ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

インプレ:CCA CXS インプレ結論:A3K Tier2(リケーブルTier1)中華らしいリケーブルを前提とした音質特化イヤホン(簡易レビュー)

こんにちは

今回はGiitaさんからお借りしたCCAのCXSいう穴の空いた奇抜なデザインのイヤホンのインプレ(簡易レビュー)です。

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結論:A3K Tier2 参考価格:3120円

CCA CXSは標準ケーブルで聴けば一般的な狭い音色のドンシャリ傾向の中華イヤホンです。品質が低いケーブルが付属しているのですが基本的な性能が高く卒の無いチューニングなので価格なりの音を楽しむことができます。奇抜でユニークなデザインは良いのですが本体重量が重いため総合すると万人にオススメできるイヤホンではありません。

しかしながら一方でリケーブルすることによって広大な音場、高い解像度、素晴らしい響き、分離など、A3Kのイヤホンとは思えないレベルの音色を聴くことができます。付属品の品質が悪すぎることが主要因ではありますが相性の良いケーブルと組み合わせた場合は、ケーブルの値段を含めてもTier1レベルの音色を聴くことができます。重量級の筐体から奏でられる魅力的な音色は素晴らしく中級者以上には強くオススメできるイヤホンです。

 

Pros(優秀な点)

◎楽しく万人受けするドンシャリサウンドバランス

◎イヤホン筐体の基本性能が高く、低音などの表現力は秀逸

〇リケーブルすることで真の性能を発揮する中級者向けタイプ

〇奇抜でユニークなデザイン

〇リケーブル可能

Cons(微妙な点)

△国内正規代理店が不在

△低品質な付属ケーブル

△両側合計20gとA8000にも迫るヘビー級の筐体重量

いつもの通りそこそこ文量がありますので気になる部分だけ読んでいただければ幸いです。

動機付けなど

モチベーション

CSXという機種自体が界隈で好評なこと、GiitaさんからC8リケーブル済みのCXSを聴かせていただいて素晴らしかったこと、そしてお借りできたというのがきっかけになります。

販路、購入先(サポート)

現状はECサイトからのみの購入になります。

現状は国内代理店が付いていませんので購入先が対応することになるかと思います。

SPEC

上記のAmazon リンクを確認ください。

箱とか付属品とか本体

開封体験

筐体 14.2Ω

筐体は金属製で重いのですがエッジが無く装着感は驚くほど良好です。

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ビルドクオリティはよく見るとバリがあるなどTRIPOWINのLEAのような粗さがあるのですがぱっと見えるところは綺麗に仕上げてあるのでデザインの奇抜さもあって悪くありません。

ステム形状 5.75[mm]

ノギスでステムの最大径です。。ステムに返しが付いていますので一般的なイヤーピースであれば問題なく装着できるかと思います。

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重さ21.9[g]

本体の重量は両方合わせての重量ですが手持ちではA8000の22.1gに迫る圧倒的な重量です。競合のイヤホンと比べても本体は肉厚です。

リケーブル端子 QDC 2pin

CCAらしい一般的なQDC 2pin端子です。

ケーブル

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正確にはお借りしていませんが、調べたところZEXの頃にリニューアルしたケーブルの下位版が付属しているようです。今のCCAとしては一番下のグレードですがやや絡みにくく扱いやすいケーブルではあります。

重さ15.2[g]*タイ含まず

一般的な重さです。

抵抗値(直流インピーダンス)0.8Ω

このクラスの付属品のケーブルとしては標準的で、往復で1.6Ω程度の抵抗があります。本体は14.2Ωしかありませんので良いケーブルに変えるだけで音量が10%程度上がりますのでそいういう意味でもリケーブルを推奨します。

クロストークチェック あり

手順*1に従って確認しました。

聴感上気になるクロストークがありました。

使い勝手の評価

寝ホン

適度な筐体の厚みでバリも無く音像の乱れも大きくないので向いてないわけでありません。

外使い(音漏れ、遮音性、ノイズキャンセル)

指でステム側を抑えて遮音してみました。ベントが空いているのでかなり漏れます。体感的には7割程度でしょうか。

ホワイトノイズ

ホワイトノイズが出やすいWindowsノートPC GV301Qに繋いでみましたが問題ありませんでした。

音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等)

CCAらしい中級者向けの装いです。

 

音質について

ファーストインプレッション

M17DC(PL50) "AppleMusic" -> TRIPOWINのC8-> イヤホン -> SpairalDot++

Giitaさんにこの構成でわたされたのですが、本当に驚きました。とても2000円台で購入できるイヤホンの音色とはおもえませんでした。低音から高音まで過不足無く綺麗にならしてくれる上に音場も広く、音色に深みもありこの値段なら弱点などあろうか?という音色でした。実際にオフ会会場でもENDURANCE RUNやCanon以上に驚きと賞賛を持って受け入れられていました。

そしてお借りして上記の構成からデフォルトケーブルに変えるとこの驚きは消え、音場が狭く中庸な音色に変わりました。ということで標準付属のケーブルがこのCXSの足かせになっているように感じました。

競合機種との比較について

競合で言えば価格帯が近いTANGZU Wan’er S.G 、Tanchjim ZEROなんかがライバルになるかと思います。

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エージング(バーンイン)

お借りしたものなので不明です。

試聴環境

標準環境*2を使っていますが。今回は特にXperiaやM17を主体に聴きました。



帯域バランス ドンシャリ

低音が強めのドンシャリバランスです。曲とプレイヤーとの組み合わせによっては低音が若干強すぎると感じる人もいるかもしれません。

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) ◎

暖かさはやや寒色、やや暗めでタイトな響きがある音色です。低音の強さから上品さは無いのですが一方で中華らしい下品さも少なく良質な音です。この価格帯としては低音付近の音色の重心の重さと響きの良さに加えて金属系の響きが良質です。粘度もニュートラルで音の厚みは太く厚いです。

音場(広狭、重心、遠近) △

横が狭いほか、上下、前後の広さは一般的で特筆すべき点はありません。近さは一般的なレベルです。若干上下の前後の空間表現の上手さは光るので悪くはありません。後述しますがどうやら標準ケーブルが悪さをしているようで交換を推奨します。

定位、音像 〇

この価格帯としては音像はしっかりとしており、かつ定位も良好です。

解像度、分離 ◎

価格帯以上の解像度と分離性能です。

低域の質について ◎

特定の低音に大きな響きが乗り量感をたっぷり感じられるタイプの低音です。アタックの速さや余韻なども悪くなくこの価格帯としてはかなり良質な低音ではないかと思います。事前の噂では朱雀を超えるような低音の量感を覚悟していたのですが意外と適度なCCAとKZらしいレベルに収まっているように感じました。価格帯が上の朱雀ほどの良質さと量感は無いのですが、特定の低音に大きく倍音が乗っている様な聴感バランスで特定の楽曲の低音は特に強く感じる様な感覚があります。

中域の質について 〇

量感は適度で強調感が少なく解像度も高い良質な中音域です。ドンシャリバランスなので主張が弱いかと思っていたのですがドンシャリでもしっかりとした描写力をもっており、ボーカルの表現や中音域の楽器も綺麗に分離した上で鳴らしてくれます。この価格でここまで鳴らせれば十分すぎると感じます。

高域の質について 〇

高域の量感はやや多い程度のドンシャリバランスとしては一般的な量感です。女性ボーカルのサ行などの歯擦音はほぼ刺さらないですし弦楽器の倍音やチャイムやシンバルなどの高域を多く含む楽器の表現は煌びやかです。若干不自然な音色に感じる部分はありましたがこの価格では十分以上だと感じます。

対、競合イヤホン

vs Tangzu Wan'er S.G

よりフラットバランスで標準ケーブルで音色が完成しているのがWan’er S.G です。一方でCXSはリケーブルしていない状態での音色は低品質なケーブルで能力を制限されているようなものです。音色の貧素さにに加えて筐体の重さによる使い勝手のマイナスも相まって初心者にはWan’er S.G を、リケーブルを潤沢に持っている中級者にはWan’er S.Gをオススメします。もちろんWan’er S.Gもリケーブルによる伸びしろはあるのですがCXSに比べれば小さいです。

 

vs Tanchjim zero is

筐体が小さく、重さも軽く、刺激音と不要な響きが少ない端正な音色のZero isと比べるとで真逆の傾向を持っているかもしれません。リケーブルができるのであればCXSをおすすめしますがカジュアルな利用であればzeroの方が良いかと思います。重さが許容できるのであればフラットな音色の竹CHUなどもありますのでそちらも良い選択肢になるかと思います。どちらにせよリケーブルできる強みを生かせるのであればCXSはかなり良い選択肢になると思います。

 

SPL周波数特性測定

*3

 

 

vs CCA HM20

vs CCA HM20 

vs KBEAR 朱雀

vs KBEAR 朱雀

 

相性について

ジャンルの得意不得意

ジャンルを問わないイヤホンですが、横が狭めでモノラル的な音なので音場表現が不要な楽曲が良い様に思います。リケーブルするのであればその限りではありません。

アンプ(上流)による印象の違いについて

上流を標準環境でいくつか聴き比べたりしたのですが大きく傾向は変わりませんでした。良いアンプほど解像度は上がる傾向があるのでできればアンプを使う方がより楽しめるチューニングだと思います。

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

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注意:

リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。

このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。

幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。

さて、本番のリケーブルです。せっかくなので一緒にお借りしたJSHIFIのケーブルを中心に聴いてみました。

デフォルトケーブルについての補足

リケーブルで遊びたいという人以外でもリケーブルを推奨するほど低品質なケーブルだと感じます。このケーブルから変更することでCXSの隠された能力が解き放たれたかのような音色を味わくことができます。

JSHIFI Lacky 4.4mm

 

音場については横に大きく広がることに加えて天井の高さの上限音像の重心がが一気に上がることで広大なスケール感が出ます。音色の解像度は2、3段上がり音色が明るく派手になります。やや定位の正確さには疑問符は付きますがこの価格帯のイヤホンとしては信じられないレベルの音色の深さを持っています。特にオーケストラなどの大編成ものでのがこのクラスのイヤホンで聴けるのは驚きです。素晴らしかったです。かなり高相性だと感じました。

JSHiFi Lion 4.4mm

 

横の音場が大きく拡張されます。Lackyの様に天井が上がったり重心が上がったりすることはありません。寧ろ音色全体の重心は少し低くなり、その上で近くなります。そして付帯音が頭の中心に回り込む様な鳴り方になり、音に包まれている感覚が強くなります。Lackyに比べればやや解像度は低いですがそれでも標準ケーブルから比べると2段程度解像度が上がった感覚があります。楽曲によっては嵌る感じです。

JSHIFI 晨 4.4mm

左右の音場はそれほど拡張されませんが標準よりは広くなります。上下は天井に向かって大きく広がるイメージで、音像の中心もやや上がります。音像はやや遠目で俯瞰性があるのですが低音はやや近めでしょうか。音色がすべらかで丁寧でLackyとやや似ている傾向を感じるものの音の解放感はありません。一方で解像度は標準ケーブルから2~3段上がる傾向があり、音色に透明感が出ることに加えて音像が中央付近にある特徴や中域が目立つことでボーカルもの聴くのであればかなり好きな組み合わせです。

JSHIFI D4G 4.4mm

左右の音場は拡張され標準より少し広くなります。上下は天井に向かって少し広がるイメージで、音像の中心は上がります。音像は中音域で適度な近さがあることに加えて楽器は開放的な広がりを持つ表現です。

音色は明るいのですがややウェットな質感があり深さがある音色を良く引き立てているように感じます。解像度は標準ケーブルから2~3段程度上がる傾向があり、特に低音はサブベース付近の深いところがしっかりと主張してくれるので音色全体の厚みを持たせてくれているように思います。Lackyと甲乙つけがたいですがD4Gもかなり相性が良いなと感じます。どっしりとして深みのあるD4G、明るく晴れやかなLackyと好みで選んで良い様に思います。

JSHIFI 銀月 4.4mm

晨の音色をより繊細で透明感のある方向にしたものが銀月でしょうか。音場についてはほぼ同じで左右の音場は少しだけ拡張され標準より少し広くなります。上下は天井に向かって大きく広がるイメージで、音像の中心もやや上がります。音像は中音域で適度な近さがあることに加えて楽器は開放的な広がりを持つ表現です。

音色が繊細かつ丁寧で全体として晨と似ている傾向はあるものの音色は明るく全くの別物になっています。解像度は標準ケーブルから3段程度上がる傾向があり、音色に透明感と輝きと艶感が出ることに加えて音像が中央付近にある特徴や中域が目立ちます。銀月は特に女性ボーカルものでは鉄板と言って良いケーブルですが、CXSでも例外ではないようです。

BINGMANGO  Zebra 4.4mm

全体的に透明感と彩度が上がり、音色がタイトでになります。明瞭さや解像度や分離がほんの少し上がり、全体としてキラキラとした音色の傾向になるように思います。音場の広さは上下や横の広がりが出る代わりに前後が若干平面的になります。横のスケール感が出て低音の量感はより目立たなくなるので個人的にはよりな好きな傾向の音色になるように感じます。価格的にも良好な相性だと感じます。

 

Tripowin Jelly 4.4mm

横と縦の音場は広がるのですが縦の音場の天井と重心が低くなります。音色が全体がやや暗くなり、高域の金属楽器はツヤツヤなのですが不自然に押さえつけられたような天井があるような音場でやや窮屈な印象です。解像度については1段ほど向上したかなという程度で値段ほどの効果を感じにくいかもしれません。一方でボーカルなどの音像定位は手前に移動し迫力が増します。味変には素晴らしい変化なのですが相性はあまり良く無い様に感じます。

  

 

ということで、かなりリケーブルをしたのですが個人的にコストバランスも含めて一番好きだったのはD4Gでした。音場の広大さではLackyが好きでしたが音色の分離と定位の良さではD4Gに分がある点がやはり秀逸です。そしてボーカルものに限定するならば銀月ですね。

 

音質の総評、所感

リケーブルしない音色はまぁ良いかなというレベルなのですがリケーブルをしたCXSは本当にジャイアントキリングを成し遂げることができる数少ないイヤホンだと感じます。筐体の重さはかなりマイナスポイントになってしまうのですがこの重さがもしかしたら音色の良さの秘訣である可能性も感じます。付属ケーブルがもしマシなものが付いていればTier1だったのですが惜しいです。

いやはや、HM20ショックには劣りますが中華イヤホンのレベルアップを実感したイヤホンでした。

 

最後に

この様な機会をいただきましたGiitaさんには再度感謝申し上げます。

 

Appendix

 



*1:

ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします

*2:

M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

iphone12"AppleMusic" -A1749->  -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

GV301"AppleMusic" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル->  イヤホン -> SpairalDot++

*3:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み