ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

イヤホンレビュー:SOUNDPEATS Capsule3 Pro  結論:ANC最強クラス+パワフルな低域表現を両立した高コスパ万能機(PR:SOUNDPEATS)

こんにちは

 

今回は、SOUNDPEATS様より依頼のTWS 「SOUNDPEATS Capsule3 Pro」のレビューです。レビュー依頼品ではありますが趣味でやっておりますのでいつも通り記載します。

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結論:ANC最強クラスとパワフルな低域表現を両立した高コスパ万能

SOUNDPEATS Capsule3 Proは騒音下ではAirPodsPro2を超えるANC(アクティブノイズキャンセリング)性能を持つ高いコストパフォーマンスのTWSイヤホンです。

音質面でも6000円とは思えない質、量の低音表現を持ち、音場の広さ、解像度、分離感など基本的なサウンドのクオリティもAirPodsPro2に迫ります。低域の量は多めですがアプリによるチューニングで減らすこともできます。

価格が価格なのでアプリの出来などはやや拙いところもあるほか、音質だけを見れば更に上位機種はいくらでもあるのですが、Capsule3 ProはApple AirPodsPro2やBose QuietComfort® Earbuds IIなどの高級機と遜色ないANC性能に加え、LDAC接続により6000円でこの音がでたらもう満足だなと思える高級機に近いレベルでの音質も併せ持ちます。このため、AppleBoseなどを検討していたけれど予算が合わないと言う方に、6分の1の価格のSOUNDPEATS Capsule3 Proはオススメできる選択肢になるかと思います。

Pros(優秀な点)

◎ 質、量共に良質な低域表現

◎ 騒音下で優秀なANC性能(高コスパ

〇 解像度、音場、音の厚み、分離などどれも質が高い良質なサウンド

〇 アプリによるサウンドチューニングが可能

〇 社外イヤーピースを装着してケースが締められる

〇 軽い本体、高いビルドクオリティ

〇 本体1年保証

○ 電波感度は良好、AACであれば電池持ちも良好

Cons(微妙な点)

ー 強いて言えば高域表現は値段なり

△ 低域が強すぎると感じる場合もある音質バランス

△ 単体電池もちは最大8時間だがANC LDAC990bps接続での電池持ちは3.5時間と短め

△ マルチポイント接続、ワイヤレス充電は無し

△ タッチセンサー感度はやや微妙、コントロールの変更は不可

△ 標準イヤーピースの品質はイマイチ

△ イコライザなどが使える標準アプリの安定性などの出来映えは微妙

SPECとか

下記をご覧ください

外箱

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メーカー名が書いてあるシンプルな箱です。側面には技適マークがあります。f:id:el_snow:20230710145549j:image

箱の中身

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マニュアルがあり、その下に本体とアクセサリが入ったものです。

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イヤーピース3種類(Mサイズは装着済み)、USB Cの充電ケーブルなどが入っていました。f:id:el_snow:20230710145541j:image

マニュアル

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マニュアルとても簡素なもので使い方などの説明はありません。その中身もアプリをインストールするように促すもので、ちょっとここは上級者向けですね。

ケース

f:id:el_snow:20230710145606j:imageケースは一般的な大きさでしょうか、Miniの時の様にC端子が変な位置に無いので充電は問題ありません。

折角なのでQCY T13(GEOのQT13と同じ)、Apple AirpodsPro2 2genと比べてみました。
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小さいまではいきませんが実用上問題無いサイズ感だと思います。

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ケースはこんなかんじで開きます。先ほどの写真の通りMサイズのイヤーピースでかなり余裕があったので社外のイヤーピースも付きそうだと思い、SpiralDot++のLやSednaEarfitのL、清泉のXLなど試したのですが普通に付いて蓋を締めて充電できました。一応手持ちで一番大きいComplyのアジアンフィットの最大サイズも試したのですがそれは蓋の締まりが悪いぐらいで一応は使えました。

 

