ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

雑記:SHURE SE310という名機の音と思い出

こんにちは

 

今日は昨日購入したSHUREのSE310についての雑記です。

画像

ちょっとした概略、紹介

このイヤホンは日本で2007年の春ごろに発売したBA1発で構成されたカナル型イヤホンです。見た目は写真の通りかなりシンプルな感じで、伝統的なSHUREの細軸のイヤホンです。

今でも当時のスペックなどの情報が載ったサイトが残っていましたのでリンクを貼っておきます。

marketing.hibino.co.jp

値段は約3万円で当時のイヤホン業界では圧倒的に高額なイヤホンの部類でした。発売から暫くしてから購入した覚えがありますが若かった私は(この当時として)イヤホンみたいなものにこんな値段を出していいものだろうか?っと自問しつつ清水の舞台から飛び降りる気持ちで購入した覚えがあります。

この当時はまだMMCXのプラグは採用されておらずリケーブルなどは叶いません。ただ本体としては一般的なイヤホンケーブルの分岐部分までの40cm程度しかなく、そこから1m程度の3.5mmm to 3.5mmの延長ケーブルが付属しています。なのでこの3.5mmの延長コード的なものを変更すればリケーブルができると言えなくもありません。もちろんこの当時はイヤホンケーブルで音が変わるなんていうのは完全にオカルトで、今ほどにはコンセンサスが得られておらずリケーブル用の商品などの市場は存在していなかったと思います。

また、イヤーピースについても同じで細軸で作られたイヤーピースは自社製のフォームタイプイヤーピースか3段フランジを使う以外の選択肢は無く今の様に音色の変化を楽しんだり、装着感を改善させるようなものの市場は存在しませんでした。

当然ながらSHUREはその市場のパイオニアですからそれらには不満が出ないようにイヤーピースもフォームタイプから3段フランジ、シリコンと当時から複数のオプションを提案して装着に問題が無い様にしています。

またイヤホン本体が軽い上に、その途中のケーブルも圧倒的に細くて軽いため本体重量が両側合わせてて12g程度しか無く、この当時から装着の快適さにこだわっていたことを伺い知れます。ちなみにfinalのA8000の筐体の片側は(ケーブルを含まない)11.5gなのでほぼ、イヤホン全体とA8000の1つの筐体がほぼ同じ重さということになります。

イヤホン最高クラスの高い遮音性

そしてこの当時から圧倒的な謳い文句としてあったのは高遮音性です。今でこそイヤホンのノイズキャンセルはAppleSONYのイメージが強くなりましたが当時はBOSEが航空機用にアクティブノイズキャンセル機能を持つヘッドホンを発売しており、圧倒的な存在感と性能を誇っていたと思います。これは先日試聴してきたBose QuietComfort Earbuds IIにも引き継がれておりAirPodsPro2に比べても圧倒的なノイズキャンセル性能を誇ってたのには古い時代を思い起こさせてくれてうれしかったです。

素晴らしいノイズキャンセル性能でした。

このBoseに対抗する形でノイズキャンセルでは無く遮音という価値提案をしており、そしてその中でも圧倒的に高い遮音性を誇る機種がSE310になります。

これはいまでも高く評価されており、この機種を上回る遮音性の機種は無いのでは?っと言う方すら見かけます。実際に遮音性能を比べたデータがあるわけではないのですが実際再購入して、デフォルトのフォームタイプイヤーピースで装着してみても手持ちのイヤホンの中ではトップクラスの遮音性を有していることを実感します。

画像

もちろんこれは写真の通り標準で装着されている低反発フォームタイプのイヤーピースを使った時で、これをシリコンイヤーピースにすると流石に遮音性は落ちます。

ちなみに細軸なので今一般的なサイズイヤーピースを装着するにはAZLAのEarfit Maxなどに付属している細軸用の拡張ステムを使う必要があります。

←画像引用元

開けにくいパッケージ

これは購入したパッケージですが周囲を熱融着させている樹脂製なので圧倒的に開けにくいです。今の様にイヤホンの箱を取っておきたいという需要も無かった時代ですので仕方のない事かもしれません。

この周囲の段差の部分は全て融着しているので普通に開けようとしても開きませんので事前情報が無ければ、開けられず悪戦苦闘することになります。

当然ながらこのSE310のパッケージは開けずらいとネットでも評判でクレームも相当にあったのでしょう、そのあとの機種では値段に相応しい高級感もある紙箱製に変更されています。

今回はその経験がありましたので思慮しましたが本体周囲の内側をカッターでくり抜くと綺麗に開けられました。

ケーブルの断線とお別れ

SE310のケーブルは一番断線しやすいプレイヤー側のプラグの根元が延長ケーブル仕様になっているため、かなり断線には強い構造になっていました。これにより一般多くの消費者については延長ケーブル部分を買いなおすだけで済む形になっていました。

ただ自分はある程度プレイヤー部分のプラグ部が弱いことを知っていたので丁寧に使っていたこともあってそこの部分は断線せず、最終的にはその上部のイヤホン側の細いケーブル部が断線してしまった記憶があります。このイヤホン部分のケーブルについてはテンションがかかりずらく丈夫ではあったと思うのですが、如何せん細い上にほぼ毎日使っていた為か5年ほどでケーブルが硬化し、その部分が応力に負けて折れて断線してしまった覚えがあります。

これは快適さを重視しているケーブルの細さも要因であると思うのですが流石に耐久性の問題もあるかと思います。もちろんそれは自分だけではないということからイヤホン本体の根元にMMCX端子が採用される、現在のイヤホンの形になるのですが、それによる功罪も数多くありますね。こちらについては本題ではないので今日は語りませんが、SE310はそのような時代の変遷を感じる過渡期の様なイヤホンですね。

 

久しぶりに聴いた音とか

SE310の音はいかにもBAドライバという感じの高音が金属的な鳴り方をし、サブベースを含む低音と超高音域の量感が薄い弱カマボコバランスの音色が特徴です。SHUREらしい音色かと言われると確かに1BAということもありちょっと異端な感じはあるのだろうと思いますが個人的には普通の音色です。音場は(今となっては)狭めで頭の中央に音像定位が集中します。

標準のフォームタイプのイヤーピースを使う限り今では3万円するとは思えないほど低い解像度で時代を感じます。音像や定位も悪くはないのですがフォームタイプということもありそれを考えるとかなり音抜けも良く刺さる帯域も無いのでかなり整った音です。

刺激の強い音が少ないため派手さも無いのですが全体的に手堅い上に良くも悪くもSHUREサウンドと言う感じです。ノスタルジーを感じはしましたが全体的に解像度の低さ以外は全然今でも聴ける音だなと感じました。

 

SPL周波数特性

SHURE SE310 周波数特性

折角なので測定は標準のフォームタイプのイヤーピース(オレンジ色線)、そしてAZLAの細→太変換を使っていつも使うfinal TypeE M(青色線)の2種類を測定してみました。

想像していた通りではあるのですがmaestraudioやZEROなどで注目されているHRTFに忠実な周波数特性をしていると思います。SE310の使用ドライバは知らないのですが3段フランジを使ったEtymotic Research のER4Sなどともかなり近い周波数特性ですね。

結果的に個人的にはZEROの記事でも書きましたがE2Cしかり、HRTFに忠実な周波数特性ほど定位が中心に寄って音場が狭い印象を受けるという仮説への思いは強くなった印象です。

 

また、気になったのはフォームタイプで1dBほど音圧が下がっていること、そして10KHz以上の周波数の減数が大きいことです。昔使っていた時はAZLAの太軸変換もありませんでしたし、社外のイヤーピースもこんなに豊富には存在しませんでした(Comply程度でしょうか…)。ということでなんだかんだでSE310は標準フォームタイプでしか音を聴いたことが無かったので現代のイヤーピースを付けるとどうなるのか気になります。

現代のイヤーピースによるSE310の音

試したのはFinal Type E や Spinfit W1、Symbio Type Wの中身ぐらいですが驚くほどに音の解像度が上がり驚きました。正直デフォルトでは現代の1万円以下のイヤホンにすら解像度では圧倒的に劣ると感じていたのですが、イヤーピースを交換すればまぁ1万円ぐらいのイヤホンなら今でも戦えるかなという音になりました。勿論遮音性は圧倒的に落ちてしまうのでSymbio Type Wの中身を使って遮音性を上げる取り組みは必要なのでしょうが、新旧の組み合わせはなかなかに面白いです。

本当にこの15年でイヤーピースの音が進化したと言って過言ではないと思います。時間を見つけてはSE310に合うイヤーピースを見つけたいとおもいます。

 

まとめ

っということで昔使っていたSHUREのSE310を購入したのですが非常に良い買物でした。本当にこの時代のイヤホンは現代とは異なりHRTFという理論に忠実なイヤホンが多い様に思います。ただ単にノスタルジーに浸りたいという思いだけで購入しましたが思わぬ収穫として旧時代のイヤホンに新時代のイヤーピースを付けるという新しい楽しみも見つけることができました。何気に未開封品だったので最初は開封するか迷ったのですが開けて正解でした。折角なので後悔の無いよう末永く使っていきたいと思います。

 

っということで良い時間になりましたので、今日はここまでにしたいと思います。ではまた明日。