こんにちは
こんにちは今日はみんな大好きTANCHIJIM ZERO iSのUSB-Cインターフェース版、ZERO DSPを購入して少し聴き込んだのでその簡易レビューです。
インプレ結論:A3K Tier1 参考価格:3100円
ZERO DSPは低価格ながら音色の破綻の少なく優しい音色を持ちながら深い低音と広い音場を併せ持つUSB-Cタイプのイヤホンです。3.5mmプラグのZEROシリーズと比べて左右の音場(水平音場)が広くい上に、音像がやや近くなったことで音の迫力も増しています。音の立体表現も相変わらず上手く、深い低音とスッキリとした中低域に加え、音の分離や定位も抜群で総合力としてこの価格帯トップクラスの音質です。
また、ケーブルの芯数が増えて太く丈夫になったことで適度なコシが出て取り回しも良く使いやすさが向上しました。さらにケーブルが太くなったことで、筐体との間で固定が少し強固になり、多少ではありますが耐久性が向上しました。
軽く小さい筐体は装着感も良く、スマートフォンだけでなくパソコンやゲーム機など様々なUSBC機材で使えます。この価格帯としてはビルドクオリティも高く付属品のイヤーピースも7ペア付属していますし、カジュアル用途からオーディオリスニングまで幅広く勧められるイヤホンです。
Pros(優秀な点)
◎ 音色の破綻の少なく不快音が少ない優しい音色
◎ 深い低音、スッキリとした中低域、綺麗で自然な高域表現
◎ 広大かつ良質な空間表現
○ 軽く小さな筐体
○ 取り回しやすいケーブル
○ イヤーピースが7種類付属
Cons(微妙な点)
ー 強いて言えば、繊細な音色で音の厚みは薄い
ー 強いて言えば、3.5mmプラグのZEROと較べて横の音場と引き換えに前後の音場は狭くなった
△ 筐体とケーブル間のはんだ部が断線しやすい構造(ZEROからは少し改善)
動機付けなど
モチベーション
高性能Audio CODECによるDSPチューニングを行い、低域が強化されたことで、力強くダイナミックで、より深い低音と、広い水平方向の音場をもたらします。#TANCHJIM ZERO DSP pic.twitter.com/9eI4L3fJpy
— TANCHJIM JAPAN (@TANCHJIM_JAPAN) 2023年1月31日
タイムラインで好評なことに加えて、公式が水平方向の音場について言及したことです。前回マイク付きのTanchjim ZERO iSを購入して少し聴き込み、やや水平方向の音場が広くなったのでですがそれでも一般的なイヤホンレベルよりはやや狭く気になる点ではありました。その点については仮説ではありますが、ケーブル品質に問題がありそうだということをお伝えしたかと思います。
実際にケーブルを切り出して同じ効果があるかを検証しました。
今回のDSP版ではそこから一歩踏み込んだ記載がありますので、DSPによるなにか特別な技術を投入しているのか期待でき、購入して確かめることにしました。
過去のレビューなどはこちらから
販路、購入先(サポート)
ちなみに中国ではマイク無しが16$、マイク付きiSが17$、USB-CのDSPが18$で売られています。マイク無しの無印ZEROは3300円程度なのですが何故かDSP版はAmazonで3091円とDSP版の方が価格差が少ないです。為替や不具合の場合のリスクなどを考えると今ならばAmazonで購入するほうが良いかと思います。
SPEC
下記公式サイトを御覧ください。
デジタル(USB)部に関しては下記の記載があります。
Type-Cコネクタに高性能オーディオコーデックを採用し、高性能24bitデュアルDACを内蔵、44.1kHz、48kHz、96kHzのサンプルレート出力に対応しています。高性能のマイクロイヤホンアンプだけでなく、低ノイズのマイク回路も搭載し、24bit/96kHzまでのハイレゾ録音に対応しています。
個人的には水晶が2系統あるのか気になります。
続いてアナログ部ですが、見た限りiSからの変更点はよくわかりません。
iSとノーマルはシールだけの違いですが、ZERO DSPは周波数特性カーブが別になっています。縦軸が違うので比較しづらいですが、サブベース域が上がり、ミッドベースと10KHz以上の超高域が下がっている感じですね。DSPという名前がついているのでおそらくはデジタル処理で整形しているものと考えられます。
箱とか付属品とか本体
開封体験
ZERO、ZERO iSと全く同じなので割愛しますと言いたかったのですがパッケージデザインが変わり、DSP版ではてんきちゃんはリストラされてしまったようです。
それ以外は全く同じです。
筐体
筐体に関して(ケーブル以外で)肉眼でわかる変更点は見当たりません。
尚、RLの刻印が無く左右がわかりづらいのですが、iSと同じく右側にマイクが付いてますのでその様に覚えれば問題ありません。
競合機種との比較
マイク無しのレビューを参照ください
ステム形状 「6.4[mm]」
重さ 「4.0[g]」
ケーブル付きなので正確ではないことをご承知ください
ケーブル
DSP版ではケーブルの芯材が増えてケーブルが太く強くなっています。これはコネクタ部の拡大写真なのですが上からZERO、ZERO iS, ZERO DSPです。ケーブル部分はアナログ信号が通っているはず(DSPはUSBCチップの関係上、コネクタ周辺に内蔵されている)なのでリッツ線の束の芯数が増えているように見えます。
別の角度からとったものがこちらでZEROの線の直径が2.22mmに対してZERO iSが2.25mm、そしてDSP版が2.32mmで実測でも明らかに太くなっています。
TANCHJIM ZERO DSP
— すのー🐈ゆるふわオーディオ™️ (@snow_el) 2023年1月31日
当然音色は別物でめちゃくちゃ良くなってます
違いですが
よく見るとDAC搭載だけだと思いきやDSPだけ版だけケーブルが太くなってます(恐らく10芯相当)
写真は上から無印, マイク付き is, DSPで、isはマイクの分の2芯が追加されてます
DSPはisから更にLRの芯材が2倍に増えてます pic.twitter.com/25DnGO2rgA
筐体の根本付近のケーブルを比べると顕著で、左側2ほんがZEROのもので+とーの2芯しか無いことがわかりますが、右側のZERO DSPは見える限りでも4本以上ありそうで4芯以上ありそうです。
左側のZEROはケーブル直径が1.7mmですが、ZERO DSPは1.81mmあります。
しかしながら強いて言えば、ZEROで気になっていたケーブルと筐体の接合部分に関して、ケーブルが太くなり、固定がより強固になりました。
DSP版は筐体内部に向かって4芯以上侵入しています。ケーブルが太く多少強くケーブルを動かしても内部の見えるはんだが動いたりしません。
こちらはZERO、ZERO iSの筐体ですが、こちらは2芯だけが侵入しています。強くケーブルを動かすと内部の配線やはんだ部が動きます。
ZEROはこのため、良くこの部分が引っ張られてはんだが取れて断線する例を見ましたが、DSP版では少し強固になっているようです。
もちろん恒久対策が欲しいところですが、これで多少は壊れにくくなったと感じます。
また、ケーブル全体として太くなったことでコシがでて扱いやすくなりました。前のケーブルは細くてしなやかではあったのですが、コシが無さ過ぎて逆に絡まりやすかったりと微妙に使いにくかったので丁度良い塩梅になったように思います。
付属イヤーピース「◎」
マイク無し、iSと同じですね。
マイク「〇」
Discordで通話に使ってみましたが問題なく使えました。
付属品
マイク無しやiSと同じですね。
使い勝手の評価
挿抜ノイズ 「◎」
DAISOの330円のDAC(AB13X)や安価なドングルDACではUSB側の挿抜でノイズが入ることがありますが、私の試した環境では気になるノイズはありませんでした。
ホワイトノイズ 「◎」
音量を最小付近にしてもホワイトノイズは聴こえません。DAISOなどで売られている330円程度のDAC(AB13X)ではホワイトノイズが聴こえることが多いのでちゃんと設計してあることがわかります。
音量レンジ 「◎」
Windowsの場合は適正音量は0~15/100程度でかなり大きな音量が出せますが、小さい音量の微調整ができません。
一方でAndroidの場合の適正音量は0~70/100程度で、10以下では寝フォンにも使える絶妙な音量調整ができます。
寝ホン 「◎」
形状から寝フォンに向きそうと勘違いしそうですがいわゆるintimeの碧シリーズと同じで、finalのEシリーズやQuarksを太くした形状で、かつそれらと比べてもほぼ長さは同じなので音像が乱れやすく寝フォンにはあまり向きません。ただ、音色に刺激が少ないので就寝前に静かにメロディを聴きたいという場合などにはピッタリですし、内側にベントがあるタイプなので軸が短めのイヤーピースを選定すればある程度は使えます。
外使い(音漏れ、遮音性、タッチノイズ) 「△」
指でステム側を抑えて遮音してみましたが一般的なレベルです。密閉度が高そうに見えるのですが前方にベントが空いているタイプのためそこそこは音漏れします。また、遮音性も同じであまり高くはありません。
また、ケーブルに触れたときのタッチノイズは大きく、その点の使い勝手は良くありません。
電池持ち 「◎ 0.1W以下」
USBCタイプなので電池の減り具合が心配でしたがXperia10ivで30分ほど音楽を聴いても2%ほどしか減らなかったのでほぼ電池への影響は無さそうです。長時間聴いても発熱も無く、普通に使えました。
USBテスター*1で最大音量にして消費電流と電力を測ってみましたが時折0.1Wになりますがほぼ0Wとなり測定値限界(0.02A, 0.1W)以下でした。DAISOの330円DACであるAB13Xはどのような音量でも0W状態なのでAB13Xと比べると消費電力は大きいかと思いますが、スマートフォン全体の待受時間と比較すれば誤差の範囲で、実用の範囲内だと思われます。
音質以外の総評(付属品、ビルドクオリティ等) 「◎」
USBCのDACが330円で買える時代ではあるのですが、ホワイトノイズも無く、音量も適正でコストアップがありません。全般的に音以外のクオリティについては18$としては圧倒的なレベルに達していると思います。日本での販売価格はやや高めの3100円ですがそれでもかなり良いと言えると思います。
音質について
ZEROについては3回目ということもあり、違いを中心に簡単に書きたいと思います。
ファーストインプレッション
「横の音場が広大」そして「低音が深く、音像がやや近い」という感想です。無印ZERO(マイク無し)の時に感じた横の音が狭くるしく鳴るという感覚が全くありません。
競合機種との比較について
価格などから水月雨moondrop 竹CHU、Quarks DSP、TANCHJIM ZERO(マイク無し)、ZERO iSがライバルになるかと思います。残念ながらQuarks DSPは持ち合わせていません。
エージング(バーンイン)
箱出しから1時間ほど使って、その後5時間ほど使いましたのであまりエージングはしていません。この間での変化はあまり感じませんでした。
試聴環境
GV301Q、Xperia10ivを主体に聴きました。また、標準のイヤーピースも使えましたが他のレビューとの公平性の観点からSpiralDot++を使っています。
帯域バランス 「低域重視」
3.5mmプラグのZEROと異なりかなり低域の量感が強くなっています。
イヤーピースの密閉具合を上手く下げればやや低音が強い程度まで抑える事もできます。この場合はほぼフラットと言って良いかと思います。
音色(寒暖、明暗、響き、粘度、厚み) 「◎」
3.5mmプラグのZEROと同じ傾向です。内蔵のDSPとアンプで鳴らす状態と自分の使用していたアンプとの差があり、やや異なる印象ではあるのですがその点を踏まえるとほぼ同じです。尚、細かく言えば全体の音の傾向として低音がはっきりしたことでやや中低域が逆にスッキリした印象があります。
音場(広狭、重心、遠近) 「◎」
3.5mmプラグのZEROと大きく異なるのがこの音場表現です。まず、横(水平音場)は一般的なイヤホンより広く、公式の謳い文句通りです。また、音像がやや近く、ボーカルなどの音色に迫力があります。
定位、音像 「◎」
3.5mmプラグのZEROと異なり、全体のバランスが良く聞き取りづらいと感じた曲ありません。広がった横の広い音場に音像が上手く浮かび上がるように描写されるます。この価格帯では見事の一言です。DSPの力を借りているとはいえこの価格帯でこの音色を出してしまうと他のオーディオ機材が売れるのか心配になります。
解像度、分離 「〇」
DSPなので強い上流に繋いで解像度を上げるということができませんが、価格帯としては十分な解像度です。分離についても一般的です。一方で前後の立体感は優秀なのでそこを頼りにすれば分離も悪くなく、総じて概ね良いです。
低域の質について 「◎」
低音の質についてはこの価格帯を考えれば驚くほど十分な量感と音色です。スピード感やアタック感は価格なりですが、サブベース近辺の重低音の量感が圧倒的です。また中低域の量感は一般的でメリハリがあってリリースがダレないためかスッキリとした印象があります。元々粗さや雑味みたいなものをそぎ落とした無駄の無い音色で、ゲームやDTMの様な打ち込みの音源ではより相性が良い様に思います。
中域の質について 「〇」
概ね3.5mmプラグのZEROと同じですが、やや音像が近く迫力があります。元々あった滑らかで淡白な音色は残っているのですが、一歩手前に表現するようになったことでよりニュートラルな音色になりました。強いて言えば男性ボーカルなどよりも女性ボーカルものの方が前に来るので若干得意で量感はあるように思います。いずれにしても帯域バランスの改善によりボーカルや特定の楽器だけが目立つ様なことが無くなり全体の表現としても良く纏まるようになったと思います。
高域の質について 「◎」
高域は音色の品質は概ね3.5mmプラグのZEROと同じですが、音像の位置と定位の正確さは大きく向上しています。元々音色が良いだけでも素晴らしい表現だったのですが、横の音場が大きく拡張されたことで高域を含む楽器の位置関係が明瞭にわかるようになりました。
また、女性ボーカルの高域の歯擦音などはほぼ刺さりません。勿論ZERO同様にチャイムや弦楽器、シンバルなどこの辺りの楽器の高音の響きは自然な音色です。ピアノや弦楽器、チャイムなどでイヤホンで感じやすい雑味のある付帯音が少なく、優しい音色にしてくれます。
SPL周波数特性測定とか
音量自体は意味がないのですが、一応MAC側では音量は最大にして測定しました。
ZERO is、ZEROとの比較
1KHzで正規化をしていますが、違いとしては100Hzの低域を境にしたサブベースが強い事、中低域が弱い事、高域の6~9KHz、15~18KHzが弱くなっている点でしょうか。
個体差検証
ZERO DSP は2本購入したので個体差を測ってみました。
概ね同じですので、やはりZERO, ZERO iSとのチューニング差は意図的なものだと思われます。
相性について
ジャンルの得意不得意
ZEROiS以上に音場が広くなったことに加えて、低域が強くなりバランスが取れたことでより幅広いジャンルに対応できるようになったと思います。
刺激が少なく耐久性も上がったことから、寝フォンや、勉強しながら、家事をしながらなど、他事に集中することがある時などの「ながら聞き」などにも良いかと思います。
アンプ(上流)による印象の違いについて
M17、Xperia10iv、GV301を比べて使いましたが、Windowsでは音量が大きくかなり使いづらい印象です。ざっと聴いた限りDACおよびアンプ内蔵なこともあり、アナログアンプを付け替える上流の変化よりはあまり大きな違いは無いように思いました。
イヤーピースによる印象の違いについて
標準の細ノズル 「△」
SpiralDot++と比べると密閉が弱いためかサブベース帯域の量感が如実に減ってしまいます。また音の前後の立体感が薄くなりやや平面的な音色になります。横や上下の音場も少し狭くなってしまうため、可能であれば交換する方がよりZERO DSPの力を発揮できるように思います。
JVC SpiralDot++(音場、高域、低域重視) 「◎」
今回のインプレでのデフォルトイヤーピース
Spinfit CP100+ 「◎」
横(水平)の音場がやや狭くなり音像が中央に寄ってしまうのですが、前後の音の立体感が上手いです。大きく変わるのは低音の量感で、深く重い低音はやや控えめになり、その他の帯域はほぼ変化ありません。全体としてはサウンドバランスはニュートラルな方向にチューニングされる印象で音色の統一感としてはSpiralDot++よりあります。
TRN TIps T-EAR(超高域重視) 「〇」
装着感が良く、音場を少し犠牲にする代わりに低コストなイヤホンの高域特性を改善してくれる傾向のあるT-EARですが、装着感以外ではあまり特筆すべき良質な変化はありません。音場はやはり少し狭くなった上で低域はややスピード感が落ち、中域はやや丸いソフトな音色になります。高域はやや量感が増えて目立つ様になるのですが、音色自体はそこまで大きな変化ではありません。T-EARはもともと高域の表現が上手いイヤホンではあまり効果が無いことが多いのですがZERO DSPでもその傾向はあるかもしれません。
Spinfit W1(中域、低域、解像度重視) 「△〜○」
SpiralDot++と比べると横と上下の音場は狭くなるのですが、T-EARやCP100+よりは広く大きなデメリットとは感じません。音像重心が一歩前方にくるためより迫力が増すように思います。低音の深さはSpiralDot++に比べて少なくなるのですが、ベース帯域はメリハリが出てきます。サブベースとベース帯域の表現の緩急が少ないと言ったら良いでしょうか。
全体として音が艶やかでシャキシャキした傾向はでており悪くない一方で高域はやや不自然な鳴り方になり、ZEROの良さを殺している印象があって個人的に好きになれません。
全体としてはイヤホンと同じ値段に近い価格のイヤーピースということを考えると渋い評価になります。
SednaEarfit Max(ボーカル重視、低刺激)「△〜○」
音場はSpiralDot++までは行きませんが左右上下に広いです。中域の質感の細やかさや、量感、太さが増すのでSpiralDot++よりボーカル等の音が目立つ傾向はありますが、音色がすこし乾いてモソモソした(?)印象があります。
全体としてボーカルに焦点を当てたい場合は良い相性だと感じます。ただ、全体としてはイヤホンと同じ値段に近い価格のイヤーピースということを考えると渋い評価になります。
final TypeE soft(ボーカル艶重視)「○〜◎」
finalストアでイヤピガチャを引くか、final製品(Study1かVR1000か糸竹管弦)を購入することでしか手に入らないTypeE softですが、入手性も上がってきていますしこの円筒タイプのイヤホンであれば装着できるので試してみました。
このイヤーピースは基本的には普通のTypeEと同じではあるのですが、普通のTypeEよりも低音が控えめでやや音場が広めで中域のボーカルなどに艶が乗るボーカル重視イヤーピースです。
低音は少し量感が減って質感が悪くなった印象はあるのですが、中域のボーカルの艶がのり、ボーカルが半歩前に来てくれます。音場はSpiralDot++から比べると狭くなってしまうのですが、前後の表現のおかげで中央に密度のある音像空間ができます。若干分離の悪さや定位の甘さは気になるのですが個人的にはバランスが取れているので好きな表現です。
イヤピガチャであれば自分のフィットするサイズを5セット1000円で購入できるのでコスパ的には良いの「◎」にしていますが、イヤホンを抱き合わせで買うと2~3000円かかってしまうのでその場合はEarfitMaxと同じ価格なので「〇」程度だと思います。
Moondrop水月雨 清泉(ボーカル重視、刺さり防止)「〇」
もともと刺さらないイヤホンであることもあるのか、ボーカルはやや際立つぐらいのイメージです。左右の音場はSpiralDot++から狭くなってしまうのですが音色に不思議な透明感と抜け感があります。音の厚みは減ってしまいますし、全体のバランスもややカマボコになってしまうのですが、ZEROの元々の音色と合っているのか一番自然な音色だと思います。
また、個人的にボーカルが得意なイヤーピースの中では一番好きな音色です。
まとめ
結論としてイヤーピースで音が変わりやすいイヤホンですが、値段を考えれば標準のイヤーピースも悪くありません。
個人的にはSpiralDot++の深い低音と広大な音場が気に入りました。ステムの径が合っており装着しやすいことも好印象です。
音質の総評、所感
ZERO iSも無印ZEROの弱点が改善された上位互換でしたが、ZERO DSPはケーブルのアップグレードとDSPにより、価格帯でもトップクラスの音質になりました。
個人の主観的な好みで言えば85点、私が客観的だと思う好みの点数としては77±5点です。価格帯と音のレアリティ、付属品等ユーザビリティを考慮した総合的なランクはTierは1としました。
DSP版なので単純な比較は難しいのですが竹CHUとほぼ同じ点数です。前回ZEROiSのレビューにて個人的にZERO iSも良い音のイヤホンではあるけれども好みとしてはやはり竹CHUの音色の方好きと書いたのですが、今回のZERO DSPではUSB-Cの為正確な比較はできませんが、下手なアンプであれば竹CHUを超えていると感じます。そして個人的に竹CHU同様に5000円以下のイヤホン(デフォルト構成)で数少ない長時間のリスニングにも耐えられる品質だと感じています。
プラグが異なるので竹CHUとの比較は難しいのですが、竹CHUのConsとしては
・ハリがあって癖が強いケーブル
・イヤホン筐体が重い
・デフォルトイヤーピースのサイズ展開が少ない
で、概ね使い勝手の面です。このあたりははっきりとZERO DSPが優位ですが、Moondrop では竹CHUのDSP版との噂の「菊JIU」や、2PIN版なども計画されているようなので今後もチェックしていきたいですね。
ということで、ZEROの購入を検討されている方は3.5mmジャック用のイヤホンが必須であればマイクが不要でもマイク有のZEROiSを購入されることをオススメしますし、USB-Cと3.5mmジャックのどちらでもよい場合は価格とケーブルの品質、耐久性の高さからUSB-C版のZERO DSPを強くオススメします。
上手く行けば、2本目のZERO DSPは「4.4mmDAC」と「4.4mmバランス版ZERO」に変わるはずです。更新がなければ失敗したと思っていてください(笑)。
Appendix
購入リンク
*1:YOJOCK YJ-UT03
*2:
〇測定環境
ハードウェア:Apple Macbook pro 15 Late2013 BigSur11.6.4
ソフトウェア:REW V5.20.13
INPUT:MOTU M2 IN1 XLR (VXLR+)192KHz24bit
OUTPUT:USB2.0A to C変換 → ZERO DSP
カプラ:IEC711クローン 刻印( IEC60318-4 Type E610A)※100〜10KHz用
イヤーピース:Final TypeE Black Mサイズ
〇測定パラメータ
入出力バッファ512K、Acoustic Reference
出力音圧レベル:−12dB
Length:2M(10.9sec) 、192kHz、0〜20,000Hz