こんにちは
今日は昨日に引き続き音フェス 2023 SUMMER (ヨドバシ梅田) 行って試聴してきた件の後編です。
前編の記事
リケーブル関係の注意
注意:ケーブルについては測定したところ科学的には変化はあるようですが微小量であり、音質の変化に対する決定的な証拠は無く、オカルト的な要素を過分に含みます。
幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので変化しないことを否定するものでも、リケーブルを万人におすすめするものでもありません。
地球世界
水月雨 Moondrop
JOKER
HiFiGo等の海外の並行輸入品を扱うショップではすでに販売されている水月雨の密閉型の新作ヘッドホンです。価格は79$と1万円強と水月雨のヘッドホンとしては最安の製品です。
1年前に鳴り物入りでVDSFカーブを主体としたヘッドホンの再発明とばかりに発表会を行った3機種の内の最後の静電型のヘッドホンが発売されないまま、別の新型ヘッドホンが発売された形です。
静電型が思いのほかてこずっているのか、密閉型が簡単に製品化できたのかはよく分かりませんが、すでに購入された方の感想によれば低域がかなり少ない、癖の強いチューニングだとか。
こちらもあれば聴きたいと聞いてみたのですが、DAWN PROや雪月花 beautifulworld同様にまだ地球世界にサンプルは来ていないとの事でした。ほんと代理店よりも早く入手する日本のバイヤーは凄いです(笑)、
Moondrop JOKER Professional Monitoring Closed-back Dynamic Driver Full-Size Headphonehifigo.com
SPACE TRAVEL
こちらは展示しており発売に向けて準備中でした。
竹CHU II
こちらも発売に向けて展示試聴可能でした。交換用のフィルターも準備中とのことでした。
Tanchjim
KARA
開発に3年かけていると謳ったTanchjimのマルチドライバーの機種です。デザインが異なる初回版と通常版があるそうなのですが、こちらについては音は全く同じチューニングだそうです。
音については初めて聴いたのですが、かなりレベルが高く確かに完成度の高さを実感します。唯一気になったのは高域の伸びですが、それもそれほど悪いわけではないのでかなり緻密に作られている機種だと感じます。
同じハイブリッドでもHM20の様な突き抜けた解像度は無いのですが聴きやすく音の厚みもしっかりとしており、HEXAやEM6Lなどと比べても1枚以上上手だと実感できるレベルの高い機種でした。
ONE
優しい音色で一世を風靡したZEROのリケーブル対応版と見せかけて振動版がベリリウムコートからチタン+樹脂系に変更されています。また筐体もオール樹脂製からリア筐体部分が金属製になったようで色々と手を入れられている感じですね。海外価格も16.9$から24.9$と1.5倍ほどになっており、ZEROと明確に別ラインのアップグレード版ということがわかります。
実際の音色についてですがZEROからやや力強い音色に変更されたイメージで、音の厚みが少しだけ増していたり、スピード感の早さが印象的な方向に変化していました。
残念ながらZEROの弱点んでもあった横の音場の狭さは健在で、音が中央に寄りやすく音場を広げるためには大きくボリュームを上げる必要がありました。
ONE DSP
もしかしてZEROの様にDSP版はケーブル、もといチューニングが違うかもとiPhone12にLightning変換を指して聴いてみたところZERO DSP同様に横の音場が大きく改善して広くなっていました。ZERO DSPと比べても音の太さやアタックのキレなどが大きく改善している方向性で、優しい音色で個性のある音あればZEROですが一般受けするのはONE DSPだとも思いました。
と、ここまできてじゃあZERO DSPみたいにケーブルが違うのかを確認してみたのですが、やはりケーブルの太さ、芯数が違う様です。
また、音色についてはiPhoneとDAPと違うこともあり、音のバランスや表現も大きく異なっていたことをあまり気にしてなかったのですが、調べてみるとどうやらONE DSP版はTanchjimのターゲットカーブ、通常のONEはハーマン2019のカーブに沿わせてあるようです。
何れにしてもONE DSPはリケーブルできるDSPケーブルが付属するので面白いと思ったので購入してみました。届きましたらレビューにしたいと思います。ちなみにAmazonではPrimeでは無いもののすでに買えるようになっているみたいです。
DSP版は27.99$なので4000円なら為替の差も無くかなりお安いです。
参考
Darling
