こんにちは
今日はHifigo様からPR依頼の「骨伝導ドライバ+スクエア平面+BA」という超絶変態構成イヤホン「Kinera Celest Plutus Beast」の簡易レビューです。尚、レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもあり、いつもと同じ基準で記載しています。
結論:A15K Tier1 変態「骨伝導+スクエア平面+BA」弾力と響きのある豊かな低音の新境地(PR;HiFiGo)
Kinera Celest Plutus Beastは骨伝導ドライバ+スクエア平面ドライバ+BAドライバという他に類を見ないドライバ構成のイヤホンで個性的なサウンドを実現しているイヤホンです。パンチの効いた変態サウンドというよりは、低音の弾力感と響きの豊かさと普通の音色を掛け合わせた適度なバランスで、Kinera Celestによる新しいイヤホンの音色を提案してきていると感じさせられます。
変わったドライバ構成のイヤホンですが、音色美しいフェイスプレートや高いビルドクオリティにくわえて付属するケーブルやケースなども上質で、音以外の部分はしっかりと作りこまれています。
普通にこの価格帯のイヤホンを探している方、そして新しい低音表現を求めているかたにおすすめできるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ 低域の厚み、響き、余韻が個性的なサウンド
〇 美しい意匠、フェイスプレート
〇 高いビルドクオリティと使い勝手の良いケーブルとケース
〇 リケーブルによるサウンドチューニングや断線時の交換も可能
― 購入時に選べる4.4mm3.5mm
Cons(微妙な点)
ー 筐体がビヨンビヨン響いて振動する
ー 強いて言えば低音の量感やアタックはそれほど強くないチューニング
△ 骨伝導の装着に関するマニュアルや注意書きが無い
△ 装着によっては骨伝導ユニットが接触せずスカスカな音になる
△ 標準では相対的にやや高域の表現力が弱め
△ インピーダンスが低いのでやや上流の相性がある
量があるので上記の結論以外は気になる部分をリンクから読んでもらえればと思います。
- 結論:A15K Tier1 変態「骨伝導+スクエア平面+BA」弾力と響きのある豊かな低音の新境地(PR;HiFiGo)
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について「基準A15Kクラス」
- 周波数特性測定とか
- ケーブルによる印象の違いについて(注意)「要」
- リケーブル関係の注意
- イヤーピースによる印象の違いについて
- 音質の総評、所感:A15K Tier1 参考価格:13500円
- Appendix 購入リンク
動機付けなど
ファーストインプレに書いたように、Phoenix Callが素晴らしかったためです。
販路、購入先
現在、日本国内であればAmazonでの購入が可能です。
SPEC
Kinera Celest Plutus Beast 1 BC+1 BA+1 SPD™ In-Ear Monitorshifigo.com
HiFiGoのストアに詳細が書いてありますが、骨伝導ドライバ、BAドライバ、SPDドライバのトライブリットという超変態構成です。
箱とか付属品とか本体
開封体験
PhoenixCallがかなり良い体験だったこともあり、Plutus Beastの開封も書いておきますね。なお、今回はVlelvetイヤピもセットで依頼でしたので両方とも写っていますがイヤホンには付属しないと思います。
裏
外枠を取ると
こうなって、こう、めちゃくちゃキレイです(・∀・)
保護シールついてますね。
取るとこんな感じ
めちゃくちゃキレイ
調子にのって何枚もとってしまいましたw
ケースの中にイヤピ2種類(6セット)とケーブル。
ケーブルはPhoenixCall同様にかなり品質が良さそうな佇まいです。
マニュアル「あり」
イヤホンの下にはマニュアルと、いつものチャームが入っています。
マニュアルには装着方法などが書いてあります。このシルエットでなんとなくはケーブルの付け方がわかるかもしれません・・・?
筐体 「両側計10.0[g]」
本体のビルドクオリかなり高く、表面の加工、見た目の質感、手触りやデザインバランスもしっかりとしている様に感じます。特にフェイスプレートはA15Kとは思えない美しさですね。
ユニットが透けているのでSPDやBAが見えます。
コネクタ 「2pinフラット」
ステム形状 「6.54‐6.18mm」
ステムか少し太めなのでイヤーピースは選びそうです。
直流インピーダンス 「L7.2 , R 7.0[Ω]」
ケーブル 「半埋め込み2pin 3.5mm」*4.4mm選択あり
重さ 「20.4[g]」
この価格帯としても十分なケーブルなゆえに少し重量感はありますが許容範囲です。
直流インピーダンス 「HOT0.2,COLD0.2[Ω]」
見た目だけでなく抵抗値も少ないケーブルのようです。かなり良いケーブルですね。
タッチノイズ 「やや少なめ」
付属イヤーピース「2種類3サイズ 合計6ペア」
いつも通り残念ながらどのイヤーピースも自分にはフィットしませんでした。
使い勝手の評価
ホワイトノイズ 「問題無し」
ややホワイトノイズが出やすいM17のMAXヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみたが、ホワイトノイズはありませんでした。実用上は問題ないかと思います。
寝ホン 「B」
突起がなくベントも空いているため。寝フォンには向いている構造ですが厚みがあるためあまり向いてはいないと思います。
音漏れ、遮音性 「2〜3割程度」
指でステム側を抑えて遮音してみましたがベントから漏れがあるようでした。見た目を考えると意外と少ないなという感覚ですが大きな音量で使うと周囲に聴こえるかもしれませんので注意です。
ポーチ、ケース 「セミハードタイプ」
ケースはPhoenixCallの色違いですね。シックで、必要十分な大きさで使いやすいです。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「A+」
A15Kのイヤホンとしてビルドクオリティ、付属品などは素晴らしいです。唯一気になったのは本体の振動感で骨伝導ユニットがボインボイン鳴ることでしょうか。しっかりと耳に接触するように装着する必要があるのはまぁ良いのですが装着しているだけでも体に振動があればそれを増幅するような音があります。どの程度気になるかは人次第でもありますが、個人的には変わっているな程度の認識です。
音質について「基準A15Kクラス」
ファーストインプレッション
ファーストインプレはこちらを御覧ください。
凄いです。
競合機種との比較について
この価格帯でまともな骨伝導イヤホンはありませんので実質独擅場ということになります。
エージング(バーンイン)
箱出しで2時間ほど使用した後、300時間程エージングし、通常の使用として5時間程度使用しました。エージング前後で大きな変化は感じませんがやや中域、高域の解像度が上がった気がします。
アンプ(上流)による印象の違いについて 「一般的」
FIIO M17 +PL50「B」
音場が広く音の深みも出るのですが中域が冴えずあまり相性は良く無いように思いました。しかしながら今回の基準音源になっています。
FIIO BTR7「A」
概ね十分な鳴りで低音ばかりか中域の表現や分離感も十分で普段使いならこれで十分だと思いました。
Xperia5iv「B」
スマホでは最上級です。音も十分ではありますしボリュームも十分取れました。やや音のレンジが狭い気はしますがこのクラスであればこんなもんだろうと言う感じです。
Tanchjim SPACE LITE「A➕」
ボリュームが1でも煩いぐらいの音量が出ますので微調整が必要です。音の立体感が素晴らしいですしダイナミックレンジが高く音色に深みが出た様に感じます。
まとめ
幾つか聴き比べしてみましたが、概ね一般的な音の変化の範囲でアンプの特徴をしっかり出してくれたかと思います。幅広く使える様に感じます。個人的には価格は安いですがSPACE LITEの音色が好きでした。
感度(ボリュームの取りやすさ)「鳴らし易い」
SPACE LITE1ボリュームで煩いぐらいなので音量は取りやすいです。ただ、弾む低音はある程度ボリュームがある方が映えるようで、ある程度音量が大きい方が印象が良いイヤホンです。
メイン評価環境
M17 ”AppleMusic” -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M Gain ボリューム38前後で使い評価しました。
帯域バランス 「低音寄り微ドンシャリ」
万人受けしやすい微ドンシャリバランスです。低音の響きが大きいためやや低音寄りではありますがバランスよくチューニングされている様に思います。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、湿度、厚み) 「S」
寒暖:ニュートラル
明度:ニュートラル
響き:低音多め、中高域普通
余韻:普通
粘度:普通
湿度:普通
厚み:やや厚め
速さ:普通
概ねファーストインプレの通りですね。おおむねニュートラルな音色に解像度の高さ、豊かな残響を乗せた魅力的な低音を聴かせてくる音色です。上品さもあるこの低音の音色はこの価格帯でも特異でありユニークです。
音場(広狭、重心、遠近) 「A+」
音場 左右:やや広め
音場 上下:やや広め
音場 前後:やや広め
音像高さ:やや低め
音像近さ:やや近め
この価格帯のイヤホンとして十分な音場表現かと思います。低音の音の特徴からかやや近めの音場です。
定位、音像、分離 「A+」
音像は定位も十分すぎるほど優秀です。上位の価格帯のWINDの様な骨伝導系明瞭な音像ではないのですが、音の方向性や位置はわかりやすく十分以上です。
解像度 「A」
解像度はこのクラスとしては十分に高く鮮明です。多ドライバを使ったリケーブルしたHM20などと比べればやや厳しいですがこの価格のハイブリッド構成としては十分良いレベルです。
低域の質について 「S」
量感は一般的なのですが、弾むように響き、品の良さもたもつ余韻の良さはこの価格帯でもトップクラスと言っても良いかと思います。低域に関してハウジング由来の残響感強くビヨンビヨンなる感覚はあるのですが、意外と音色の余韻にはそれほど強く現れず、適度な気持ち良さがあります。響きにドライな感覚が少なく樹脂っぽさを感じさせてこない点がそうさせているような気がします。ただし、高級機の低音骨伝導系の振動感のあるパワフルさはありませんので新しい音色のチューニングと思われます。当然好き嫌いはある音色ではかと思いますが、この新しさをこの価格帯にもってきたKinera Celestはチャレンジャーであり、面白いメーカーだと思わされます。
中域の質について 「A +」
中低音についてはボリューム感がありますがそれ以外は解像度の高い一般的なボーカル表現ですね。winterやquintet、Bridgeなどの骨伝導と異なり中低域の実在感の強さが普通なので骨伝導自体は低音特化型なのかもしれません。とはいえ、価格帯としては十分な表現力があり、低音の表現力をしっかりと支えられて映えるだけの実力のある中域ではあると思います。尚、中域はM17との相性があまり良くないと感じました。
高域の質について 「A」
量感は概ね普通ですが、定位と分離が良い音色です。ドライバの分担はよくわからないのですが、平面らしい透明感があるような高域というより金属感があるBAっぽさを感じやすい高域表現です。女性ボーカルのサ行などの歯擦音は概ね刺さらず調整された高域表現なのでそのあたりは十分かと思います。
周波数特性測定とか
左右差
いやはやきれいなマッチングです。なんかこういうのもう期待しちゃってる自分がいますね。。。
vs PhoenixCall
こうして比べると似てはいますが別物ですね。高域は全体的にPhoenixCallのほうが強いですね。
vs LETSHUOER S12
結構似ています。8KHz以上の高域はS12のほうが強くなっていますね。
インピーダンス
2~3KHzあたりは少し谷になっていますが概ね7~8Ωのインピーダンスになっています。Phoenix Callはインピーダンスの起伏が大きく上流を選びやすい傾向があり、実際にその傾向も実感したのですがPlutusBeastは測定上は問題ないレベルの様です。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)「要」
リケーブル関係の注意
注意:ケーブルについては測定したところ科学的には変化はあるようですが微小量であり、音質の変化に対する決定的な証拠は無く、オカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので変化しないことを否定するものでも、リケーブルを万人におすすめするものでもありません。
*基本的に試聴構成は同じですが、4.4mmバランス時はボリュームを3.5mm時と同等まで下げています。
JSHiFi Warrior 「B+」
低価格ケーブルの雄、Warriorを付けてみました。標準のケーブルが良さそうだったのであまり変化が無いもしくは悪くなるかもと思っていたのですが、悪くはありませんでした。
ややドライな音色で音に厚みがでて力強くなる感覚でしょうか。解像度は同じ程度ですね。音場はやや横がせまくなり、低音の響きも弱くなりますが、音が明るくなり解像感が増すかと思います。アップグレードにはなりにくいですが標準ケーブルの傾向の味変として使うのはありかと思います。
ivipQ 253 「A」
https://s.click.aliexpress.com/e/_Dnp8JO9
折角届いたので聴いてみました。音色はやや湿度があがり、滑らかで優しい方向に変わります。高域の金属感が少なくなるほか全体的にやや暖色傾向にシフトします。音の分離はレイヤー感がでて密度が上がるけれどもしっかり掴める感覚です。低音の音像はやや上方に移動するので全体の纏まりが良くなったように感じます。解像度も少しあがるでしょうか。帯域バランスはカマボコで、標準から優しい音色に纏めたいと言う場合には良い様に感じます。
BQEYZ Dew [A+] (PR:BQEYZ)
明瞭な音色で解像度は1段あがります。音場は横に広がりややタイトさがある音色で解像感の高さから元気な音色になるでしょうか。高域の金属感が薄れることや低域の響きが締まる感覚から音が凝集する感覚と言ったら良いでしょうか。音楽というまとまりがしっかりと感じられる感覚があり、標準ケーブルから全体的にアップブレードしてくれた感覚がありますね。
NICEHCK AceOrpheus [S]
https://s.click.aliexpress.com/e/_DlGdukl
低音が深いところから出て骨伝導パワーを引き出している様な感覚になります。力強くなるのですが上品さもあり、音の立体感も秀逸です。横の音場は広く広大になり、そのうえで立体感も残っています。解像度が高く適度な解像感と共に上品さを両立しています。値段は張りますがかなり良い相性だと思いました。
まとめ
ということで標準ケーブルは2,3000円クラスのものが付属しており、下手なリケーブルは不要です。更なる音質変化を目指すのであればAceOrpheusがかなり良い印象でした。
イヤーピースによる印象の違いについて
一応下記構成でイヤーピースも変更してみました。
M17 "AppleMusic" -> 標準-> イヤホン -> 「 」
標準イヤーピース 「ー」
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) 「A+」
今回のデフォルトイヤーピースです。
DIVINUS VELVET (PR:HiFiGO) 「A+」
サブベースは少なくなりますが中域のボーカル良く主張してくれます。横の音場は少しだけ狭くなりますが、音色がシルキーで繊細になりますボーカルの前後感が素晴らしいです。良いボーカルを中高域へフォーカスを当ててより良くしたいならばかなり良い選択肢だと思いました。
まとめ
バランス重視ならSpiralDot++、ボーカル重視ならVELVETが好みでした。
音質の総評、所感:A15K Tier1 参考価格:13500円
個人の主観的な好みで言えば93点、私が客観的だと思う好みの点数としては92±8点です。A15Kという価格帯と音のレアリティ、ユーザビリティを考慮した総合的なランクはTier1としました。
音色だけでいえばTier1 とTier2の境目ぐらいだったお思うのですが、属品やビルドクオリティの高さなど全体的にクオリティが高く、低域の新たな表現は素晴らしい個性だと感じました。標準ケーブルからリケーブルが不要と思えるほどの高いレベルのチューニングであもあり上流を選びにくい音色も良く幅広い方に勧められるTier1 と感じました。
実は、個人的に最初このイヤホンの筐体を見た時はあまりのビルドクオリティに3,4万円以上のクラスをイメージしていたので一聴して解像度がそのクラスで無く、少しがっかりした部分があったのですが、実際のイヤホンの価格はそこからかなり低価格クラスであり逆に最終的に評価が上がったイヤホンです(笑)。今回は発売日に合わせるために簡易レビューなので聴き込みは少なめではありますが、ポテンシャルの高さを感じさせる音色で新しいもの好きの方にはおすすめできるイヤホンだと改めて思います。
最後に、このような素晴らしいイヤホンをレビューする機会をいただきましたHifiGo様に感謝申し上げます。
Appendix 購入リンク
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