ゆるふわオーディオ日記(blog)

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雑記:SOUNDPEATS Capsule3 Pro 新FW V62とイコライザ機能を試す 結論:高域強調設定がオススメ

こんにちは

今日はSoundPeats Opera05のレビューを書いていたのですが、比較対象と比べていた所、Capsule3 Proの新ファームウェアV62が出たのでその検証結果と雑記です。

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SOUNDPEATS Capsule3 Pro(以下C3P) とは?

C3P はSoundPeats から発売されているANC性能に極振りした上で音も妥協しない実用性も持つ高コスパTWSですね。

正直PR提供品なので侮っていたのですが、良い意味で期待を裏切られてAirPodsProGen2を上回るANC性能なことから、騒音下での実用TWSはC3Pに取って代わり、C3Pを愛用しています。AirPodsProGen2も出たときはかなりの音質向上に驚いたものですが、あっさりと中華が追いついてきたのは諸行無常ですね。

C3Pの詳しいレビューについては下記の記事を御覧ください。尚この時のFWはV60となります。

el-snow.hatenablog.com

新FW V62

さて、この新FWのアップデート内容ですが

既知のバグを修正し、ヘッドホンの体験を向上させる。

とあります。めちゃくちゃ抽象的ですね。ソシャゲのアップデート並みにさっぱり変更内容がわかりません(笑)。

なので正直変化は期待していなかったのですが、Opera05と比較のために周波数特性を取ってみると大きな変化がありました。

測定環境*1

赤がV60、青がV62です。あれ?これは別物では???

1KHzで正規化すると中高域の量感が減っているか割に波形の凹凸が消えかなりなめらかな形になっていますね。

音を聴いても変わったような気がします。

 

イコライザ機能での周波数特性は前回V60のときに試したのですが、C3Pはマルチポイントに対応せず、イコライザアプリはスマホ用しかありません。なのでMacスマホで繋ぎ変えるとイコライザ設定が引き継がれるかはソフトウェア仕様次第になります。

このため、何回かイコライザを切り替えてから別の端末でつないで音色が変わったかをチェックしていたのですが、スマホの状態が引き継がれている様子が無く、イコライザ変更による周波数特性を取得することを諦めていました。

実はそれがバグで今回V62になったことで修正されたのかもしれませんし、V60の時に私の操作方法が悪かったのかもしれません。

いずれにしてもこれでイコライザの変化を取得できるようになりました。

イコライザカスタマイズ

Sound Peats Classic(標準) vs フラット設定

なぜこの設定を取ることが重要なのかというと、TWSの内部のDSPは非力な事が多いためソフトウェアの構成に制限が多い事に加え、標準状態でも電気的機械的な音響設計を補う目的でイコライザ機能が使われていることがあります。
このため、標準の状態からイコライザをフラットにしただけで音が悪くなるということが平気で存在します。これはDSPの内部演算精度がスマートフォンなどと異なりBit精度が悪く固定小数点に制限されていたり、リアルタイム性が悪かったり(広い意味でジッタの増加)、その電力消費で音圧が変化したりと理由をあげればキリがありません。

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設定的にはこんな感じにするだけです。

ということで測定してみましたが、波形は異なるようで、標準の音が気に入っているのであればイコライザはいじらないほうが良いでしょうね。

Sound Peats Classic(標準) vs オールHigh、Low設定

続いての測定は全てのタブを等しく上に上げる、下に下げるというものです。よく出来たイコライザではタブの様にフラットに下がってくれるはずです。

しかしながら各帯域毎のフィルタの設計次第では下記GEO HT05のグラフの様になってしまいます。

参考:発売日時点のHT05のイコライザ

el-snow.hatenablog.com

ということで同じ様にC3Pでも測定してみましたが以下のようになりました。

高域、低域ともに上げる方向は変化が少なくどうもおかしな状態になっていますね。HT05の様にピークが尖すぎて凸凹になるようなことは無いようですが波形自体は全てフラットにしたものを上下させている感じですね。

これを見る限り、下げる方向は使えるかもしれませんが、上げる方向の調整は控えた方が良さそうです。基本はユーザー調整はしないほうが良さそうですがどうしてもというときはピンポイントで下げるような使い方良い様に思います。

イコライザープリセット

プリセットのイコライザも実は奥深いものがあります。というのもHT05はユーザーが調整できるレベルのものの組み合わせという実装方法でしたが、もう一つイコライザの機能とは別の特別なデジタルフィルタを設計して音を変えているというものがあります。

いわゆるプリセットは専用のフィルタを用いているのでより目指した音色を低演算量(高音質)作ることができたりします。ということで今回調べられるようになったので調べてみたかぎり、プリセットは専用設計のフィルタが持ちられているタイプの様です。これはOpera05も同じです。

ということでデフォルトのSound Peats Classic とプリセットのイコライザ設定を比べた周波数特性です。

vs 低域低減 ◯

低域がしっかりと減っていい感じ・・・っと思わせてなぜか8kHz以上の高域が同じぐらい減衰しています。低域減らしたいならコレ・・・っと思わせて中域強調設定でした。低域減らすだけなのに何故か高域が物足りなくなるのでおかしいなぁと思っていたのですが、波形を見て納得という感じです。

vs 高域強調 ◎

どちらかというとドンシャリになるようです。音量はノーマライズしていないのでイコライザの設定によってデフォルトの音量が変わるようです。個人的にはかなりバランスが良い様に感じました。

vs Classic ✖(低域強調としては◯)

いったいどういうことなのでしょうか?実際の聴感上もそうなのですが圧倒的な低音量です(縦軸も変えています)。後述しますが、低域強調よりも低音が多いです。もちろん個別のイコライザで出せる低音量よりも多いです。Classicという名前の低域強調です。

vs ポップ △

中低域の厚みが増えるチューニングです。ややブーミーさを感じる人もいると思います。低域が強いの少しピーキーですね。

vs 民謡 ◯

デフォルトと近いですが微妙な調整がしてありますね。

vs ロック ◯

標準をさらにドンシャリにチューニングした感じですね。高域強調はほぼ同じですが、中低域の厚みをもたせています。ベース帯域が好きな方はアリでしょう。

vs 電子音 ◯

Classic同様に縦軸が変わっているほど低域が出ています。ドンシャリです。

vs 低域強調 △

当然縦軸が変わっています。もちろん個別のイコライザの上限は軽く超えています。

まとめ

V62がどの程度変わったのかはわからないのですが、標準と高域強調がバランスが良い様に感じます。V60よりも波形がより整っているのも好印象でしょうか。

良くMoodropのAliceもそうなのですがTWSファームウェアで音色をアップデートできます。売りっぱなしでサポートが全く無いというメーカーも多いですが、SoundPeatsは半年前に発売したC3Pのアップデートも行って継続的にサポートしている点は好感が持てます。

ということで流石にOpera05と比べると解像度などは見劣りしますが、AAC接続に限定されるiPhoneなどではかなり良いレベルに健闘できていますね。ややドンシャリなことは雑踏の中でも音が聞き取りやすかったりと良いことも多く、素直に良いTWSだと思います。

明日こそはOpera05のレビューを完成させたいと思います。ではまた明日。

*1:

〇測定環境 

ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4

ソフトウェア:REW V5.20.13

INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit

OUTPUT:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4 AAC

カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用


イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ

〇測定パラメータ

 入出力バッファ512K、Acoustic Reference

 出力音圧レベル:−12dB

 Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz

 カプラキャリブレーションファイル適用、SoundCardキャリブレーション実施済み