ゆるふわオーディオ日記(blog)

気に入ったイヤホン、ヘッドホン、アンプ等のオーディオ体験を日記ブログとして思うままに書いています。ゆるキャラ、モフモフ、ポフポフ、ふわふわが大好きです。2年で400本ぐらい機材が増えてレビューBlogになりつつあります💦。アフィリエイトはレビューとかプレゼント企画の資金にさせてもらっていますニャ。

レビュー:ikko OPAL OH2 Amazon5015円なので再レビュー 結論:A5K Tier2 完成度が高く中〜高音が素晴らしいリスニングイヤホン

こんにちは

 

今日は約1年ほど前にHifiGo様の依頼でレビューしましたOH2についての現在のレビューフォーマットと価格に対応させた振り返りレビュー的なやつです。

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結論(Abstract):A5K Tier2 参考価格:5015円

完成度が高く中〜高音が素晴らしいリスニングイヤホンです。元値がA10Kなこともあり、高いイヤホン性能と豪華な付属品に裏打ちされた優秀なリスニングイヤホンです。サブベース帯域の低域はやや少なめですが、それ以外の帯域バランスはフラットで弱点が少なくオールラウンドで活躍できるイヤホンです。中華には珍しいMMCX端子な点は気になりますが、付属品の豪華さや筐体の小ささなど全体の完成度が抜群に高く、サブベース域が無ければ物足りないという人以外にはお勧めできるイヤホンです。

〇Pros(優秀な点)

・解像度など中~高域の表現が素晴らしい

・ケーブルやイヤーピースなど付属品が豪華

・本体が小さく軽く装着感が良好

・上流などの再生環境を選ばない使いやすさ

〇Cons(微妙な点)

・低価格中華で珍しいMMCX端子

・サブベース帯域が少なく音場が狭めなので今風のチューニングではない

■動機付けなど

ikko OH2は1111独身の日のアリエクスプレスでは4000円台、2日ほど前からAmazonでもが5015円になってます。その関係で前回のOH2でのレビューを読み返してみたところ、再生環境が大きく変わったことや、この約1年でイヤホン事情も少し変わったこと、そしてサブベースなどへの耐性が付いて好みも変わったことなど思うところもあり、新価格を踏まえて再度レビューしようと思いたちました。

特に、5Kという価格はかなり魅力的で競合イヤホンと比べても圧倒的に上質なのですが、好みが違えばおすすめできないと感じる部分もありますし聴きなおししたという感じですね。

5000円というのは2本目が欲しくなっても仕方のない値段で、物欲と戦うために今あるOH2の左側接触不良を修理しまして、そうするとせっかくなので聴きたいということで聴き入り、聴いたのであればレビューも修正しておこう、そして周波数特性なども載せておこうという訳です。

■SPECとか

AmazonやHifigo様のサイトを御覧ください。

iKKO OH02 DD IEMhifigo.com

■箱とか付属品とか本体とか

開封体験

見ての通り元々1万円程度の品なのでかなり豪華です。

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〇筐体

3角形の個性的な形ですね。MMCX端子の長さが違うのは初期不良接触不良を修理した為です。提供品のため自己修理しましたが通常であれば初期不良交換や修理対応が可能かと思います。

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HM20と比べた感じはこんな感じです。

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・ステム

見ての通り楕円なのですが長径側が6.25mm、短経側が4.9mmです。

・重さ

片側6.8gなのでこの大きさとしてはやや重めです。

・リケーブル端子

中華イヤホンからは徐々に減っているMMCX端子です。

〇ケーブル

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単体販売されている7000円ほどのCTU-01と同じものらしいです。

このケーブルの取り回しの良さはかなりのものです。特に中華のケーブルは線材への知見は溜まってきているが、皮膜がいまいちと言われています。しかしこのケーブルはCTU-01同じであればPE+PVC複合素材で、ちょっとそのイメージを覆す使い心地です。しなやかで取り回しもよく、曲率に対しての反発力が少ないです。その上でひっぱり剛性も強そうでかなり力を入れて引っ張ってもびくともしない感じがあります。手触りに摩擦が少なく、かといってケーブル同士が触れ合っていても密着するしたりすることもありません。

プラグの部分も応力がかかりやすい部分には一応補強があったり、プラグの金属部は指紋はのりやすいですが塗装に高級感があり艶があるのでケーブルのしなやかさも相まって非常に高級感があります。

今回は金色のイヤホンなのでこのグレーと赤の配色はかなり合っていて良いと思ったのですが、ケーブル色にバリエーションがあるのかはわかっておらず、もし別の色のイヤホンを選ばれるようであればイヤホン本体との組み合わせは気をつけたほうが良いかもしれません。

・重さ

16,3gなので軽めのケーブルです。

・クロストークチェック

聴感上問題になるクロストークはありませんでした。

〇イヤーピース

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付属品のイヤーピースの種類やポータブル用のケースです。下記がその写真なのですが、一般的には見ない特殊な楕円の形をしたタイプがサイズ違いで6種類、フォームタイプが3種類とかなり豊富です。

しかし今回のOH2に限ってはこれだけ豊富なイヤーピースがあったおかけがフォームタイプのもののみが装着できました。

一方で楕円のイヤーピースは中華イヤホンなどに慣れている人でも少し形状が特殊なこともあり、装着が難しい印象を受けました。

〇寝ホン

寝フォンのためにあるのではないかと思えるほどの形状です。快適に寝フォンできる薄さです。

〇遮音性、ノイズキャンセル

内側、外側にベントがありますのでそこそこに漏れます。5割ぐらいは漏れるイメージです。

〇ホワイトノイズ

手持ちの環境では気になるホワイトノイズはありませんでした。

〇その他、総評

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finalのMMCXアシストっぽいケーブルの脱着ツールや皮のケースが付いてきます。

A10Kのイヤホンとしてみてもそこそこ豪華だったのですがA5Kのイヤホンの付属品としてはかなり豪華です。音質の好みはもちろんあるかと思いますがこれだけの付属品が付いていれば贈り物など初心者などにも良いかと思います。

■音質について

〇ファーストインプレッション

el-snow.hatenablog.com

前回のレビューではフォームタイプを使っていることもあり、かなり感想が違いますね。現在は概ねSpiralDot++のイヤーピースで統一していますのでレビュー環境の連続性という意味では今回の方が近い評価になります。

エージング(バーンイン)

最初の3か月間は一日1時間ほど使っており、その後7か月ほどは防湿した状態で放置しており、最近はMMCX端子を修理して1日ほど使いました。

〇環境とか

M17 -BTR7-標準ケーブル-> OH02-> SpairalDot++

M17DC -標準ケーブル-> OH02 -> SpairalDot++

GV301Q -標準ケーブル-> OH02 -> SpairalDot++

フォームタイプは装着できたものの、あまり好きな音色ではないためいつものJVC SpiralDot++を使用しました。

帯域バランス

超低域が弱いカマボコな点を除けばフラットなバランスです。すこし最近のトレンドと異なり古い帯域バランスではありますが対応する楽曲が無ければ普通に聴けるバランスであるとも言えます。

音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み)

やや暖色系の音色で、やや音色は明るめで全体としてスッキリとした音色の方向性です。響きは多くはないのですがボーカルなどを中心に華やぐような音色感はあるのでその点にユニークさがあります。一方で普遍性やモニター的でありながらボーカル等の主旋律を追いたい場合は適度な温かみと迫力と透き通る伸びがあるのでその音色を気に入るのかがポイントになります。音の厚みは価格帯としては一般的です。

〇空間表現、音場(広狭、重心、遠近)

横の音場はA5K価格帯として一般的で、上下と前後の音場に関してはやや広めになります。ボーカルなどの主旋律の音像重心はやや高めで、おでこのあたりの高さでしょうか。音像はやや近いのですが適度な横の狭さと相まって俯瞰性と迫力の両立が上手いです。

定位、音像

A5Kでの定位や音像表現については全体としてスッキリとした印象があるため中域の主旋律は抜群に上手いです。一方でやや音場が狭いことで音像が中央付近に集中しがちではあるのでその点が気に入るかがポイントになるかと思います。

解像度、分離

解像度と分離に関してはA5Kクラスでは上位に食い込みます。この価格帯の最新の中華BA複合機と比べるとやや辛い部分はありますが、ダイナミックドライバ系では元々A10Kレベルだったこともありかなり高いレベルにあります。

低域の質について

低音はサブベースの量感はかなり少なく、ベース帯域についてはやや少なめです。量感は多くないのですがA5Kであれば質の良い低音で下品さがありません。量感が無いためパワー感はどうしてもありませんがスピード感などは良好です。中域を添えるような低音でしかない点は評価が分かれやすいポイントではあります。

中域の質について

中域はこのイヤホンの最も得意とする音域です。弱カマボコバランスなこともや、解像度が高く音色がやや近いことも相まってボーカル表現や中域の楽器が良く映えます。他の帯域が中域を邪魔しないレベルで華を持たせてくれており、適度な近さがあって音の分離が良いことや全体のスッキリとした音色の傾向で聴き取りやすいです。A10Kでは大きな加点も無い代わりに減点もほぼ無いという完成度の高さだったのですが、A5K帯に来た事でこの中域の表現力はこの価格帯での大きな武器になっているかと思います。

高域の質について

高域は音色の自然さについてはA5Kクラスではかなり上質な部類かと思います。特に女性ボーカルのサ行など歯擦音の刺さりもほぼ無いにもかかわらず良く伸びます。シンバルやチャイムなども煌びやかに鳴らしてくれれます。やや高域の楽器の音像が低い点は気にならないことは無いのですがA5Kでは十分すぎるレベルだと感じます。

■測定とか

〇SPL周波数特性グラフ

MMCX端子を修理したので動作チェックを兼ねて周波数特性を取ってみました。やはりサブベース帯域はやや弱いですね。前回はフォームタイプを基準にしていたので高域が減って低域が盛られていたので感想が概ね逆になっている点は面白いです。

 

■相性について

ジャンルの得意不得意

気になるのはやはり低音の量感と音場の広さだとおもいます。音場の広さや定位を楽しむ様な楽曲や、低音の量感が重要な楽曲についてはあまり合いません。それ以外の楽曲にはオールマイティに対応できる機種です。

アンプ(上流)による印象の違いについて

高い上流は不要なイヤホンです。上流による解像度の伸びなどはあまりありません。寧ろGV301Q(ノートPC)の様な一般的なアンプでも十分にイヤホンを駆動できていることに驚きます。

ケーブルによる印象の違いについて(注意)

いつも通り幾つかリケーブルを試してみた感想を書きます。

注意:ケーブルについては科学的に見れば音質の変化に対する決定的な証拠はありませんので、オカルト的な要素を過分に含みます。幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。


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〇Arc CTU-01MMCX-3.5mm デフォルトのケーブルの補足

音場は狭い方向に行くのですが、ボーカル帯域に独特の華やぎと艶を載せてくれるケーブルです。流石に7000円の価値は感じませんが5000円のイヤホンに付属してくるケーブルとしては破格の音質だと感じます。ケーブル目当てで購入することもアリなのではないかと思える値付けではありますので気になる方はケーブルを買うより安いのでありだと思います。

〇NiceHCK SpaceCloud 4.4mm

音場が左右上下にグッと広がり音が華やかになります。解像度が上がり元々しっかりしていた音像の定位が広がった音場で拡張されることで分離なども向上します。デフォルトケーブルから高域も目立ち易くなることでサ行についてもやや目立つようになります。ボーカルなどに中域重視のデフォルトケーブルも良いですが楽器なども楽しみたいと言うときにはケーブルを変えることで様々な音色を楽しむことができるのもこのOH2の強みだと感じます。

〇iVIPQ 4コアブラックホワイト単結晶銅 4.4mm

音場の狭さはArc CTU-01MMCX-3.5mmとほぼ変わりませんが解像度と解像感が高く、高音よりの帯域バランスに変えてくれます。ボーカルの迫力は出るのですが音色がやや乾いた方向の寒色系になるのでここについては好き嫌いが分かれてしまうかと思います。個人的には好きな音色の組み合わせで暫くはこれを付けていようと思いました。

イヤーピースによる印象の違いについて

JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視)

今回のデフォルトイヤーピース

○Spinfit W1(中域、低域、解像度重視)

相性は良好です。中域と低域の解像度と質感が向上して音色としては1ランク上のイヤホンの音色と感じることができます。SpiralDot++から比べると横も天井もさらに狭くなりますが音色の鮮度があがる感じがあるので悪くありません。

○Moondrop 清泉 Spring Tips(中域重視、サ行の刺さり防止)

低音の響きが減って全体の音色がスッキリした印象が出ます。ボーカルが際立つ特徴がそのままでているのですが高域もやや量感が減ってカマボコバランス感が出ます。ボーカルのノリが良くなる印象がでるので個人的には好きな音色です。

○AZLA SednaEarfit Vivid(コストパフォーマンス重視)

音色のまとまりが出るのでこれはこれで有りと思わせるイヤーピースです。SpiralDotj++は横の音場を広げてくれる感覚があったのですが無くなったことで中央付近に音場が寄り集まるのですがShure的な鳴り方なのでこれはこれでアリだなと思えます。標準のイヤーピースが装着できなかった場合に安く済ませたいのであればよいと思います。

 

 

所感

前回のレビューから1年近く経って聴きなおして過去のレビューを確認するとフォームタイプを使ったことで大分感想がズレていると感じました。

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■結論 A5K Tier2

完成度が高く中〜高音が素晴らしいリスニングイヤホンです。元値がA10Kなこともあり、高いイヤホン性能と豪華な付属品に裏打ちされた優秀なリスニングイヤホンです。サブベース帯域の低域はやや少なめですが、それ以外の帯域バランスはフラットで弱点が少なくオールラウンドで活躍できるイヤホンです。中華には珍しいMMCX端子な点は気になりますが、付属品の豪華さや筐体の小ささなど全体の完成度が抜群に高く、サブベース域が無ければ物足りないという人以外にはお勧めできるイヤホンです。

〇Pros(優秀な点)

・A5Kとして解像度など中~高域の表現が素晴らしい

・ケーブルやイヤーピースなど付属品が豪華

・本体が小さく軽く装着感が良好

・上流などの再生環境を選ばない使いやすさ

〇Cons(微妙な点)

・MMCX端子

・サブベース帯域が少なく音場が狭めなので今風のチューニングではない

〇最後に

最後にこの様な忌憚のない意見を述べることができるレビュー機会をいただきましたHifigo様、iKKO様に感謝したいと思います。

気になった方はぜひ以下のHifiGoのリンクからも購入をご検討ください。(ブラックフライデーで更に安くなる可能性がありますので)。

iKKO OH02 DD IEMhifigo.com

 

■Appendix

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:MOTU M2 192KHz24bit 3.5mm変換

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み