こんにちは
今日はTHIEAUDIOのElixirをじっくりと試聴してきたのでそのインプレです。今日は他にも色々とは聴いたのですが、そのあたりは割愛します。
- 概略
- 〇まとめ
- ○帯域バランス
- ○音色(寒暖、明暗、響き、固液)
- ○音場(広狭、重心、遠近)
- ○定位、音像
- ○解像度、分離
- ○低域の質について
- ○中音の質について
- ○高音の質について
- ○ケーブルによる印象の違いについて(注意)
- 〇まとめ
概略
THIEAUDIOについてはあまり詳しいわけではないのですが、LegacyシリーズやMonarch(モナーク)などは素晴らしい機種と有名で私も一部は試聴をしたことがあります。そして最近、MonarchがMKIIとなって発表されると共にElixirが国内販売されるようになったみたいですね。
一応試聴自体は2回しており、1回目はFiiO M17のJVC SpiralDot++、今回はFiiO BTR7、BTR5、BTR3Kの3種類のアンプにSpinfit W1を付けて試聴しました。
〇まとめ
音が圧倒的に近くて迫力満点なのに、繊細で解像感高くて分離良く、更に伸びやかで開放的なリスニングイヤホンです。
音場感が近すぎる故に定位は良いとは感じないのですが音の整理が上手く、雑音が少なく音色がユニークなのでハマると最高に良いと感じられるイヤホンだと感じました。
例えるなら圧倒的な筋力を誇るゴリラの様な圧迫感だけれども、その内面は超紳士で仕事が丁寧で上手いという感じのイヤホンです。
音が近すぎるため私の好みからは外れるのですが、この価格帯を考慮するとユニークで素晴らしい音色であることは間違いないので好きではないのに欲しくなるという今までかつて無い経験をしました。
○帯域バランス
概ねフラットバランスです。低域が強いことを想定していたのですが低域は適度なバランスです。むしろ中低域は少し弱いぐらいで全体的に音色がクリアです。
○音色(寒暖、明暗、響き、固液)
音色はほぼニュートラルですが音色を分解して鳴っている音を聴けば暖色寄りだと感じるのですが、全体を通すとなぜかソリッドで寒色寄りと感じるような不思議な感覚です。若干音色は暗めで、音色の響きは少なめではあるのですが抜けていくような開放的な響きは明確にある感じです。
○音場(広狭、重心、遠近)
音場は横奥行き共に価格帯を考慮すると若干狭く、重心はやや低めです。問題というか最大の特徴は音の近さで、圧倒的に音が近いです。ボーカルなどの音色はほぼ頭の中央、喉のあたりから音が出ている感じです。このあたりはかなり好き嫌いが分かれるかもしれません。
狭く、近いとなると圧倒的な迫力で暑苦しいのかと思われるかもしれませんが、自然で抜けが良い開放的な響きを持つ音色のため、狭さはあまり感じません。ホール感はあまりないのですが、高価格帯で言えば上質なホールで吸収されて消えていく残響を持つ音色のA8000などの鳴り方、音の消え方に近い感覚を覚えました。
○定位、音像
定位は正確ではないのですが、音像は非常につかみやすいです。中低域のボワつく音色の響きが無い為か、音色のバックグランドがとても静かで音の解像感が極めて高いです。
○解像度、分離
解像度は200$前後の価格帯を考えるとかなり良いと思います。アンプの解像度にリニアに伸びる印象があり、BTR3K、BTR5、BTR7、M17と高価格帯のになるにつれてリニアに上がった解像度と分離感は素晴らしいの一言でした。当然ながらBTR3Kでも価格帯に見合った解像度を持っており、良いアンプがあればあるほどよい音色を味わえる沼のようなイヤホンだと感じました。
○低域の質について
低音の量感はあまりありませんが、質の良さと音像の空間表現の良さから低音の輪郭が明確かつ明瞭です。アタックとリリースのスピードも速く、パワフルなためアップテンポな曲も十分に反応できる素晴らしさがあります。特に気に入ったのは量感が強くないにも関わらず聞き取りやすく印象深い低音でした。今日はMESTやATH-IEX1などの圧倒的な低音機なども同時に聴いていたにも関わらず価格帯の異なるElixirも印象に残るほどでした。
気になる点は音のリアリティで、かなり外連味が効いた音色なので録音に忠実なのかと言われると難しく、今回のインプレでは生音系の楽曲はあまり聴けなかったのですが全体的に低音は着色が効きすぎている気はしました。
○中音の質について
圧倒的に主張が強いのはこの中音域で、圧倒的な量感がありボーカルは間近で大迫力で、ギターなどの楽器は朗々とエネルギッシュに鳴らしてきます。非常に良い音色ではあるのですが個人的にはあまりの音の近さにくらくらする感覚すらありました。私はこの近さのボーカルは苦手だったのですが、ボーカルの近さを重視される方には最高のチューニングだと思えました。
○高音の質について
低音同様に高音もバランス良く派手な音色が鳴ってくれ、低域のレスポンスの良さのためかシンバルの音などもこの価格帯のイヤホンとしては解像感が高く明瞭です。ただ、中音低音のエネルギーに比べれば順当に素晴らしいという記憶だけが残っており良かったということなのだと思います。
○ケーブルによる印象の違いについて(注意)
許可を得てケーブルをC106 4.4mmと、D13 4.4mmの付属ケーブルに変更してBTR7で聴いてみました。結果としてC106は極上の音色に変化したのですが、音が圧倒的に中央に定位するようになりました。どの音色もほぼ中央付近から鳴っているのですが、その音の余韻は絶妙の一言でした。次にD13のケーブルですが、こちらは少しだけ音が遠くなって全体の纏まりが強くなる(各音の特徴が和らぐ)変化がありました。音色のElixirもリケーブルによって伸び代や、音場の変化を楽しむ余地はあるかもしれません。
〇まとめ
音が圧倒的に近くて迫力満点なのに、繊細で解像感高くて分離良く、更に伸びやかで開放的なリスニングイヤホンです。
音場感が近すぎる故に定位は良いとは感じないのですが音の整理が上手く、雑音が少なく音色がユニークなのでハマると最高に良いと感じられるイヤホンだと感じました。
例えるなら圧倒的な筋力を誇るゴリラの様な圧迫感だけれども、その内面は超紳士で仕事が丁寧で上手いという感じのイヤホンです。
音が近すぎるため私の好みからは外れるのですが、この価格帯を考慮するとユニークで素晴らしい音色であることは間違いないので好きではないのに欲しくなるという今までかつて無い経験をしました。
っということで私は全体を通して素晴らしい音色だと確信する一方で、どうしても音の近さが気になりましたので購入には至らなかったのですが、音が近くリスニング向けの音が好きという方にはかなり良い選択肢になるのではないでしょうか。
ではまた明日。