ボーカルがとてつもなくエロいという噂を聞いていたのですが、何気に聴いた事なかった気がしたので聴いてみました。確かにTanchjimの美音系とは異なる少し妖艶さがあるエロスを感じる音色でした。
SIMGOT
EM6L
こちら、なぜか本体の写真を撮り忘れて、代わりにパッケージの裏の写真を撮っていました(泣)。中国国内ではすでに109$で発売されており、EA500同様にかなり高評価を得ている1DD4BAハイブリット構成のイヤホンですね。
国内販売の予価は18000円ほぼ海外と変わらない値段で、HEXAとKARAの中間を埋めるような機種になりますね。
音を聴いてみたところ、HEXAの鋭く淡白で高解像度の音色とは打って変わってバランスの良い音色に纏めたハイブリッド感のある機種です。EA500の様に突き抜けた魅力は無い様に感じましたが総合点が高く万能に何でもこなせると感じます。
当然、先ほど聴いたKARAとの比較になってしまうのですが、音の臨場感や解像度などは優れているように感じ、KARAの方が好みでしたが、当然コスト差はありますので、予算に優しい良い選択肢になるのではないでしょうか。
EA2000
質問箱に質問があったので一応改めてEA2000を聴いてみましたがはやりこちらはこちらで値段を踏まえてもかなり良い機種ですね。EA500と比べて低音の厚みが増すだけでなく全体の音色の厚みや響きといった一つ一つの音に付帯する心地よい音の鳴り方を心得ている様な音色です。EA500が解像感や解像度で少ない付帯音で綺麗に纏め上げている表現と対象的です。ただ、低音の量感はそれほど増えるわけではないので、BassHeadのイヤホンを求めているのであればEA2000以外のアップグレード先を考える良いかもしれません。
EA2000の欠点というか気になる点は2つあり、1つ目は先ほど言った付帯音の多さで、美音であり響きも心地よいのですがさっぱりとした音の鳴り方が好みの場合はやや過剰な味付けとも取れてしまいます。
2つめはMMCX端子を採用している点で、中華イヤホンのケーブル端子の主流が2pinになりつつある現在、リケーブルでもMMCXのケーブルは人気が少なく、今後ラインナップがら縮小されがちで、やや選び難いイヤホンになってしまいます。
これらの点が気にならなければEA500からEA2000にアップグレードの価値は十分にあると思います。
LiquidLinks
WestLake
聞いた事あるような気もしたのですが、恐らく初めて聴いたケーブルメーカーです。よくわからないままオススメされて聴いてみました。
価格は4万円程度とのことで、価格に見合うイヤホンを使おうとNioの準備をしていたところ、会場が空いていたこともあり、Solis IIで試聴することも可能との快諾をいただきSolis II + LiquidLinks WestLakeという組み合わせで聴かせてもらいました。
恐らくは初めてSolisでリケーブルさせてもらいましたが、想像以上に音が変わって驚きました。一番の変化はボーカルなどの中域で驚くほどに音像が前にきてそして暖かくウェットな音色にしてくれることです。元々標準ケーブルではブライトでややドライ、少し俯瞰的で広い音場表現で、静寂性の中で浮かび上がる様な奏でられる音色だったのですが、高い解像度の傾向はそのままに中域の表現をひたすらに緻密かつ情緒的に表現してくれるように変化しました。
正直にいってボーカルものを聴くのであればコレだなと断言できるほどに良いケーブルでした。ちなみに箱の裏側のスペックはこちら
名前失念
こちらは4万5千円ほどでWestLakeよりもやや高価なケーブルで、パラジウムや金がつかわれているそうです。こちらもSolis IIで聴かせて頂いたのですが、音像がやや上方に行き音色は明るいのですがウェットさに加えて暖色傾向で華やかさがあります。個人的にこちらのバランスも素晴らしくボーカル主体ならWestLake、楽器ならこちらのケーブルだなと感じました。
標準ケーブルに戻して再度Solis IIを聴いたところ煌びやかさはあるのですがドライで寒色寄りだと感じました。もちろんこれはこれで凛とした静寂感があり、Solis II(水月雨)の狙いはこの方向性なのだろうと感じました。
MIXWAVE
64Audioの限定版Nio galaxyが聴けないかと思って行ったのですが流石にまだ試聴機はありませんでした。日本国内の販売予定はあるとのことで、試聴機が来ましたら是非聞いてみたいものです。
UniqueMelody
MASIOW
聴いたことが無かったので聴いてみたのですが、ちょっと苦手な音色でした。特にハイ上がりのバランスで、女性ボーカルものを聴いていたわけではないのですが、刺さる帯域が激しくちょっと好みとは外れていました。
MEST mk3 + MASIOWケーブル
いやはや驚いたのはコイツです。MEXT=骨伝導と暗めの音色かつ低域が強いイヤホンのイメージだったのですが、ESTを搭載してクワッドブリッドになったせいか見事に素晴らしいバランスになっていました。標準のイヤーピースは花の花弁様な襞があるクリアタイプが付いていましたが全体的にサイズが小さく、全く装着できませんでした(このためSpiralDot++を付けて聴きました。)。さらに試聴機のケーブルに問題が発生しており、MASIOWのケーブルで聴くことになりました。価格は約28万円ぐらいの様です。
概ねWバランスで低音、中音、高音の全てがメリハリが効いたバランスです。
MEST mk3 + Pentaconn Westaria
FFさんの手持ちのケーブルの日本ディックス Pentaconn Wistariaを付けて聴かせてもらいました。Wistariaは音場がやや狭いのですが抜群に音が近くなりボーカル域の表現力がグッと増すケーブルで最近のイヤホンでは翔の7周年記念の限定版に採用されていたりします。
このケーブルはボーカルのために音場が犠牲になるというのは何度も聴いて確認しているのですが骨伝導のおかけが、音場が悠々と広がり、そこに中域がしっかりと表現しているというこのケーブルで初めて聴いた表現でした。個人的にこのデザインのフェイスプレートあまり好みではないのですが、音だけで欲しくなるイヤホンでした。
尚、30万程度でカスタム版も準備されるとのことで発売まで少し考えたいと思います。
STAX
名古屋で開かれたレトロヘッドホンのオフ会で聴いたポータブルSTAXの001の音色が忘れられず、無試聴ではあるものの後継機の002もきっと良いという予想からセールなどで虎視眈々と狙っていたのですが今回聴く機会が取れましたので、上位機種との組み合わせも含めてじっくりと聴かせてもらいました。
SRS-002
きっと素晴らしいだろうという希望的観測は見事に打ち砕かれました。機構を見てもそれほど大きく異ならないのですが、001で感じた高域の繊細さ低域の適度な抜け感が全くなく、002ではモコモコの中低域が張り出しており、どうしても気になってしまいました。
どのような変更があったのか詳しく聴けなかったのですが、002を無試聴特攻しなくてよかったと感じました(泣)。
SR-003MK2 + SRM-D10
であれば、その上位機種ならば!と、試したのですがどうやらこのタイプの形状は根本的に耳に合わない様でモコモコでした。全く静電型らしいSTAX感がありません。
SRS-X9000 + SRM-D10
D10というタイプがあることを知らなかったので、このサイズなら置いても良いかもと思ったのでイヤホンタイプはあきらめて通常のイヤースピーカータイプを聴いてみました。基本的に全て聴いてみたのですが、値段の差の分しっかりと差別化されているのは同じ静電型でも解像度が異なるのだと実感させられました。
個人的に良かった組み合わせ残念ながら(当然)X9000で価格が上がるにつれて耳のイヤーカップの体積が大きくなり、その状態でも音響特性の整合性が取れるようになっているためか音の繊細感に加えてサウンドステージの諧調描写がきっちりと描かれています。余裕のある鳴り方と言った良いでしょうか。ただ、さすがにD10では普通のヘッドホンから明確なアドバンテージがあるかと言われると何となく微妙な気持ちになりました。
当然SRM-T8000などもっと良いアンプを組合せた方が良いのはわかっており、個人的にポータブルとして使えるレベルはSRMD10レベルですが、STAXとして聴きたい音はT8000などになるのだろうと思う悲しい現実でした(笑)。
lotoo mjölnir
製品版になったので簡単に聴かせていただきました。残念ながら私が使うAppleMusicには対応しておらず、USBDACモードもうまく動作しなかったので、BluetoothでLDAC接続して聴いてみました。
とても開放的なサウンドで素直でありながら開放的なサウンドです。PGTの様な一聴した凄みは大きくは無いのですが、PAW6000の様に聴きこむほどに音の新しい側面が発見できる様な音色だと感じました。派手さより噛みしめると言う意味では会場で少し聴いただけでは評せないなと感じたのでこのぐらいにしておきたいと思います。
尚、mjölnirはカテゴリとしては「DAP」と明確にメーカーから説明され、実際に本体にはバッテリーも搭載され、専用キャリングケースも付属するようです。
流石に手持ちは不可能ということで、このような肩掛けかばんが構造になっており、鞄を抱えたまま操作できるように操作用の窓も付いています。
Onix Miracle
参考出展ながら面白いコンセプトのプレイヤーが出展されていました。上段からDAP、中段がES9038Pro(39だったかも?)DAC、下段が専用電源になっています。
中段とプレイヤーは昔のiPodの様にスタンド部分にコネクタがありUSBCコネクタで繫がるそうです。
値段は総額70万程度らしいのですが、ほぼ電源とDACでできているかなりの変態構成です。メーカーによればDAP部分は専用らしいのですが5~10万ぐらいのミドルクラスのDAPと同等性能だそうです。
とすると下段だけで65万?と確認すると、そこまでではないです。とのことでメーカーの方も説明に苦心されていました。というのもこのDACとしたの電源は専用ケーブルで繫がっているらしく実質これだけで専用になっているようです。
そのわりに電源部分は電圧を調整できるギミックが付いており、DACに与える電圧を変えて音の変化を楽しめたりするそうです。そしてDAC側もこの専用電源でしか動かないらしく、専用品3つで70万だが、持ち歩くときはミドルクラスぐらいのDAPぐらいの性能しかないとのことで、中々勇気がいるような気がします。
残念ながら試聴はできませんでしたが、こういう面白いギミックのプレイヤーも雨後の筍の様にまだ出ている内はポータブルオーディオも大丈夫だろうと安心した次第です。
こういうタイプはヒンジ部を介して無理な力がコネクタにかかりやすく、コネクタがすぐにダメになるので根本的な対策が欲しいところです。
SONY Xperia 5 iv
正確には音フェスではないのですが、今月末までの施策として、SONY のXperia 5 iv乗り換えの場合一括で9800円になっていましたのでDAP様にサブ携帯を乗り換え購入してきました。
現在AptX adaptiveの接続用にはXiaomi 11T Pro、SONY Xperia 10 ivを使っているのですが、そのどちらもSnapdragon Soundには対応しておらずAptX adaptiveの最高峰規格Losslessモードには対応しません。
今回Xperia 5ivでLosslessに対応するということで今後の検証用に購入したかったので渡りに船とばかりに購入しました。
また、風の噂ですがこのXperiaの5 ivと1 ivはSONYの有名なサウンドエンジニアが3.5mmジャックの音質調整に関わったとか。。。10 ivの音は実際持っている事もあり悪くないことを実感はしているのですが、その噂では10については言及されていないので5と10でどこまで違うのかを聴き比べてみようと思います。
またこの5 ivですがASRなどがオーディオ関係の計測しており、出力は500mVと小さいですがTHD+Nは0.001%~0.002%とこの手のデバイスとしてはかなり低歪かつ高SNなことが知られています。
といういことで、3.5mm専用の超低価格DAPとしてXperia10ivがお勧めな事は変わりませんが、5ivはきっとさらに良いだろうと期待しています。
特価品について
【音フェス2023Summer】
— ヨドバシカメラ 梅田店 (@yodobashi_umed) 2023年8月26日
毎年恒例の #音フェス が今年も開催❗️
新商品や未発表の商品多数☝️
特価商品も盛りだくさん❗️❗️❗️
大好評のトークイベントも🗣️
8/27の2日目もぜひご来場ください♪
➡️https://t.co/h0xIoyNCVP pic.twitter.com/QEswRVgEr5
公式が値段をバラシている動画があるので参考に周知しておきます。
めちゃくちゃお得です!!今回私は欲しいものが無かったのでXperia 5 ivしか買いませんでしたが、即売会としてもかなりお得です。
下記は動画から抜き出した例ですが、
SENNHEISER IE900 149,800円+10%ポイント
SENNHEISER IE600 69,800円+10%ポイント
いやはややりすぎじゃないです?
SENNHEISER HD820 169,800円 + 10%ポイント
他にもSHURE 846 2ndGenが1stのセール価格並で売られていたりしました。
まとめ
ということで2日間にわたり、音フェス2023 SUMMER (ヨドバシ梅田) 行って試聴してきた件についての感想でした。
初日は人も少なく、イベントのトーク時以外はゆったりと聴くことができたので試聴という環境としては最高のイベントだったのではないでしょうか。DAP(スマートフォン)も会場外となりましたが購入でき、メーカーの方とも沢山話ができたので満足度はとても高いです。
釣られて購入した水月雨Moondrop DAWN ProやTanchjim ONE DSPなどは届きましたらレビューしたいと思います。
ではでは、本日はこのあたりで。また明日。