こんにちは
ゆるふわにオーディオやってるすのーです。
今日はHifiGo様より依頼のノズル調整型1DDイヤホン「BGVP P05」のインプレ、簡易レビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもあり、評価時間が短い以外はいつもと同じ基準で記載しています。
インプレ結論:A7K Tier1 参考価格:7,005円
P05は高解像度、高い分離性能に加えて抜け感と響きが素晴らしいサウンドを持つイヤホンです。前後の2つのノズル調整によって2種類のサウンドバランスを設定できます。スイッチなどと異なり双方のチューニング完成度が高く、高い基本性能に裏打ちされた見事な音色です。
MMCX端子やフィルタなどは値段なりですが、本体は軽量かつビルドクオリティが高いです。軽快なサウンドと共に本体は両方合計で7gと非常に軽く、装着感も素晴らしいです。
フィルターや装着などの説明が無いため初心者には難しいですが、値段を踏まえるとケースやイヤーピースなどの付属品も豊富で中級者以上におすすめできる素晴らしいイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ 万人受けするフラットバランス、ドンシャリバランス切り替え可能
◎ 軽快で抜け感と響きが良く、解像度と分離も素晴らしい
○ 平均的に高いサウンドクオリティ
○ 小さく軽く、装着感が良い
○ リケーブルやイヤーピース変更によるサウンドチューニングの余地がある
○ ケースやイヤーピースなど付属品が豊富
○ 1年保証
ー 本体筐体のビルドクオリティは良い
Cons(微妙な点)
ー 強いて言えば音の厚みと迫力で押す方向性のサウンドではない
ー 強いて言えばやや音量は取りずらい
△ mmcx端子品質、フィルターなど付属品のビルドクオリティは値段なり
△ フィルターノズルの使い方についてのマニュアル無し
Mic無し3.5mmMic付き3.5mmTypeC
試聴環境、上流影響
標準環境*1の中で
M17DCやMBP15 Late2013-Aiyima H2"AppleMusic"の直指しなどをメインに確認しました。
音質「A7K」
好みの表記については前回までのレビューと異なりこんな感じでいきます。
◎ → S
→ A+
〇 → A
→ B+
ー → B
→ C+
△ → C
→ D+
✖ → D
帯域バランス 「フラット、低域重視のドンシャリ」
フィルターが2セットあり、一つがやや高音よりのフラットバランス、一つがやや低音強めのドンシャリバランスになっています。個人的にはドンシャリが好きでしたが、モニターライクに使うのであればフラットバランスが良いかと思います。
音色 「S」
寒暖:やや寒色傾向
明度:やや明るめ
響き:多め
余韻:やや多め
粘度:低い
湿度:ややドライ
厚み:やや繊細
音場 「A+」
音場 左右:狭め
音場 上下:一般的
音場 前後:一般的
音像高さ:標準的
音像近さ:近め
定位、音像、分離 「S」
解像度 「S」
低域の質について 「A+」
中域の質について 「A」
高域の質について 「A」
同価格帯のTier1級 競合機種との比較
TRI STAR RIVER
同レベルのイヤホンだと思いますが、僅差でP05が良いかと思います。付属ケーブルの質や音色ならSTAR RIVERですが、装着感や軽さ解像度と音場表現であればP05ですね。そこそこ良いケーブルが最初から付属しており、個人的にリケーブルの伸びしろについてもP05の方がありそうな予感がしています。
TKZK Ouranos
同レベルのイヤホンだと思いますが、総合ではP05が良いでしょう。スピード感やノリの良さではOuranosですが、装着感や軽さ解像度と音場表現であればP05ですね。こちらもそこそこ良いケーブルが最初から付属しており、個人的にリケーブルの伸びしろについてもP05の方がありそうな予感がしています。
KZ x HBB PR2
駆動力のある上流、そしてリケーブルが前提であればPR2ですが、そのままイヤホンを聴くという用途であればP05が優勢かと思います。PR2については発売から早々にマイナーチェンジが入ったとされており、販売が失速した機種です。私に届いたものは見た目はマイナーチェンジ後ですが、測定からも複数の方に直接確認してもらっても高音のキツさはありません。
音が変わった件については見た目以外についてもHM20でも確認されていますので気になる方は避けた方が良さそうです。KZはその点も含めて楽しめる方におすすめのメーカーですね。
CCA HM20 S(A10K番外)
PR2同様にロット違いを楽しめる方向けの情報です。解像度、音場はHM20の方が流石に上で少し勝負にならない感じがあります。しかしながらHM20はドンシャリかつ音の厚みは無い方向性の音色なため、バランスの良さという面ではP05が上手になるかと思います。
SIMGOT EA500(A10K番外)
解像度や音のバランスや立体感と厚みなどが上回るのですさすがにややEA500が優勢です。とは言えそれほど大きな差ではない点はP05の完成度の高さを感じます。
その他測定値
基本測定とか
両側合計の筐体重さ「7.0[g]」
筐体抵抗(直流インピーダンス) 「30.6[Ω], 30.6[Ω]」
ややボリュームは取りにくいです
筐体ステム形状 「5.98-4.96[mm]」
筐体リケーブル端子 「mmcx」ややビルド悪し
ケーブル 重さ 「15.9[g]」
ケーブル 抵抗値(直流インピーダンス) 「Hot 0.6[Ω],Cold 0.5[Ω] 」
各種周波数特性測定とか
SPL*2
すごいマッチングが良いですね。驚きです。
前後のフィルターを変更して4種類取ってみました。購入時の標準(フラットバランス)がGold、Red、変更できるものがSilver(ドンシャリバランス)になっており、前後でGRSの文字での組み合わせになっています。
後ろのフィルターで低域の量感を大きく調整しているようで、前のフィルターで中域と高域の量感を調整しているようですね。意図しているものではないのかもしれませんが、4種類の音色を楽しむことができます。個人的には低域だけ強めたGoldRedの組み合わせはかなり好きですね。
インピーダンス特性はこんな感じになりました。
概ねフラットです。少し音量は取りにくいかもしれませんが、インピーダンスが適度に高く様々な環境で鳴らしやすいイヤホンです。
製品の写真とか「A+」
A7Kにしてはかなり良い箱でしょうか。
裏面にはスペックが書いてありますね。重量はフィルタを除いた本体の片側の重さでしょうか。
イヤーピースはフォームタイプを含めた3種類、シリコンタイプは各3サイズあります。私は例によってサイズが合いませんでしたがこの値段なら十分ではないでしょうか。
アルミ筐体と思われる本体は軽く、ビルドクオリティが高いです。
MMCXプラグは硬かったので注意がいります。マニュアルに日本語部分はありますが、肝心の硬いMMCXコネクタの装着、フィルタの使い方についての記述はありません(笑)。
本体は1年保証があると書いてありますね。
下の2つがフロントのフィルタ、上の2つがリア(背面)のフィルタです。本体に比べるとちょっと雑な作りです。
ノズルの中はこんな感じですね。
こんな感じでしっとりしたケーブルで、反発力が少なく、小さくまとまります。
おわりに
BGVPのイヤホンは初めてでしたが、素晴らしいイヤホンでした。個人の主観的な好みで言えば87点、私が客観的だと思う好みの点数としては87~88±8点(StarRiver+1点)です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはA7KでTier1としました。
まぁ点数の通りStarRiverとは互角ですが、ビルドクオリティはやや低いとは言え、付属品の良さ、標準ケーブルとの相性の良さを、価格の安さ考慮した点数になっています。
いずれにしても付属品のビルドクオリティを除けば素晴らしい完成度です。想像だしていなかったところから素晴らしい音色のイヤホンが聴けて、ちょっと聴いた感想を書くだけのつもりが聴き込みながら書ききってしまいました。
最後に、今回この様な機会をいただきましたHifiGo様には改めて感謝いたします。
Mic無し3.5mmMic付き3.5mmTypeC
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*2:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz
カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み
*3:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
:DIGILENT Analog Discovery 3 + Impedance Analyzer
ソフトウェア:WaveForms 3.20.1
ケーブル:MIX16 4.4mm 2pin
出力:50mV
Resister:10Ω
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用