こんにちは
ゆるふわオーディオのすのーです。
今日はHifiGo様より依頼の1DD1BAのハイブリット構成イヤホン「LETSHUOER x GIXAUDIO GALILEO」の簡易レビューです。レビュー依頼品ではありますが、趣味でやっていることもありいつもと同じ基準で記載しています。尚、リケーブルでの相性確認はWiseTech様のご厚意にてお借りしたNOBUNAGA Labsのケーブルを使わせていただいております。
結論:A15K Tier2 参考価格:14,284円
GALILEOは低音から高音までフラットサウンドバランスと、開放的で抜け感の良い音場感とニュートラルな音色を持つオールラウンドに使える万能イヤホンです。奇をてらったチューニングでは無いため、数多く中華イヤホンを持っている様な上級者には受けないチューニングですが、平均的なサウンドクオリティの高さ、ビルドクオリティの高さ、付属品の充実具合、意匠の良さなど、中華イヤホンでオールランドに使えます。
リケーブルなどでのサウンドチューニングの余地もあり、遊べるし安心もできると言う意味で入門向けに万能な1本を求めている方などに安心してオススメできるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
○ サウンドバランスが良く、オールラウンドに使えるチューニング
○ 開放的で音抜けが良い音色
○ 平均的に高いサウンドクオリティ
○ ビルドクオリティ、デザインが良く装着感など使い勝手も良好
○ 付属品が値段相応に豊富
○ リケーブルやイヤーピース変更によるサウンドチューニングの余地がある
○ 1年保証
Cons(微妙な点)
△ 奇をてらった様な突出したサウンドの個性が無い為、玄人受けが悪い
△ 個体差の可能性はあるが、付属ケーブルの品質、ピンソケットがいまいち
- 結論:A15K Tier2 参考価格:14,284円
- 動機付けなど
- 箱とか付属品とか本体
- 音質について
- SPL周波数特性測定とか
- 相性について
- 音質の総評、所感
- Appendix
量があるので結論以外は気になる部分をリンクで読んでもらえればと思います。
動機付けなど
モチベーション
HifiGo様からの依頼です。事前にHeadFiのレビューを見た上で好きなサウンド傾向な場合だけ依頼するという条件で依頼がありました。最近はレビューを書くよりも依頼のスピードの方が速いため受けさせて頂くかかなり迷ったのですが、調べて嫌いそうなサウンドではないこと、LETSHUOER の S12シリーズの極めて優秀なチューニングには惚れ込んだほどなので、受けさせてもらうことにしました。
販路、購入先(サポート)
一年保証が付く様ですが、初期不良の対応などを考えればAmazon倉庫のprime発送での購入をお勧めします。
SPEC
基本的にあまり気にしない方ではあるのですが、この「GALILEO」の名前の由来については、故人かつ偉人の名前を取ったというよりは日本の推理作家東野圭吾原作の「ガリレオシリーズ」から取られたものだと言われています。真偽は定かではないですが作品の名前を付けるぐらいですし作風と音作りに共通する部分があるのかもしれませんね。
箱とか付属品とか本体
開封体験
裏面はスペックなどが記載されています。スライドして出てくるケースはD13やS12などと同じものです。
箱を開けるとGALILEOのデザインが大きく印刷されたマニュアルが出てきます。
その下にイヤホンとケースが入っています。
フェイスプレートのデザインは最近流行りのスタビウッド調でしょうか。表面はつるつるして綺麗です。
付属品全てを開けるとこんな感じです。
他にも保証書やQCカードがあります。
マニュアル 「あり」
日本市場はメインターゲットではないのかマニュアルは英語のみになっています。
一応ケーブルの付け方などは絵でも書いてあるので、英語が苦手でもなんとかなる様に思います。
筐体 「両側計8.1[g]」
筐体の大きさ、ビルドクオリティはこの価格では十分に良いものだと思います。表面の質感も良いですし、つなぎ目などにバリも無いです。
本体に分かりやすくRLの記載がある他、内部のDDやBA、音導管が見えます。
最近は1万円前後の機種でも音導管がある機種が増えてきましたが、3Dプリンタの精度や後加工の問題かバリがあったり表面加工がイマイチだったりするのですが、GALILEOはかなり綺麗に仕上げてあるように思います。
競合機種との比較 「TRI Metor」
同じ1DD1BA機種のTRI Metorと比較してみました。ほぼ同じ大きさですね。
Meteorの方は3Dプリンタでは無い方法で音導管が作られており、途中に音響フィルタが見えますね。この違いがどの程度音質に影響するのかはわかりませんが同価格帯のイヤホンで作り方の違いが見えて面白いように思います。
コネクタ 「2pin(0.78フラット)」
フラットな2pin端子です。
幾つかリケーブルしてみたのですが個体差なのか左右共に2pinソケットがキツイケーブルが多く、やや精度は悪いかもしれません。
ステム形状 「6.18-5.95[mm]」
ステムの最大直径はやや太めですが一般的なサイズですのでイヤーピース選びに苦労はしないかと思います。
直流インピーダンス 「11.0[Ω]」
テスタ―*1で実測したところ直流インピーダンスは左右共に11.0Ωでした。
ケーブル 「3.5mmプラグ 19.9[g]」
しなやかかつ、適度なコシがあって手触りも良いケーブルが付属しています。太さや色やデザインも無難で、それでいて適度な重さです。
最初は配色からS12などと同じchimeraケーブルと同じ線材を使ったケーブルだと思ったのですが比べてみると別物です。
ちなみに3.5mmと4.4mmのプラグを選べるのはS12とも同じですね。
価格的には少し廉価なD13のタイプかもと思っていたのですが品質は良さそうです。
ちなみにコネクタ部分は何回かリケーブルでつけ外しをしているとパキッという音がしたので回してみるとコネクタ部のカバーが外れました。回すと元に戻せるます。
S12やD13はどうだったかなと確認してみたのですが、頑丈で回らないのでGALILEOケーブル特有のものの様です。
直流インピーダンス 「0.2[Ω]」
テスタ―*2で実測したところ直流インピーダンスはHOT、COLD共に0.2Ωでした。
1万円近辺のイヤホンのケーブルとしては一般的だと思います。
付属イヤーピース「3サイズ×2セット」
LETSHUOERのいつものイヤーピースが付属しています。種類としては豊富ですがサイズ展開は3つだけなので合わない方は私の様に社外のイヤーピースを使うことになりますね。
使い勝手の評価
クロストークチェック 「無し」
手順*3に従って確認しました。
大きめのボリュームではほんの少しクロストークがありましたがリスニングボリュームでは無しでした。
ホワイトノイズ 「ほぼ無し」
ややホワイトノイズが出やすいM17のMaxGainヘッドホンモードで最小ボリュームで聴いてみましたが、音楽のバックにほんの少しだけ聞こえる程度で聴感上記になるレベルのホワイトノイズはありませんでした。
寝ホン 「○」
本体の厚みがありますが、空気は抜けるタイプなので鼓膜へのダメージは少ないです。厚みさえ気にならなければ使う事はできそうです。
音漏れ、遮音性 「2割程度」
指でステム側を抑えて遮音してみましたが2割ほど音漏れしており、大きくはありませんのでそこまで気をつけなければならない範囲ではないです。
タッチノイズ 「一般的な範囲」
ポーチ、ケース 「ハードケース」
見ての通りの品質の良いハードタイプのケースが付属します。従来の革のコンパクトなケースも悪く無かったのですが、ハードタイプではイヤピースなどを複数種類持ち歩けるようになっています。個人的には従来の革の方が好きですが、四角いこのタイプは段積みにしやすかったりしますのでこれは好みの差かと思います。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「〇」
2pinソケットが少しキツイ点はきになりましたが、付属品を使う分には問題ない範囲でしたし、付属品や見た目のビルドクオリティなどは価格帯を満足させる出来だと思います。
音質について
ファーストインプレッション
最初はいつも通りSpiralDot++とM17で聴いたのですが、事前のレビューを読んでいた想像と異なりフラットなサウンドバランスで開放的ではあるものの卒のないサウンドだと感じました。ただ、物は言いようでやや凡庸で華が無いとも言えるなとも思います、特にS12系統の平面駆動の音色を想像しているとやや肩透かしに思うような音色です。
また価格なりの性能を持ち合わせているものの最近の低価格中華に良くあるサウンドバランスを踏襲しているように感じたので、そのあたりのサウンドを聴き込んでいる人ほどA15Kらしさとしての特徴、個性を求めがちに感じる音色です。
競合機種との比較について
価格帯ではこのあたりがライバルになるかと思います。
Metorは元々13800円程度の値付けでしたが、現在は値段が下がっていますね。
エージング(バーンイン)
箱出しから10時間程度使用しました。エージングについてはHifiGo様の許可を得てこの状態でのレビューとしています。
試聴環境、上流影響
標準環境*4を使っています。
M17, BTR7, ADI2DAC, Xperiaと色々と使ってみましたが、ある程度は上流の駆動力、パワーに大きく影響するようですが、概ね一般的な範囲かと思います。
このため今回はM17で聴きこんでいます。
帯域バランス 「フラット~ややカマボコ」
概ねどの帯域も適度に調整されたバランスですが、やや中域の主張が強い傾向があります。尚、Metorは弱ドンシャリ、Rinkoはドンシャリバランスになるかと思います。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「〇」