尚、装着や収納充電は問題なかったのですがSpiralDot++は若干軸のフィットが悪く稀に耳にイヤーピースが残ったりしたので軸の固めのイヤーピースの方がホールド感は良いかもしれません。また、清泉は耳のフィットが甘くANCが効かなかったです。

写真はEarfitとSpiralDotです。f:id:el_snow:20230710154948j:image

ケースは開けるだけでペアリングを開始してくれます。

本体比較

本体の大きさはほぼAirpodsPro2と同じ感じでしょうか。

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折角なので同じ様にQCY T13(GEOのQT13と同じ)、Apple AirpodsPro2 2genと比べてみました。
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重さは両側合計で9gとAirpodsPro2の10gと比べて少し軽くT13の7gと比べるとやや重いですが概ね軽い範囲になるかと思います。 

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ステム部分はやや楕円形になっています。銅箔っぽくデザインされている部分の上部のSマークのあたりば感応センサになっています。タッチ感度は結構微妙なのでそこはすこしマイナスポイントかなと思っていましたが、1日ほどで慣れたので悪くはないと思います。

付属イヤーピース

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付属品のイヤーピースはお世辞にも良いイメージはありません。サイズが小さく自分には合わなかったのでもう少しサイズ展開が欲しいです。特にTWSはイヤーピース部分で本体をホールドするので社外品に交換するのがおすすめだと思います。

マイク

iPhoneに繋いでDiscordで通話してみましたが、やや音割れしやすく音が遠いそうですが問題なく電話できました。

IPX4

IPX4は実験するほどの耐水性は持っていないので未実験です。

充電

無線は付いていません。USBCケーブルで充電します。付属品のケーブルA-Cは短いので使い勝手は分かれそうです。

充電ランプがあるのと、スマートフォンからも確認できました。

アプリについて

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アプリについてはiPhone版とAndroid版があり、両方共にインストールしてみました。

動作にはメールアドレスの登録が必要なタイプで登録が個人情報は不要ですがメールアドレスは必要になります。また、Android版は普通にログインできたのですがiPhone版はどうしてもログインができません、バグでしょうか。Android版はログインできますがアプリでのイヤホンの認識は上手く行かないときがあるようで、その場合はBT接続を一度消して登録し直しをすると認識してくれるようになりました。

また、ボタンのアサイン変更などもできない様です。

総合するとちょっとアプリの出来はイマイチかもしれませんが値段を考えると日本語化ローカライズしてあるだけまだ良い様に思います。

尚、ファームウェアバージョンについては2023年07月11日現在の最新版v60になっていました。

ANC性能 「概ねAirPod Pro2 2Gen 以上」

標準では隙間ができてANCが効かなかった為、密着して装着できるSpiralDot++イヤーピースを装着しています。

強騒音下

車の走行ロードノイズが削減されるかを確認しましたが、驚くべき事にAirpodsPro2 2genよりノイズが削減されているようです。ドラム式洗濯乾燥機の音や、サーキュレーターや空気清浄機のファンの音もほぼ消えました。

AirpodsPro2よりも高い周波数の音を効果的にキャンセルしてくれるようです。いままでEdifireやEarfun、QCYなどの中華ANCはかなりこの点は微妙だったのですがかなり実用的なレベルのANC性能が発揮されています。BOSEの機種は手持ちに無いので比べられないですが、かなり近いレベルの性能がある様に思い餡巣。この時点で強騒音下のノイキャン目当てならこのTWSはかなりアリだと思います。

HT05の強モードのANC、Earfun Free Pro2と比較しても圧倒的にANC性能は上です。

低騒音下

深夜など低騒音の環境下では小さく「サー」っとホワイトノイズがあります。かなり小さ目の音なので気にならない人もいるレベルですがAirpodsPro2 よりは少し大きく、ここは評価がわかれるかと思います。こちらについてもBOSEとほぼ同等だと思って良いかと思います。無音に近い状態であればANCは切ったほうが静かになります。

ヒアースルー

直接イヤホンを取ることが多いのであまりこのモードを使わない自分としてはどうでもよいのですが、AirpodsPro2よりは不自然です。HT05などに比べても高域の強調感は少なく、Falcon2の様なノイズまみれの酷い性能でもありません。

その他

AirpodsPro2は耳から外した時に逆側の耳のANCが誤動作することが多いのですが、Capsule3 Proは誤動作は無いようです。ANC性能目当てであればCapsule3 Pro本当に価格破壊のコスパです。

接続性について

前述したようにAndroidWindows Alternative A2DP Driver ではLDACで繋がりました。Xaomi 11T Proでの接続の場合は660kbpsが限界でしたが、XperiaWindows Alternative A2DP Driver 家の中程度では990kbps接続に問題無く使用できました。とは言え野外で使うと990kbpsではプチプチ切れてしまったので外使いでは660kbpsが限界だと思います。

また、アプリなどで設定を変えた際に接続が一瞬途切れたりもします。

電池持ちについて

単体電池もちは最大8時間、LDACは4時間と記載がありますが、更にANC ON、990kbpsの場合はどうなのか を調べてみました。LDAC990bps接続での電池持ちは3時間頃から接続が1分に一回ほど途切れる様になってきてアダプティブモードにすると接続が切れなくなりました。その後、3.5時間でバッテリーローのアナウンスが流れて接続が切れてしまいました。

どうやら電池が少なくなると990kbpsでの接続性も下がる様な感覚があります。

何れにしても長時間付けっぱなしで使うという用途よりは通勤や通学などケースに仕舞うタイミングがある方や家使いなどの使い方にマッチしているように感じます。

遅延について

Windows Alternative A2DP Driverで接続しているときは激しい遅延で動画なども見れない感じなのですが、Androidなどでは問題なく利用できました。音ゲーなど際どいゲームは一応ゲームモードが用意されており、アプリで切り替える様です。

音について

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音の傾向

結論を先に言えば低音の量感は多すぎですがLDAC接続990kbpsの音質はかなり良好で、4万円近いAirPods Pro2に迫るレベルです。

 

機材としては

Xperia 10iv ⇢ LDAC ⇢ Capsule3 Pro ⇢ SpiralDot++

Windows11 Alternative A2DP Driver ⇢ LDAC ⇢ Capsule3 Pro ⇢ SpiralDot++

Xaomi 11T Pro ⇢ LDAC ⇢ Capsule3 Pro ⇢ SpiralDot++

iPhone12 ⇢ AAC ⇢ Capsule3 Pro ⇢ SpiralDot++

です。

接続方式の違い

LDAC990kbps, LDACアダプティブAACと接続のBitレートを下げると顕著に変わるのは低域の厚み表現でAACになるにつれて音色がスッキリとしてあっさりめの低音になります。

他にも音の解像度が少しづつ落ちますので、音質重視ならできれば990kbpsで聴きたいイヤホンです。もちろん電池持ちも最大で2倍程度変わるのでその辺りはうまくバランスを取る必要があります。

帯域バランス 「低音重視」

標準状態では非常に低音が強い、低音重視のバランスです。とはいえ中域や高域もしっかりと出ていますのでイコライザーで調整可能な範囲です。

音色 「○」

寒暖 暖色傾向

明暗 ニュートラル、

響き 多め

固液 ニュートラ

厚み 厚め

特徴

分厚い低音の表現が特徴的な音色です。響は多めで密閉感はあるのですが音場の広さもあり、窮屈さを感じさせないように上手くまとめ上げられていると感じます。イコライザで低音の量感を下げれば概ね平均的にレベルとの高いパワフルなサウンドになります。HT05とそれほど値段が変わらないことを踏まえると音場が広くかなりレベルが高いように感じます。

空間表現

音場は左右に広くやや上下はやや狭め、前後はやや広いでしょうか。前述したように密閉感がある低音表現なのですが、イコライザで低域を下げると密閉感が減り、全域に渡って見通しが良くなります。

解像度、定位、分離 「○」

LDAC990kbpsが前提となりますが、解像度は1万円以下のイヤホンとしてはかなり高いです。ライバルのHT05と比べても音の細部の表現が上手いだけでなく音の広がりや厚みもあり音像を掴みやすいです。

低域の質 「◎」

低音好きには良いなと思うバランスで、サブベースからミッドベースまでしっかり量感として出ています。GEOのQT13と同じかもう少し出ている感じがあります。990kbpsの時限定ですが量感が多いだけでなく質も良く、密度感を感じるパワフルな楽しい低音です。

中域の質 「◎」

低域に被りがちな点さえ気にならなければ解像度も高く厚みもあるのでしっかりと聞き応えを感じられます。低域の量感をイコライザで下げることで音の中心にもなりえる底力を持っています。この価格でここまでの音がでれば十分ではないでしょうか。

高域の質 「ー」

中域同様に低域のボリュームに押され気味で被りがちではあるのですが、しっかりと量感はある高域表現です。女性ボーカルのサ行などの歯擦音も概ね刺さらず調整されています。

残念なのは表現力で音色の伸びが悪くチャイム系の楽器の響きが不自然で値段なりの描写になっています。特にイコライザを変更して低域を減らした時の方が雑味が増えてしまいます。もちろん値段帯を踏まえるとHT05より少し劣る程度なので概ね十分な表現だとも感じます。

SPL周波数特性

測定環境*1

左右差

vs  Apple AirPodsPro2

vs GEO HT05

こうしてみると AirPodsPro2と比べて低域と中高域が10dBほど高くチューニングされています。

アプリによる音質調整 「△」

アプリケーションの機能にあるイコライザで音質を調整可能ですが、残念ながら調整結果は接続毎にリセットされるようで機種を持ち越すことはできませんでした(イコライザ結果の周波数特性は取得できませんでした)。このため、WindowsMacでの使用ではイコライザやゲームモードなどは使用できませんでした。

機能としてはありますが安定性も踏まえると無いものとして考えるほうが良いかと思います。

オージオグラムの要領でイコライザの値を決めるモードもあります。ただし使用してみたのですが結局フラット(低音が強い)ままだったのであまり宛になる感じではなかったです。
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プリセットで用意されているのは以下

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おすすめは「SOUNDPEATSクラシック」(低音多め)又は「低域低減」(概ねフラット)です。
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フラットに近づけるイコライザは上の様な感じになるかと思います。ただ上記の場合中域より上の帯域は少し歪む感覚がありますのでフラットにこだわらないのであればプリセットを使う方が良いかと思います。

まとめ 

ANCは驚くほど高いコストパフォーマンスでしたが、音質についてもかなり素晴らしくLDACに限定すれば手持ちのAirPodsPro2に迫り、一部はやや上回る表現もありました。一方手持ちの音質特化のMoondrop Aliceと比べると高域を中心に表現の粗が見えてきますが、価格が3割程度なのでかなり満足度が高いレベルにまとまっていると思います。

Capsule3 ProのターゲットとしてはAirPodsBOSEの高級ANC機種を検討していたけれど音質をできるだけ妥協せずに廉価な機種が欲しい場合などにオススメできる機種だと感じます。

今回のレビューではTechnics AZ80で3万円台のTWSの音質が一段飛躍したと感じていましたが、逆に1万円以下の価格のTWSが猛烈な勢いで追い上げていることも実感しました。特にANC性能については個人的に文句ないレベルまで仕上がっています。イヤーピースが交換できるケースであることもオーディオ的にもうれしい設計ですし、低価格なANCイヤホンを探している方は第一候補にしても良いレベルだと感じます。

個人的にも素晴らしい機種だと感じたので恐らくAirpodsPro2の代わりにANC用としては暫くメインで使って行こうかと思います。

 

最後にこのような機会をいただきましたSOUNDPEATS様に感謝申し上げます。

■Appendix

*1:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4 AAC

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み