こんにちはゆるふわとオーディオしているすのーです。
今日はHiFiGo様より依頼の平面駆動イヤホン「Rose Technics QuietSea」の簡易レビューです。尚、レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。
結論:A7K Tier1 POPS/ROCKのエンドゲーマーイヤホン
QuietSea はA7Kの低価格イヤホンながら、POPSやROCKといった一般大衆向け音楽に良く合う様にチューニングされた、その分野ではエンドゲーム級の音質を持つ高いコストパフォーマンスを持つイヤホンです。
中華イヤホンではあるのですが、高いビルドクオリティに加えてケースやMMCXアシスト的なツールなど質の高い付属品が付いており、マニュアルもしっかりとしているため、初心者にも勧められる品質です。
生楽器やEDMの深い低音や超高域は苦手なのですが、ケーブルの交換などのチューニングで対応することまで、中級者以上にもオススメできます。
そのままでもPOPSやロックと言った大衆のほとんどで素晴らしい性能を発揮する高い完成度であり、それ以外の楽曲も中上級者には勧められる品質のため、エンドゲームの名にも相応しい素晴らしいイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ POPS/ROCKに最高の相性
〇 音量が取りやすく聴く場所を選ばない楽しいサウンド
〇 万人受けする弱ドンシャリバランス
〇 音場、解像度、定位が素晴らしい
〇 リケーブルによるサウンドチューニングの余地がある
〇 ビルドクオリティが高く、デザインが良い
〇 付属品のケースやツールが使いやすく、初心者にも必要十分なパッケージ
ー MMCXリケーブルが安心できるMMCXアシスト的なツール付き
Cons(微妙な点)
ー 解像感が高めなので粗めで繊細感を感じるサウンドではない
ー 強いて言えばイヤーピースが値段なり
△ 超高域、サブベース(超低域)の表現がイマイチ(標準ケーブル)
△ 特にオーケストラ等の生楽器、EDMの深い低音表現(標準ケーブル)
△ 布巻のためケーブルにタッチノイズが少しある
△ 本体とケーブルが少し重め
いつも通り量があるので上記の結論以外は気になる部分をリンクから読んでもらえればと思います。
- 結論:A7K Tier1 POPS/ROCKのエンドゲーマーイヤホン
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について「基準A7Kクラス」
- 周波数特性測定とか
- ケーブルによる印象の違いについて(注意)「効果あり」
- イヤーピースによる印象の違いについて
- 音質の総評、所感:A7K Tier1 参考価格:7459円
- Appendix
動機付けなど
前回の記事、モチベーションなど
ファーストインプレの通りですねー。
販路、購入先
現在、日本国内であればAmazon での購入が可能です。Amazonのストアはこちらです。
SPEC
HifiGoのサイトなどを見てもらうのが良いかと思います。
色々と謳い文句がある様ですがまぁかなりデカい事言ってますね。実際音を聴いたところファーストインプレッション通り凄い奴でした。
箱とか付属品とか本体
開封体験 「〇」
ファーストインプレでやっていますのであっさりと行きたいと思います。
開ける楽しみ、そして開けられない悲しみを味わえるパッケージ( ノД`)シクシク…
ドライバの中身の解説
マニュアル「図ありの丁寧なもの*中国語」
筐体 「両側計14.7[g]」
本体はOH2から太くなったためかやや重めですね。
コネクタ 「mmcx ばねアリ」
MMCXタイプですがOH2などと異なりかなり反発力もあるムチッと入るタイプでがっちりとしています。かなり造りは良い様に思います。
ステム形状 「6.3‐3.8mm 楕円」
直流インピーダンス 「L16.4, R 16.3Ω]」
ケーブル 「mmcx 3.5mm3極」
ケーブルの線材はA15KクラスのGalileoなどの線材と同じですね。S12よりは下のグレードですが悪いケーブルではありません。尚、プラグやコネクタは別ものですね。
重さ 「33.2[g]」
しっかりしたケーブルなのですがその分重さがありますね。
直流インピーダンス 「0.4, ,0.4[Ω]」
この価格帯では良い値ですね。
タッチノイズ 「ややあり」
布巻なため、ややありますが、音が伝わりにくいためか個人的には許容範囲内だと感じました。
付属イヤーピース「3サイズ、3ペア」
いつも通り残念ながらどのイヤーピースも自分にはフィットしませんでした。
使い勝手の評価
ホワイトノイズ 「少な目」
ややホワイトノイズが出やすいM17のMAXヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみたが、ホワイトノイズはほぼありませんでした。ただしAZLA A100など元々ノイズが多い機材ではホワイトノイズが感じられたので機材によっては感じられるかもしれません。
寝ホン 「A」
本体ははこの形状としては厚めですがIEMタイプとしてはやや薄めです。寝フオンにはそこそこ向いているとおもいます。
音漏れ、遮音性 「3~4割程度」
指でステム側を抑えて遮音してみましたが少し音漏れがありました。大きな音量で使うと周囲に聴こえるかもしれませんが、一般的な範囲のイヤホンです。
ポーチ、ケース 「セミハードタイプ」
セミハードタイプが付いています。使いやすく丁度良い大きさです。
MMCXアシスト的なアイテムも付いていますのでケーブルの付け替えも安心です。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「A+」
イヤーピースの種類のみやや一般的ですが、それ以外についてはマニュアルもしっかりとしているほかMMCXアシスト的な物もついていますし、A7Kのイヤホンとしてビルドクオリティ、付属品などは一流ですね。
音質について「基準A7Kクラス」
ファーストインプレッション
ファーストインプレはこちらを御覧ください。
とても素晴らしいファーストインプレッションでした。
競合機種との比較について
競合としてはTRI StarRiver, TRN CONCH、TKZK Ouranosですね。
エージング(バーンイン)
箱出しで5時間ほど使用した後、AGPTEKにて1000時間程エージングし、通常の使用として20時間程度使用しました。エージング前後で、あまり大きな変化は感じていません。
アンプ(上流)による印象の違いについて 「一般的」
FIIO M17、BTR7、ALZA A100、Tanchjim Space LITEなどで聴きましたが概ね同じ傾向でした。流石に良い上流の方が良い音という傾向はありましたが、それほど上流の影響は大きくない様に感じます。
少し感度が高めであり、A100でやややホワイトノイズがあるほかボリュームがい段階目でもそこそこの音量がありました。
メイン評価環境
M17 ”AppleMusic” -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
LowGainモード ボリューム39前後で使い評価しました。
帯域バランス 「弱ドンシャリ」
今風の弱ドンシャリ型な聴感バランスです。POPSやROCKなど一般的な現代音楽に合う見事なバランスだと思います。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、湿度、厚み) 「A」
寒暖:やや寒色
明度:やや明るめで明瞭
響き:やや響きあり
余韻:普通
粘度:ニュートラル
湿度:ニュートラル
厚み:普通
速さ:普通
元気があって一般的なPOPSが楽しく聴けるバランスであり、そして楽しい音色です。パワフルな音色でメリハリがあって音に迫力があって音場も広いという適度なバランスを突き詰めたサウンドですね。繊細て細やかな音色を鳴らすと言う方向性では無いのですが、解像感が高めで鮮明な音色が音場に表現される様は音が静かな海に浮かぶ様な表現とも取れ、名前の由来を考えさせられますね(全然ちがうかもしれませんw)。
音場(広狭、重心、遠近) 「A+」
音場 左右:広め
音場 上下:普通~やや広め
音場 前後:やや広め
音像高さ:標準的~やや高め
音像近さ:標準的
この価格帯のイヤホンとしては見事な音場表現かと思います。
定位、音像、分離 「A+」
音像、音の分離がしっかりとしており、1つ1つの音を追うのは容易で他のA7Kクラスとしても大きな差があります。
解像度 「A+」
解像度はこのクラスとしては十分に高いです。解像感た高めなので派手な表現ですが、しっかりとした音像を作ります。
低域の質について 「B+」
量感がしっかりとあり、低音も適度に広がるバランスの良い音色です。価格帯としては十分な表現ではありますが、厳しめに言えば、低音の内、サブベース域がやや暖色系の響きでパワー感が少ないと感じるかもしれません。特にPOPS系やROCKなどでは全く問題を感じませんが、EDM等のキレの良い低音を求めていたり、生楽器の深い低音の表現力を求めるとやや肩透かしです。その点に関しては後述するようにリケーブルなどを推奨したいです。
中域の質について 「A」
ボーカル域を中心として各楽器の表現は立体感があります。鮮明でな音色な上に低域と高域の適度な音のバランスが中域を引き立ててくれます。定位の良い適度な空間表現と十分な解像度で細かい抑揚も描写してくれます。
高域の質について 「B+」
中高域から高域にかけては十分な明るさと定位、そして響きを持っています。女性ボーカルなどのサ行などの歯擦音も刺さららないにもかかわらず明瞭で適度な表現力をもっています。価格を考えれば十分な表現力ですが、厳しく言えばフルートやピッコロなどの高域では楽器伸びがイマイチだったり。金属音がやや不自然な感覚があります。その点に関しては後述するようにリケーブルなどを推奨したいです。
周波数特性測定とか
左右差
左右差は見事に揃えてあります。
vs ikko OH2
弱カマボコだったなOH2から弱ドンシャリに変更されていますね。
vs SIMGOT EW200
比較はこちらの記事を参考にしてもらえれば~
ケーブルによる印象の違いについて(注意)「効果あり」
リケーブル関係の注意
注意:ケーブルについては測定したところ科学的には変化はあるようですが微小量であり、音質の変化に対する決定的な証拠は無く、オカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので変化しないことを否定するものでも、リケーブルを万人におすすめするものでもありません。
*基本的に試聴構成は同じですが、4.4mmバランス時はボリュームを3.5mm時と同等まで下げています。
見た目が凄い良さそうだったのですが、やはりリケーブルしてみなければ素性がわかりにくいかと思い、MMCXアシスト的なものも付いてきていたので色々と試してみました。
標準ケーブル[B+]
音が少しだけ近めで善後の立体感があり、展開されるケーブルです。ドンシャリで解像感が高いケーブルで標準ケーブルとしてはかなりしっかりとしている部類ではありますが、より音質を重視するのであればリケーブルを推奨したいです。
NICEHCK SpaceCloud 4.4mm [S]
1~2段解像度が上がり、音場が一気に開放的になり音場がさらに広がります。音像がやや遠くなるのですが全体に解像感が下がり音のバランスが秀逸になります。立体感は維持されており、音色はさらに細やかになります。特に低音の中でもサブベースに近い深い部分の音の広がりや、高域の金属やフルートの高域などの伸びなど楽器の偽物感が大きく減ります。
ドンシャリ傾向で乾いた音色になってしまうかと危惧していたのですが全くそんなことが無く、少し中域が遠くなったかなぐらいの差で、それも空間表現を考えれば個人的には好きな傾向です。
TRIPOWIN Altea4.4mm [S]
解像度が上がり、音の湿度が上がってシットリした落ち着きのある音色になります。高域、低域の音の自然さも改善されるほか音の近さを保ちながら立体感のある音場空間を作ってくれます。全体的に透明感が出るような感覚もあって本当に価格帯として優秀なリケーブルだと感じます。
気になる点としてはやや全体のスピード感が少し下がってしまうのでBPMで乗りよく聴きたい場合は標準ケーブルの方が良いかもしれません。
まとめ
画像などは割愛しましたがHAYABUSA ULTRAの標準ケーブルなども試してみたりしましたが、音の解像感が少しさがり音の纏まりがでて高域と低域の表現力が大きく改善されて、こちらもとても良い変化だと感じました。
特にMMCXアシスト的なツールも付いていますし、リケーブル不要なのであればこのようなアシスト的なツールは不要ですし、メーカーとしてもリケーブルして音質の変化を楽しんでみて欲しいというメッセージなのかもしれません。
標準のケーブルはそれなりにチューニングされているものが 付いてはいますが、リケーブルはした方が音質的には有利だと感じますね。ちなみに個人的に
イヤーピースによる印象の違いについて
一応下記構成でイヤーピースも変更してみました。
M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「 」
標準イヤーピース 「ー」
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) 「A+」
今回のデフォルトイヤーピースです。比べてみると他のイヤーピースよりドンシャリ傾向になり、横の音場が広大になるほか音像の定位、分離が向上しているようです。良い相性だと思います。
AZLA SednaEarfit Max (ボーカル重視、低刺激)[C+]
←ASE-500の方が安いですw
ややカマボコになることで全体のバランスはよりフラットな方向性になります。音場はやや狭くなり低音と高音のレンジが狭くなる感覚があります。
音が暖色傾向なのですが響きが強め感じられる方向性です。中域は解像感による雑さを感じやすく値段のにわりには良さがわかりにくいかもしれません。
Spinfit W1 [A]
5サイズ展開になったW1です
低音の締まりの良さ、ややドライで寒色で音の輪郭がはっきりとするほか解像感も増すことで全体の音の臨場感が出ますね。
左右の音場が狭くなり音が近くなるのでパワフルさを引き換えにしている感覚です。個人的には悪くない相性なのですがあまり良い部分を活かしていない感覚がしました。
日本ディックス COREIR コレイル BRASS Pentaconn [S]
中高域、高域の音色が本当に良く目立ち、音が伸びるようになります。バランスは中高音寄りでしょうか、分離や定位が良く、特に高域の明るく明瞭な音がはっきりします。
ただリケーブルの項目を参照にしてほしいのですが標準ケーブルだと音の粗が分かりやすく個人的にはリケーブルをぜひ一緒にと感じます。
まとめ
音色と解像度、音場重視ならSpiralDot++、高域重視ならコレイルが好みでした。
音質の総評、所感:A7K Tier1 参考価格:7459円
個人の主観的な好みで言えば88点、私が客観的だと思う好みの点数としては86±7点です。A7Kという価格帯と音のレアリティ、ユーザビリティ、初心者へのお勧め度を考慮した総合的なランクはTier1としました。
付属品の品質は素晴らしい上に、標準ケーブルでは一番マスが多いPOPSやROCKといった現代的な音楽でレベル高く纏められており、楽しく聴くことができます。感度が高く、鳴らす場所を選ばない点も使い勝手が良く、装着感も良いため初心者にオススメしやすいと感じます。
マイナスの要因としてはオーケストラや電子音楽といったサブベースや超高域の表現力が値段なりなところですが、標準ケーブルの特徴なので改善も可能です。
今回はOH2の筐体を再利用するという技?でコストダウンを図ったようですが、個人的にとても楽しくレベルの高い音色で本当に49$かと驚かされたイヤホンでした。
ただ正直、ファーストインプレの後に暫く聴きこんで、生楽器との相性が悪い事が分かった時にTier2にするか迷いました。ただ、一番マスが多い音楽はとても良い相性なこと、MMCXアシスト的なツールがしっかり付いている事、生楽器との相性も標準ケーブル自体の弱点だとわかり、リケーブルでの伸もあった為そのままTier1としました。
最後に、このような素晴らしいイヤホンをレビューする機会をいただきましたHifiGo様に感謝申し上げます。
Appendix
購入リンク
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