寒暖はニュアンスが難しいのですがほぼニュートラル、明るさは少し明るめ、響きは広がりのある開放的な鳴りです。粘度、湿度、音の厚みはほぼニュートラルです。
GALILEOの音色の特徴は、特徴が無い事と言っても良いかもしれません。全体的にレベルが高いのですが、突出した部分が無く、褒めどころが難しいです。とはいえ目立った欠点も見当たらないため、バランスが良いところが特徴でしょう。
パワフルで楽しいRinkoや、スッキリとした音色とメリハリのあるMetorとは真逆の無個性さを感じますが、逆に言えばかなりのオールラウンドに使えるチューニングだと感じます。
音場(広狭、重心、遠近) 「〇」
価格帯を踏まえると上下左右奥行き全て概ね平均的なサウンドステージです。音像の近さ、高さも平均的です。こう書くと凡庸に思われるかもしれませんが音像が適度に高く、ある程度は音の広がりが開放的で伸びやかなので音の狭さをあまり感じさせないのは素晴らしいチューニングだと感じます。
定位、音像、分離 「○」
価格帯レベルの音像定位の良さと分離感かと思います。音場は狭いので音が混濁しやすいと思いきや、しっかりと音像を掴むことができます。
解像度 「○」
価格帯を概ね満足させるレベルかと思います。やや音色のコントラストや音の輪郭が高い方では無いため解像感が低いと感じがちですが、音の細かさは十分高く素地の良さが光ります。
低域の質について 「ー〜○」
低音の質、量については価格帯として一般的です。低音を重視される方にとっては常識的な低音の鳴り方はやや量感不足と感じる人もいるなというバランスです。
特にアタックやリリースはスッキリとして残響感が少ないため、軽い印象を持ちやすく表現は十分なレベルです少なめと感じる人も多いように思います。量感を求めるのであればRinkoやMetorが合いますが、中域や高域を邪魔せず、フォーカスを当てる下支えとしての低音を求める方にはGALILEOが合うように思います。
中域の質について 「〇」
中域の量感は十分で最も厚みがある音像を作ります。質も価格帯として十分であり、男性、女性ボーカルやギターなどの楽器などをきっちりと鳴らし分けながら空間に音像を作ってくれます。迫りくる様な熱量は無いですが、かと言って遠すぎて俯瞰しすぎることもなく適度な表現力です。
比較のイヤホンの中では最も中域が目立つ為、ボーカルを重視する場合にはGALILEOが最も良い選択肢になると思います。
高域の質について 「ー〜○」
高域の量感は適度でやや少なめと感じる人も多かと思います。量感が少ないこともあり、キラキラした超高域の音色や女性ボーカルのサ行などの歯擦音はあまり刺さりません。全体的に整った音場に音が調和して存在するような表現なので小さな音でも聴き取りやすく十分な表現力を持っています。量感だけが足りないという人がいるかもしれないと感じるため、幅をもたせています。
SPL周波数特性測定とか
左右差 TypeE
ほぼハーマンターゲットと感じる人も多いかもしれませんね。
vs S12, D13
S12などのLETSHUOERのバランスから言えばややかまぼこよりになるでしょうか。
vs TRI Metor
Metorと比べてもややかまぼこですね。
vs SeeAudio RINKO
Rinkoがいかにドンシャリバランスなのかが良くわかりますね。
相性について
ジャンルの得意不得意 「あり」
チューニングバランスがフラットに近い事で比較的オールラウンダーだと感じます。とはいえ、低音の量感が重要なダンスミュージックなどでは低音や高音がもう少し欲しいと感じる楽曲が多い様に思います。逆にPOPSなどボーカルがメインになる楽曲には良く合うように思います。
アンプ(上流)による印象の違いについて 「少なめ」
より良い上流を使う事でより良い音が楽しめるイヤホンではありますが、極端な変化は無く概ねアンプの実力に比例してくれる印象です。
このため、ポータブルであればポータブルアンプ、据え置き機材など強力な上流機材を準備するとより幸せにはなれますが、無くても楽しめるイヤホンです。
個人的にはイヤホン自体がややモニター的なニュートラルサウンドを感じるのでADI2DAC fsの様な個性が強く固めの音が合いました。
ケーブルによる印象の違いについて(注意)
注意:
リケーブルについては科学的に見ればごく低品質なものを除いて音質の変化に対する定量性のある決定的な証拠はありません。
このためリケーブルは貼り付けなどと変わらないオカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。
M17 "AppleMusic" -> 「 」-> イヤホン -> SpairalDot++
尚、今回はWiseTech様からNOBUNAGA Labsのケーブル5種類「CASSINI AXIS」「瑞鳳 颯」「BRAHMA」「MORPHEUS」「CEPHALUS」をお借りしました。2PINとMMCXの違いのみのCASSINI AXIS、瑞鳳 颯を除いてそれぞれの相性を確認してみようと思います。GALILEOの価格がA15Kな事に対してやや分不相応な組み合わせもありますが、ご容赦ください。
NOBUNAGA Labs entry CEPHALUS ケファルス 「◎」
エントリーシリーズとのことで比較的低価格なNOBUNAGA Labsの錫めっきケーブルです。
ケーブル本体は軽く13.3gと標準ケーブルから33%も軽量化できます。かなり細いケーブルのため装着感は良いのですが相性によってややタッチノイズを感じるかもしれません。色も落ち着いており、見た目も悪くないように思います。
音色の変化は、中域と高域が華やかになり、艶やかさが出る感覚です。アコースティックギター等のストリングスの倍音やチャイムのキラキラ感が全面に出てきて、音色が中高域寄りになったと感じます。音の輪郭がはっきりする傾向があり、低音は量感はでるものの若干響いて鈍くなる傾向があるでしょうか。
音場の変化は大きくはないのですが少なくもありません。音色が少し前方に来る感覚があり、高域の楽器についてはやや上方に定位するようになることで空間が広くなります。
解像度も少し上がり全体的に楽しい音色に変化したと思います。GALILEO標準では若干冷静でモニターライクな音色とも言える中庸さがったのですが、高い底力CEPHALUSで発揮された様に思います。
ケーブルが細く軽くなることに加えて音も良好と、個人的には使い勝手と音色の変化のバランスが良く、すばらしい相性だと感じました。
NOBUNAGA Labs entry MORPHEUS モルフェウス 「ー〜〇」
エントリーシリーズとのことで比較的低価格なNOBUNAGA Labsの銀めっきケーブルです。
ケーブル本体は軽く13.3gと標準ケーブルから33%も軽量化できます。かなり細いケーブルのため装着感は良いのですが相性によってややタッチノイズを感じるかもしれません。色はCEPHALUSと比べるとキレイな白色なので若干派手さはありますが、細いので見た目も良い様に思います。
音色の変化としては標準ケーブルから大きな変化は無いのですが、シンバルやチャイム系のシャンシャンする帯域である高域側が派手で華やかになった印象です。解像度は少し上がるのですが大差は無い様に思います。
音像はほんの少し上方に移動しますがほぼ標準ケーブルから変化がありません。あくまで標準のGalileoの特徴を保ったままほんの少し派手な音色にしてくれている感覚です。その上で細く軽いケーブルになるわけなのでCEPHALUSほどではないですが、良い相性の様に思います。
特にJSHiFiやNICEHCK等の最近台頭している中華メーカーのケーブルは、音質の面では圧倒的なコストパフォーマンスではあるのですが使い勝手を犠牲にする重さと太さです。GALILEO標準の良さをある程度保ちながら使い勝手を良くしたいという要求にはこのMORPHEUSは良い選択肢の1つになるように思います。
NOBUNAGA Labs CASSINI AXIS カッシーニアクシス 「△」
4月29日に発売になりました錫メッキ8芯ケーブルです。4芯の方はレビューしておりますので良かったら参照ください。
まず見た目に関してなのですが、ちょっと不格好と言ってよいほどCASSINI AXISの太さが目立ちます。タッチノイズも大きめですし、太いケーブルは重量感があります。実際に重さを測ると59.5gと、girugamesh-Omegaの46.8gから更に13g重くなっています。
ここまでの重さになるとある程度覚悟は必要かもしれません。
さて、肝心の音質ですが個人的にはあまり良い結果にはなりませんでした。
サウンドバランスがやや低音寄りになることや、音像がやや下になります。ヌケ感はあるので重苦しすぎるということは無いのですが低音の響きがややあっさりしているGALILEO の表現とあまり相性が良く無いように思います。
全体の音色はややウェットで暗めでかつ表現が細かくなります。解像度はたしかに上がり、音色は滑らかになるのですが、解像感は下がるので少し玄人好みの音色だと感じます。
前回のポタフェスで64Audio Nioに装着させたときと比べるとやはり少し相性が悪いのかGALILEO が約不足なのだろうと思います。総評としてもちろん悪い音ではないのですが、価格に見合う音色になっているかというと難しいと感じました。
NOBUNAGA Labs BRAHMA ブラフマー「〇」
直販限定という純銀線を付けてみました。シルバーの色はとてもきれいです。使い勝手的な部分を先に言えば見た目が素晴らしい一方で曲率半径に対する反発力が強めなので柔軟性は低めです。耳掛けの部分などは何度も反発力で耳から外れてしまったので別途収縮チューブなどで癖付けなどをしてやる方が良いかもしれません。
音色の変化ですが低音と高音が出るようになることでサウンドバランスはフラットに近づきます。特にサブベースに近い深い低音の量感が増しますし、高域のチャイムなどの鈴の音はキラキラします。とはいえ派手過ぎることも無くスッキリとした音色傾向です。元々Galileoが抜け感の良い音色なことに加えてすっきりとした音色が加わったことでとても爽やかな音色になっています。
音場は上下と左右が広大で前後はやや平坦です。音像は少し近めでしょうか。解像度や明瞭度は明確に向上し、CASSINIよりバランスが取れている様に感じます。個人的に上下の音場の中でも、全体のバランスを保ちつつ下側も上手く使えるケーブルは希少のと思っており、 BRAHMAの面白さを実感しました。YongseのAgMax8と比べると解像度などは一歩劣りますが、空間表現の上手さが光るケーブルだと感じます。
イヤホンの価格に対してケーブルの価格が高すぎるので〇としていますが、価格やコストパフォーマンスは置いて今回聴いた中で最も好きな音色はどのケーブルかを聞かれると BRAHMA だと即答できるほどには素晴らしいと感じました。
NICEHCK FOURMIX 4.4mm 2pin「〇」
音色の重心が少し下がるのですが中域、低域の表現力が拡張されて、迫力がでて解像度があがります。前後の音像の立体感もすこしでてきますが、上下の音場はやや狭くなるでしょうか。しかしながらスッキリとした開放的で伸びやかな音色なので狭苦しさはありませsん。
価格はやや高めでデメリットも少し見えますが、相性はかなり良い様に感じました。
Yongse Expert AgMax8 「◎」
純銀線の比較のためYongseのAgMax8を付けてみましたが、こちらも素晴らしい相性でした。
一聴してわかるの超高解像度と華やかで明るい音色にシャリ付かない高域です。音色はやや暖色になるでしょうか。横と上下の広大音場に適度な前後の立体感があります。
あっさりすっきりしていたBRAHMAよりもパワフルな印象があり、上下の音場までもが使えていた円形の音場のBRAHMAに対してYongseはあくまで横と上と前後の音場に展開される点が大きな違いかと思います。
見た目に関してはより白く見た目が綺麗なのがBRAHMAでよりしなやかで使い勝手が良いのがYongseでしょうか。
標準ケーブル 「△」
こうやって比べてみると標準ケーブルは卒が無いのですが、全体の音の表現力に欠けており、淡白であっさりとした味気無さを感じさせている要因にもなっていると感じました。
まとめ
GALILEOの標準ケーブルは質は悪くないのですが、もしGALILEOの音色に面白みに欠けると感じた場合は標準ケーブルからの交換を推奨します。
個人的には絶対的な音質ならばBRAHMA、コスパならばAg8Max、 CEPHALUS が気に入りました。
イヤーピースによる印象の違いについて
M17 "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> 「」
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視)
今回のレビューでのデフォルトイヤーピースです。
ZEOS Render(超高域重視) 「〇」
音像の重心が少しだけ下がり、前後の音の立体感が少し出るのですが代わりに横の音場が狭くなり、全体としての音場の広さは少し狭くなった様に感じます。
高域の楽器の主張が少し大人しくなり、低音の表現が若干暖色系に寄り音色に暖かみあでます。
逆に女性ボーカルのサ行などの歯擦音がやや刺さりやすくなりますのでそこは注意が必要かもしれませんが、全体としては良相性と言って良さそうです。
Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) 「◎」
SpiralDot++と比べると横の音場は狭くなりますが、低音〜中音までの量感が出てアタックとリリースのスピード感が出ます。音色はややビビッドでパワフルに変化し、音像重心が一歩前方に来て迫力が増します。
音の分離感が良くなり解像感(音色のコントラスト)も上がりますし音の細かさとしての解像度が上がり良好な相性だと感じます。
SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「◎」
←現在はなぜかイヤホンセットの方が安いです
素晴らしい相性です。音場はSpiralDot++までは行きませんが左右上下に広いです。音色がやや暖色傾向で、低域と中域の主張が強くなります。
定位や音像の広がりなども自然でかつ音の分離も良好です。
final TypeE soft(ボーカル艶重視)「○」
finalストアでイヤピガチャを引くか、final製品(Study1かVR1000か糸竹管弦)を購入することでしか手に入らないTypeE softですが、入手性も上がってきていますので試してみています。
このイヤーピースは基本的には普通のTypeEと同じではあるのですが、普通のTypeEよりも低音が控えめでやや音場が広めで中域のボーカルなどに艶が乗るボーカル重視イヤーピースです。
音場はSpiralDot++程度に左右上下にやや広くなり、音像の重心は高くなります。低域は比較的あっさりしますが、中域のボーカルが明るく艶やさがでます。まずまずの相性だと感じました。
Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「◎」
女性ボーカルの音色がクリアで透明感がでた上で音像が近くなり迫力が出ます。音場が左右が少し狭くなりますが中域の表現力が良いため気になりません。刺さり防止については元々刺さらないこともあり、あまり効果を感じませんでした。
音像が高く、低音も量感があり、高域も綺麗にでてくれます。個人的には少しピーキーですが良い音色だと感じました。
まとめ
結論としてイヤーピースでも大きく音が変わるイヤホンです。今回試した中ではEarfitMaxとW1、清泉の相性が良いように感じました。
音質の総評、所感
個人の主観的な好みで言えば78点、私が客観的だと思う好みの点数としては89±7点です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはA15KでTier2としました。
こうして俯瞰して見るとGALILEOの名前の由来は定かではないですが、音はこの価格帯のニュートラルな音色を目指して作られたかのような感覚を感じます。そう考えてみるとメーカーの思想、コラボレーションによるニュートラルなチューニング、高いビルドクオリティは計算しつくされたようなイメ―ジも感じます。そういった意味でプロダクトとしてかなり気に入ったイヤホンになるかと思います。
突出するような奇をてらった玄人向けサウンドチューニングでは無いので、数多のイヤホンを所持している自分には強くは刺さらないのですが、もしこの価格帯のハイブリッドイヤホンでニュートラルで質の高いイヤホンを1つ挙げるとすると何かと言われればGALILEOを選ぶだろうと思います。
できるかぎりニュートラルなイヤホンを1つ持ちたい場合や、初めてイヤホンを買われる方、様々な場面で使いたい場合にオススメできるイヤホンだと感じました。
最後に、この様な機会をいただきましたHifiGo様に感謝申し上げます。
Appendix
購入リンク
*1:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*2:KYORITSU KEW MATE MODEL 2000 オフセット除去
*3:
ホワイトノイズが少ないADI2DAC fsとMacBook 15 Late2013 Rewにて左のみなど片方CHのみからリスニングボリュームのホワイトノイズ又は1KHzSin派を出力します。出力先CHでホワイトノイズやSin波を確認したのち、取り外して遮音し、もう片側を装着して出音をチェックします
*4:
M17DC(PL50) "AppleMusic" -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
M17"AppleMusic" -LDAC-> XD05BAL -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
iphone12"AppleMusic" -A1749-> -> 標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xaomi 11T Pro"AppleMusic" -LDAC-> BTR7 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->A90->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->ADI2DAC->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
MBP15 Late2013"AppleMusic" ->E50->L70->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
GV301"AppleMusicプレビュー" -標準ケーブル-> Aiyima H1 ->標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
Xperia10iv"AppleMusic" ->SHIO -標準ケーブル-> イヤホン -> SpairalDot++
*5:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:MOTU M2 OUT 6.3 to 3.5mm
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz