ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー:7Hz LEGATO 2DDイヤホン 結論:A15K 低音好きTier1 価格帯最強格の低音モンスター(PR:Linsoul様)

こんにちは

 

今回はLinsoul様からの依頼の7Hz LEGATOという2DD構成イヤホンの簡単なレビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。

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結論:A15K Tier2 参考価格:14820円 低音好きTier1

LEGATOはこの価格帯最強格の低音の品質と量感を持つ高品質なビルドクオリティを持つイヤホンです。駆動力のある据え置きアンプなど、上流を選ぶ傾向はあるのですが美しい筐体から出るパワフルな低音は刺激的で、上位の価格帯でもこの品質の低音体験はなかなかできません。低音だけでなく中音高音も十分な潜在的な音質があり、リケーブルにも対応するため、リケーブルやイヤーピース変更などでチューニング変更の余地もあります。

付属品も充実しており、ケースは高級イヤホン用の様で豪華すぎると言っても過言では有りません。低域に偏ったサウンドバランスと上流機材を選ぶ点、万人受けする中域の品質から人を選ぶチューニングのためTier2にしていますが、機材やチューニングできる環境がある低音好きであれば文句なくTier1の素晴らしいイヤホンです。

Pros(優秀な点)

◎ 価格帯最強格の品質と量感を持つ低音表現力

◎ ビルドクオリティが高く高品位

〇 付属品のケースが豪華で衝撃からの保護力が高い

〇 付属ケーブルの品質が高い上に、リケーブル対応

○ 低音だけでなく高音中音の質が高いため、イヤーピースなどのチューニングも可

○ 無駄の無いパッケージ、イヤーピースの種類も豊富

Cons(微妙な点)

△ 低音の表現力は上流の機材の駆動力に大きく依存する

△ 中音、高音の表現力は並み

△ 筐体がやや大きく重め

△ 付属品のケースがイヤホンの価格に対してでかすぎる

相変わらず分量があるので結論以外は気になる部分をリンクで読んでもらえればと思います。

動機付けなど

モチベーション

Linsoul様からの依頼が主な動機ですが、2DD機種を立て続けにレビュー記事していること、そして7Hzは何かと評判が良い噂を耳にするブランドですが時間をかけて試聴したことが無く、興味があったので2つ返事で受けることにしました。

販路、購入先(サポート)

Amazonで購入できます。

後述しますがメーカーによる12ヶ月保証が付いているようです。

SPEC

販売サイトが一番詳しいでしょうか。

SPEC的に気になる点は2DD構成でなおかつ低域側に12mmの大きなダイナミックドライバを採用している点でしょうか。12mmダイナミックドライバものは今までの傾向上、上流を選びやすい傾向があるので気になるところです。

箱とか付属品とか本体

開封体験

印刷の黒が締まったケースに入って届きます。

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箱を開けるとメーカーロゴが入った大きなキャリングケースが一つだけ入っています。

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中を開けるとイヤホンがきれいに収められています。このケースだけでかなりの金額がしそうです。

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かなりテンションが上がる演出でしょう。
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梱包にムダも無いですし、非常に合理的なパッケージです。

その他の付属品はこんな感じです。が、説明書は英語のみでした。
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マニュアルの最後には12ヶ月の保証について記載があります。Amazonで購入した限りは購入証明が残っていると思いますので自然故障については安心できそうです。

筐体 「両側計14.4[g]」

本体は金属製でずっしりとした重みがあるほか表面加工されており傷などにも強そうです。

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内側、外側にベントがあるほか、内側の球体部分にLRの記載があります。コネクタ周辺に赤マークがありこれは極性が直感的にわかるようになっています。

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フェイスプレートも金属製で同心円状にきれいに加工がされています。質感もかなり良いです。

競合機種との比較

同じ価格帯の競合機種と比べてみました。

左からLEGATO、SeeAudio RINKO、TRI Metor、CCA HM20です。
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LEGATOの筐体が一回り大きいことがわかります。重さも14.4gと見た目ほど重くはありませんがMetorの6.6g, RINKOの8.2g、HM20の11.5gと比べてもやや重めです。

コネクタ 「2pin(0.78フラット)」

コネクタが丸いのでMMCXっぽいのですが端子はフラット2pinです。

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ステム形状 「6.18[mm]」

ステムはやや太めです。金属製のフィルターの奥に目の細かいフィルターが見えます。
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交換用の予備フィルターも付いていますのでせっかくですし、フィルターを取って中を覗いてみました。

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音導管などは無く、大きな空洞が空いています。

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奥を除くと6mmの高域用と思われるドライバが見えます。
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直流インピーダンス 「30[Ω]」

テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは両側平均30.0Ωでした。

ケーブル 「3.5mmプラグ 17.7[g]」

細すぎず太すぎないちょうど良いケーブルが付いているように思います。

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手触りや質感も良く、癖がつきにくい上に見た目もにも強そうです。しなやかに編んであることで高級感もありますし適度な柔らかさでまさにこのクラスとしては十分なクオリティのケーブルです。

直流インピーダンス 「0.4[Ω]」

テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスは両側平均0.4Ωでした。

付属イヤーピース「〇」

2種類あり、3サイズのと5サイズの計8ペア付属しています。

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KBEAR07っぽいのですが若干色が違います。私にはサイズが合わなかったのですがこれだけのサイズがあれば装着できる人が多い様に思います。

使い勝手の評価

クロストークチェック 「無し」

手順*3に従って確認しました。

現実的なボリュームでは気になるレベルのクロストークはありませんでした。

ホワイトノイズ 「ほぼなし」

ややホワイトノイズが出やすいLotooのPaw PICOに繋いで最小ボリュームで聴いてみましたが、音楽のバックにほんの少しだけ聞こえる程度で聴感上記になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。

寝ホン 「△」

本体の厚みが太く向いていません。内側にベントがあるタイプなので鼓膜へのダメージは少ないですが耳に物理的に当たるのでおすすめしません。

外使い(音漏れ、遮音性、タッチノイズ) 「△」

指でステム側を抑えて遮音してみましたが5〜6割ほど音漏れしており、気をつけたほうがよいかもしれません。

ポーチ、ケース

サイズは大きいですが、しっかりとしており、イヤホンを守ることができる構造の他、イヤホン以外のものの収納も可能です。

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intime 翔を入れてみました。

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良い感じですね。ただ、この様な高級イヤホンを持ち運ぶには良いケースなのですが1万円ぐらいのLEGATOの場合は大きすぎてやや過剰な気がします。実際に持ち運ぶとなるとこの大きさでは邪魔だと感じる場面が多く、別のケースに入れて持ち運んでいます。

音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「◎」

約15000円クラスのイヤホンとしてかなり充実した付属品があるうえに、ビルドクオリティが高く満足感が高いです。もちろん高いものをつけるぐらいなら本体を安くしてほしいという要望も理解できますが、後述する音質も良く文句の付けようが無いですね。

 

音質について

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ファーストインプレッション

最初は価格帯も踏まえてxperia10IVを使って試聴したのですが、中庸なドンシャリの音色で悪くないというものでした。付属品とビルドクオリティがとても素晴らしいのでイヤホンはこんなもんかなと思っていたのですが、上流をM17変更すると強烈かつイカれた低音が飛び出して来た記憶は今でも鮮明に覚えています。

低価格帯であればリケーブルしたKBEARの朱雀などが近いイメージで、ふざけた量の低音ではあるのですが中域〜高域もきっちりと鳴っているので、よくよく聴くほどに癖になりそうなサウンドだと感じました。

競合機種との比較について

最近のイヤホンであればSeeAudioのRINKO、ハイブリッドならTRI MetorやKZ ZAR、NICEHCK NX7 Mk4等になろうかと思います。

エージング(バーンイン)

箱出しから100時間ほどAGPTEKのプレイリストループを実行したほか普通に10時間ほど使用したでしょうか。この感で大きな変化は無かった様に思いますがやや中高域の解像度や明瞭度が上がったようにも感じます。また、リケーブル後の低音の質感も良くなった様にも感じます。

試聴環境、上流影響

標準環境*4を使っています。

で色々と使ってみましたが、上流の駆動力、パワーに大きく影響するようです。Xperia10ivなどよりもM17 DCの方が格段に音が良いですし、据え置きだからと言ってもL50でもLowGainでは低音がもやもやしており、ADI2DACfsでもIEM端子ではだめで6.3mm端子で駆動するほうが格段に音が良いです。ポータブル環境ではBTR7でもイマイチで、SoundTiger ConcertoやM17でなければ本領は発揮できないなと思わされる出音です。このため、上流はM17を主体でイヤーピースはSpiralDot++を使っています。


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帯域バランス 「低域重視」

サブベースからベース、ミッドベースまでのどれもが適度に強烈かつエネルギーにあふれるドンが強いバランスです。低域が強い以外の帯域は概ねフラットなチューニングでどこかが際立って少ないということも無いと感じます。

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「◎」

寒暖はほんの少し暖色傾向、明るさはニュートラル、分厚い低音が響く音場を綺麗に抜ける響きを持ちます。音の厚みは概ねニュートラル~やや厚めです。

音色の特徴は馬鹿みたいにパワフルな低音域のエネルギーの空間を、負けじとそれ以外の音色がノリよく彩る点です。

やや暖かみがある低音が音場全体を包み込むのですが、ドライバ性能の高さからか、他の音色はきっちりぼ分離されています。上流をきっちりと整えると低音と高音の音が濁るのではなく低音の鳴り方自体が大きく変化します。

先日SennheiserのIE100Proを購入しましたが、IE100Proは高域の音が全体を支配していたので真逆の印象を受けます。かなり上流は選ぶ傾向はありますが音色のユニークさは評価できるポイントだと思います。

音場(広狭、重心、遠近) 「ー~〇」

価格帯を踏まえると概ね平均的なサウンドステージです。頭の中で横も上下も前後も一般的な広さです。音像はやや近めで、重心の高さは一般的な耳の高さです。

音場全体が低音に埋めつくされる傾向があるので低音好きには堪らない音場とも言えます。一方で自然な音の鳴りかと言われると少し音の場所に違和感がある鳴り方ではあります。

定位、音像 「〇」

低域が音場全体を覆いがちになることを踏まえると素晴らしい音像定位です。とはいえ絶対的な評価となると価格帯としては良いレベルではあります。定位についてはやや中央に寄りがちですし、この低音との両立をどの程度評価するかによって評価は分かれてしまうかもしれません。

解像度、分離 「〇」

解像度は上流に左右される傾向はあるものの価格帯を概ね満足させるレベルに到達しています。特に素晴らしいのは低域の解像度で、この価格帯で随一といってよいかもしれません。

また、分離感も低域に埋もれないことはもちろんのこと、決して広くない音場の中で音像がきっちりと聴き分けることができます。

低域の質について 「◎」

低音の質、量については価格帯随一ですし上位のイヤホンすら食ってしまう可能性がある低域と言って良いと思います。場を覆いつくす様なパワー感たっぷりの豊かつキレの良い低音はもはやモンスターを飼っているいるのではないかと思うほどです。やり過ぎと思えるほどの量感ですが、良質な上流に繋いだLEGATOはアタック、リリース共にキレッキレですし、その音の質感は滑らかでありながら音の輪郭はクッキリとしており、その表現力は舌を巻くというより他ありません。

とは言え、上流の相性、駆動力が足りなければ上記の様な質の良い低域はぼやけてしまい、ぼわぼわとしてダレた量感があるだけの音色になります。直感的に低域の制動が効いていないなという感覚が伝わってくるようです。ぜひLEGATOを聴くのであれば強力な上流を準備して聴くと幸せになれるかと思います。

中域の質について 「〇」

音色が低域に寄っているのですが中域の楽器やボーカルの音色は悪くありません。ある程度の厚みのある音色ではあるのですが低音に負けない質感と解像度です。低域が無いような楽曲でも音の中芯にあって違和感がない程にはバランスが取れています。特に音が近いことで迫力も十分にあります。

ただし、このあたりはEA500やHM20の様な別のタイプのイヤホンが勝っている部分ではあります。ただ、決して悪くないということを再度伝えたいと思います。

高域の質について 「ー~〇」

高域の量感はどうしても低域に負けてしまいがちではあるのですが、十分に表現力が高く、弦楽器などは綺麗な音色を鳴らします。他にも良い点としては女性ボーカルのサ行などの歯擦音は絶妙に調整されており、刺さりはほぼありませんでした。

然しながらどうしても高域が強く目立つ楽器は存在感が少ない上に、定位が中央によりがちで若干気になります。この点が許せれば〇かと思います。

SPL周波数特性測定とか

*5

LEGATO TypeE vs T-EAR

周波数特性を見てわかりますが、左上がりのイカレタ低音ですね(褒め言葉)。

LEGATO vs Metor

LEGATO vs RINKO

先日発売になったRINKOもA15Kで素晴らしい音色のイヤホンなので比べてみました低域は似ていますが、RINKOは高域にかけてよりメリハリがあるグラフになっていますね。

LEGATO vs HM20

HM20に比べて低域が出て、中域が出ていないというわかりやすいグラフですね。

フィルターの有無

LEGATO vs KBEAR 朱雀

3KHz以下はほぼ重なった形状になっていますね。

相性について

ジャンルの得意不得意 「有り」

低音の良さに目覚めさせてくれるようなイヤホンなのでどのようなジャンルも行けると言えば行けますが、定位感が不正確になりやすいので生演奏かつ位置関係がはっきりしやすいオーケストラなどは不向きかと思います。またFPSなどのゲームもあまり向かないかもしれません。

また、低音が強いためジャンルというより使い方に向き不向きが出るイヤホンかと思います。例えば深夜など静かな環境で小さな音量で聴く音楽に最適です。低音が苦手でも音量を小さめで聴く用途ではラウドネス曲線的に良い量感の低音の強さに感じさせてくれます。

他にも強い低音が出ることが多い都会の野外などでは外の低音に負けない低音になりちょうど良い量感に感じる事が多いです。

アンプ(上流)による印象の違いについて 「☓影響大」

前述したように上流には大きく左右されます。ゲインが高い低音の制動が上手いアンプが最適です。スマートフォン直刺しなどでも十分に音量は取れるのですが、量感ばかりで音質にはあまり期待できません。ただそれでもそこまで音が悪いわけではないので及第点ではあります。

ポータブルであればポータブルアンプ、据え置き機材など出来る限り強力な上流機材を準備するとより幸せになるイヤホンです。

イヤーピースによる印象の違いについて

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JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) 

今回のインプレでのデフォルトイヤーピースです。

標準イヤーピース KBEAR07?「ー」

やや横の音場が狭くなり少し音が暖色傾向になることに加えてやや低域なりがタイトで響きが少なくなります。若干ながら全体の音場が詰まった印象でやや暑苦しさが増す印象です。人によってはよりグルーブ感が出ると思うかもしれませんが、個人的にはちょっと暑苦しい印象があります。

TRN TIps T-EAR(超高域重視) 「〇」

装着感が良く、音場を少し犠牲にする代わりに低コストなイヤホンの高域特性を改善してくれる傾向のあるT-EARです。私にはサイズが小さすぎるのでSymbioのオレンジ色のスポンジのみを中に詰めて評価しています。

低域全体の量感が驚くほどに減ってあっさりして細いタイトな音色になります。鈴の音など高域の楽器の主張が強くなるほか、シンバルなどの楽器の表現がよくなる印象を持ちます。

楽曲全体がスッキリとして明瞭になった上で定位感も良くなっているのですが、全体的に音の分離が悪くなった印象もあります。

全体的に普通のイヤホンに近づいた印象で、味変としてこれは有りだなと思わされるのですが、この音であればLEGATOでなくて良くないか?っとも思います。

T-EARはコストが安いこともあり、個人的にはかなり良い変化だとも言えるのですが、サイズの問題もあり、他の感想以上に参考程度に捉えてもらえればと思います。

Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) 「△」

 

SpiralDot++と比べると横と上下の音場は狭く、高域の量感も減る印象です。一般的にW1は音像重心が一歩前方にくて迫力が増す傾向があるのですが、あまり大きな変化が無いように思います。SpiralDot++に比べて低音がややカラッとドライな印象はあるものの深さも減っています。解像度が上がってはいるのですが、高域の涼感が著しく低下し、定位感が失われています。ものすごく悪いわけではないのですが高いイヤーピースですし、あまり交換する価値は見いだせませんでした。

SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「◯」

音場はSpiralDot++までは行きませんが左右上下に広いです。音色がやや暖色傾向になり、若干解像度や解像感が下がります。中域が目立つことで逆に中域がスッキリしている印象がでるのは面白いです。ボーカル用としてはありかと思います。

final TypeE soft(ボーカル艶重視)「◎」

finalストアでイヤピガチャを引くか、final製品(Study1かVR1000か糸竹管弦)を購入することでしか手に入らないTypeE softですが、入手性も上がってきていますので試してみました。

このイヤーピースは基本的には普通のTypeEと同じではあるのですが、普通のTypeEよりも低音が控えめでやや音場が広めで中域のボーカルなどに艶が乗るボーカル重視イヤーピースです。

結果として低音は少し量感が減って質感が悪くなった印象はあるのですが、中域のボーカルの主張が強くなり、すこし艶感が出ます。楽器の定位が広がるため音のバランスとしてはかなり良好だと思います。

音場はSpiralDot++から比べると少し横が狭くなる印象はあるのですが、上下が少し広がり、音の重心も高くなります。個人的には低域が強すぎると感じる場合にはかなり良いバランスに仕上げてくれているように感じます。

 

Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「◎」

女性ボーカルの音色がクリアで透明感は出るのですが、分離が若干わるくなり音が団子になりやすいです。ボーカルの音の感覚は一番自然でリアリティがあるように感じます。刺さり防止についてはもともと刺さりが少ないためかあまり変化がありませんでした。左右の音場はある程度広いですし、低音も量感があるのですが解像度は下がった感覚があります。味変としては有りだなと思わせる変化でした。

日本ディックス COREIRコレイル 「◎」

例の金属イヤーピースを早速つけてみました。結果としては驚くほどに高域が伸びやかになり、バランスの良いドンシャリ傾向に近づきました。シンバルやチャイムの高域の金属音がきれいに伸びるということは無いのですが、中域の音の厚みが増してきれいに伸びます。低域に締まりが出て存在感が少なくなります。特に中域の表現が見事ですし、ヌケ感が良く開放的です。本当に同じイヤホンなのかと思えるほどの変化で、これはこれで有りだと思える音色です。

高いイヤーピースではありますが払う価値を感じさせる音色の変化ですね。

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まとめ

結論としてイヤーピースでも音は変わるイヤホンですね。個人的には今回標準で使ったSpiralDot++が低域重視、COREIRが中域重視で相性が良いように感じました。

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

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注意:

リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。

このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。

幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。

M17 "AppleMusic" -> 「    」-> イヤホン -> SpairalDot++

JSHiFi 藍魔(RANMA) 「◎」

JSHiFiのミドルハイクラスの新ケーブルです。解像度が極めて高く、一枚膜が取れたかのようなクリアな音色になります。低域の量感が若干減り、中域から高域にかけてやや強くなることで全体のバランスがフラット寄りに近づきます。

特に素晴らしいのは中域で音色の滑らかさ生々しさ、エネルギー感、低域にしかなかったモンスターのパワーが中域に変わったかのような感覚があります。

音場の広さはほぼ同じでしょうか、全体として定位の位置関係がはっきりとするようになり弱点が減る方向です。標準ケーブルのイカれた低音モンスターは少しだけなりを潜めてしまうのですが、全体の傾向として完成度が高い方向でかなりの好相性だと感じます。

Yongse Expert AgMax8 「◎」

一聴してわかる超高解像度ケーブルなのですが、華やかで明るい音色になります。一方で低音は若干量感が減ってしまいます。特に中域から高域までの表現力が大きく上がることでフラットに近づきオールラウンダーとなります。藍魔と方向性は近いのですがAgMax8のほうが解像度が高く、音が明るいこと、音の前後の立体表現がうまいことが違いとして挙げられます。

Yongse AgMax8 「◯」

約5Kという価格の純銀ケーブルとして有名になりつつあるAg8を付けてみました。

解像度大きく上がり、音色はやや明るめに帯域バランスは概ねそのままでしょうか。中域~高域がややつややかで華やかさがある音色です。

気になるのは横方向の音場が少し狭くなる点でしょうか。分離も良く音像も明瞭で個人的には良いサウンドだと感じます。

NICEHCK FourMix 4.4㎜ 2pin「◎」

日本Amazonにも遂に登場したFourmixケーブル、最初の限定とは一体何だったのかと思わせるケーブルなのですが、とにかく低音の質が素晴らしいケーブルです。

音色の変化としては標準ケーブルのパワーをよりもっと激しく強くしたような音です。低音はより圧を強くした上で低音の質感も向上します。まるで激しい低音の生のエネルギーに触れるような感覚で見えるのではないかと思うような低音です。この低音はヤバい、病みつきになる、、、っと体が警告を発するようです。

帯域バランスとしては変わりませんが、低音だけでなく中域高域も一弾以上解像度が上がり怪物と対峙したときの身震いのようなものを感じます。

音場としては左右については若干狭くなった感覚はありますが前後の音色の立体感が出ることであまり狭さを感じさせません。

ケーブルの価格は高額ですが、それを満足させられるほどに素晴らしい音色だと感じました。

NICEHCK BlackCAT 4.4mm 2pin「◎」

 

一聴して感じるのは広大の音場です。解像度は高くないのですが解像感が高い上に音の輪郭はしっかりするので音の分離がさらに良くなり、音場が広くなり音が纏まらなくなることで定位がしっかりとします。音色はやや暖色傾向になります。また、中域、高域の音もしっかりとするので安めのケーブルではありますが、標準ケーブルから変化も大きく良相性だと感じます。

JSHiFi 銀月 4.4mm 「ー」

 

ボーカルや中域〜高域の楽器の主張が強く、音像が近くなった上に音がやや丸くすべらかになります。横の音場はやや狭くなります。

ボーカルは適度な余韻を感じさせ明るく解像度も高めでしょうか。ボーカルの印象を強くさせている部分はあり、Ag8と比べて近い傾向で、低音を減らしたいならば銀月だと感じます。

 

まとめ

こうやって試してみると標準ケーブルは低音を増強する方向性のケーブルであったとことがわかります。そして標準ケーブル変更したほうが音質的には有利だと感じられる傾向が強かったのも事実です。特にBlackCATなどはお手軽に大きく音の傾向を変えられるので試してみると良いかと思います。

絶対的な音で言えば、万人向けにはAgMax8が合いましたし、低音依存症向けにはFourMixがイカれていました(笑)。

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音質の総評、所感(2023.04.08追記)

当然ケーブルは標準構成となりますが、個人の主観的な好みで言えば85点、私が客観的だと思う好みの点数としては88±6点です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはA15KでTier2としました。

ピーキーさがあるイヤホンですのでTier1やTier3とも迷ったのですが1万円台はまだ初心者が買いがちな値段帯で、極端な低音よりチューニングであることや、あまりにも駆動力のある上流を選びすぎるためTier2となりました。なので低音好きにはTier1と相違ありませんし、一般人にはTier3になってしまうかと思います。もちろんこのため上流が整っておりリケーブルした筐体のTierは文句なく1です。尚、同じようなKBEARの朱雀があの価格帯ではイカレタ随一の表現力を持っていますがTier3としているのは価格帯が更に下のA3Kであるためで、一般人にはとても勧められるイヤホンではないと思うからです。

ぜひ朱雀もLEGATOもリケーブルもして強い上流で楽しみたいイヤホンです。最高の低音体験ができます。

 

参考にざっと競合機種比べた印象を書きますと

vs SeeAudio RINKO(暫定Tier1)

el-snow.hatenablog.com

低音の表現力はLEGATOが勝っていますが、それ以外の帯域である中域、高域の表現力は大きくRINKOが上回る印象です。スッキリとした音の印象でありながら、超高域まで綺麗に表現する音色は、解像度や音場表現や分離、多くの場面でRINKOが上回ると感じるアドバンテージを持っています。

一方でRINKOは海外ではBASSHEADとまで謳われていますが、なんだかんだでWバランスのRINKOに対して低音寄りのLEGATOでは低音の量、質、共にLEGATOに分があります。体のそこから低音が好きな方にはLEGATOの方がおすすめできます。

 

vs TRI Metor(暫定Tier3[Recable2])

Metorのアドバンテージは中音高音の透明感や解像度、音場表現です。聴き比べるとMetorがスッキリと聴きやすいことがわかります。

一方でMetorはこのイヤホンでなければという強い個性を持つものではありませんが全体の完成度としてはMetorの方が万人受けするサウンドバランスを持っています。

LEGATOはやはり圧倒的な個性がある低音を活かすリケーブルをすることで発揮されるのでその点を踏まえてある種のピーキーさがあります。RINKOと違いフラット傾向なのでこちらも万人受けするバランスです。どちらにしても低音好きにはLEGATOですね。

vs KZ ZAR(Tier3[Recable2])

el-snow.hatenablog.com

低音の解像度以外は概ねZARの方に分があるかと思います。一方でWバランスのZARは概ねオールラウンダーです。リケーブルについても中域や高域の質が上がる傾向のあるZARに対して、LEGATOは低音の質を含めて全体の質が上がっていく印象です。

 

vs NICEHCK NX7 Mk4(暫定Tier2)

el-snow.hatenablog.com

RINKO同様にWバランスのNX7MK4ですが、リケーブルしていない状態ですとやはりピーキーなバランスですし高域が強すぎると感じる人も多い様です。リケーブルやイヤーピースなどを好感して楽しむ方にはNX7MK4もよい選択肢になりますが、低音好きにはやはりLEGATOでしょう。

 

vs KBEAR 朱雀(Tier3[Recable1])

el-snow.hatenablog.com

かなり音の傾向が似ていると感じる朱雀ですが、高域がやや朱雀の方が強めで主張がはっきりとしています。クラスが違いますので低音の質はLEGATOが上です。尚、朱雀はリケーブルがほぼ必須ですが、LEGATOは推奨れべるです。朱雀が気に入った人などはステップアップする上位機としておすすめできるイヤホンです。

 

こうして競合の機種と比べても、低音という唯一無二の武器を持っているのがLEGATOの強みです。

Appendix

購入リンク

 

el-snow.hatenablog.com





*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去

*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去

*3:

ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします

*4:

M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

iphone12"AppleMusic" -A1749->  -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

GV301"AppleMusic" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++

Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル->  イヤホン -> SpairalDot++

*5:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み