こんにちはゆるふわオーディオのすのーです。
今日はHiFiGoさんより依頼の1DDイヤホン「DUNU Kima Classic」のレビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。
尚、リケーブルでの相性確認はWiseTech様のご厚意にてお借りしたNOBUNAGA Labsのケーブルを使わせていただいております。
結論:A15K Tier2 参考価格:12,976円 (A10K Tier1)
Kima Classicは万人が好むドンシャリのサウンドチューニングと高いビルドクオリティ、個々の要素でも平均的に高い水準を併せ持つオールラウンドイヤホンです。音場も広く解像度も高めで、定位や分離なども良く表現されていますし、低音から高音までどの音色もバランスよく鳴らしてくれるので音質では欠点らしい欠点が見当たらないところがポイントだと思います。またケースからイヤーピースの量まで付属品も素晴らしいですし、本体の仕上げも綺麗で傷もつきにくく、ビルドクオリティも高いです。
気になったのは本体とケーブルをあわせた重さが40gとやや重いことぐらいでしょうか。A15KではTier2になりますが、A10Kクラスで比べるとTier1レベルとかなり上手に仕上げてあるイヤホンです。特に全体的にレベルが高いことや付属品でほぼ完結するので特に1万円クラスで幅広く使える1本を探している初心者などにお勧めです。
Pros(優秀な点)
○ バランスが良く万人受けするドンシャリチューニング
○ 平均的にレベルが高い
○ 意匠も所有欲を満たしてくれるデザイン
○ 標準ケーブルとの相性も良い
○ リケーブルによるサウンドチューニングの余地がある
○ 欠点らしい欠点が少ない
Cons(微妙な点)
△ ケーブルと本体がやや重い
ー 強いて言えば派手さが無いので玄人受けしずらい
ー 強いて言えば少しだけケーブルが太い
量があるので結論以外は気になる部分をリンクから読んでもらえればと思います。
- 結論:A15K Tier2 参考価格:12,976円 (A10K Tier1)
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について
- SPL周波数特性測定とか
- 相性について
- 競合機種との比較
- 音質の総評、所感
- Appendix
動機付けなど
モチベーション
HifiGo様からの依頼ではあるのですが、100$クラスのDLC 1DDとのことでDUNUは1DDを持っていないこと、そして女性キャラクターの「キモ!」発言的なイメージも気になっていたのでその派生版のこちらは受けて見ることにしました。
販路、購入先
ヘッドホン祭りで展示していましたので一般販売もあるかもしれませんが、今のところAmazonのHifigoから購入できます。
保証、サポート「メーカー2年保証」
日本語表示はありませんが、中国語で2年保証と書いてあります。国内有効であれば保証が適用されるはずです。
SPEC
基本的にあまり気にしない方ではあるのですが、DLCコーティングのダイナミックドライバが特徴です。
箱とか付属品とか本体
開封体験 「○」
CRIZ FACTIONの意味は調べたのですが良くわかりません。直訳だと派閥の危機?とかになるのでしょうか?
マニュアル 「あり、中国語のみ」
筐体 「両側計.[g]」
ビルドクオリティは非常に高いですね。やや重めですがサラサラした手触りも良く印刷も綺麗です。SIMGOT EA500などと違い、傷や汚れも目立ちにくい仕上げは好感が持てますね。
内側にはLRの刻印がありますね。
コネクタ 「フラット2pin」
ステム形状 「6.18-5.55[mm]」
ステムは金属製でフィルタも付いています。やや径は大きめでしょうか。
直流インピーダンス 「27.8[Ω]」
テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは左27.8、右27.8Ωでした。
ケーブル 「2pin+ 3.5mm3極プラグ+6.3mm変換 25.5[g]」
やや太くごつごつとしてますがしなやかで適度なコシがあって手触りも良いケーブルが付属しています。25g超えはやや重めでしょうか。
やや太めのケーブルで、硬くしっかりとしています。いっぽうで意外と癖が付きにくく柔軟性があります。手触りはややごわごわしていますが滑らかさもあり好印象です。若干癖が付きやすそうな点はマイナスですがかなり良質なタイプだと思います。
尚、自社製デザインの6.3mm変換プラグも付属しています。このプラグが付いている場合は上流にはパワーがある方が好印象なことが多いです。
直流インピーダンス 「0.4[Ω]」
テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスはHOT、COLD共に0.4Ωでした。
1万円近辺のイヤホンのケーブルとして十分だと思います。
付属イヤーピース「3種類3セット 合計9ペア」
流石100$クラスでしょうか、イヤーピースの種類は豪華です。新作の円筒のイヤピースも付いています。
ただ、残念ながらどのイヤーピースも自分にはフィットしませんでした。
使い勝手の評価
ホワイトノイズ 「ほぼなし」
ややホワイトノイズが出やすいM17のMaxGainヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみたところ、小さくホワイトノイズありました。ただかなり小さいのでほぼ気にならないレベルだと思います。
寝ホン 「○」
本体がある程度薄く、小さいので寝フォンに向いています。ホワイトノイズが大きくない点も優秀ですね。
音漏れ、遮音性 「2割程度」
指でステム側を抑えて遮音してみましたが2割ほど音漏れしており、大きくはありませんが静かなところで大ボリュームで使うには気をつけた方が良いです。
タッチノイズ 「一般的な範囲」
ポーチ、ケース 「ハードケース」
しっかりしたがケースがついていますが、気になるのはケースが30度ほどしか開かない点でしょうか。収納や取り出しは少し扱いずらい点があります。尚、他にもクリーニングクロスが付いています。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「◎」
14000円(100$)のイヤホンとしては十分な付属品だと思います。欲を言えばイヤーピースのサイズ展開はもう少し増やしてもらえなければ装着できません。尚、ここで言う装着は100%フィットするということで、私も普通に聴くだけであれば一応問題ありません、けれどイヤホン製作者の狙ったチューニングを聴くという意味ではどうしても隙間ができたりすると本来の力を発揮できていません。
脱線しましたが、本体の意匠は独特かつビルドクオリティも高いので素晴らしいと思います。
音質について
ファーストインプレッション
el-snow.hatenablog.com先にヘッドホン祭りで聴いてしまったのですが、ファーストインプレッションとしては普通に良いイヤホンだなというものでした。というのも激しい突出した魅力的な部分も無ければ目立った欠点もわからず、上手くオールラウンダーに仕上げて来たなと感じました。
競合機種との比較について
同価格帯Tier1機ではS12やRinkoなどがライバルになりますね。同じDLCであればAria Snow、EA500、KATOなどが上下の価格帯にいますね。
今回は近くにあったEA500やKATO、Aria Snow、 KBEAR Auroraなどと比較してみようと思います。
エージング(バーンイン)
箱出しから100時間ほどAGPTEKによるプレイリストループでエージングさせた他、通常の使用として計10時間程度使用しました。
試聴環境、上流影響
標準環境*3を使っています。
M17DC, BTR7,Xperia10iv等、色々と使ってみましたがそれなりに上流に依存するようです。価格帯としてはBTR7クラスを基準にするのが良いのかと思いますが、6.3mmジャックが付いている事も考慮して今回はM17を基準に聴き込みました。
帯域バランス 「弱ドンシャリバランス」
弱ドンシャリの大衆受けするチューニングです。低音から高音まで過不足なく鳴らしてくれて、どれかが目立つという事が無いのですが逆に言えばどの帯域にもフォーカスを当てやすくオールラウンドに使えると感じるバランスです。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、湿度、厚み) 「○」
寒暖はほぼニュートラルですがやや寒色よりでしょうか。明暗は少し暗め、響きは一般的な量感の響きがあります。粘度は少し低くさらっとしています。湿度はややドライで、音の厚みは少し太めですが音像が広がるタイプではないのですっきりとしています。
音色の特徴はニュートラルさを感じる弱ドンシャリの王道チューニングバランスでしょう。強く秀でた特徴も無ければ酷く気になる欠点も無くA15K、100$クラスで見事なリスニングバランスにまとめられてると感じます。
個人的にはA15Kで使いやすいバランスのオールラウンダーは何かと言われたら真っ先にこのイヤホンが浮かびそうなぐらいニュートラルに纏められていると感じます。
音場(広狭、重心、遠近) 「○」
上下、左右、前後の奥行きはやや広めで優秀なサウンドステージです。音像はやや近めですが適度な距離感です。高さは少し高めでおでこのあたりで定位する楽曲が多めです。
競合のイヤホンと比べても音の広がりも適度にあり、上手く纏め上げらています。Aria Snowはやや前後に乏しかったりしますしAuroraは左右に著しく狭かったりするのでどちらかと言うとKATOやEA500に近い音場感です。
定位、音像、分離 「○」
価格帯として良い音像定位の良さと分離感かと思います。広い音場に音像が様々な位置で鳴りますので、1つ1つの音の聴きやすさも素晴らしいです。
競合イヤホンと比較してもかなり優秀で、EA500やKATOに近い鳴り方だと思います。
解像度 「○」
価格帯を概ね十分に満足させるレベルかと思います。競合イヤホンのイヤホンと比べても十分に高い解像度を持っており一線級です。
低域の質について 「○」
低音の量感については深いところからしっかりと出ており、パワフルさと重みと厚みがあります。LEGATOの様な低音好きが手放しに誉める様な量感ではないのですが、一般的A15Kクラスとしては十分な低域表現です。スピード感や音の立ち上がりも一般的なレベルで十分な表現だと感じます。
中域の質について 「○」
中域の量感は一般的な範囲です。適度な音の近さと解像度の高さもあり音の描写が細かく、この価格帯でしっかりした表現レベルを確立していると思います。弱ドンシャリではあるのですがしっかりと中域の表現力もあり、上手く纏められています。
当然ながら上位の価格帯のイヤホンと比べればややあっさりとしており、KATOなどの良く響き余韻たっぷりな表現と比べれば物足りない部分もありますがその差は大きくありません。
高域の質について 「○」
高域の量感は適度にあり、十分な表現力でやや近い距離感の高域表現です。女性ボーカルのサ行などの歯擦音の刺さりは感じさせないバランスもうれしいポイントでしょうか。
やや明るい音色になりがちな音もありますが、音の描写も細かく価格帯を踏まえると十分な表現力です。
SPL周波数特性測定とか
左右差
偶々あたりが良かっただけかもしれませんが、素晴らしい左右マッチングでした。
vs SIMGOT EA500
比べるとKimaClassicはサブベース域が強いですね。
vs 水月雨Moondrop KATO
中域とサブベース域が強いですね。
vs CCA HM20
比べるとHM20の低音の強さ高域が更に強く、HM20のドンシャリ具合が良くわかります。
相性について
アンプ(上流)による印象の違いについて 「普通」
より良い上流を使う事でより良い音が楽しめるイヤホンですが一般的な範囲です。6.3mmプラグが付いているので覚悟したのですが特に鳴らしずらいということは無い様です。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)
注意:
リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。
このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
M17 "AppleMusic" -> 「 」-> イヤホン -> SpairalDot++
尚、今回はWiseTech様からNOBUNAGA Labsのケーブル5種類「CASSINI AXIS」「瑞鳳 颯」「BRAHMA」「MORPHEUS」「CEPHALUS」をお借りしました。2PINとMMCXの違いのみのCASSINI AXIS、瑞鳳 颯を除いてそれぞれの相性を確認してみようと思います。尚、本イヤホンはPentaconnのためくみたてラボの2pin変換を使用しています。
NOBUNAGA Labs entry CEPHALUS ケファルス 「◎」
エントリーシリーズとのことで比較的低価格なNOBUNAGA Labsの錫めっきケーブルです。
音色の変化は、中域から高域にかけて晴れやかな明るさと適度な響きや余韻が出てくれます。特にボーカルやアコースティックギター等の中域の音色が空間広がるなのでとても楽しい音色になります。
解像度は概ね同じですがほんの少し上がる感覚があります。開放的で抜け感が出る点も秀逸で兎に角気持ちよい音色です。
個人的にはかなり好きな方向の変化で、使い勝手も良くなり音色も良いということでケファルスのレベルの高さを感じます。
NOBUNAGA Labs entry MORPHEUS モルフェウス 「ー」
エントリーシリーズとのことで比較的低価格なNOBUNAGA Labsの銀めっきケーブルです。
音色の変化はやや明るくなりやや解像度が上がります。音軽くなりスッキリさっぱりとするのですがケファルスと比べると何か物足りない感覚になります。全体的に音の厚みが減って細くなる傾向があるのでその方向が好きな方には合う様に思います。
個人的に本体の半分ほどの値段のケーブルだと考えるとケファルスの方が良い変化だと感じます。標準ケーブルからの変化は少ないので標準のまま使い勝手を良くしたいという場合には良いと思います。
NOBUNAGA Labs CASSINI AXIS カッシーニアクシス 「○」
4月29日に発売になりました錫メッキ8芯ケーブルです。4芯の方はレビューしておりますので良かったら参照ください。
解像度、音の質感が大きく向上し、ややウェットになり、音量が上がります。音像はやや下がり標準的な高さに変わり、ほんの少し近づくことで迫力がでます。
低音の音の存在感が増してドラムやベースなどの楽器の表現力が大きく強化されます。量感は増すのですが他の帯域に被ることも無く見事な鳴らし分けだと実感します。音ひとつ一つに密度感があり、しっとりとした落ち着きがでくれる点も大きな変化です。
高域の楽器はやや音像が下に下がるのですがキラキラとした音色がはややデッドな雰囲気を纏いますが、質の良い音色なので個人的には好きです。
やや重い音色になってしまう点は人を選ぶかもしれませんが良い相性だと感じます。音色だけで言えば◎なのですがイヤホン本体の値段を超えてしまうので○としています。
NOBUNAGA Labs BRAHMA ブラフマー「○」www.wisetechdirect.jp
解像度が上がり、明るく透明感が出て明瞭な音色に変化します。特に変化が大きいのは低音の量感ですっきりさっぱりで存在感が減ります。響きは少ないのですが開放感が増して中域高域の量感が増えたように感じます。
全体的に優しい音色になりますが、定位や音色の描写も上手く音と音の間の表現が上手いと言うと良いでしょうか。
中域や高域の主張が強くなることでボーカルも映えるイヤホンに変化したように感じます。特に女性ボーカルなどの透き通る表現に楽しいドンシャリというバランスでいて、さらに聴き疲れしにくいという絶妙なバランスです。個人的にこれもかなり好きな音色です。音色だけで言えば◎なのですがイヤホン本体の値段を超えてしまうので○としています。
NICEHCK FOURMIX 4.4mm 2pin「〇」
解像度があがり低音の量感が増えます。若干横と縦の音場は狭くなる感覚があります。音色はややすっきりはっきりとした方向性に変化します。中域、低域の密度と細かさが上がり、表現力が大きく拡張されて迫力がます。デメリットも少し見えますが、低域の良さを引き出す相性で悪く無い良い様に感じました。
NOBUNAGA Labsの高級機と比べるとやや物足りないかも知れませんが解像度で言えばほぼ同レベルで、コストパフォーマンスを考えるとそこまで悪くありません。
標準ケーブル 「ー」2点
こうやって比べてみると標準ケーブルは解像度があまり高くない点は少し気になりますが音場も広くKima Classicとの相性は悪くありません。
とはいえ、伸びしろが十分にあるイヤホンでしたので標準の音色が気に入らなかったのであれば交換を推奨したいです。
まとめ
個人的に標準ケーブルは上手く纏められているのでコスパで言えば交換しないことがベストだと思います。音質重視で言えばCASSINI AXISか BRAHMA を、使い勝手重視ではCEPHALUSオススメしたいです。
イヤーピースによる印象の違いについて
M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「」
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視)
今回のレビューでのデフォルトイヤーピースです。
Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) 「○」
SpiralDot++と比べると横の音場は狭くなりますが、中域と中低域の迫力が増して解像度が一段上がる感覚です。低音〜中音までの量感が増える他、ビビッドでパワフルな音色になります。音像重心が一歩前方に来て迫力が増す点も良い点ですね。
音の分離感が良くなり解像感(音色のコントラスト)も上がりますし音の細かさとしての解像度が上がりそこそこ良好な相性だと感じます。
SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「◎」
←現在はなぜかイヤホンセットの方が安いです
素晴らしい相性です。音場はSpiralDot++までは行きませんが左右上下に広いです。音色がやや暖色傾向で、中低域と中域に厚みがでることで主張が強くなります。
定位や音像の広がりなども自然でかつ音の分離も良好ですが、低音の圧が更に上がる点は人を選ぶかもしれません。
final TypeE soft(ボーカル艶重視)「△」
finalストアでイヤピガチャを引くか、final製品(Study1かVR1000か糸竹管弦)を購入することでしか手に入らないTypeE softですが、入手性も上がってきていますので試してみています。
このイヤーピースは基本的には普通のTypeEと同じではあるのですが、普通のTypeEよりも低音が控えめでやや音場が広めで中域のボーカルなどに艶が乗るボーカル重視イヤーピースです。
音場は左右はほぼ同じかやや狭いのですが上下に広がり、音像の重心は高くなります。低域の量感は減ります。質感が軽くブーミーさが出てしまいますが、中域のボーカルが明るいことや音場が広く高い点は素晴らしいと感じました。音の厚みを減らしたい場合は良いかなと感じます。
Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「○」
女性ボーカルの音色がクリアで透明感がでるでしょうか、音像は少し近くなり迫力が出ます。音色が中域の表現力が良く凹みがちだった中域に焦点があたりやすくなります。全体として音の纏まりが出てグルーブ感が出る気がします。一方で分離感などは悪くなるのでここはトレードオフでしょうか。
刺さり防止についてよくわかりませんでした。。
まとめ
結論としてイヤーピースでも大きく音が変わるイヤホンです。サイズの都合で標準イヤーピースは試せていませんが音色が合わなければ社外のイヤーピースも色々と試す価値があるイヤホンだと感じます。
尚、今回試した中ではEarfitMax、清泉、SpiralDot++が気に入りました。
競合機種との比較
vs SeeAudio x Z Reviews Rinko
概ね良い勝負ですがRinkoの方がややドンシャリでWチューニングであることを意識させられます。Rinkoの方が鳴らしずらく、上流を要求する点は注意ですが概ねRinkoの方が個性がある音色でイヤホンを沢山持っている人ほど受けが良い様に思います。中域の解像度や表現力はKima Classicの方が上でしょうか。ドライバ構成が根本的に異なるので音の傾向で選べる範囲です。
vs SIMGOT EA500
解像度や音場の広さなどは非常に良い勝負でほぼ互角と言って良い出来栄えです。低域が強く音が太いのがKima Classicで低域が少な目で中高域が伸びやかなのがEA500でしょうか。この2機種で悩んでいるのではればどちらを選んでも後悔は少ないと思います。強いて選ぶ指針も上げれば低域が好きならばKima Classicで高域が好きならばEA500です。他にも付属品が少し豪華なのもKima、フィルタで音質チューニングができるのがEA500ですね。
vs Moondrop KATO
流石にA30K価格帯で上のクラスなので中高域の音の鳴らし方、響きが上品で余裕があり、Kima Classicとは差を感じます。KATOは筐体の重量と物量で美音を意識した音色を作っており、ケーブルを含めて付帯音の多い音色なので、素直な鳴らし方という点ではKima Classicの方が分があるかと思います。EA500同様にケーブルを揃えてしまうと大きな差ではないのでコスパはKima Classicに分がありあすが、その差に価値があると思えればKATOを買って後悔しないと思います。
vs Moondrop AriaSnow
比較機種の中では一番安いこともあり、解像度や音の定位感などではKima Classicの優位を感じます。AriaSnowは付属ケーブルの品質が今回比較した機種の中で一番見劣りするので、その点もディスアドバンテージになっています。特別な思い入れが無ければKima Classicの方をおすすめします。
音質の総評、所感
個人の主観的な好みで言えば84点、私が客観的だと思う好みの点数としては91±6点です。A15Kという価格帯と音のレアリティ、ユーザビリティを考慮した総合的なランクはTier2としました。A10Kとの境目の価格で微妙なラインなので非常に迷いました。もしセール等でA10K価格帯になればTier1レベルだと感じます。
この価格帯のイヤホンでかなりバランス重視のオールラウンドに使えるイヤホンと感じます。またケーブルや付属品などもバランスが良く仕上げてあり、全方位に死角が無い素晴らしいイヤホンに仕上げてあります
もちろん価格次第ではあるのですが10K付近の値段に落ち着けば定番機種として愛される機種になりそうです。
最後に、このような機会をいただきましたHifiGo様に感謝申し上げます。
Appendix
購入リンク
*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*3:
M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
iphone12"AppleMusic" -A1749-> -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->A90->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->E50->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
GV301"AppleMusicプレビュー" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" ->SHIO -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
*4:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz