こんにちは
ゆるふわオーディオのすのーです。
今日はHifiGo様より依頼の1DD1Planerのハイブリット構成イヤホン「SeeAudio x Z Reviews Rinko」の簡易レビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。
尚、リケーブルでの相性確認はWiseTech様のご厚意にてお借りしたNOBUNAGA Labsのケーブルを使わせていただいております。
結論:A15K Tier1 参考価格:13,058円
Rinkoは万人受けしやすい楽器とボーカルが映える上に綺麗な高域表現と深く重い低域表現を兼ね備えた傑作イヤホンです。やや上流を選ぶ点は注意が必要ですが、解像度や定位など平均的に高いサウンドクオリティを持ちながら、本体は小さく軽く装着感も素晴らしいです。エロティックなパッケージは賛否があるかもしれませんが、ファンには嬉しい仕様です。やや暗くデッドで音像が低めなチューニングはイヤーピースやケーブルによるものなので、中級者以上の方はチューニング変更の余地もあります。保証も2年と手厚いこともあり、フラット志向の方以外に広く勧められる傑作イヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ 万人受けしやすい楽器とボーカルが映える、W型バランスのチューニング
◎ 綺麗な高域表現、深く重い低域表現
○ 平均的に高いサウンドクオリティ
○ 軽く小さく取り回しと装着感が良く使い勝手良好
○ Rinkoをモチーフにした付属品が豊富
○ リケーブルやイヤーピース変更によるサウンドチューニングの余地がある
○ 安心の2年保証
ー ファンには嬉しいGiftStand
Cons(微妙な点)
ー 強いて言えば強めのW型チューニングのため、低音が強すぎると感じる場合も
ー 強いて言えば、音像が低く暗めでデッドな音色
ー 強いて言えば、エロティックなパッケージデザインは賛否が出そう
△ GiftStandの印刷品質がイマイチ
✖ 音が上流の機材に影響されやすい
SeeAudio x Z Review Rinko 1DD+1Planar Dual-Driver Hybrid IEMshifigo.com ←GiftStand無し、4.4mmプラグ版出ました
量があるので結論以外は気になる部分をリンクから読んでもらえればと思います。
- 結論:A15K Tier1 参考価格:13,058円
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について
- SPL周波数特性測定とか
- 相性について
- 音質の総評、所感
- Appendix
動機付けなど
モチベーション
下記の記事にありますようにポタフェスにてM17DCつよねこ環境で聴いた1DD1Planerらしい音色のRinkoの音質がなかなか気になったこと、そして販売価格が予価3万円 → Amazon約1万3000円と約半額まで下がったことで買ったのが購入動機です。
ということで届いて聴き込んでも良い音色で、アクリルスタンドが付かないことは少し懸念ではありましたがAmazon倉庫発送の保証を踏まえると大きく満足していました。
その後、HifiGo様からキーキャップの依頼と合わせてアクリルスタンド付きイヤホン本体のRinkoの依頼も来まして、なかなかに良い音色だったこともあり、アクリルスタンド付きのPRレビュー記事にすることを受けさせてもらうことにしました。
↓キーキャップの記事はこちら
販路、購入先
Gift Stand付きはHifiGo公式サイトなど海外通販サイトからのみ購入になります。
SeeAudio x Z Review Rinko 1DD+1Planar Dual-Driver Hybrid IEMshifigo.com
尚、Gift Stand無しはAmazonから購入することができます。後述しますが熱心なファンでも無いので不要という方はこちらで十分かと思います。
尚、4.4mmプラグ版も追加されましたがまだ倉庫発送になっておらず、全ての出品を見るからの購入が必要です。
保証、サポート
2年保証が付く様です。このあたりは手厚いのは嬉しいですね。ただ、海外サイトとのやり取りが不安という方は初期不良の対応などを考えればAmazon倉庫のprime発送での購入をお勧めします。
SPEC
基本的にあまり気にしない方ではあるのですが、このRINKOの特徴は1Dinamic1Planer(1つのダイナミックドライバと1つの平面ドライバ)を組み合わせたもので、少し前には本当に平面駆動ドライバなの?という騒ぎになりましたね。
結論としては上記の様な構造で、新しい平面駆動方式のドライバなので見解の相違があっただけで構造として、音としても問題は無かった様です。実際聞き分けできていたのかは不明ですが、自分の糞耳には名古屋ポタフェスでわかりやすいほど1DD1Planerっぽい音色をしていたと思います。
箱とか付属品とか本体
開封体験
うーん、これはエッチ・・・えっち・・・、いやこれ通販じゃないと買いにくいような(笑)。というデザインですが個人的には嫌いじゃないです。
箱を開けるともう一回パッケージデザインが大きく印刷された絵が飛び込んできます。
ほう、立て掛けて使えと言うことですね・・・!(何に?)
マニュアルとカードが付いています。
付属品とるとこんな感じでイヤホンとケースがあります。
ケースの中にケーブルとイヤピースです。
マニュアル 「あり」
日本市場向けで無いためかマニュアルは英語のみになっています。ケーブルの付け方などは事細かに絵でも書いてあるので、英語が苦手でもなんとかなる様に思います。
筐体 「両側計8.2[g]」
樹脂と金属のハイブリット構成の筐体にメーカーとイヤホン名が刻印されています。
拡大すると印刷は少し粗いでしょうか。予価3万円値段を考えるとちょっとイマイチかもと思いがちですが、1万3000円なら十分だと思います。
ステムは金属で、中間の肌にふれる部分は3Dプリンタで積層製造されたものの様です。CCA HM20やTruthEar HEXA、HOLAの様に樹脂部分の表面の研磨処理が不足してやや積層痕が残っているので仕上げはやや粗目になっているように思います。
樹脂部分には突起でRLとZEOSの記載があります。
競合機種との比較
左から順にRinko、LEGATO、GALILEO、HEXA、EA500になります。
この価格帯のイヤホンの中では一番小柄かもしれませんね。
コネクタ 「2pin(0.78mm 概ねフラット)」
1mmほどくぼんでいますが、埋め込み型といういうほどではなく、ほぼフラットな2pin端子です。
幾つかリケーブルしてみたのですが個体差なのか左右共に2pinソケットがキツイケーブルが多く、やや精度は悪いかもしれません。
ステム形状 「5.68-4.96[mm]」
ステムは金属製でフィルタも付いており、一般的なサイズですのでイヤーピース選びに苦労はしないかと思います。
直流インピーダンス 「27.5[Ω]」
テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは左27.4、右27.6Ωでした。
ケーブル 「3.5mmプラグ 16.2[g]」
しなやかかつ、適度なコシがあって手触りも良いケーブルが付属しています。太さや色やデザインも無難で、それでいて適度な重さです。
現在は4.4mmも選べるようになりました。Rinkoは駆動力を要求しがちなイヤホンなのでバランス環境があるのであれば4.4mm版の方が良いかもしれません。
直流インピーダンス 「0.4[Ω]」
テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスはHOT、COLD共に0.4Ωでした。
1万円近辺のイヤホンのケーブルとしては一般的だと思います。
付属イヤーピース「ZEOS Render 3サイズ×1セット」
単体でも販売されているZEOS Renderイヤーピースが付属しています。
3サイズしか無いのは残念ですが、品質はたしかなものが付いてくるので素晴らしいかと思います。
使い勝手の評価
クロストークチェック 「無し」
手順*3に従って確認しました。
大きめのボリュームではほんの少しクロストークがありましたがリスニングボリュームではありませんでした。
ホワイトノイズ 「無し」
ややホワイトノイズが出やすいM17のMaxGainヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみましたが、聴感上気になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。
寝ホン 「○〜◎」
本体の小さく、空気が抜けるタイプなので鼓膜へのダメージも少ないです。寝フォンには向いた機種だと思います。
音漏れ、遮音性 「3割程度」
指でステム側を抑えて遮音してみましたが3割ほど音漏れしており、大きくはありませんので静かなところで大ボリュームで使うには気をつけた方が良いです。
タッチノイズ 「一般的な範囲」
ポーチ、ケース 「ハードケース」
見ての通りの品質の良い宝石箱の様なハードタイプのケースが付属します。白なので汚れは目立ちやすそうですが、四角いハードタイプは段積みにしやすかったりしますので便利かと思います。
持ち運び時に中のイヤホンが動き回らない様にケーブルを止めるための固定機構が付いています。地味に嬉しい仕様ですね。
Gift Stand 「おまけ程度」
アクリルスタンドは初めてしっかりと見たのですが、少し印刷が荒い様に感じました。下記の様に、少し離れれば気にならない範囲でもあるように思いました。
いずれにしても実用性は無いのでSeeAudioのRinkoファンでなければ不要かとは思います。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「〇〜◎」
印字と樹脂部分の積層痕は気になりましたが、値段相応で使う分には問題ない範囲です。イヤーピースと付属品や見た目のビルドクオリティなどは価格帯を十分に満足させる出来だと思います。
音質について
ファーストインプレッション
このあたりご御覧ください。ただ、下記はRendarイヤーピースを使っていたのですが、どうも隙間があったようで低音が抜けていた様です。なのでこの印象よりも低音が強いと思ってください。
競合機種との比較について
価格帯ではこのあたりがライバルになるかと思います。他にもNX7MK4やHM20といった機種もライバルになってくるかと思います。
Metorは元々13800円程度の値付けでしたが、現在は値段が下がっていますね。
エージング(バーンイン)
箱出しから50時間ほどAGPTEKによるプレイリストループ、通常の使用として10時間程度使用しました。
試聴環境、上流影響
標準環境*4を使っています。
M17DC, BTR7, Xperia、SoundTiger Concert等、色々と使ってみましたが、かなり上流の駆動力、パワーに大きく影響するようです。特に中域〜高域は特定のアンプではほぼ低音に埋もれてしまいます。例えばAiyima H1などではベース〜サブベースの量感が膨張するような感覚つよくバランスが大きく変わり驚きました。
なので迷ったのですが価格帯も考慮し、今回はM17DCつよねこをベースにBTR7にても聴きこんでいます。
イヤーピースについてはRendarのLは入るには入ったのですが、どうも隙間があったようで低音が抜けていた様です。また、長時間となると装着にやや違和感があり、レビューの一貫性も考慮してSpiralDot++を使っています。
帯域バランス 「中域+ドンシャリのW型のバランス」
低域、中域、高域どの帯域も映える音色の部分を強調された中域ボーカル+ドンシャリバランスです。流行りのチューニングでもありますし、個人的にはそこまで好きなバランスではないのですが、かなり一般受けするのではないかと思います。
競合と比較するとMetorは弱ドンシャリ、Galileoはフラット、HexaとEA500はフラット〜やや高音寄り、LEGATOは低音寄りですね。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「◎」
寒暖はニュアンスが難しくニュートラルと言っても良いかと思います。明暗はやや暗め、響きはややデッドで密閉的な鳴りです。粘度は少し高く、湿度はややウェットでなめらか、音の厚みは低音に行くほど厚く、太くなる音色です。
Rinkoの音色の特徴は、楽しいボーカル+W型ののチューニングバランスでしょう。低音側は分厚く太くエネルギーたっぷりに慣らしてくれ、高域は平面らしいキラキラとした雑音が少ない鳴り方と全方位に強い!という感じです。
同じ低音が強いLEGATOは低音が主体でドライかつ響く良質な低音であくまで低音が主体の音楽性なのですが、RINKOの低音は強く深く重いけれどもあくまで主体は中域と高域の両方で全体の音楽を楽しく聴くためのオールラウンドなドンシャリチューニングだと感じます。
高域の音色表現は平面駆動機に多い透き通るような澄んだ鳴り方で、この価格帯で新しい方向性を追求するような音づくりだと感じます。
ただ、逆に言えば高域の表現と中低域の音表現は1DDなどのつながりの良いサウンドとは根本的に異なるハイブリットらしい音色になるのでこのあたりは評価の分かれ目になるかと思います。
音場(広狭、重心、遠近) 「ー〜○」
上下はやや狭め、左右が広め、前後の奥行きは標準的なサウンドステージです。音像の近さは標準的ですが高さはやや低めでずっしりと重めのサウンドになります。
前後の音の広がりが良く、低音が下側の音場を大きく支えることとで音の立体表現をうまく演出しているように思います。
M17では空間は広くはないのですが、価格帯として十分な表現だと感じますが、上流を貧弱にするとやや音が中央に寄りがちで立体感も失われるので価格なりだと感じます。
定位、音像、分離 「○」
M17などでは価格帯として十分良質な音像定位の良さと分離感でかと思います。一方で上流を貧弱にすると音像が寄ることに加えて音の輪郭が曖昧になるので価格なりだと感じます。
解像度 「○」
価格帯を概ね満足させるレベルかと思います。駆動力が高い環境でないと細部の表現が潰れがちで解像感が低いと感じることが多いです。パワーの強い環境では音の細かさまで表現できるので基礎能力の高さを実感します。
低域の質について 「○」
低音の量感についてはレビューや感想で同時期に着弾したLEGATOを聴いている人も多く、バグりがちだったのですがかなり強めの低音です。サブベースからミッドベースまで強く、Bass Head?と自称するほどパワフルに出ます。質については価格帯として一般的でアタックややもったりとしていますが、ウェットで響きも暗めなことがあり深い音色の空気感を良く表現できます。
同価格帯の機種ではLEGATOも低音が強いですがあちらのほうが乾いており明るい低音が出ていますし、解像度も高いように思います。
低域が多すぎるという方は上流で低温の表現が変わりやすいので変更したり、イヤーピースをやや小さ目のものに変えたり、ボリュームゾーンを下げると低音の量感が調整できる様に思います。
中域の質について 「ー〜〇」
中域の量感はボリュームが大きいほど他の帯域に対してわずかに凹む感覚はありますが十分聞き取りやすい音像表現を作ります。
渋く厚い男性ボーカルなどより、高めの声の男性ボーカルや女性ボーカルなどが映えるチューニングです。
ボーカルの迫りくる様な熱量は無いですが、定位や分離や解像度がきっていりしていことで鳴らし分けが上手く、中低高の全ての音に存在感があり、主役であるというチューニングだと感じさせられます。
比較のイヤホンの中では中域が目立ちにくいバランスではありますが、更に中域を重視する場合にはEA500やGALILEO、HEXAなどが良い選択肢になると思います。というのもRinkoの場合は低域と高域の音が上流で変わりやすくバランスによっては中域が被ることがあり、少し使いづらさがあるためです。
高域の質について 「◎」
他の帯域と比べて高域の量感は適度で低域と比べるとやや少なめと感じる人もいるかもしれませんが十分以上に出ているかと思います。素晴らしいのは質感で、女性ボーカルのサ行などの歯擦音はあまり感じさせないバランスでありながら、キラキラした超高域の音色が美しいです。
特に弦楽器の倍音やチャイムといった超高域の音色に付帯音が少なく、自然かつ綺麗に伸びて消える自然な表現ができているように感じます。語弊があるかもしれませんが、ESTやBAといった独特の繊細感がある音色とも異なる平面らしさを感じる音色です。
気になる点はやはり中域以降と音色の質感が大きく異なる点でしょうか、DDのイヤホンを聞き慣れた人ほど高域の鳴り方が違うことに気づく様な気がします。このハイブリットらしさが好きか嫌いかで評価が大きく分かれるように思います。
SPL周波数特性測定とか
3機種6個体の差 TypeE
騒動の影響もあり、FFさんのものも含めて個体差を検証してみました。かなり優秀なのではないでしょうか。
Render vs TypeE vs T-EAR
付属イヤーピースのRenderについての周波数特性がどのようなものか調べてみました。ほぼT-EARと同じで驚きですね。T-EARの遮音性が欲しい場合にRenderは良い選択肢になるかもしれません。
vs CCA HM20(S)
KZ系ばりのドンシャリ具合だということがわかりますね。
vs Letshuoer GALILEO
Rinkoがいかにドンシャリバランスなのかが良くわかりますね。
vs SIMGOT EA500
vs NICEHCK NX7 Mk4
vs 7Hz LEGATO
LEGATOから中域、高域をメリハリを付けて出した感じというのがわかりますね。
相性について
ジャンルの得意不得意 「現代音楽」
チューニングバランスが現在主流のW型のバランスなこともあり比較的最近に作られている楽曲に良く合うように思います。低音の量感強いのでPOPSなどボーカルがメインになる楽曲では低音が多すぎてメインを邪魔していると感じる人もいるかもしれません。
アンプ(上流)による印象の違いについて 「大きめ」
より良い上流を使う事でより良い音が楽しめるイヤホンです。駆動力的なものだけでも無く相性なども出やすい極端な変化があり、よくわからないというのが実情です。繋ぐ先にによって低音がやたら出たり、高域の音の繋がりが極端に悪くなったりとちょっとこのあたりはいただけない仕様だと感じます。
平面はインピーダンス特性の変化が無いということで低域側のDDとの組み合わせの影響があるのかもしれません。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)
注意:
リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。
このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
M17 "AppleMusic" -> 「 」-> イヤホン -> SpairalDot++
尚、今回はWiseTech様からNOBUNAGA Labsのケーブル5種類「CASSINI AXIS」「瑞鳳 颯」「BRAHMA」「MORPHEUS」「CEPHALUS」をお借りしました。2PINとMMCXの違いのみのCASSINI AXIS、瑞鳳 颯を除いてそれぞれの相性を確認してみようと思います。GALILEOの価格がA15Kな事に対してやや分不相応な組み合わせもありますが、ご容赦ください。
NOBUNAGA Labs entry CEPHALUS ケファルス 「ー」
エントリーシリーズとのことで比較的低価格なNOBUNAGA Labsの錫めっきケーブルです。
ケーブル本体は軽く13.3gと標準ケーブルより軽量化できます。かなり細いケーブルのため装着感は良いのですが耳掛け部が浮きやすくややタッチノイズを感じるかもしれません。色も落ち着いており、見た目も悪くないように思います。
音色の変化は、中域が若干ながら華やかになり、艶やかさが出る感覚です。アコースティックギター等のストリングスの倍音やチャイムのキラキラ感は量感が減り、音の輪郭ぼやける傾向があります。
低音は若干乾いて響き、解像度が上がる傾向があるでしょうか。音場の変化はやや広がった印象があるでしょうか。解像度は少し上がり全体的に中低域が目立つ音色になった思います。
ケーブルが細く軽くなるのですが高域の良さが陰る間隔があるので、個人的には悪くはないのですが良い相性だとも感じませんでした。
NOBUNAGA Labs entry MORPHEUS モルフェウス 「〇」
エントリーシリーズとのことで比較的低価格なNOBUNAGA Labsの銀めっきケーブルです。
ケーブル本体は軽く13.3gと標準ケーブルから少し軽量化できます。かなり細いケーブルのため装着感は良いのですが、耳掛けの部分が浮きやすくややタッチノイズを感じるかもしれません。色はCEPHALUSと比べるとキレイな白色なので若干派手さはありますが、細いので見た目も良い様に思います。
音色の変化としてはやや音場が全体的に広がり、音色が明るくなります。中域を中心に解像度が上がり、ボーカルなどの生々しさが上がります。
音像はほんの少し上方に移動しますし、音像の分離や向上し、音色の聞き取りやすさが向上しています。その上で細く軽いケーブルになり、良い相性の様に思います。
気になる点として初期ケーブルの暗い雰囲気が良いと言う場合はややその点を殺してしまうのでその点は注意が必要かもしれません。
NOBUNAGA Labs CASSINI AXIS カッシーニアクシス 「ー」
4月29日に発売になりました錫メッキ8芯ケーブルです。4芯の方はレビューしておりますので良かったら参照ください。
イヤホン本体よりも高いケーブルになりますが、個人的にはまずまずの結果にはなりませんでした。
音の解像度、音の質感が大きく向上しすべらかかつ音の密度があがります。しかしながらサウンドバランスはほぼ変わらないのですが高域の楽器の音色がやや陰る感じがあります。低音の質感が良くなったうえで全体の音像がやや下になり、重厚な音色が更に強化される感じでしょうか。
元々のRinkoの特性にのることで全体の音色は表現が細かいねっとりとした質感と低音の響きが印象的になります。
個人的に好きな音ではないのですが、これはこれで好きな人がいそうな音色だとも感じます。少し玄人好みの相性だと感じます。
NOBUNAGA Labs BRAHMA ブラフマー「◎」
一聴して思うのは音色が明るく変化したことです。音像が上方に移動し、高い天井の音場に変化します。音色の開放感が増し、ヌケ感が出てきて非常に開放的です。
空間表現の上手さに加えて定位や音色の描写が上手さが光り、とてもどの音も素晴らしいです。特に中域のボーカルがぐっと前に来る感覚があり個人的にどの様な楽曲でも使えるイヤホンに変化したように感じます。
低音と負けないほど中域と高音が出るようになることでサウンドバランスはややフラットに近づくでしょうか。
元々Rinkoが暗めでデッドでウェットな音色なことでかなりニュートラルな音色の方向になるかと思います。
解像度や明瞭度は明確に向上します、イヤホンの価格に対してケーブルの価格が高すぎるのですが、かなり良い相性だと感じました。
NICEHCK FOURMIX 4.4mm 2pin「〇」
サウンドバランスはほぼ同じでしょうか。音色はややすっきりはっきりとした方向性に変化します。中域、低域の密度と細かさが上がり、表現力が大きく拡張されて迫力がます。
解像度が大きくあがる他、前後の音像の立体感も更に出るようになるでしょうか。しかしながら上下の音場はほぼ同じまま高域の楽器の音像が下がるためすこし狭くなる感じがあります。デメリットも少し見えますが、低域の良さを引き出す相性で悪く無い良い様に感じました。
Yongse Expert AgMax8 「◎」
純銀線の比較のためYongseのAgMax8を付けてみましたが、こちらも素晴らしい相性でした。
一聴してわかるの超高解像度と華やかで明るく透き通る音色にシャリ付かない高域です。音色は明るくやや暖色になるでしょうか。音像が上方に大きく移動し、横の音場は広大に広がりますし、適度な前後広さがあり音の立体感が強調されます。
上下の音場が圧倒的に広くてニュートラルめのBRAHMAよりも音が密集するためかパワフルです。上下の音場までもが使えていた円形の音場のBRAHMAに対してYongseはあくまで横と上と前後の音場に展開される点が大きな違いかと思います。
空間表現に関してはBRAHMAに一歩劣るのですが解像度に関してAgMax8一歩上手でしょうか。驚くほどに音色が変わるのでその点は注意が必要ですが好相性だと感じます。
標準ケーブル 「△」
こうやって比べてみると標準ケーブルは重心が低くやや暗めでウェットな音色の主要因になっていると思いました。解像度が高くないことに加えて音の表現力もあまり高くありませんので、標準の音色が気に入らなかったのであれば交換を推奨したいです。
まとめ
Rinkoの標準ケーブルは質は悪くないのですが、もし重心が低く狭く暗めかつウェットな音色に面白みに欠けると感じた場合は標準ケーブルからの交換を推奨します。
尚、個人的には絶対的な音質ならばBRAHMA、コスパならばAg8Maxが気に入りました。
イヤーピースによる印象の違いについて
M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「」
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視)
今回のレビューでのデフォルトイヤーピースです。
ZEOS Render(超高域重視) 「ー」
音像の重心が少しだけ下がり、前後の音の立体感が少し出るのですが代わりに横の音場が狭くなり、全体としての音場の広さは少し狭くなった様に感じます。
高域の楽器の主張が少し大人しくなり、低音の表現が若干暖色系に寄り音色に暖かみあでます。
デットな密閉感が出るのですが流石の標準イヤーピース、全体としてはまずまずの相性と言って良さそうです。
Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) 「◎」
SpiralDot++と比べると横の音場は狭くなりますが、音の解像度が一段上がり、低音〜中音までの量感が出てアタックとリリースのスピード感が出ます。音色はややビビッドでパワフルに変化し、音像重心が一歩前方に来て迫力が増します。
このイヤーピースは高域の表現が潰れることが多いのですがそこまで大きな変化を感じさせない点も高評価でしょうか。
音の分離感が良くなり解像感(音色のコントラスト)も上がりますし音の細かさとしての解像度が上がり良好な相性だと感じます。
SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「◎」
←現在はなぜかイヤホンセットの方が安いです
素晴らしい相性です。音場はSpiralDot++までは行きませんが左右上下に広いです。音色がやや暖色傾向で、中低域と中域に厚みがでることで主張が強くなります。
定位や音像の広がりなども自然でかつ音の分離も良好ですが、低音の圧が更に上がる点は人を選ぶかもしれません。若干女性ボーカルのサ行など歯擦音が刺さりやすいのでその点だけは注意がいるように感じました。
final TypeE soft(ボーカル艶重視)「○」
finalストアでイヤピガチャを引くか、final製品(Study1かVR1000か糸竹管弦)を購入することでしか手に入らないTypeE softですが、入手性も上がってきていますので試してみています。
このイヤーピースは基本的には普通のTypeEと同じではあるのですが、普通のTypeEよりも低音が控えめでやや音場が広めで中域のボーカルなどに艶が乗るボーカル重視イヤーピースです。
音場は左右はほぼ同じかやや狭いのですが上下に大きく広くなり、音像の重心はかなり高くなります。低域の量感は減り、質感もブーミーさが出てしまいますが、中域のボーカルが明るいことや音場が広く高い点は素晴らしいと感じました。
Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「◎」
女性ボーカルの音色がクリアで透明感がでるでしょうか、音像は少し近くなり迫力が出ます。低域はあっさりするのですが表現はまずまずです。中域の表現力が良く凹みがちだった中域に焦点があたりやすくなります。刺さり防止についてもまずまずの効果はあるように思います。
音像がすこし高く、低音も量感があり、高域も綺麗にでてくれます。個人的には暗くウェットな音色がニュートラル方向に行くことで良い音色だと感じました。
まとめ
結論としてイヤーピースでも大きく音が変わるイヤホンです。Renderイヤーピースに関しては最初の評価こそ良かったのですが、今回改めていろいろ試したところあまり良い相性だと感じていません(ちゃんとフィットできていないのかもしれません)。
このため、個人的にはイヤーピースも色々と社外のものを試す価値があるイヤホンだと感じます。
今回試した中ではEarfitMaxとW1、TypeE Soft、清泉など、中域を持ち上げる方向のイヤーピースとの相性が良いように感じました。
音質の総評、所感
個人の主観的な好みで言えば92点、私が客観的だと思う好みの点数としては91±6点です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはA15KでTier1としました。
やや鳴らしづらい点をどうマイナスとして捉えるかを迷っていたのですが1万円を超える価格であることや逆に筐体の小ささや軽さ、イヤーピースの充実具合などのプラス面を考慮して最終的にはそのままTier1としました。
名前の「Rinko」そして、パッケージデザイン、付属品、そしてイヤホンの音色、これら全体として思うことは大衆に媚まくりっというところでしょうか。こういうのが好きなんでしょ?わかっているよ?っと言わんばかりのものをメーカーが全て揃えてきた感じです。元々レビュワーコラボレーションとはメーカー独自の音作りというよりはユーザーのフィードバックでチューニングを変えているものだと思いますのでこの路線は正解なのでしょう。自分もある程度好きな音のチューニングではありますが、これはみんな好きそう・・・っていう感じがひしひしと伝わってきます。また、やや暗くデッドで音像が低めなチューニングもサキュバスの格好をしたRinkoから想起させられるサウンド傾向と似ているように感じます。
こういう打算的なプロジェクトの場合、音の個性が無くなってしまったりすることが多いのですが、これを個性ある一つのイヤホンとしてまとめ上げているのは凄いことだと思います。
個人的にHEXA同様に標準構成の音色はあまり好きになれないのですがリケーブルやイヤーピースを変えた音色は素晴らしいと感じています。競合のイヤホンにはありそうで無いWバランスのため、この手のイヤホンを探している方にとっては第一候補になる素晴らしいイヤホンです。
最後に、この様な機会をいただきましたHifiGo様に感謝申し上げます。
Appendix
購入リンク
SeeAudio x Z Review Rinko 1DD+1Planar Dual-Driver Hybrid IEMshifigo.com
*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*3:
ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします
*4:
M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
iphone12"AppleMusic" -A1749-> -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->A90->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->E50->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
GV301"AppleMusicプレビュー" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" ->SHIO -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
*5:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz