ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

雑記:CCAのハイブリット型フラグシップイヤホン CCA HM20 の個体差について 

こんにちは

 

今日は気になっているであろうCCA HM20の個体差(ロット差?)について分かったことがあったのでそのことについての雑記です。

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結論から言えばロット差はありました。そしてその手掛かりになりそうな違いについてもわかりましたので拡散して真偽を確かめたい所存です。

 

CCA HM20 事の経緯の整理

説明は不要かもしれませんが、昨年10月頃にリリースしたCCAのフラグシップイヤホンです。特に初期ロットを購入した人達の評判は圧倒的で、私もこのレベルのイヤホンをこのコストで作れるようになったことは脅威と驚きを禁じ得ませんでした。

 

前編だけですが、私の過去の簡易レビューはこちら

el-snow.hatenablog.com

*ちなみに後編が書けていないのは、合うケーブル選定が難しいためでやっと最近これだという方向性が決まってきました。

 

特に不思議だと言われたのは、この「HM20」は全くレビュアープロモーション案件になっていないようなのです。ここまで完成度が高ければレビュアーにばら撒いてもおかしくないと思えるのですが、このHM20は大手レビュアーにも全くプロモーションされなかったようです。 

 

しかし良いものは良いので、レビュアーなどを介して評判は広まり、多く拡散されたのは11月上旬の1111独身の日直前だったかと思います。そして独身の日では多くのストアが競うように値段をさげて、60$定価のHM20も最終的に5500円前後までセールで割り引かれたようです。

流石にプロモーションすら打っていなかったHM20は予想を上回る注文が入ったのか中々発送されず、各所でこのタイミングでHM20を買った人たちが(注文情報目的の詐欺ではないかと)購入したストアについて不信感を抱いた流れが今も残っています。2次情報なので真偽は不明なのですが、結果的に発送されたことで、注文を受けて急ピッチでHM20を作っていたのであろうという予測がされています。

このような独身の日のの狂乱を経て最終的に多くの人に届いたHM20はそこそこ好評で、HM20については今では優秀なKZ/CCA系列の1本という話になっています。

 

で、本題はここからです。

その中で、ある方が私のHM20を聴いた上で12月頃に複数本HM20を買われたのですが「届いたものの中に音が違うものがあった、HM20は同じに見えても周波数特性も聴感も異なる2種類ある。私の持っている方が音に纏まりがある方で、もうひとグループは音のバラバラ感が強い」と情報をいただきました。前期と後期で違うのかを聞いたのですがその方が言うには同じストアから同時に購入しているので、混ざっているかも?とのことでした。残念ながらその方は別用件で遠方から来られており、当該のHM20は持ち合わせていなかったので直接聞くことはできませんでした。

 

呼称について:SタイプとHタイプ

ということで、本当に異なる音のHM20があるのかが気になり、FFさんの協力を経て計4本ほど調べてみると確かに「2つの音」にグループ分けできました。

そして今回、私のも持っている初期に購入したHM20(便宜上、Sタイプと以後呼称します)、FFさんが独身の日に購入した音が違うHM20(便宜上、Hタイプと呼称します)をお借りできたので今回記事にしています。

 

外観、客観的な違い

また、外観も「フィルターメッシュの粗さ」「ロゴの色」に差がありました。

尚、外観の違いを書きますが、2つの音の違いと2つの外観の違いがリンクしただけという可能性がありますのであくまでこういう例があったという参考に留めてください。

ただ違いと言ってもかなり小さい差なので単体だけでは見分けが付きにくいかと思います。

ロゴの文字の色の濃さ

写真の左側がHタイプ、右側がSタイプです。

ぱっと見は違いはありませんが、よく見ると「HM20」と書かれたロゴの色がHタイプだけ濃いことがわかります。また、黒の塗装もほんの少しだけ濃いです。

 

ステムフィルターの粗さ

写真の左側がHタイプ、右側がSタイプです。

フィルターの網目が縦(又は横)一方だけに筋が強く見えるものがHタイプ、網目がより均等で均一なのがSタイプです。

正面の角度にするとこんな感じです。

 

周波数特性の違い

いつもの環境*1で測定してみました。

結果として波形は左右を平均していますが、何度測っても有意な差が出ました。

同じボリュームで測定した結果がこちらです。

同ボリュームでの測定

Hタイプの方が600~7KHzまで3dBほど低いほか、12KHzのピークがやや低周波にズレており、15KHz付近のピークも無くなっています。

1KHzで正規化

1KHzで正規化すると、後発のHタイプは1KHz以下の低域と9KHzの高域が強く、15KHz付近がやや弱いと言えます。

 

聴感上の音質差

HM20のレビューでも書いたのですが、かなり上流とケーブルで変化するイヤホンなのでケーブルをNiceHCK SpaceCloudにそろえて上流を変えて聴き込んでみました。

結果として基本的には下記のレビューに準ずるのですが、比べると大きな差があります。

el-snow.hatenablog.com

なのでその差についてクローズアップして特徴を書きたいと思います。

Sタイプの特徴(Hタイプと比べて)

バランス:差は小さいですがHタイプと比べてやや中域の量感が強く全体の音色のバランスが良くオールラウンドタイプです。超高域は強めですが音のつながりも比較的良くハイブリッドではありながら気持ちよくまとめている範囲になっています。

音色:差は小さいですが、比べると空気感が上手く音像の立体感とが上手い音色です。

音場:比べると前後の奥行きと上下が広大です。音像の重心が高くボーカルものをたからかに鳴らしてくれる感覚があります。空間表現が上手く楽器やボーカルとの距離感や空気感の描写が絶妙です。

解像度:概ね同じです。比べると音色のコントラスト(解像感)が低く、ボーカルの歯擦音やブレスのエッジなどが目立たず、マイルドな音像感です。

定位:定位の正確さはほぼ同じですが、分離感がが低いです。

低域:比べるとボリューム感のあって広がりを感じる空気感をうまく表現する高級感もある鳴り方です。逆に言えばシャープさに欠けるのでアタック感は劣ります。

中域:比べると高い解像度をバランスよく鳴らしてくれます。余裕のある鳴らし方で完成度が高いのですが、比べると他の帯域との目の覚めるような分離感は少なく特徴が薄いとも言えます。

高域:歯擦音などはほぼ刺さらないのですが、超高域の量感は強めです。表現はやや癖がありますが正確性は高いと感じます。

上流の相性:解像度は比例して伸びるのですが音場表現が得意なこともあり、比べると比較的相性が少ないです。チープな環境でも解像度は下がりますが音場表現とバランスの良さが光り、比較的どのような環境でもリスニング目的では破綻がありません。

 

まとめると、ある程度HM20という個性を持ちながらバランスよい表現を持つ特徴があります。強い個性を持っているのでケーブルやイヤーピースなどの組み合わせは難しいのですが比べると適度なので扱いやすく感じます。

 

Hタイプの特徴(Sタイプと比べて)

バランス:差は小さいですがSタイプと比べてややドンシャリタイプです。ハイブリットタイプでも低域と中高域の鳴り方が異なると感じやすいバランスです。

音色:差は小さいですが、比べると音色がタイトで分離感が強い音色です。

音場:比べると前後の奥行きと上下が狭めです。音像の重心がやや低くボーカルものは一歩下がった位置で鳴る感覚があります。分離感が強く楽器と音色の混濁が少ない、ともすれば音楽をぶつ切りにするようなピーキーさもある音色です。

解像度:概ね同じです。比べると音色のコントラスト(解像感)が高く、ボーカルの歯擦音やブレスのエッジなどが目立ち、ややキツさもある音像感です。

定位:定位の正確さはほぼ同じですが、分離感がが強く、全ての音色を聴き分けることができるのではないかと錯覚するほど全ての音像にピントが当たる感覚があります。

低域:比べるとボリューム感の少ないのですがアタックが強く鋭さがある音色です。量感は少ない様に感じるのですが鼓膜にダイレクトに突き刺さるようなインパクトがあり個性が強く好き嫌いは分かれそうです。

中域:比べると生々しすぎるぐらいの音色です。歯擦音は概ね刺さらないのですが、ボーカルのブレスや中域楽器の倍音にキツイ響きが乗るような感覚があり、目の覚めるような分離感と相まってバキバキの音色という感じです。

高域:歯擦音などはほぼ刺さらないのですが、超高域の量感は比べると弱めです。表現に癖があるので好き嫌いがわかれそうです。

上流の相性:解像度は比例して伸び、音場表現の差が生まれるため比べると相性が出やすいと感じます。空間表現の広さには余裕がないのですが、解像感と分離が強いので音を聴き分けるという点では得意です。個人的にはBTR7クラスでもタイプSの方が圧倒的に良いと感じ、M17クラスでやっと差が少なくなったと感じる程度なので本領を発揮しずらいイヤホンかと思います。

 

まとめると、HM20という個性にさらに強めたパワープレイ型のイヤホンだと感じます。強い個性を持っているのでケーブルやイヤーピースなどの組み合わせはさらに難しいと感じます。解像感が強いので一般的に聴き疲れしやすいですが、どちらかと言うと「KZやCCAらしさ」といわれればこちらのHタイプの方があるかと思います。

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まとめ

Sタイプ(写真右側)

時期

・発売開始時に購入(私がレビューしたもの、初期ロット?)

外観

・フィルターメッシュがHタイプと比べて細かく緻密、縦横均等 

・HM20のロゴの色が白色だが、Hタイプと比べるとやや薄く、少し透けたグレーにも見える

音色

 ・音の繫がりが良い、オールラウンドタイプ

 ・音場が広く空間表現が上手いことが特徴

 ・個人的にはこちらの方が音が良いと感じる(より好みだと感じる)

 

Hタイプ(写真左側)

時期

 ・11月11日(独身の日)前後より後

外観

 ・フィルターメッシュがSタイプと比べて粗めで縦横の糸の片側のみが目立つ 

 ・HM20のロゴの色がSタイプと比べると濃く、白い

音色

 ・解像感が強いがやや聴き疲れやすい、個性派タイプ

 ・音の重心が低く、タイトで分離感の良さが特徴

 ・個人的にはこちらの方が好みから外れるが、これはこれで良い音であると感じます

 

ちなみにどちらも、60$という価格としてはかなり圧倒的な解像度と素晴らしい個性のあるサウンドを持っていますのでどちらも簡易レビューですがTier1でおすすめできるレベルです。ただし、Sタイプの方がオールラウンドなこともあり、Hタイプはリケーブルを前提とした評価になるでしょうか。

 

所感

以上、です。皆様の持たれているHM20はどちらでしたでしょうか?これを機にさらに正しい情報に収斂(ロット差なのか個体差なのか・・・)させていきたいと思っていますのでもし、他にも購入された方で、違う特徴などありましたらコメントなどいただけると嬉しいです。

ちなみにHM20のKZ版ことZARも概ね発売時期に注文しているのですが、入荷が無いようで全く発送されません。こちらも生産に問題を抱えているのではないかとひやひやしています。

APPENDIX

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*1:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み