こんにちは
今回は、SIVGA様より依頼のTWS 「SIVGA-SO1」のレビューです。レビュー依頼品ではありますが趣味でやっておりますのでいつも通り記載します。
結論:今年一番QOLが上がったオープン型TWS 素晴らしい音質と使い勝手
SIVGA SO1はオープンイヤータイプの開放的な装着感とフラットなサウンドバランスを併せ持つTWSです。カナルタイプの耳の穴への圧迫や熱の籠りがが無いため非常にこの季節は涼しく快適です。さらに骨伝導などと異なり締め付ける圧迫感も無く、装着感は極めて良い上に、十分に耳に固定できます。
その上でサウンドチューニングはフラットでかつ開放的な音色はスピーカーリスニングを彷彿とさせる快適さを併せ持ちます。サブベース域は流石にカナル型に後塵を拝しますが、長時間使っても聴き疲れや暑苦しさが無いリスニングと解像度や音場の広さは総合的にはカナル型に引けを取らない完成度と感じました。
値段もオープンイヤータイプとしては手頃なこともあり、素晴らしい完成度です。もっと素晴らしい音質のTWSもあるのですが正直、一番感動し、一番QOLが上がったTWSでした。
Pros(優秀な点)
◎ 快適な装着感、外音との自然な調和
◎ 開放型でも解像度、音場、音の厚み、分離などどれも質が高い良質なサウンド
〇 アプリによるサウンドチューニングが不要と思えるほどサブベース以外フラット
〇 適度な重さと装着圧で固定も可能
〇 小ボリュームに長けており、寝フォンも可能
〇 電波感度は良好、電池持ちも良好
〇 本体1年保証
ー オープンイヤータイプなので涼しい(使っていても暑くならない)
Cons(微妙な点)
ー 大きくはないがオープンイヤーなので音漏れがある
ー 最大ボリュームはカナル型と比べると小さめ
ー オープンイヤーなのでケース、本体共に物理的なサイズは大きめ
△ スマホアプリなどが無く、電池残量がわかりにくい
△ マルチポイント接続、ワイヤレス充電は無し
△ 低音がごく稀にビビる曲がある
SPECとか
下記Amazon サイトに記載があり、2色から選べます。
サイトに記載はありませんがAACとSBCに対応します。
外箱
届きましたのはホワイトです。
裏面はスペックや技適番号などが記載してあります。
箱の中身
開けると太めの多言語マニュアルがあります。
その下に本体が入っています。
充電防止用のシールが貼られています。
AppleのAirpodsPro2と比較するとこんな感じです。
マニュアル
多言語マニュアルで後半に日本語部分があります。
若干日本語が怪しいですが解読に問題はありません。
SPECに説明は無いですがマニュアルにはAACとSBCに対応すると記載があります。
ケース
ケースはオープンタイプとしては一般的な大きさでなのでしょうか?。そのあたりはよくわからないのですが普通のTWSイヤホンと比べると大きいケースになります。
中はこんな感じです。
充電はケース背面のUSB-C端子で行います。
本体比較
本体の大きさはほぼ無駄がないサイズ感だと思いますがAirpodsPro2と比べると大きさが目立ちます。
耳の外側と内側の2方向に音が出るようになっています。逆相の音が出ているのか外した状態ではほとんど音が聴こえません。
イヤーフック部分は柔軟性のある柔らかい樹脂になっています。このフックの部分は回転して装着感やホールド感を自由に調整できます。
左右が直感的にわかる構造になっているので問題はないのですが、本体にもRLの刻印があります。
電源ボタンは操作にも使えるようになっていますね。
マイク
iPhoneに繋いでDiscordやLINEで通話してみましたが、有線マイクなどと比べるとやや音割れしやすく音が遠いそうですが問題なく電話できました。
IPX5
IPX5なので装着しながらシャワーを浴びたりしてみましたが問題なく使用できましたし、感応式でないこともあり誤動作も無く利用できます。ただ、最大音量がシャワーの音量に負けるぐらいなので、シャワーではオーディオリスニングだけでなくラジオやポッドキャスト語学や通話なども厳しいと感じましたが、トレーニングやながら作業などではちょうど良い音量で使うこともできるかと思います。
充電
無線充電規格は付いていません。USBCケーブルで充電します。
充電ランプがあることや、ケースに充電残量があったりするのは便利です。
しかしながらスマートフォン本体の通信で電池残量の確認はできませんので、使ってからどのぐらい使ったかで残量を想像するしかありません。ただ9時間ほど持つのは本当の様で普通に使っていて一日つかっても残量が残っており、普通に使う分には残量は気にしなくて良さそうです。
少しコツがいるのは本体の充電時に接点が浮かないように仕舞わないといけない点でしょうか。ただ、充電状態について表示がしっかりとされるので使っていて充電できていないということは発生しませんでした。
アプリについて「なし」
アプリは現時点では無い様です。TWSとは違いANCなども無いですしなくても不便は感じませんでした。
ANC性能 「なし」
強騒音下
当然ですが外音が極めて自然に入りますので騒音下ではTWS側の音量は負けてしまいます。利用方法としてはそのような使い方は想定していないかと思います。
低騒音下
ホワイトノイズが無いことはもちろん、外音と調和しています。深夜など極めて静かな場所でも使えることはもちろん装着を調整することで寝フォンにも使えるレベルです。
ヒアースルー
音漏れ
このタイプとしてはかなりすくないように感じました。耳を近づけると逆側のメッシュからほぼ同じ音量で音が出ており、取り外した開放状態で片側を塞ぐと音が大きくなります。実際の装着状態の音漏れは調べることはできないのですが、逆相の音により周囲への音漏れは少な目になっているようです。実際幾つか使った事がある骨伝導イヤホンより音漏れが少ない感覚があります。
その他
接続性について
電波強度、接続の安定性としては十分なレベルです。屋内での使用がメインですが、木造であれば家の中のスマートフォンを固定して家中を動き回ることができるレベルです。家事などを行ったり家族とコミュニケーションを取りながら、仕事しながらなど極めて自然な使い方ができました。
電池持ちについて
単体電池もちは9時間とありますが、実際の概ね同じぐらいの時間が持ちました。
遅延について
iPhone、Androidでは問題なく利用できました。音ゲーなど遅延が求められるゲームはやらないので不明ですが、実用時用で反応が遅れるという感覚は感じませんでした。
音量範囲
音量はオープンイヤーTWSとしての常識としてはどの程度なのかはわかりませんが、カナル型TWSとしてはやや小さめになります。Apple AirpodsPro2の50%のボリュームがSO1で7割程度になります。SO1の100%でAirpodsPro2の7割程度かと思います。
ホワイトノイズも無く、小ボリュームの再生も得意なため片耳の寝フォンなどにも最適です。
装着感について
やや大きいですが耳の上にのっているだけなので運動などをしなければ強くホールドさせる必要はありません。ホールドを強くすると耳が痛くなりやすいですが、弱めるとかなり快適です。
まとめ
骨伝導イヤホンなどの市場を踏まえると、総じて1万円と言う価格を踏まえると相場観があるデバイスでしょうか。電池の%をスマホから確認できない点は気になりましたがそれ以外は必要十分というレベルかと思います。
音について
音の傾向
結論を先に言えばオープン型とは思えないほどにバランスの取れた音色に加えて広い音場に驚愕しました。流石にカナル型の解像度には及びませんがこのレベルの音質と外音とのバランスが取れているのであれば素晴らしいの一言でした。
接続機材
Xperia 10iv ⇢ AAC ⇢ Capsule3 Pro ⇢ SpiralDot++
iPhone12 ⇢ AAC ⇢ Capsule3 Pro ⇢ SpiralDot++
接続方式の違い
WindowsにすらAACが実装された現在、SBCの接続は試していません。
帯域バランス 「フラット~やや高域重視」
装着の近さで若干バランスは変わるものの、サブベース以外の音色は極めてフラットでバランスの取れた出音です。ベース帯域に関してはこの方式上ほぼ限界まで出ている様に感じます。
音色
寒暖: やや寒色傾向
明暗: ニュートラル~やや明るめ
響き: ニュートラル
固液: ややソリッド
厚み: やや厚め
特徴
開放型とは思えないほど明瞭で綺麗な音色です。やや音量は上げめにしなければ外音の騒音に負けてしまい音楽のリスニングとしてはイマイチですが、しっかりと外音とバランスが取れるまでボリュームを上げるとややソリッドでしっかりとした音が体を包んでくれる感覚があります。
サブベース域に近い特定の低域の音色は苦手なようで歪む傾向がありますが、開放的で自然な音色はカナル型のTWSでは味わえない感動です。
とはいえ音量を上げるほどやや高音よりの音色に感じる感覚があります。ここに関しては耳の形の違いなどは影響するかもしれません。
空間表現(カナル型比)
音場左右:広め
音場上下:やや狭め
音場前後:やや広い
重心前後:ニュートラル
重心上下:ニュートラル
解像度、定位、分離 「○」
カナル型の1万円のTWSとしてはややイマイチになってしまいますが、開放型のイヤホンとしてはかなり高いのではないかと感じます。しっかりとした定位表現もある上に分離もありることで音の広音像を掴みやすいです。
低域の質
この形状から信じられい量の低音の密度と質と感じました。サブベースに近づくにつれ、部分的に共振したりとやや無理した音の表現になる点は残念ではありますが個人的にはこの形状で耳の中の開放感を維持したまま聴く音色はヘッドホン以上に快適で、低音のそれはスピーカーの感覚を感じさせました。
中域の質
解像度も高く厚みもあるのでしっかりと聞き応えを感じられます。中高域にかけてやや音量を上げると特定の帯域が強調される感覚を感じます。骨伝導系ではどうしても明瞭さにかける音もSO1はくっきりと描写してくれます。レベルこそ違いますが、MYSHERE3を聴いた時の感動に似た衝撃を受けました。この形状、この価格でここまでの音がでれば十分と感じます。
高域の質
しっかりと量感はある高域表現です。音量を上げても女性ボーカルのサ行などの歯擦音は全く刺さりませんが、その下の帯域がやや強調感を感じ易いかもしれません。
開放感に優れるためか音色の伸びはあまり良く無いのですが、チャイム系の楽器やハイハットなどは自然で驚くほどに明瞭です。
SPL周波数特性
耳たぶが無いので測定不可能です、申し訳ありません。
アプリによる音質調整 「✖」
アプリケーションが無いので再生プレイヤーなどで調整が必要です。とはいえかなりフラットバランスなこともあり不要かと思いました。
まとめ
個人的に誤解を恐れず言えばLB-Acostics MYSHERE3を試聴したときの感動に似た何かを感じた機種です。恥ずかしながら頭内定位でありながらあまりに開放的で自由な音の鳴り方はイヤホン、ヘッドホンのしがらみから解放された何か驚きに似た感情に包まれ、何故か涙が出ました。
開放型のこのようなタイプのイヤホンはSHOCKSやGEO、オーディオテクニカの骨伝導イヤホンしか聴いたことが無かったのですが、そのどれもが快適さを手に入れるために音質を全て捨ててきたかの様な音色で、音質に関しては非常に残念に思っていました。
正直オープンイヤータイプのSHOCKSなどは比較として聴いたことが無いため比較できているわけではないのですが、SO1はオープンイヤーは音が悪いという思い込みを払拭してくれたTWSになりました。調べてみると正直このSHOCKSのオープンイヤーはさらに高額なので、SO1がどこまで迫り、もしかしたら上回っているのかわかりませんが、少なくとも1万円でこの音色は衝撃ほかなりません。私もレビューの為に利用してきており、その中で大きくQOLが上がり、生活が変わったと満足できるイヤホンです。
外出時などANCが必要な状況下などはカナル型のTWSを使い続けますがANCが不要な室内の通話などではこれがメインで使って行こうかと思います。
最後にこのような機会をいただきましたSIVGA様に感謝申し上げます。
■Appendix