳴らしづらいなどかなりピーキーなチューニングもこの価格なのでややマイナス要因です。ただし、リケーブルするとS12も見えてくるほどの潜在能力が高いイヤホンであることは本当に驚きです。
尚、今回は黒いテープが見えない後期ロッドとのことですが音質についてネガティブな印象は今のところありませんでした。誤差が±10なのであまり聴き込んではいないのですが、平面駆動形式のこれがこの価格以下で買えるのはCCA HM20に加えてまた一つ時代が変わったなと感じます。
APPENDIX
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*1:
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*2:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz