こんにちはゆるふわオーディオのすのーです。
今日はLinsoulより依頼の2DD2BA1PZTイヤホン「RAPTGO BRIDGE」のレビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。
尚、リケーブルでの相性確認はWiseTech様のご厚意にてお借りしたNOBUNAGA Labsのケーブルを使わせていただいております。
結論:A20K Tier1 参考価格:22,780円
RAPTGO BRIDGEは万人が好むドンシャリチューニングに纏めつつ、卓越した解像度と分離感と音像表現を持つイヤホンです。2DD2BA1PZT+2SWという常軌を逸した変態ドライバ構成ながら平均的にレベルの高い纏まりの良いサウンドを持ちます。2個(4種類)のスイッチや3種のフィルターにより12種類のサウンドチューニングギミックがあり、音場表現を細やかに調整できます。当然リケーブルやイヤーピースなどでのサウンド調整の余地もあり、保証も1年ついています。ケースや本体のデザインと盛大に音漏れする構造は人を選びやすいので注意が必要ですが、全体の音作りは非常に優秀です。
特に価格帯を踏まえると上位価格帯に迫る解像度や音場表現、真に迫るようなボーカルなどの中域表現は秀逸で、聴きごたえがあります。デザインさえ気に入れば幅広い層にオススメできるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ 卓越した分離感、解像度、音像表現
○ バランスが良く万人受けするドンシャリチューニング
○ 平均的に音質レベルが高い
○ SWとノズルによるサウンドチューニングが可能
○ リケーブルによるサウンドチューニングの余地がある
○ 1年保証、付属品半年保証
ー ユニークな意匠
ー ピエゾを搭載しながら超高域が強すぎない
ー意外と上流を選ばないが、伸びしろもある
Cons(微妙な点)
△ ケースがやや使いにくい
△ ハイブリットらしい音で、音がスッキリ整理され過ぎて音の厚みや纏まりが欲しいと感じる人もいるバランス
△ 音漏れが多い
ー 強いて言えば人を選ぶ筐体デザイン
ー 部品点数が多いので初期不良対策としてAmazonPrime倉庫購入がおすすめ
量があるので結論以外は気になる部分をリンクから読んでもらえればと思います。
- 結論:A20K Tier1 参考価格:22,780円
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について
- スイッチによる変化
- フィルターによる変化
- SPL周波数特性測定とか
- 相性について
- 競合機種との比較
- 音質の総評、所感
- Appendix
動機付けなど
モチベーション
Linsoul様からの依頼ではあるのですが、200$クラスで2DD2BA1PZT+2SWとのことで、少し前に発売になったGEEKWOLDなどのイヤホンなども(視聴レベルですが)良かったので気になって受けてみました。
販路、購入先
AmazonのLinsoulから購入できます。
できれば何かあったときのサポートが充実しているプライム倉庫発送になっているグリーンがお勧めです。プライム倉庫発送は初期不良などの際の交換や返金がスムーズです。中華イヤホンはプライム倉庫以外は海外発送の事も多く、付属品が不足していた等、何かあった際のサポートで長く時間を待たされることになることが多いです。先日Twitterでも議論になっていましたが、そういう使い方というより、無駄なリスクを取る必要は無いので中華イヤホンなどの海外商品を買う場合はプライム倉庫の商品を買うことをオススメします。当然ながら不具合も無いのに返品すると最悪アカウント毎凍結される可能性もありますので絶対にそのような真似はしないように注意してほしいかと思います。
保証、サポート「本体1年、ケーブル半年保証」
日本語表示はありませんが、英語で2年保証と書いてあります。国内有効であれば保証が適用されるはずです。
SPEC
基本的にあまり気にしない方ではあるのですが(なんか最近嘘っぽくなってきましたねw)、2DD2BA1PZT+2SWが特徴です。
箱とか付属品とか本体
開封体験 「◎」
Amazonでの購入につくかはわからないのですが初回500台限定で帽子が付く様です。正直よくわかりませんw。
裏側です
外側ケースを開けるとほぼ同じサイズのキャリングケースが入っています。この中に全てのものが収まっている合理的な梱包ですね。
イヤーピースやらフィルタやらスイッチ用のピックなどが入っています。
マニュアル 「あり、英語、中国語のみ」
しっかりとスイッチやフィルターについての説明が書いてあります。ただ、スイッチについてはON側がどちらになっているかの記載が無いです。多分ON側がHighなのでしょうか。
真面目に2万円するイヤホンでもノズルについての説明が無い場合も多く素晴らしいと思います。
筐体 「両側計13.6[g]」
ビルドクオリティ良いですね。変わった意匠ですが細部まで粗さががなくしっかりと作り込まれています。水月雨のKATOなどと違い、傷や汚れも目立ちにくい仕上げは好感が持てますね。
側面にはシリアルナンバーの他にLRの刻印がありますね。
コネクタ 「フラット2pin」
ステム形状 「6.6-6.15[mm]」
ステムは金属製で先端にフィルタが付いています。やや径は大きめでしょうか。ネジ式で取り外せます。
内部にはBAが1つ見えます。
フィルターは3種類で、同じ部品に見えますがよく見ると内側の素材の粗さが違っています。
下から光を透かせるとゴールドだけが濃いのがわかりますでしょうか。
ちなみに私は最初届いたものが全く同じフィルターの不良品が混じっており、メーカーに伝えて正しいものを送り直してもらいました。こういった場合でもプライム倉庫発送で購入していると対応が早いので安心できます。
直流インピーダンス 「32.8[Ω]」
テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは左32.7、右32.9Ωでした。尚、スイッチで抵抗値は変化します。
ケーブル 「2pin+ 3.5mm3極プラグ 13.6[g]」
手触りはやや粘着質であまり良くはありませんがしなやかで扱い易いケーブルです。
Amazonの販売ページには「2.5mm/3.5mm/4.4mmプラグ選択でき」と記載があるのですが3.5mmしか選べないようですね。
直流インピーダンス 「0.6[Ω]」
テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスはHOT、COLD共に0.6Ωでした。
2万円近辺のイヤホンのケーブルとしてはやや大きい抵抗値ですね。
付属イヤーピース「3種類3セット 合計6ペア」
イヤーピースの種類は豪華ですが、3サイズしかなく、どのイヤーピースも自分にはフィットしませんでした。
使い勝手の評価
ホワイトノイズ 「ほぼなし」
ややホワイトノイズが出やすいM17のMaxGainヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみたところ、高域を中心に小さくホワイトノイズありました。ただかなり小さいのでほぼ気にならないレベルだと思います。
寝ホン 「△」
本体ある程度厚みがあるのですが、小さいので寝フォンに向いています。ホワイトノイズが大きくない点も優秀ですね。
音漏れ、遮音性 「7割程度」
指でステム側を抑えて遮音してみましたが7割ほど音漏れしており、ほぼ外側にも漏れていると考えて良いです。静かなところで大ボリュームで使うには気をつけた方が良いです。
タッチノイズ 「一般的な範囲」
ポーチ、ケース 「ハードケース」
豪華なハードケースが付いています。
裏側はこんな感じ
問題はイヤホンの収納で、このようにイヤホンのステムを上にするとケースの蓋がしまりません。
こんな感じにしてやる必要があります。少し面倒です。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「◎」
A20Kのイヤホンとしては十分な付属品だと思います。欲を言えばイヤーピースのサイズ展開はもう少し増やしてほしいこと、イヤホンの収納のためにケースの形状にもうひと工夫ほしかったです。
本体の意匠は独特かつビルドクオリティも高いので素晴らしいと思います。
音質について
ファーストインプレッション
ファーストインプレッションとしては変態構成とは真逆で普通に纏まった素晴らしいイヤホンというものでした。
競合機種との比較について
同価格帯Tier1機ではLETSHUOER S12(Pro Z12含む)や水月雨 Moondrop KATOなどがライバルになりますね。同じような構成で言えばNICEHCKのNX7 Mk4、intime 碧Ti3などがライバルになるでしょうか。
今回は構成の近いNX7MK4、水月雨 KATOなど聴き比べながら評価しました。
エージング(バーンイン)
箱出しから200時間ほどAGPTEKによるプレイリストループでエージングさせた他、通常の使用として計10時間程度使用しました。エージング前後で音の分離、音の抜け感はかなりよくなった様に思います。個人的にはエージングが必要な機種のように感じます。
試聴環境、上流影響
標準環境*3を使っています。
M17DC, BTR7,SHIO,Xperia10iv等、色々と使ってみましたがそれなりにある程度は上流に依存するようですが大きな変化は無い様に感じました。価格帯としてはBTR7やSHIOクラスを基準にするのが良いかと思いますのでSHIO基準に記載しています。
スイッチについては11(標準)、フィルターも標準を使用しました。
帯域バランス 「Wバランス~ドンシャリバランス」
低域、中域、高域が程よくはっきりと出てくれるW型のドンシャリタイプです。大衆受けするチューニングですし、低音から高音まで過不足なく鳴らしてくれ、どの帯域にもフォーカスを当てやすくオールラウンドに使えると感じるバランスです。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、湿度、厚み) 「◎」
寒暖は寒色より、明暗は少し暗め、響きは少な目ですが抜け感が良く広大な音場に広がる音は圧巻です。粘度は低くさっぱりしています。湿度はややドライで、音の厚みは少し細めですが概ねニュートラルです。
素晴らしいのは広大なホールの様な音場感と生々しい音色のバランス感でしょう。高い解像度、分離感に抜け感と広大な音場が組み合わされた見事な空間表現は目を見張るものがあるのですが、そこに加えて中域は熱気を帯びたようなパワフルさを両立させている点は見事です。
同様の構成のNX7Mk4は中高域~高域の表現力に長けていますがBRIDGEは低域から高域まで隙がありません。
音場(広狭、重心、遠近) 「◎」
前後こそ一般的ですが、上下、左右は広大で優秀なサウンドステージです。音像はやや高めで距離感も遠すぎす適度です。
競合のイヤホンと比べても音場自体が広い事に加えて音の広がりも自然で開放的で素晴らしいです。
比べるとNX7 Mk4は上下や前後の乏しいと感じてしまいます。KATOは美音な響きが秀逸なため甲乙はつけがたいです。
定位、音像、分離 「◎」
価格帯としてかなり良い音像定位の良さと分離感かと思います。広い音場に音像が様々な位置で鳴りますので、1つ1つの音の聴きやすさも素晴らしいです。
競合イヤホンと比較してもかなり優秀で、上位機種に近い鳴り方だと思います。
解像度 「◎」
価格帯でもトップクラスの解像度で描写が細かく1つ1つの音を細部まで描きます。やや解像感が高さが気になる場合もありますが許容範囲かと思います。このあたりもKATOやNX7Mk4などに対して優位点ですね。
低域の質について 「○」
低音の量感については深い部分がしっかりと出ており、パワフルさと重みと厚みがあります。立ち上がりも早く楽しい低音表現で、A20Kクラスとしては十分な低域表現です。
KATOと比べると概ね互角で、KATOは立ち上がりが遅い点がウイークポイントですが、BRIDGEは逆で残響の表現力に欠けると感じる人が多いかと思います。NX7 Mk4と比べると豊かでパワフルなため低音を重視するならBRIDGEに優位があるかと思います。
中域の質について 「◎」
中域の量感は一般的な範囲で、適度な音の近さと高い解像度で圧倒的な描写力を持ちます。ドンシャリではありますが、広い空間表現のおかげもあり全く音像が被らず、中域の楽器やボーカルは見事な音像を描きます。音の太いイヤホンと比べると音像の太さが物足りないと感じる厚みではあるのですが、表現力が高いため気になりません。
KATOの余裕ある響きと余韻たっぷりな美音表現と比べると、BRIDGEは実直に音の表現の真に迫るような表現で解像度ど高く甲乙つけがたいですがドライバ構成による鳴らし方の違いもあるので両者は好みの範囲だと感じます。NX7 Mk4は価格帯も異なりますしやや厳しいですね。
高域の質について 「○〜◎」
高域の量感は適度にあり、高域はどこまでもリニアに伸びていくような素晴らしい表現です。スイッチにもよりますが音像の高さは高く、音場のの中を美麗に飾ってくれるような表現です。あまり強調はされていませんが音色は有り体な表現で言えばピエゾっぽい表現も少しあり、金属音は「キンキン」より「チンチン」鳴る感じです。女性ボーカルのサ行などの歯擦音もほぼ刺さらず、見事な表現力だと感じます。
KATOと比べると概ね互角かなという印象で、KATOの響きを生かした余裕のある鳴り方はこの価格帯で突出していますし、BRIDGEの高い解像度も素晴らしいです。NX7 Mk4と比べればやや厳しくNX7 Mk4の自然でかつ写実的な高域表現と比べるとBRIDGEの方がやや人工物的な音色を感じます。単体では素晴らしいと感じるBRIDGEでもNX7 Mk4の高域表現の上手さと比べると若干気になる部分が出てきます。もちろん両者は僅差でありBRIDGEの表現の方が好ましいと思う楽曲もありました。
スイッチによる変化
SW 11 HighGain+高域強化
ここまでのサウンドバランスで、これを標準とします。
SW 01 HighGain
標準と比べて音像の高さがすこし下がります。だいたい目頭のあたりまで下がるでしょうか。ややあっさりとした音色ですが少し音が近くなるので迫力も出るように感じます。ただ、変化量としてはそれほど多くはないでしょうか。
SW 10 高域強化
標準と比べてより高い分離感になり、低域がやや減ります。音像は少し高い位置になります。低域が強すぎると感じている場合にはこの設定が良い用に思います。ただ、変化量としてはそれほど多くはないでしょうか。
SW 00
標準と比べて音像の高さが鼻の位置ぐらいまで下がってきます。低域は減り、分離感がより一層際立ちます。ただ、変化量としてはそれほど多くはないでしょうか。
まとめ
かれこれSW付きを触って4機種目なのですが一番音の変化が地味なイヤホンでしたが、SWは上下の音像の位置を微調整できるイメージですね。しかしながらしっかりと音の傾向は変わります。個人的には11か10の設定が好みでした。
フィルターによる変化
Black Standerd(標準)
ここまでのサウンドバランスで、これを標準とします。
Gold Hi Frequency(高域)
中域のボーカルなどがグッと前に迫るような近さになります。横の音場はかなり狭くなるでしょうか。高域という名前ですがどちらかというとボーカルモードという感じです。ボーカルはすごく良くなるのですが音場と定位が犠牲になるのは少し残念です。
Silver Equilibrium(均衡)
音場が更に横に広がります。中域はさらに少し引っ込む感じでしょうか。その分広大な空間に定位良く楽器が鳴り響くので良い会場の特等席で音楽を聴いているような感覚になれます。
まとめ
フィルターの見た目はかなり微妙な違いなのですが、かなり派手に音が違い面白かったです。SWが上下の音像だったのに対してフィルターは前後の位置関係が変わるイメージで両方合わせてかなり詳細な調整ができますね。どれも捨てがたいのですが強いて言えば高域の解像感と音場を両立しているStanderdが好きでした。
SPL周波数特性測定とか
スイッチ変化
どうやら測定上、説明書よりは変化はかなり少ないようです。音の変化はさておき、変化量については実際に聴き比べた感想とも概ね一致しているでしょうか。一応不具合ではないかとメーカーに問い合わせをしたのですが問題なさそうです。
フィルター変化
主に中域の量感が変化するようです。Hi Frequencyといいつつ中域がメインで変わるのはNX7 Mk4と似た傾向ですね。こちらは聴感とかなり一致する変化ですね。
vs 水月雨Moondrop KATO
中高域とサブベース域が強いですね。
vs NX7 Mk4
vs CCA HM20
比べるとHM20のドンシャリ具合が良くわかります。
相性について
アンプ(上流)による印象の違いについて 「普通」
より良い上流を使う事でより良い音が楽しめるイヤホンですが一般的な範囲です。ただ価格も価格ですし伸びしろも多いイヤホンなのでできる限り良いアンプで聴くと幸せになれるかと思います。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)
注意:
リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。
このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
M17 "AppleMusic" -> 「 」-> イヤホン -> SpairalDot++
尚、今回はWiseTech様からNOBUNAGA Labsのケーブル5種類「CASSINI AXIS」「瑞鳳 颯」「BRAHMA」「MORPHEUS」「CEPHALUS」をお借りしました。2PINとMMCXの違いのみのCASSINI AXIS、瑞鳳 颯を除いてそれぞれの相性を確認してみようと思います。
NOBUNAGA Labs entry CEPHALUS ケファルス 「◎」
エントリーシリーズの比較的低価格なNOBUNAGA Labsの錫めっきケーブルです。
1段音色がクリアになるでしょうか。他にも中域から高域にかけて晴れやかな明るさと適度な響きや余韻が出てくれます。特にボーカルやアコースティックギター等の中域の音色が空間広がるなのでとても楽しい音色になります。
解像度はやや高くなり更に開放的で抜け感が出る点も秀逸で兎に角気持ちよい音色です。
個人的にはかなり好きな方向の変化で、軽いこともあり使い勝手も良です。
NOBUNAGA Labs entry MORPHEUS モルフェウス 「○」
エントリーシリーズの比較的低価格なNOBUNAGA Labsの銀めっきケーブルです。
音色の変化はやや明るくなり解像度が上がります。音軽くなりあっさりとするのでケファルスと比べると何か物足りない感覚になります。全体的に音の厚みが減って細くなる傾向があるのでその方向が好きな方には合う様に思います。
解像度はケファルスの方があるので解像度か音色の響きを取るかという感じでしょうか。。
NOBUNAGA Labs CASSINI AXIS カッシーニアクシス 「◎」
4月29日に発売になりました錫メッキ8芯ケーブルです。4芯の方はレビューしておりますので良かったら参照ください。
解像度、音の質感が大きく向上し、ややウェットになり、音量が上がります。音像はやや下がることで標準的な高さに変わり、ほんの少し近づくことで迫力がでます。
低音の存在感が増してドラムやベースなどの楽器の表現力が大きく強化されます。もともと他の帯域に被ることが無かったのですが、よりしっかりとした音像となり、彩々な表現です。元々高かった解像度と解像感の内、解像感が抑えられることで音の密度感増し、落ち着きと上品さを感じられる点も素晴らしいです。
高域の楽器はやや音像が下になるのですがスイッチなどの設定も駆使すれば調整も可能です。イヤホンの値段と同等の価格ではありますが1ランク2ランク上の音色と実感できる素晴らしい相性だと感じます。
NOBUNAGA Labs BRAHMA ブラフマー「◎」www.wisetechdirect.jp
解像度が上がり、明るく透明感が出て明瞭な音色に変化します。特に変化が大きいのは低音の量感ですっきりさっぱりで存在感が減ります。音場は上に広がり、開放感が増して中域高域の量感が増えたように感じます。
全体的に精彩で優しい音色になりますが、定位や音色の描写も上手く、分離感はそれほどで音の音の間の表現が上手いです。
個人的にこれもかなり好きな音色です。
標準ケーブル 「ー」0点
こうやって比べてみると標準ケーブルは相性は悪くないのですが解像度があまり高くない点は少し気になります。標準のケーブルも悪くないのですが伸びしろが十分にあるイヤホンでしたので標準の音色が気に入らなかったのであれば交換を推奨したいです。
まとめ
個人的に標準ケーブルは悪くないのですが若干手触りが独特なので気になるのであれば交換する方が良いかと思います。音質重視で言えばCASSINI AXISか BRAHMA を、使い勝手重視ではCEPHALUSオススメしたいです。
競合機種との比較
vs Moondrop KATO
元々は20K価格帯ですが最近はA30K価格帯になったKATOですが1DDということもあり解像度や音場の広さや描写の細かさ、音の生感はBRIDGEに分があります。高域の音の鳴らし方や音全体の響きが上品で余裕がある点や音の太さはKATOに分があります。個人的には上流機材での伸びしろや調整の幅を踏まえるとBRIDGEがやや優勢かつ好みの音色ですが、両社は好みで選んで良い完成度の差かと感じます。
vs NX7 Mk4
構成は近いのですがA15Kと比較機種としては下のランクになることもあり、中域や低域の表現、分離や定位感などでBRIDGEが優勢です。高域の表現に関してはNX7 Mk4の方が上手いのですが、やや量感があり、高域が気になりやすい点には注意がいるでしょうか。予算を踏まえるとNX7 Mk4もありですが、予算があればBRIDGEをオススメしたいです。
vs LETSHUOER S12、S12 Pro
解像度についてはややBRIDGEが優勢です。音場や音像表現については全く異なるのですがリケーブルを前提に考えるとほぼ互角のレベルです。音の厚みと立体表現とバランスに優れるS12に対してBRIDGEはやや解像感が高く音色がすっきりとしているので表現する方向性は別でしょうか。
音質の総評、所感
個人の主観的な好みで言えば93点、私が客観的だと思う好みの点数としては94±7点です。A20Kという価格帯と音のレアリティ、ユーザビリティを考慮した総合的なランクはTier1としました。Tier2とはかなり迷った微妙なラインでしたが、スイッチとフィルターの二つの微調整機構と標準での完成度の高さを踏まえるとこのような評価になりました。
やや使いにくいケースは気になりましたが、音色の面では素晴らしいイヤホンに仕上げてあります。
ちなみに先ほど気づいたのですが、この構造だと高域のピエゾが一番後ろ側にあるのでほとんどの高周波は逆の裏側に抜けており耳の中には少しのエッセンス程度にしか音色が届いていなさそうです(高域は直進性が強いので)。いわゆるピエゾらしさが少ない点はこの部分の設計によるものかもしれませんね。
最後に、このような機会をいただきましたLinsoul様、WiseTech様に感謝申し上げます。
Appendix
購入リンク
*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*3:
M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
iphone12"AppleMusic" -A1749-> -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->A90->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->E50->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
GV301"AppleMusicプレビュー" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" ->SHIO -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
*4:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz