こんにちは
今日はTANCHIJIM ZEROのMMCX化とその音色についての雑記です。
- 注意 リケーブルについて
- 注意 改造について
- 前回の記事
- TANCHIJIM ZEROのインプレ、レビュー
- TANCHIJIM ZEROのMMCX化の動機
- TANCHIJIM ZEROのMMCX化
- TANCHIJIM ZERO + Arc CTU-01の音
- TANCHIJIM ZERO + SpaceCloudの音
- TANCHIJIM ZERO + TANCHIJIM ZEROケーブル音
- JVC FW10000 + TANCHIJIM ZEROケーブル音
注意 リケーブルについて
今回の記事はリケーブルの音色に言及した内容を多く含みます。しかしケーブルについては低品質なものを除くと科学的に見れば音質の変化に対する決定的な証拠はありません。このため貼り付け物などと同じでリケーブルはオカルト的な要素を過分に含みます。幸いながら私はイヤホンではケーブルによる音質の変化を強く感じられるのですが、個人差がありますので万人におすすめするものではありません。気になる方はまた明日お会いできれば幸いです。
注意 改造について
今回の記事はイヤホンの筐体を改造する行為を含んだ内容を含みます。イヤホンを改造する行為を良しとしない方はまた明日、お会いできれば幸いです。
前回の記事
TANCHIJIM ZEROのインプレ、レビュー
TANCHIJIM ZEROのMMCX化の動機
当然ながら動機があるわけなのですが、それはZEROのケーブルの品質の悪さが気になったからです。ZEROの横の音場が狭いことに対して様々ななデータ的な検証をしたのですが、一番気になったのは左右の音が混じるクロストークでした。クロストークは複数人、複数本で確認しており、竹CHUやE500などの価格帯のイヤホンでは共通である不具合の様な仕様です。
クロストークとはなにかというと簡単に言えば右CHに出した音が左CHからも聴こえるということです。もっと言えば右と左の音が混じって聴こえるということです。
実際にZEROの右だけに雑音を流して左だけイヤホンを装着して聴くと、普通の音量でも小さく雑音が聴こえ、音量を上げると顕著に聴こえます。
海外ではTANCHIJIMのZEROは15$で売られており、セールでは10$ぐらいになります。この価格のイヤホンのケーブルとしては致し方無いのですが、音に関して考えると竹CHUの様にリケーブルしてやるともう少し良い音になる可能性があるのではないかと考えました。
具体的に言えば横にせまっ苦しい音場が改善されることを期待したからです。
TANCHIJIM ZEROのMMCX化
まぁ基本的には竹CHUの2pin化と同じ手順です。
本体の裏側のZEROかマークが書いてる蓋は本体に嵌めてあるだけなのでこじ開けてケーブルを切って、MMCXメスコネクタにつなげます。
次に筐体をMMCXコネクタに力が掛ってもドライバケーブルに力がいかないように固定部分がはまるように本体を加工します。
ちなみにコネクタの前方に0.5mm程度のベント(空気穴)がありますので注意ください。上の写真もかなりギリギリに加工しています。尚、自分は音が聴きたかっただけなのとどうせ周囲はレジンで固めるつもりだったのでニッパで適当に加工しています。
気になる方はデザインナイフややすりなどを使って綺麗に仕上げた方が良いかと思います。
折角なので切ったZEROの元のケーブルはMMCXのオスプラグを付けました。そして、できあがりがこちらですね。写真はNICEHCKのspacecloudを付けています。
ページの最初に貼っている写真はOH2に付属してくるケーブルですね。
ちなみに確認したところテスターで測ってもZEROの標準ケーブルは片道で0.7Ω程度ありました。ドライバの前後で抵抗値を測ると約30Ωでスペックの32Ωはケーブルとプラグを合わせた合成抵抗になっています。
ちなみにspacecloud等はは0.2Ω程度なのでMMCX化などで標準ケーブルを取り除くと普通に音量が上がります。もちろんクロストークも無くなります。
ということで幾つかリケーブルを試してみました。
TANCHIJIM ZERO + Arc CTU-01の音
私はこのケーブルが付属するOH2との組み合わせはイマイチ好きになれませんでしたがケーブルとしてはボーカルが際立つケーブルなのでZEROとの相性が良さそうだと思ってMMCXプラグを選定したといっても過言ではありません。
結果ですがかなり良い方向の変化がありました。気になっていた横の音場は大きく広がった上に前後の音の立体感も上々でとても15$のイヤホンではないと断言できる音色になりました。音や艶やかつ上品なのでかなり好みですね。
イマイチな点としてはやや歯擦音などが刺さりやすいことでしょうか。標準ケーブルであれば刺さることがほぼ無かったので音の傾向はかなり変わったと言って良いかと思います。
TANCHIJIM ZERO + SpaceCloudの音
さぞかし音場が広がってくれるだろうと期待していたのですがArc CTU-01と大差ない変化でした。音場は広がるのですがやや音が乾き寒色に寄る傾向があるのでZEROとの相性はイマイチだなと感じました。
TANCHIJIM ZERO + TANCHIJIM ZEROケーブル音
ほぼ同じ音色ではあるのですが、やはり横の音場は狭くその分前後の音の広がりが際立つ音の鳴り方です。前後を重視するならば良いのですが横の狭さは気になります。尚、元のZEROがなくなってしまったので比較できないのですがMMCX化の悪影響を懸念しましたが、気にならない程度だと感じました。
JVC FW10000 + TANCHIJIM ZEROケーブル音
とうことでケーブルが音場を狭くしていたのだろうという仮設が出たのでこのケーブルを音場が広いFW10000に装着して音を聴いてみました。
結論として驚くほどに横と上下が狭くなりました。音の立体感は前後に出てくれるのでこれはこれで悪くないなと感じさせるのはさすがのFW10000です。
糸竹管弦など他の音場が広いイヤホンにもつけてみたのですが聴感上のZEROの狭さはケーブルによるものと考えてまず間違いなさそうです。ZEROのケーブルは音場が狭いケーブルとしてオリジナリティがあるように思います。個人的にZEROの良さはこのケーブルに詰まっているのではないかと考えてしまうところですね。
何も解決はしていないのですがZEROの音場の狭さ、音場の独特さがどこからきているのかがはっきりしたのは良かったです。
今日はこのぐらいにしておこうと思います。ではまた明日。