ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

インプレ:CCA 1DD7BA HM20(簡易レビュー前編) 結論:A7K Tier1 フラグシップに相応しい完成度

こんにちは

 

今日は、先日から素晴らしいと仄めかしているCCA新フラグシップイヤホン「HM20」のインプレ(簡易レビュー)の前編です。

そしてインプレ前編なのに結論を先に言いますが、60$A7K(A10Kでも)Tier1です。付属品の都合等で初心者には全く勧められませんが恐らくHM20で「中華低価格のDDBAハイブリットイヤホンの常識が変わる節目」言って良い完成度です。

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■動機とか(HM20とは?)

このイヤホンについての紹介は先日の雑記を参照ください。期待に満ち溢れた商品だということがわかるかと思います。

el-snow.hatenablog.com

実際、まさかここまで想像以上に良い方向の結果が出てくれるとはという気持ちです。

■SPECとか

CCA HM20 16 Driver Units Flagship Hybrid IEMs In-Ear Earphonehifigo.com

公式サイトの情報よりHifiGoの方が詳しいのでこちらのリンクを貼っておきます。

 

気になる点としては今まで高感度すぎたZAXやZASなどと比べて若干鳴らしづらくなって一般的なイヤホンレベルになった事でしょうか。逆に一般的な感度(音量)なので使いやすくなったと思います。

〇箱とか付属品とか

ちなみに購入したのはAliExpressでAngleEarというSeeAudio Bravery AE(いわゆる青いやつ)を限定販売していたセラーです。後述しますが残念ながらケーブルに初期不良がありまして初期不良なのに追加で450円払えと言われており交渉中です(笑)。やはりAliExpressはそういう覚悟がある人だけが購入したほうが良さそうですね。

さて、HM20の話に移りますが本体はいつものCCAの大きさの箱で届きました。KZ/CCAのフラグシップですとメタルプレートが入っていることがあったのですがPLA13も付いていませんでしたし止めたのかもしれませんね。

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中身はいつものCCA/KZの箱セットなので別に特段紹介するようなものも無いのですが一応

・イヤピ3ペア(フジツボ黒)

・シルバーケーブル3.5mm(ZEX頃から採用されているやつ、PLA13などとも共通)

です。

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〇筐体

想像以上にびっくりしたのは筐体がめちゃくちゃ小さいことです。ZASやCA16PROなんかと比べると体感半分ぐらいの大きさです。同じドライバ数が入っているのに凄いですね。本体は小さくなった半面、重さは片側実測6gでZAS6gと変わらずなので一般的です。

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フェイスプレートも個性的で加工も綺麗で美しくビルドクオリティは申し分ありません。無理やりケチを付けるとすれば本体の樹脂素材が若干ながら汚れが付きやすい(目立ち易い)こととフィルターメッシュの周りに接着剤が少しだけ汚くはみ出ているぐらいで、正直60$のイヤホンであれば全く問題にならないレベルです。

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ステムの大きさも一般的なので大体の市販のイヤーピースが入ると思います。

当然ながらリケーブル対応でケーブルのコネクタはQDCタイプ(0.75mm)です。ZS10Proの様にRLは本体のどこにも記載が無く分かりにくいのですが小さく重さも一般的なのでケーブルの反りで判別することが容易な点は〇です。金属筐体で重かったりするとケーブルのしなりなどが負けて形状が判別できず困るのですが軽いとそういった判別ができるので使い勝手は悪くありません。ただ、初心者が使うとなるとどちらの筐体にケーブルを繋いで良いかわからないのでその点はZS10Proの頃から全く変わってないと思いました。

 

かなり小さくビルドクオリティも高いので手元にあった中華イヤホンたちと比べてみました。上からみたらこんな感じです。

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横から見たらこんな感じです

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本体のサイズは1BA1DDのZSTXとほぼ同じです。見た目以上に圧倒的にコンパクトになりました。

〇内部構造について

前回の記事で音導管や新ドライバの採用という点を強調していたと思いますので気になる人も多いと思うので比較や拡大写真を準備しました。

こちらはCA16Proとの比較です。

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CA16Proは10mmのダイナミックドライバを採用していますが、HM20はそのドライバより2回りほど小さく、恐らくは7mm程度ダイナミックドライバを採用していることがわかります。

続いて音導管ですが、本当にあります。DD側、BA側から細い管が伸びていることがわかります。60$のイヤホンちゃんとした音導管が付く時代が来たようです。
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ちょっとコントラスト的に見づらいかもと思いましたので更に拡大したものがこちらです。
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公式の写真や、他の方の写真もそうなのですが部材にはメッシュがかかったような映りになっています。まぁ想像でしかありませんが3Dプリンタの積層痕でしょうか?

いずれにしてもこのようなにょきにょき伸びる音導管は魅かれる部分なので嬉しいビルドクオリティです。願わくばクリアシェル版などKZなどから発売されることを期待したいですね。

公式の画像と比較してもちゃんと設計した位置にドライバがあることがわかります。実は音導管が繫がっていないとかBAがちゃんと鳴っていないとか穿った見方をすればこれだけでは問題ないと言い切れないのですが少なくとも後述する音については全く問題ありません。

〇イヤーピース

いわゆるフジツボタイプの黒なのですが私は装着できないので未評価です。ステムのサイズも一般的なので装着感に違和感があれば差し支えなければ別のイヤーピースに変更されることをおすすめします。

〇ケーブル

最近のKZやCCAのイヤホンに共通で付いてくる何の変哲もないタイプですね。

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古いKZの標準に比べれば絡まりにくくタッチノイズも少なくなっているので悪くはないのですが、折角のフラグシップなのですしZASなどに付属した少し上のグレードのケーブルが付いていて欲しかった気持ちはありますね。

ちなみにZASの標準ケーブルはクロストークは無いと言って良いレベルなのですが、HM20付属のものクロストークがあります。どういうことかと言うと例えばRチャンネルにだけ白色雑音を流すと、流していないLチャンネルに普通にも白色雑音が聞こえてしまいます。これは安いイヤホンで顕著で例えばTANCHIJIMのZEROやfinalのE1000シリーズなんかもクロストークが大きいケーブルを使っています。もちろん音質的にも酷い音ではないのですがこのような理由もあり良い音ではないので変更することはお勧めしたいケーブルです。

〇寝ホン

小さいこともあって装着感は抜群で今までのKZ/CCAのイヤホンを沢山買ってきましたが今までかつてないほど装着感が良いです。厚みも無いので寝フォンも快適に出来ました(ぐっすり眠れましたw)。

〇遮音性、音漏れ

背面の開放的なデザインの部分からそこそこ漏れます。HzSoundの心鏡Proと同程度、coffeebeenの7割程度でしょうか。外で使っていてもよっぽど爆音でなければ問題になることはないと思いますが、気にされる方はZASなどのシェル側は密閉型になっているイヤホンの方が良いかと思います。

〇ホワイトノイズ

感度が一般的になった為か今のところ目立ったホワイトノイズはありません。ZASなどと比べてかなり改善した部分かと思います。

〇総評

60$、A7K~A10Kの価格帯としてはやや不満がある付属品ですが、本体のビルドクオリティは高く品質はかなり高いと思います。左右の表記が無いことなど初心者には勧められませんが、もともとCCAに付属品などの充実を望んでいるユーザーも少ないと思いますのでかなり良いレベルだと感じます。

■音質について

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〇ファーストインプレッション

ケーブルとイヤピは近くにあったスパドとfourmix、DAPはM17を使いましたが圧倒的です(今は禁句でしょうかw)。何がってハイブリッドイヤホンとしての完成度です。個人的には60$ラインのイヤホンの常識を超えてくれたと感じました。

まず圧倒的に高い解像度です。加えて解像感や定位や分離なども高く60$クラスの常識を超えて整っています。ZASやCA16Proは高い解像度はあるものの、中域のみだったり、多くの音が混じった時に整理がどうしても苦手で音が混濁してしまっていたのですが、HM20は全くありません。1万円を超える様なイヤホンでもそういう整理ができないイヤホンが多くある中で60$でここまで音の整理が上手く鳴らせるHM20に感動すら覚えました。

また、写真に写っているイヤホンが同価格帯のライバルや前世代のイヤホンですが勝負にならないレベルに進化しています。今のご時世は価格以上とか言っただけでも叩かれる世界ですのであまりにも感動しすぎて暫く詳細な感想は封印しようと決意したほどです。

〇環境とか

M17DC -標準ケーブル-> HM20-> SpairalDot++

11TPro -> LDAC -> BTR7-> 標準ケーブル-> HM20-> SpairalDot++

iPhone12 ->A1749 -> 標準ケーブル-> HM20-> SpairalDot++

エージングは発売日に購入し、10月26日から毎日3時間ほど使ってきましたので20時間ほどの状態かと思います。

標準ケーブルは断線してましたのでNRA付属品(同じ仕様もの)を使いました。

帯域バランス

KZに期待するサブベースが深いドンシャリバランスだとは思います。ハーマンターゲットを意識して少し弄ったとのことでしたのでフラットを想像していたのですが聴いて安心しました。

ハーマンターゲット意識との名に恥じずボーカル帯域もきっちり出ています。ただ細かく見るとやや中低域の量感が弱いとは思いますが好みの範囲かと思います。

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み、音のつながり)

寒色系ではあるのですが低音に関してはニュートラルです。明暗としては判断が難しい音色だと思いますが個人的にはほぼニュートラルと感じます。

響きはやや少なめではあるので必要十分な響きに加えてスッと消えて行く音色はスッキリとした印象を与えるだけで響きの不足感をまったく感じさせません。

音の厚みはこの価格帯のハイブリットイヤホンとして一般的なレベルではありますが解像度の高さも相まって厚みとしては適度と思わせるバランスです。

ハイブリットで言われる音のつながりは、低域と中域から音色雰囲気が変わるのでそこだろうというのは良くわかる方です。音のつながりを気にするタイプの方は気になるかもしれませんが個人的にはそれすら魅力と感じさせる音色の良さを複合させている様に感じます。

全体を通して言えるのは深く沈みこむようなサブベースに適度なベース帯域、スッキリと整然として解像度の高い中高域、キラキラしつつ正確な超高域と、ハイブリットイヤホンに求められる優等生サウンドを体現したような音色です。

オススメした方からもKZ系に求めていたもののほとんどがここにあると言われたのですが、正にKZの良さと言える要素を全て足したけれど破綻なくまとめた様なイヤホンだと感じます。

音場(広狭、重心、遠近)

音場は横、上下、奥行きともに価格以上の広さと表現力があるように思います。音の重心は目頭の高さ程度で近すぎず遠すぎず適度な距離感があり自然です。前後に関してはPLA13など平面駆動のイヤホンには一歩ゆずりますが同価格帯のイヤホンを全て揃えてtもかなり高いレベルに纏まっていると思います。

定位、音像

定位や音像は価格帯に求められるレベルを遥かに超えています。標準ケーブルの品質が悪いためリケーブルしなければ本領は発揮できませんが、音像も掴みやすく音場の再現性も高く不満はありません。この価格帯のイヤホンでは信じられないほどに高い正確性があり、1DDが良いとかフルBAが良いなど好みが無ければHM20をまず聴いてみることをおすすめしたいと感じます。

解像度、分離

分離や解像度はは価格帯に求められるレベルを遥かに超えています。標準ケーブルの品質が悪いためリケーブルしなければ本領は発揮できませんが、価格帯としては限界まで全ての音を解像しているレベルで音像の分離も良く不満はありません。圧倒的に高い解像度なので、1DDが良いとかフルBAが良いなど好みが無く高い解像度が欲しけばHM20をまず聴いてみることをおすすめしたいと感じます。

低域の質について

サブベース帯域は量感たっぷりでパワフルで締まりが合ってスピード感がありKZファンが求める頭を揺さぶるような強烈なエネルギー感があります。比較すると低域は一般的な量感ですが音色の傾向はサブベース帯域と同じなので品質は素晴らしいです。若干中低域は量感が少ないと共に他の帯域に対して埋もれがちでここの品質はだけは値段なりだと感じます。HM20は中域や高域の恐ろしいまでに高い解像度がある点を踏まえると低域の解像度はそれほど高くないのですがその分前述したパワフルさがあり、音色のバランスとしては一つの最適解と思わせる完成度です。

中域の質について

圧倒的に高い解像度と整理された音色による上質かつ適度に主張がある寒色系の中域表現です。ZASの高い中域の解像度がさらに磨きをかけて2段、3段レベルアップした感覚でしょうか。ZASで中域に被っていた低域の曇りが無くなったことで明瞭かつすっきりとした分離の高い中域の品質は圧巻です。例えば複数ボーカルものの楽曲を聴けばそれぞれのボーカルの息遣いや立ち位置などを明確に感じることができます。楽器も定位と分離の良さからこの価格帯のイヤホンではあり得ないほど存在感を感じることができます。低域のパワフル差、高域の煌めきに負けない中域の完成度はこれだけでもボーカルホンとして成り立つほどの完成度です。

高域の質について

標準ケーブルの特性として高音がシャリ付きやすい傾向がある点はマイナスですが、シンバルやピアノやストリングスなど高音域の表現は量感たっぷりでキラキラして伸びやかで美しく高解像度で輪郭がしっかりしています。女性ボーカルの歯擦音などのサ行はごく一部で刺ささりを感じますが比較的刺さりを感じずらいバランスだと思います。箱出しの時点ではやや鳴り方がどのイヤホンでも感じたことが無いような癖を感じたのですが10時間ほどしたあたりから癖が少なくなった様に感じます。

ギターやバイオリンなどの弦楽器の音色も量感たっぷりでありながら正確性が高く自然でこの価格帯のイヤホンとは思えないレベルです。標準ケーブルでは乾き過ぎた表現なので好みではないのですが客観的に言えば価格帯に要求されるレベルははるかに超えているように思います。

ジャンルの得意不得意

特に標準ケーブルですと高音がシャリ付きやすいので高域の音色が少ない楽曲が合うように思います。また、繰り返しになりますが聴感上はハーマンターゲットを意識したとは思えないドンシャリバランスなのでKZ全般に求めていた楽曲全てに合う様に思いますし、ZAS以上に正確な定位や音場を持つので生音も問題なく鳴らすことができます。

ドンシャリでありながらオールマイティなので苦手なジャンルはあまりおもい浮かばないのですが、中低域の量感と質は値段なりなのでベースなどの楽器を重視する楽曲にはあまり合わないように思います。

■相性とか → 後半にて

アンプ(上流)による印象の違いについて

〇イヤーピースによる印象の違いについて

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

■測定とか → 後半にて

〇SPL周波数特性グラフ

細かくは後半で話をしたいと思っていますが見ての通りCA16Proと比較すると低域はほぼ同じということがわかりますね。

また、3KHz以上の高域についてはKATOやAriaSnowなどの水月雨Boondorpのチューニングに似ていますね。また、それらのカーブと比べると、サブベース帯域が強いこと、400~1KHzの中低域が弱めになっています。この帯域はDTMなどで音色の曇りを解消する際に下げるチューニングをする部分ですのでクリアで分離の高い音色に感じる理由はこういう所にもあるのかもしれませんね。

■競合機種との比較について

今日は折角なのでA7K~A10Kのハイブリット機種と聴き比べをしまして、比較は以下の構成で行いました

 M17DC -標準ケーブル-> HM20-> SpairalDot++

 M17DC -標準ケーブル-> 競合機種-> SpairalDot++

〇VS KZ ZAS(標準ケーブル)

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一聴して感じるのは解像度と分離性能の歴然とした差です。構成としては似てはいるのですがHM20が如何に進化したかわかります。音色の傾向としてはKZとしてはやや暖色系(一般的にはニュートラル)なことと比較すると緩いサウンドなのでそこの好みとしてZASが好きという人もいるかもしれませんが、HM20の完成度の高さを図り知ることができます。尚、ケーブルは上質なこともあって音色の質感としてはこちらの方が良いという人もいるかもしれませんがHM20にZASのケーブルを付けるだけでもかなり上質な音になります。

〇VS CCA CA16Pro(標準ケーブル)

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CA16Proはフェイスプレート側の背面がメッシュで空いているように見えるのでチューニングが違うように思えますが実はZASもドライバの後方側の空気室に内側の大きなベントが付いていて開放量の違いだけだったりします。ZASとドライバ構成が同じことに加えてこの内側のベントのサイズが大きいためかSPL周波数特性まで同じです。実際ケーブルを替えればNRAとZEXの違いは聴き比べられる自分でもケーブルを揃えたZASとCA16Proの違いは判別できません。

っということで付属ケーブルがHM20と同じCA16Proですが、ZAS同様に一聴して感じるのは解像度と分離性の歴然とした差です。ケーブルの違いなのかZASに比べて音色はやや明るくやや乾いた寒色系のCA16Proですが音色の違いがあるというだけで私の好みとしてはZAS同様にHM20の圧勝でした。

〇VS TRN VX Pro(標準ケーブル)

f:id:el_snow:20221103203732j:imageアンプで音色の傾向を万華鏡の様に変えるVX Proですが、M17DCでは問題なく高域から低域まで鳴らせます。この状態でも中域から高域までの解像度や音の分離、高域の伸び、サブベース帯域の質感などでは明らかな差を感じます。同じドンシャリでありながらシンバルなどはキラキラして量感はあるものの音色の自然さはHM20に負けてしまいます。音場は広めではあるのですが比べてしまうと音場や定位の正確性も気になってしまいます。

逆にVX Proが勝っている点は中低域帯で全面に来る圧があるベースの豊かな響きや音色の聴き取りやすさハイブリット部分のつながりの良さででしょうか。音像がやや近い点も迫力があると感じやすい点かと思います。価格帯がやや高いVX ProではあるのですがHM20と比べるてしまうとやや分が悪いと感じます。

また、付属ケーブルもHM20よりは品質が高く、聴感上のクロストークもありませんのでうれしい部分かと思います。ただ逆に言えばHM20は付属ケーブルで性能を拘束されている状態とも言え、実際試してみているかぎりHM20に比べてリケーブルによる伸びしろが少ない点も気になります。

VX Proの明確な弱点は前述したようなアンプによる音色の変化が大きい点で再生環境を選びやすいため万人に勧めにくい点も気になるところですね。

 

■インプレの結論:A7K Tier1 参考価格:8480円

〇Pros(優秀な点)

・解像度など高価格帯のイヤホンに迫るイヤホンの基礎能力の高さ

・KZらしい音作り(ドンシャリのチューニング)

・周波数特性はハーマンターゲットを参考にしたチューニング

・リケーブルによる変化が分かりやすい

・筐体が軽くて小型でデザインにオリジナリティがある

・高いビルドクオリティ

〇Cons(微妙な点)

・本体にRL刻印が無いなど初心者を突き放す最低のユーザビリティ

・価格に見合わない低品質な付属品

・やや音漏れが多い

 

所感(前半)

アンプやイヤーピースの相性はまだ良いのですが、HM20のケーブルの相性はかなり難しいので後半にすることしました。

理由としては前述の通りHM20の付属ケーブルはクロストークが酷くあまり良い音色とは言えません。その上でHM20の筐体としての完成度が高くCCAとしてのフラグシップと言って差し支えないレベルになっています。このため音色のケーブルの方向性を決める材料が乏しく試行錯誤が続いています。つまりどれも良い音になるが、最適が何かわからないという伸びしろを感じます。何れにしてもリケーブルは絶対にした方が良い品質です。ZASの様にオススメのケーブルみたいな形で纏められたらと思っていますので後半については暫くお待ちください。

尚、インプレ(簡易レビュー)までの時間を置いたのは理由がありまして、自分が買ったHM20にケーブルの不良があっためです。低い可能性ではありますがDQ6sの様にロッド単位で不良品が多かったり、個体差が多かったりするとAliExpressや Amazonマーケットプレイスでしか買えない状態では何かと厄介です。今回インプレに踏み切ったのは他の方の着弾をみて不具合等がほぼ無さそうだったためです。

 

さて、ということでKZ/CCAの最新ハイブリットイヤホンは新BAドライバが良いのか音導管が良いのかわからないですが期待の記事通り圧倒的なレベルアップを果たしていました。もちろん音色の好みがKZ系であることという条件はある程度付くのですが非常に素晴らしいレベルに仕上がっていると思います。好みを無視しても全体の音色の完成度が高く60$のイヤホンのレベルを塗り替えたと感じています。

とは言えZASとは違い付属品のレベルやRL表記の無さなど初心者にはお勧めしにくいイヤホンではあるので注意は必要かと思います。また、今AliExpressで6000円程度で購入できますが、私の様に商品に不具合があった時にかなり面倒なことになります。このため訓練された手練れの方以外はAmazon倉庫からの購入をおすすめしたいのですがまだ1万円を超える価格のショップしかありません。もちろん1万円でもおすすめできるレベルのイヤホンではあるのですがせめてレートなりの9000円程度で購入して欲しいとも思います。日本のAmazonではブラックフライデーもありますし価格に関しては今後もウオッチしていくつもりです。ただ、この音色をいち早く安全に購入したい場合はHifiGoなどのリンクから購入すると比較的サポートは安心できるかと思います。

  

CCA HM20はAmazonのHifigoからであれば(上記のリンク)全ての出品を見るから10290円程度で購入できます。

 

もう一度言いますが、後半に続きます。

ではまた明日。

■Appendix

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み